Author: 呉明憲

11月の外資実際使用金額が9.76%のマイナス

 商務部より11月の外資実際使用金額は87.57億米ドルというデータが発表されました。前年比9.76%のマイナス、1-11月の累計では1,037.69億米ドルで、前年比13.15%の増加となってます。

 1-11月の累計でみていきますとサービス業によるものが487.68億米ドルと最も大きく、前年比13.15%の伸びを示しています。サービス業の中身ですが、放送映画テレビ業、社会福利保障業、旅行業、パイプライン運輸業、航空運輸業、市内公共交通業等の業界の外資実際利用金額が大きいという結果が出ています(直訳のためわかりにくいところがあるのはご容赦ください)。製造業は473.15億米ドルで、これは前年比7.56%ながら、サービス業の伸びが大きく、サービス業が製造業を上回るという結果が出ています。

 

 国別でみていきましょう。これも1-11月の累計です。ちなみにアジアとは香港・マカオ・台湾・日本・フィリピン・タイ・マレーシア・シンガポール・インドネシア・韓国のことをいいます。 

 

 

  外資実際利用額(億米ドル)  前年比 
アジア  895.85 +17.98%
アメリカ  27.39 ▲23.05%
EU 59.82 +0.29%

 

 

 地理的にアジアが多いのはわかるのですが、アメリカの落ち込みが目立ちます。中国に投資すればいいというものではありませんが、落ち込み幅が大きいですねえ。最近の状況を見るとEUなんかは今後かなり落ち込んでいきそうですね。 

 

 次に投資先エリアですが、次のような感じです。 

 

 

  外資実際利用額(億米ドル) 前年比
中部地区 70.66 +27.63%
西部地区 77.09 +14.76
東部地区 889.95 +12.01

 

 

 なんだかんだいってやっぱり投資先は東部地区が圧倒的に多いですね。ただし、伸び率でいえば中部地区や西部地区のほうが大きです。東部地区はそこそこ飽和していることもあるでしょうから、今後も金額は東部地区、伸び率は中部・西部地区が大きいというような傾向が続いていくでしょう。

 

 ただし、1-11月の累計で13.15%も伸びていながら11月の単月で9.76%もマイナスとなっているのは気になりますね。今の欧米の状況を見る限りではマイナスとなる月が今後も現れてきそうですね。

VANCLに何が起こっているのか

 アパレル系B2CネットショッピングサイトのVANCL、以前か紹介したことがあります(右側の検索欄にVANCLと入力して検索してみてください)。私も商品を購入したことがありますが、タオパオC2Cで購入するのと違ってとても丁寧に梱包された商品が届けられるのが印象的でした。かなりの勢いで伸びているのかと思いきや、どうもそうでもなくなってきているようです。

 

 2010年の売上高が20億元、実態は17-18億元とも言われてますが、まあ誤差の範囲ということにしましょう。そして、2011年の目標が100億元、5倍ですね。大きく打ち出したものの、今年の着地は35億元あたりになりそうだというのがもっぱらの見方です。これが32億元という見方もありますが、いずれにしても100億元との乖離はかなり激しいです。売上高もそうですが、コスト負担も大きいことが指摘されていません。以前一着当たりの広告費が10元というのを紹介したことがありますが、広告費のコストはかなり大きいようです。とある広告代理店が計算したところによると、11月26日までのテレビ広告費用が6101万元、10月末までの新聞広告が146万元、10月末までの雑誌広告が1510万元、12月6日までのネット広告が1.26億元、このほか屋外広告は全体の3割を占めているとのことです。これらを合計するとざっと3億元程度になります。そもそもVANCLの広告費は同業対比でもかなり多いようで、当当網は営業収入の3.6%に過ぎないのに対してVANCLはなんと10%ほどもあります。これはあくまで広告コストだけの話ですので、その他のコストもろもろを勘案すると、35億元の売り上げということであれば7億元ほどの赤字になると言われています。ファンドによる資金も入っているので当面は問題ないのでしょうが、これだけの知名度を誇る会社のネガティブ情報はちょっと寂しい限りです。 

 11月5日にアメリカで上場申請を提出したものの、結局は上場計画を延期したこと、3月に5%もの人員削減を行っていること、11月末に副総裁が離職していますが、この人を代表格に少なからずの古参メンバーも離れて行っていること、とにかくあまりいい話が聞こえてきません。あっ、そうそう、アパレルだけだったのが取扱商品を広げ過ぎているのも問題だとも言われていますね。 でもとりあえず安かったのでトランクを一つ買ってしまいました!

