2016-11-09

中国の女性アイドルグループ

 AKB48が2005年12月よりスタートし、もうじき満11年になりますがが、いまだに人気は衰えていません。「会いに行けるアイドル」をコンセプトに専用劇場で公演をスタートし、初回公演はなんと7名しか来場客がいなかったのが、その後大きくブレイクし、日本のみならず2011年にインドネシア・ジャカルタのJKT48、12年から中国・上海のSNH48、今後は台北、マニラ、バンコクにおいた新たなグループ発足も計画されています(ちょっと頓挫気味ですが)。中国では上海のSNH48の姉妹グループとして、北京市を拠点とするBEJ48、広東省・広州市を拠点とするGNZ48の結成が発表されたが、その後日本側と中国側で契約トラブルが発生し、今ではSNH48をはじめとする中国のグループと日本側は何ら関係がなくなってしまっているようですね。

 中国の芸能界において女性グループといえば女子十二楽坊を思い出す人がいるでしょう。ところが女子十二楽坊の人気もそれほど長続きせず、またそれ以降ブレイクしたといえる女性グループは現れていないように思います。それでもSNHは比較的成功している部類に属し、SNHがAKBのコンセプトを活用したのと同じく、このコンセプトを活用した別グループもいくつか現れるようになってきています。そのうちの一つで以前紹介した上海、北京及び成都を拠点に活動している蜜蜂少女隊ことLady Beesというグループがいます。

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 Lady Beesは中国のテレビ局が韓国のエンタメ企業と一緒に制作したリアリティショーを勝ち抜いたメンバーで組成され、その後順次訓練生という名目で上海、北京、成都チームにまで拡大しました。AKBと同じく専用劇場を持ち、週末ごとに各拠点にある専用劇場でライブイベントを開催しています。上海会場を見る限り残念ながら今のところ客席はまばらですが、メンバーを見るファンの表情は日本と同じく、まさに「会いに来た人たち」の姿です。韓国企業がプロデュースに関与しているが、世界観としては日本の今のアイドルに近いように思います。

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 90年代後半に小室哲哉氏が東アジア圏での音楽事業を展開しましたが、ほどなくして撤退し、中国の音楽ビジネスって難しいんだなあと感じさせられた。当時は海賊版が蔓延し、版権意識も今よりもずっと薄く、ビジネスの難易度もかなり高かったことかと思います。それがいまや日本のコンセプトを取り入れる女性グループが現れ、時代も様変わりですね。中国のエンターテイメント業界ではハリウッドの映画制作会社を買収したり、実際に中国俳優がハリウッド映画に出演したりするようになり、一定のプレゼンスを発揮するようになってきており、近頃では中国大陸発の若手歌手・グループも徐々ではあるが頭角を現すようになってきているようです。女性グループについては日本を含む海外テイストで味付けしたグループで売り出そうとしているように思います。ということは、今後エンタメ分野で日本企業がより関与できることもあるかもしれないですね。

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