2019-04-09

AIの指示で手術する時代の前触れか?中国で初のAI+5Gの手術が成功

 すごい時代が来たものです。なんとつい先日中国で初のAI+5Gの心臓手術が行われたそうな。このAI+5Gの心臓手術、どういう手術かというと高州市人民医院の手術室で手術するのですが、400キロ離れた場所にある広東省人民医院において5Gを通して送られてきた画面を見た医師が、高州市人民医院の手術室にいる手術医に対して遠隔で指示しながら手術を行うというものです。通信のタイムラグは30マイクロ秒以下、1マイクロ秒は100万分の1秒のことですが、要するにタイムラグがほぼないということです。ここまでは5Gの話。ではAIは?AIの出番もちゃんとあります。

 この手術において、病院は自主開発したAIを活用した全自動のノイズ除去・モデリングソフトで、従来であればできあがるまで2-6時間必要だった心臓模型をわずか2分以内で、しかも実物大のものを作り出したのです。この模型の効用としては、まず手術の事前準備にあたり参考にすることができるということ、もうひとつは、実際の手術に際して遠隔指示を出している医師がVRやMRの技術を通じて、送られてきたリアルタイムの映像と心臓模型を照らし合わせて、より具体的且つ正確な指示を出すことができるという点です。

 最初にこの記事を見たときに、純粋にAIの指示に基づいて手術医が手術を進めていくのかと思ったので、すごい時代が来たなあと思ったのですが、さすがにそこまでのものではありませんでした。しかし、ドクターXや医龍といったドクタードラマの中で見かけた心臓模型を、相当正確なものをわずか2分で作れるというのは、救急患者向けに手術しないといけないような場合には非常に有効な技術といえるでしょう。

 この分野の技術進化のスピードは私の想像を超える水準にあるでしょうし、最初にイメージしたAIの指示のもとで手術そのものまで行ってしまうような時代がそのうち来てしまうかもしれないですね。そうなると手術医は知識はもちろん大事なのですが、AIの指示に基づいて動かせる器用な手先を持つ方がより重要になってきそうに思えます。ドクタードラマの手術シーンを見ていると自分でも手術できるんじゃないかなんて思ったりしてしまいますが、AIの指示をちゃんと理解できて、手先が器用であれば本当にできてしまうかもしれませ。。とはいうものの、さすがに手先が器用なだけで知識面で欠落している医師というわけにはいかないか。でも、AIが手術医を動かす、そんな時代もそのうちやってきそうですね。

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