投資性公司の人民元所得による再投資

 2011年12月8日付で《商務部 外貨管理局:一段と外商投資性公司の関連措置を完備することに関する通知》(商資函[2011]1078号)が公布され、同日より施行されることになりました。いかに主なポイントを紹介します。 

  

1.外商投資性公司の国内貸出の使用制限 

原文を直訳すると「国内貸出」となりますが、ここでは外商投資性公司が国内から借入れた資金で国内再投資を行うことができないという意味になります。  

 

2.国内所得による再投資 

外商投資性公司は中国国内で取得した人民元利益、投資先行回収、清算、持分譲渡、減資による人民元合法所得で、所在地外貨管理局の認可を経たのちに、直接国内投資に用いることが可能となります。また、外国投資者もその上述の合法所得を投資性公司の登録資本に出資(または増資)後に国内投資を展開することができるようになります。 

 

2011年3月29日付で《国家外貨管理局資本項目管理司:外商投資性公司の再投資に関係する験資確認関連問題の操作手引きに関する通知》(匯資函[2011]7号)が公布されており、その通達の中では、次のことが要求されていました。(2011年7月20日付記事参照)

(1)  投資性公司が国内から得た所得を活用して国内投資する場合、国外投資者が取得した人民元利益を以って投資性公司に対して増資すること

(2)  投資性公司は国内企業に再投資するに当たり、国内の合法所得を増資に振り当てたのちに再投資こと(増資は当然出資者が行う行為である)

 つまり、投資性公司が国内から取得した合法所得で国内投資を行うにあたり、まずは自らの増資を出資者に対して引き受けてもらう必要がありましたが、今般の通達によりその必要がなくなりました。そもそも3月29日付で公布された通達が投資性公司にとって非常に使い勝手が悪いものであり、投資性公司の活用を停滞させるような内容であったことから、今般の通達は至極もっともな内容といえます。

 

商務部 外貨管理局:一段と外商投資性公司の関連措置を完備することに関する通知

商資函[2011]1078号

 

各省、自治区、直轄市、計画単列市、新疆生産建設兵団及びハルピン、長春、瀋陽、済南、南京、杭州、広州、武漢、成都、西安商務主管部門,各国家級経済技術開発区、辺境経済合作区;国家外貨管理局各省、自治区、直轄市分局、外貨管理部,深圳、大連、青島、厦門、寧波市分局:

 

 外商投資性公司の審査批准と外貨管理を規範化し、外商投資性公司の一段の発展を押し進めるため、ここに関連事項を以下の通り通知する。

 

 一、各級商務主管部門は外商投資性公司の審査批准統計情報に対する審査管理を強化しなければならない。批准設立する外商投資性公司について、《外商投資企業基礎情報表》の中で“投資性公司”と注記しそして商務部外商投資企業審査批准管理システムに登録する必要がある。その他の各類型の企業は全て“投資性公司”または“投資控股”等の類似名称を注記してはならない。上述内容は外商投資企業の連合年度検査の重点検査事項とする。

 

 二、外商投資性公司の国内貸出は国内再投資に使用してはならない。

 

 三、外商投資性公司はそれが中国国内で獲得した人民元利益、投資先行回収、清算、持分譲渡、減資による人民元合法所得で、所在地外貨管理局の認可を経たのちに、直接国内投資に用いることができる。外国投資者もその上述の合法所得を投資性公司の登録資本に出資(または増資)後に国内投資を展開することができる。外商投資性公司が国内投資認可手続きを申請するにあたり、外貨管理部門に以下の資料を提出しなければならない。

 

 (一)書面申請;

 (二)外商投資企業外貨登記ICカード;

 (三)商務主管部門の外商投資性公司の国内投資に関する批准文書;

 (四)人民元資金の出所証明資料;外商投資企業の外国投資者が獲得利益、投資先行回收、清算、持分譲渡、減資所得による国内再投資(増資)業務に当たり提出する文書を参照すること;

 (五)直近一期の験資報告と財務監査報告(相応する外貨收支情况表の審査報告を添付)。

 

