呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

商社マンOBが中国をふり返る ~本音の中国を語ろうその9

私「中国が漢字を作った。中国が色々な単語を作った。なのに日本が漢字の語彙を考案して中国に教えた、と言う事ですか?

それは知らないですね。大多数の日本人は知らないでしょう?」

M「そうだね。この事実は余り知られていない。例えば今の国名“中華人民共和国”この名前で日本が考案した語彙は人民共和国。昔の中国には中華という概念は有ったが人民、共和、国と言う概念は無し。故に日本が明治時代、高名な学者、福沢諭吉、西周、中江兆民、森有礼などが西欧の辞書、学術書などを読んで新しい,相応しい言葉を発明して中国に紹介したんだ。非常に多数有る。外交、安全、環境、労働、衛生、法律、規則、哲学、戦争など非常に多い。さて、話が逸れたが食品の東京から来た後任の人は広州赴任なのに、郭沫若を知らない。」

 

私「え!、その人の名、私も知りませんよ!誰ですか?」

M「君は長い間欧米の仕事していたから知らないだろうが、今後良く勉強して欲しい。この人は黄埔軍官学校の文化部長で元々作家でね、日本にも留学した。日本人女性を娶り、千葉に居を構えた。中国の危機的情勢を見て救国の念止み難しで帰国し八路軍に身を投じた。後年文革で失脚、不遇の内に生涯を終えた。黄埔軍官学校と言うのも君は当然知らないよな。この学校は戦前中国を侵略した日本をやっつける為国共合作の一環として広東の黄埔と言う場所に設立された。校長はあの蒋介石、政治主任は周恩来、文化部長は先ほどの郭沫若、他ベトナムを建国したホーチミンも胡志明と言う名前で幹部であった。20世紀のアジアのリーダーが若い時一同に会して抗日の為の学校を作った。

 

 さて、話を戻すと、この後任は中国人スタッフとの宴会で偶々広東の歴史の話になって、中国人があれこれ話すのを、詳しく質問して“その人誰?”とか“それは何”とか極めて初歩的な質問をして、文化水準を疑わせる人と烙印を押されてしまった。と、なると帰国する人が去るので、残された中国人スタッフは後任の文化水準が劣る人の下で仕事するのは面白くない、と言う事で一度に全部、4名かな、一斉に辞めてしまった。現場の食品部隊は一時的に大混乱に陥ったが、この様に上に立つ人の人格、成りが問われているので君もとにかく前言った中国語を勉強するが良い。中国人は君が漢語を習ってるのを知ると喜ぶ。中国を理解しようとしている、と言う事を見るんだね」

 

私「よく,分かりました。他気づかれた面有りますか?」

M「現地赴任したら、当たり前なんだが、現地を好きになる事。中国というより広東、広州を好きになる事。山東省の合弁会社に勤務していた頃、日本側パートナーの電機メーカーから派遣された財務経理の若い人、と言っても35以上だった様に記憶するが、この人は中国嫌いでよく私の処に来ては中国のどこの公司が何をどうした、担当者の話がどうのこうの、と茶化す様な、バカにした様な言い方を中国人の前でする。本人は日本語を話しているので大丈夫と思っている様だが、中国人は悪口は敏感に反応する。私は別室に呼び注意したが、その時はしばらく止んだが、暫くするとぶちかえし。電機メーカー出身の総経理に私は“彼は中国になじまないので帰国させては如何?”と進言。彼も問題視していたので、その内暫くして彼は帰国させられる羽目になった。こんな人は何処に行ってもアカン!でしょうね。だから君は広東、広州を徹底的に好きになって欲しいね」

 

Mさんは時間が遅くなったので「今日はこの辺りでーー」と言う事で取り敢えずはお開きとなった。話の内容があちこちに飛んだが、殆どが自分の知らない事ばかりであったが、新鮮でもあった。隣の国、日本に文化、文明、政治、風俗、生活など大きな影響を及ぼした国ではあるが、その内側は殆ど知られていない。この理由はなんであろう?と考えるが、人々の往来が少ない事が大きいのでは、と思う。今から45年前の国交樹立の時は中国に対し甘いムードがあった。戦争で多大な迷惑を与えたと言う贖罪ムードも手伝い、中国を助けたい、と言う好意的なムードが有った。しかし昨今は訪中する人が大幅に減少している。却って来日する中国人が激増している。その中国人旅行者の態度にも厳しい眼が向けられている。しかし日本人も40年前から海外旅行が増えて来ると欧米で無礼な態度をとって現地の良識ある人を不愉快にさせたものである。もっと寛容になるべきと思うがーー。

 

 さて次の話を聞くのは明後日の夜となった。どの様な話が聞けるのか楽しみである。自分も歴史、友好、広東の仕事などを尋ねてみようと思っている。

 

続く


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