2020-02-14

コロナ肺炎で大変〜非常時の業務の棚卸しとそのチェック

 コロナ肺炎の流行を受けて中国出張は取りやめというところが多いですが、悩ましいのは中国駐在者をどうするかです。たまたま春節時期が重なり、この時期に日本に帰国した駐在員も多いのですが、赴任地に戻ってきた人もいれば、一度戻って来たもののまた日本へ帰国する人もいるやにも聞いていますし、日本にいたままそのまま赴任地に戻ることもなく日本に居続けている人もいます。外務省による一時帰国検討のお知らせによる影響も多いでしょう。

 駐在員を残すべきか、帰国させるべきか、会社によって考え方は違います。帰国させるべきだという考え方、これもわかります。業務を考えると残すべきだという考え方、これもわかります。全員帰国ではなく、一部のみの帰国という方法もあるようですが、これもわかります。どれを選択するにしても、現地に社員がおり、平時よりも少ないながらも業務があるわけですから、現地の業務を放置するわけにはいきません。となると、業務の棚卸しを行う必要が出て来るでしょう。

 ①重要な業務、②通常の業務、③止めてもいい業務、そして④感染症対応業務、大きくこの4つに分かれます。そして、誰にこれらの指揮を負わせるべきかという体制を早急に作り上げる必要があります。これをしなければ特にリモートワークを実行している会社は単なる休みとそれほど変わらなくなります。この時期なの進捗中の業務といってもその進捗度合いは緩やかだと思われますが、それが従業な業務であればやはりフォローしていく必要があります。①はこれに該当するでしょう。そして、重要とまでは言えないまでも毎月ルーティンでやっているような業務、例えば毎月の支払いであったり、税務申告であったり、これらは②の通常の業務に該当するでしょう。そして、どの業務を③の止めてもいい業務に組入れるべきかですね。この見極めにより業務量が左右されます。そして④の感染症対応業務、従業員の健康管理であったり、中国でいうとマスクをしていない人は出社も外出もできないところが多いので、その手配についても気を配る必要もありますね。特に工場なんかだと人数も多くマスクの手配もなかなか大変でしょう。上海日本商工クラブではマスク不足の企業に対する支援も行っており、こういった活動を活用することも必要ですし、そもそもこういう情報を集めることも大事になってきます。

 以上の業務の棚卸しをきっちりと行い、管理系統をしっかりと組み立てれば当座をしのぐことは可能でしょう。唯一不安としてはやはりフェイストゥフェイスの機会が減ること。残念ながら、「見張り役」がいなくなってしまうとついついさぼってしまう人が出て来る、どうしてもこういう現象が生じます。現地に駐在員を一部でも残す判断をした企業であれば「見張り役」は健在ですが、全員引き上げると決めた企業で、且つ現地で管理業務を任せられる人材が育成できていないところ、こういう企業には不安が残ります。今の状況だと日本から出張してチェックするわけにもいかないでしょう。代わりに「見張り役」とまではいわないまでも現地業務がつつがなく行われているかをチェックしに行ってくれる人がいれば、ある程度不安も解消できるのではないかと思います。上海以外の外地はともかく、上海エリア内であればそういう依頼にも対応してみたいなあとは思いますね。そんな話ありますかー?

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