 上述の資料は所在地外貨管理局の審査で誤りがないことを経てそして認可文書を発行後、外商投資性公司は相応する人民元資金を直接投資先企業に振替える、または先に外商投資性公司に振替えしさらに投資先企業に振替えすることができる。

 

 投資先企業の所在地外貨管理局は会計士事務所の業務連絡書簡及び験資照会証申請(流入類)、《外国投資者出資情况照会証書簡》、外商投資性公司所在地外貨管理局が発行する上述の国内投資認可文書コピー等の資料に基づいて、投資先企業のために相応する験資照会証登記手続きを行い、そして認可文書原本上に既に験資した金額と日時を注記しなければならない。

 

 各級商務、外貨主管部門は執行中に問題を発見した場合、速やかに商務部(外資司)、外貨管理局(資本項目司)に連絡し、関連状況を通報願いたい。

 

                                  商務部

                                  外貨管理局

                              二〇一一年十二月八日

 

増値税改革に伴う一般納税人資格認定申請

 2011年12月2日付で増値税改革に伴い《国家税務総局:上海市の営業税を増値税に改定徴収する試点の増値税一般纳税人資格認定関連事項に関する公告》(国家税務総局公告2011年第65号)という上海市における一般納税人資格認定に関する通達が公布されており、2012年1月1日より施行されます。今回はこれについて紹介します。

 

1.認定基準

試点納税人は課税サービスの年間売り上げが500万元超の場合、一般納税人資格認定を受ける必要があります。

課税サービス年間売上とは、試点納税人が連続12か月を超えない経営期間内に、提供する交通運輸業と現代サービス業のサービスの累計販売額を指し、免税・現在販売額を含みます。

 

2.既に一般納税人を有している場合

既に一般納税人資格を有している課税サービスを兼営している納税者は改めて申請を行う必要はありません。

 

3.売上高500万元未満の納税者

課税サービス年間販売額が500万元を超えない、及び新たに開業する試点納税者は、以下の条件に同時にあてはまる場合、主管税務機関に一般納税人資格を申請することができます。以及新开业的试点纳税人,可以向主管税务机关申请一般纳税人资格认定。

  (1)固定の生産経営場所を有すること

  (2)国家統一の会計制度の規定に従って帳簿を設置することができ、合法、有効な証憑に基づいて計算することができ、正確な税務資料を提供することができること。

 

4.指導期管理

試点納税者は一般納税人資格を取得したのち、増値税脱税、税額還付詐取及び増値税控除証憑虚偽発行等の行為が発生した場合、主管税務機関は少なくとも6か月の納税指導機関りを実行することができます。

芸妓さんの中国語学習

 中国人の観光客をどうやって取り込んでいくかについて考えている地方はたくさんあります。そもそも人気がある北海道あたりは別格として、日本人でもなかなか行ったことのないようなところであれば当然中国人を含む外国人が行くことはおのずと少なくなり、その分知恵を凝らす必要が出てきます。しかしながら、旅行社の方からお話を伺ったことがあるのですが、来てほしいという割には受け入れ態勢が整っていないところも多いといいます。日本語がわからない外国人向けの案内表示がない、外国人対応できる人がいない、こういう状況だと外国人観光客の受け入れは難しいでしょう。まあ、日本の場合流暢とは言えないまでも英語をある程度離す人がいるので、そういった人たちが英語を話せる人をなんとか応対できるにしても、観光の新興勢力である中国人だとそれも限界があるでしょう。こういった状況の中で、面白い取り組みが紹介されています。

 福井県観光連盟があらわ市の芦原温泉芸妓組合の芸妓さんに中国語接待研修会なるものを開催し、約10名の芸妓さんが参加したという話です。ちなみに芸妓(げいぎ)とは、舞踊や音曲・鳴物で宴席に興を添え、客をもてなす女性。芸者・芸子のことを指します。酒席に侍って各種の芸を披露し、座の取持ちを行う女子のことであり、太夫遊びが下火となった江戸時代中期ごろから盛んになった職業の一つです。いわゆるホステスとは全然違います。研修会場では“欢迎光临”(いらっしゃいませ)、“烟灰缸”(灰皿)、“洗手间”(お手洗い)、“烧酒”(焼酎)といった単語が飛び交います。

 福井県は地方そのものといっていいでしょう。私もいつ福井意見に行ったかといえば北海道に行くために敦賀のフェリー乗り場に行ったことがあるくらいです。福井県事態を観光目的で訪れたことはありません。あらわ市観光商工科の統計によりますと、芦原温泉に来る旅行客は1991年に136万人のピークに達して以降ずっと落ち込んでおり、2008年は84万人まで落ち込んでいます。2011年の数字はまだこれからですが、もっと落ち込むことが見込まれています。

 ある芸妓さんは言います。「景気も悪いし、お客さんもどんどん減ってきています。中国人観光客に来てもらうために中国語の勉強を始めました。少なくとも自己紹介とお酒の名前くらいは言えるようにならないとね。」

 芸妓さんはド日本文化といえると思うのですが、日本に来てそのド日本文化を味わうのは観光誘致としてなかなか面白い取り組みだと思います。我々だって外国に行くときに異国情緒を求めたりしますよね、それと同じだと思います。芸妓さんなんて日本人でもなかなか触れ合うことはありません。私も10数年前に一度だけ京都でそういう場所に行ったことがありますが、それ以来ないです。

 この取り組みの効果が表れるのはこれからになりますが、評判になるとあちこちの地方で同じようなことが始まるかもしれないですね。でも中国語を話す芸妓さんってなんか違和感ありますね。日本映画が中国語に吹き返されているようなものですかね。

 下の写真は現地のポータルサイトから拾ってきたものです。大半の写真が芸妓さんに違いないのですが、西洋人と思われる顔立ちの人がいたり、ちょっと露出が高いのが混じっているのが気になります。このあたりの区別はつけておいてもらいたいですね。

 

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各地でストライキが発生しています

 東莞、深圳、上海といった地域でストライキが続々と発生しています。12月5日に人社部、国家発展改革委員会、公安部、監察部、全国総工会等の9部门が共同で会議を開催し、賃金未払等の行為を取り締まり、10人以上の集団労働報酬争議について当日に報告し7日以内に決着をつけるように要求しています。いくつか実例を見ていきましょう。
1.東莞市の台湾宝成集団の製靴工場
 ストライキが発生したのは台湾宝成集団の東莞子会社です。台湾宝成集団はナイキ、アディダス、TIMBERLAND、コンバース李寧、安踏等の60余りの国内外の有名ブランド製品を製造しているスポーツシューズ・カジュアルシューズを製造する世界最大の会社です。
11月17日午前に2000人余りの労働者が集団ストライキした事件があります。発生当時は道路が封鎖され政府からも人が出動しようやく収めることができました。
 今回のストライキの引き金になったのは工場の新規則に対する不満でした。新規則というのは管理効率を上げるために従業員にとって不利な内容のもので、具体的には会社が公表する損益表がマイナスであれば従業員の実績が1.5倍はては1.8倍に達して初めて毎月の実績奨励金が0となるというものです。これにより、もともと2000元ちょっとの収入しかなかったワーカーの賃金が減少しまいまい、ストライキの引き金となってしまったものです。そりゃあ怒りますわな。ストライキ発生の翌日の 11月18日は規則を元に戻し、もし今後新制度を実施する場合、法律規定に則り行うものとするということでストライキが収まりました。
2.深圳福田の女性用下着製造会社
 ストライキが発生したのは香港黛麗斯集団(トップフォーム)の子会社です。ちなみにここは世界最大の女性用下着製造会社だそうです。
 きっかけは11月16日に同社の香港籍社員が女性ワーカーに対して乱暴な対応をしたことです。この女性はこれを受けて飛び降りようとしたのですが、最後は公安や労働監察等の多くの部門の人がやってきた何とかその場を収めることができました。飛び降りは防ぐことができましたが、その後400以上のワーカーが集団作業を停止するという方式で抗議を行いました。同社のある女性ワーカーによると、もともとの毎月の給与は500元で、そのほかの部分は全てノルマに応じたものとされていましたが、今年2月に基本給部分をなくし全てノルマ製に切り替えました。このようにした上に会社はさらに残業代をカットしていました。そりゃあ怒りますわな。
 このストライキは現地でも重大労資紛争案として取り扱われました。
3.そのほかの都市
 ストライキが発生したのは上海の赫比家用電器厰という会社です。今月発生したばかりのものです。ちなみに同社はアップルやHP向けのサプライヤーであります。
 きっかけは事前予告なしで移転を行うことになり、それに対する合理的な補償がないことでした。提示された補償がどんなレベルなのかわかりませんが、これがもとで千人規模のストライキが発生しました。
 この他にもペプシの重慶、成都、南昌のボトル工場のワーカーが集団ストライキを起こしています。
 政府部門も問題意識を持っているようで、労働報酬争議事件に対して人社部(人力資源社会保障部)は各地に期限を設けて集体労働报酬争議と少額争議を処理することを求めています。10人を超える手段労働報酬争議についてはさらに厳しく規定し、具体的には当日報告し7日以内に終了させるというものです。そのうち一人あたりの金額が1000元以上になる事案については仲裁委員会主任が監督処分するというものです。
 たまたま記事に取り上げられているだけで、本当はもっと発生しているのでしょう。ストライキの発生した理由を見ると、これはあくまで従業員側だけの言い分ではあるのでしょうが、それを見る限りではわからなくもない、というか給料を下げたり、補償をちゃんと行わなかったりというものなので、そりゃ怒るわなあというものですね。労働者側も知識をつけてきたこともあり、昔みたいに企業側がそれをいいことに無理やり物事を決めてしまうということもできなくなってきているのでしょう。ということは、労働者側の意識がこれだけ変わってきているということをわかっておらず、昔ながらの対応をするような企業ではストライキのリスクが大きくなるといえるのでしょう。日系企業の給料が安いという報道はよく見かけますが、香港・台湾系のワーカーなんてもっとひどいところいっぱいあるでしょう。でもずっと昔から中国ビジネスをやっている文化圏的には同じ人たちなので、労働者気質の変化には割とあっさりと対応していくようにも思います。動き早いですからねえ。でもひょっとするとそんな彼らでも労働者気質の変化のスピードについていけてないとしたら、、、、ストライキの嵐になっちゃいますねえ、怖いですねえ。
 

老人ビジネスはどの都市が狙い目か

 中国は一人っ子政策の影響もあり高齢化が通常の国家よりも進んでいます。この辺りはいろんなところで紹介されていますよね。2010年には65歳以上の人口が8.3%に達し、こういうこともあって中国では老人ビジネスがチャンスだといわれています。ちなみに日本と中国を比較してみましょう。 

 

65歳以上の全人口対比率(%)

  1980年  1990年  2000年  2005年  2010年  2025年 2050年
日本 9.0 12.0 17.2 19.7 22.5 29.5 37.3
中国 4.7 5.4 6.8 7.7 8.4 13.7 23.7

 

 中国の高齢化が進んでいることを紹介しようと思ったのですが、それ以上に日本の高齢化が激しいです。中国が今の日本と同じ水準になるのは2050年あたりになりそうです。とはいうものの、中国の場合は絶対数がとにかく多いので、そこを狙いたいところですが、外資にとってはこの分野のビジネスが決して活性化されているとは言えないのが現状ではないでしょうか。

 

 中国では仕事が忙しくなってきたことに加えて養老介護が専門化してきていることが老人産業を発展を推し進めてきているといわれています。自分で生活できる老人に対して提供する補助型生活社区から体力の弱い老人のための介護型養老院まで、年金を受け取っている人に対して食住を提供する民間機構のニーズが大幅に上昇してきています。少なからずの不動産ディベロッパー、保険会社、国内外の投資者が100億元にも上る資金を投入しています。

 

 ただ、どんなビジネスでもそうですが闇雲にやればいいというものではありません。投資をするからにはどれくらいのペースで回収できるか当然スタート時点で目標を設定しておく必要があります。《商業価値》という中国のビジネス雑誌が各地の一人当たり平均GDP、人口、老人扶養比率及び養老院の数をベースに全国の養老産業の地理分布を出していますが、老人ビジネスを行う上で参考にすることができます。

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 参入するに当たっては一人当たり平均GDPが高いことはビジネスを進めていく上では当然外せない要素でしょう。老人扶養比率が高いというのは潜在的な顧客が多いとも言えるでしょう。養老院が少なければ参入にあたっての競争が少ないということが言えるでしょう。最も養老院が少なすぎると逆に業界としての活性化が難しいということも考えられます。

 

 データを見ていきましょう。上海、四川、重慶、江蘇、湖南、遼寧、浙江、安徽、天津、福建が老人扶養比率のトップ10です。北京、天津、上海、江蘇、浙江、内蒙古、広東、遼寧、山東等の一人当たり平均GDPは比較的高いです。これらの省市の中で内蒙古、広東、山東、福建、四川、重慶、湖南、湖北の養老院の数量は明らかに不足しています。ここで紹介した都市が比較的チャンスが大きいといえるのでしょうが、図も見比べたうえで老人ビジネスを行うにはどのエリアがいいのかを見てください。実際に行おうとしている人にとっては参考になるデータかと思います。

中国国家統計局が発表しないデータ(その2)

 先日の中国国家統計局が発表しないデータ(その1)の続きです。

 中国では毎年の非正常死亡人数というのが320万人を超えているというものです。内訳を見ていきましょう。

 (1)毎年の自殺死亡者は28.7万人

 (2)毎年の薬物不良反応による死亡者約20万人

 (3)毎年の医療事故による死亡者20万人(推定)

 (4)毎年の肺塵症による死亡者約5000人(推定)

 (5)毎年の結核による死亡者約13万人

 (6)2005年に全国の甲、乙類伝染病3,508,114例、死亡13,185人

 (7)毎年の道路交通事故死約10万人

(こちらもご参考ください http://blog.goo.ne.jp/gomeiken/e/ac46acda0cff2fb5db890f45ba5db29b

 (8)毎年の内装工事汚染により引き起こされる死亡人数は既に11.1万人に達している

 (9)毎年の労災事故死亡約13万人余り

 (10)毎年の感電死約8000人

 (11)毎年の火災の年間平均損失は200億元近く、2300人余りの民衆が死傷

 (12)毎年1.6万人の小中学生、3000人の大学生が非正常死亡

 (13)毎年の死刑執行はざっと1万

 (14)各種刑事事件の死亡は年間平均7万人近く

 (15)広州では毎年引き取り手のない死体が約1200

 (16)毎年の不適切な使用による農薬中毒死亡人数は1万人に達する

 (17)毎年の食中毒による死亡者数は数万人

 (18)1986年のアルコール中毒による死亡者は9830人

 (19)毎年の過労死による死亡者数60万人

 (20)大気汚染による死亡者数38.5万人

 (1)~(20)の合計が約230.5万人になります。

 (21)注射の不注意による肝炎とエイズの感染により39万人が早く死亡、そして6890万寿命年の損失

 (22)5歳以下の児童の死亡が毎年100万人近く

 これもあわせると328万人以上になります。重複していると思われるものや統計が不完全な部分があることを考慮しても非正常死亡者数は300万人以上でmそのうち80%が過失による事故によるものだとのことです。

 これらの数値が多いかどうかは比較論でしか語れないと思いますので、中国が特別ひどいかどうかはこれだけではわかりません。日本の調べ易そうなところだけデータを拾ってみました。

 自殺者(2010年):31,690人・・・人口対比だと日本のが多いですね。

 医療事故による(1998年):26,000~46,000人(推定)・・・これも人口対比だと日本のが多いですね。ただし、この数値はあくまで米国の数値を参考にした推定値です。

 結核による死亡者数(2004年):2,328人・・・これは日本は圧倒的に少ないですねえ。

 労災事故による死亡者数(2010年):1,195人・・・人口対比率で考えると中国も特別多いとはいえないですね。

 食中毒による死亡者数(2008年):4人・・・めちゃめちゃ少ないです!

 アルコール中毒による死者数ですが、これは果たして単なる中毒の数値なのか、急性アルコール中毒の数値なのかがわかりません。東京都レベルだと年間で一桁程度です。アルコールハラスメントという言葉があると知りましたが、日本でもありますが、中国はもっとひどいでしょうねえ。

 過労死数(2009年):労災補償請求件数767件に対して支給決定件数293件・・・まあ、本当はこんなもんじゃないんでしょうね。中国の場合は炭鉱とかの過酷な状況での勤務による過労死が多いのかもしれません。

 これを公表することにより特別混乱を招くとはあまり思えないですが、中国の場合はとにかく絶対数が多いのでそこをつつくことはたやすいでしょう。でも医療事故による死亡は現在の中国の医療レベルからするともっと多い可能性があるのではないでしょうか。治療に当たって前金を要求し、それを待っている間の手遅れになってしまうのは医療事故には入らないと思いますが、そういうケースも少なくないでしょうねえ。中国の場合は医療に関する保険制度が余り充実していないためにそうなっているということもあるでしょう。そう考えると日本の保険制度は利用する側からすると本当にありがたい制度だと思います。知り合いの医師に聞いたところ、日本みたいに患者に対して手厚い保険制度は世界的に見てもそれほど多くないそうです。ということは、保険財政もそれほど楽ではないということは容易に想像できます。最近は年金ばかりが話題になっていますが、そう遠くないうちに医療保険にスポットが当たる可能性もあるかもしれないですね。

社会保険の記事をきっかけに思ったこと

 日経新聞の報道によりますと、11月25日、北京市政府幹部が年末までの加入登録を義務付けることを明らかにしました。日系企業にとっては影響が大きいということでそれなりに騒がれている記事です。個人的に思うのは、この記事でいまさら騒ぐのもなんだかなあと思います。なぜならば、そもそも社会保険法は昨年すでに公布されており、その条文を読む限りでは外国人も社会保険の対象とするのはわかっていたからです。ところが外国人にも適用するという書き方がされていないから確定といえないという論調があり、中国も気をつかってなのかどうかは知りませんが、外国人も社会保険の対象ですよとアナウンスする通達をわざわざ公布し、各地政府がそれに基づいて現地ルールを制定しようとしているというのが現状です。個人的には社会保険法が公布され、且つ該当部門から「外国人も対象」とコメントすればそれで終わっていた話かと思うのですが、そういう意味では外国人に対して気をつかっているなあと感じます。

 

 日中間に限定して言いますと、医療保険でいえば確かに日本の病院と中国の病院ではあまりにも環境が違い、日本人だと中国の病院のあの黒山の人だかりの中で順番を待つというのはなかなか耐え難く、おのずと海外旅行傷害保険を利用して日系を含む外国系の病院に行くことになります。そうなると中国の社会保険は関係ありません。また、失業保険だって駐在員の場合は関係ないですし、現地採用者の場合でもいざ本当に失業すると滞在資格の問題につながりますので、そもそももらえるのかどうかもわかりません。とはいうものの、日本でも外国人から社会保険は徴収しているので、お互い様という部分で中国が外国人から社会保険を徴収するのは特別問題視される話でもないと思います。将来的には日中間で社会保障協定を締結することで解決に向かう話でありますし、伝え聞くところによると日本側も社会保障協定締結に対してかなり前向きだそうです。いずれにせよ、そう遠くないうちに外国人もすべて社会保険の対象となるということは間違いないといえます。繰り返しになりますが、前からわかっていた話ではありますが。

 

 さて、企業の観点から見ると外国人の人件費コストが上昇するというのがありますが、そもそも外国人の人件費コストは社会保険に関係なく高いのが事実で、現地日系企業の運営について話をしていても「駐在員のコストが高くて、、、」という言葉がよく出てきます。駐在員コスト負担を解決するためには「駐在員を減らす」、「駐在員がコストに見合うコストパフォーマンスを上げる」という方法しかないでしょう。企業によっては前者の「駐在員を減らす」という動きをすでに始めており、現地幹部に中国人をどんどん活用している企業もあります。中には現地化を進めているとアピールするために中国人にポストを与えつつでも権限はポストに見合っていないというのも少なくないですが。私は現地化にも二つあると思ってます。ひとつは皆さんのイメージする現地化、つまり現地法人の職員をどんどん現地人化し、権限も与えていくという現地化です。もうひとつがそのもっと手前にある、そもそも現地法人で勤務する駐在員に対して権限を与えるという意味での現地化です。駐在員ですら権限を与えられていなければ現地スタッフについては言わずもがなでしょう。

 

 社会保険については社会保障協定を締結すれば一応の決着を見ることができるわけですが、現地化については企業によっては時間を要する課題かもしれません。最近『中国で勝つ10の原則と50の具体策』という本を読みました。そこで並べている原則を見ていきますと、

 

1. 日中市場の特質、マネジメントスタイルの違いを理解した上で行動する

2. 日本で成功したビジネスモデルをそのまま中国に当てはめてはいけない

3. 激変する現代中国の実像をつかみ、先見の明を持つ

4. さまざまなステークホルダーの需要を捉え、矛盾の中でバランスを取る

5. 日本本社と中国法人が一体となり、迅速に取り組む

6. 現地人材を惹きつけ、魅了し、やる気にさせる

7. 迅速勝つ賢明な意思決定をし、戦略的に行動する

8. 情に流されない

9. 商談、交渉においては、周到な準備をした上で根気強く駆け引きする

10.    中国社会の動向を把握し、リスクに備え、公的危機を最小化する

 

 まさにそのとおりです。同じようなことを自分もいっているなあと思いました。これってずっと以前から言われているのと同じことなんですよねえ。どれも大事なことだと思いますが、その中のトップ3と思うものについてアンダーラインを引きました。この3つのネックは共通していると思うのですが、あまり中国を理解していない、あるいは昔の中国(オールドチャイナ)のイメージを引きずっている人、がこの傾向にあると思うのです。そしてこういった人が旗振り役になり、その旗振り役に意見する人がいないようだともうどうしようもありません。最近日本にいる比率が増えてきていて、よく耳にするのですが、結構日本の会社で外部の人の協力を仰ぐ会社があり、それは別にいいのですが、オールドチャイナを引きずっているようなコンサルタントやブローカーにいいように言いくるめられているケースが少なくないとのことです。以前からそういう話はよく聞いていたのですが、あらためてやっぱりたくさんいるのかと思いました。そういう人たちって危機をあおったり、相手を言いくるめるのが上手な人が多いようです。なんとかしてそういう輩を駆逐していきたいと思う今日この頃なのであります。

 

  中国で勝つ 10の原則と50の具体策
クリエーター情報なし
東洋経済新報社

売掛債権によるデットエクイティスワップの可能性

 2011年11月23日付で《会社債権の持分転換登記管理弁法》が公布され、12月1日より施行されることになりました。これはなかなか注目に値する通達だと思います。地方通達レベルで債権の持分転換(以下、デット会苦いいティスワップという)に関する通達が出ているところがありますが、例えば浙江省の通達であります《浙江省外商投資企業債権の持分転換審査批准登記暫定弁法》の中では、債権が外債であることが要件となっています。要するに出資者からの借入であり且つ外債登記が行われているもののみが対象になります。一方で、今般の通達ではデットエクイティスワップの対象となる債権の要件は次のとおりとなっています。

 

 第三条 デットエクイティスワップの登記管理について、以下のいずれかの状況に属する場合、本弁法を適用する。

 (一)会社経営において債権者と会社との間で発生した契約の債を会社の持分に転換するにあたり、債権者がすでに債権に対応する契約義務を履行し、且つ法律・行政法規・国務院決定または会社定款で禁止している規定に違反していないこと。

 (二)人民法院の効力を発生する裁判で確認した債権を会社持分に転換すること。

 (三)会社の破産再生または和解期間において、人民法院の批准を経て再生計画に組み入れられたまたは裁定認可された和解協議の債権を会社持分に転換すること。

 

 これだけを見る限りでは対象となる債権が「外債」であることまで要求されていません。つまり、外債登記を行う類ではない債権、例えば売掛金という債権もデットエクイティスワップの対象とすることができるように見えます。もしこれができるとなると、結構インパクトが大きいのではないかと思うのです。中国内の子会社の業績が芳しくなく、且つ資金状況が厳しい場合、増資することで対応してきたところも多いかと思うのですが、これだとキャッシュを必要とせずに増資を行うことができるからです(もっとも、増資した資金で売掛金を回収すればキャッシュベースではトントンではありますが)。ただ、輸入した代金を支払わずに資本金に振替する場合、外貨の輸入核銷(照合)をどうクリアするのかという問題ができてきます。これさえクリアできれば結構使えるかもしれません。もっとも、外商投資企業については商務部門による審査をまず通過する必要があり、そもそもその審査が認められるかどうかという問題もあります。しかもこれは商務部門ではなく工商行政管理部門が公布した通達でもありますし。そこで《外資企業法実施細則》を改めてみましたところ、「外国投資者は自由兌換できる外貨で出資することができ、機器設備、工業財産権、専有技術等を値段をつけて出資することもできる」とあり、売掛債権にまで言及していません。《中外合弁経営企業法実施条例》でも似たり寄ったりです。となると、結局デットエクイティスワップは個別の通達で認められている外債登記されている債権にやはり限定されそうですね。このあたり通常の債権でもデットエクイティスワップの対象として緩和してほしいところですよねえ。