2019-05-22

中国のファミリーマートが大変だ!

 中国ファミリーマートの執行長(CEO)がファミリーマートの伙伴(ここでは従業員やフランチャイジー)に対するレターを発表しています。

 その内容は、「中国ファミリーマートは2004年に初出店し、2500店舗まで増やしてきた。コンビニ業界の発展とともにファミリーマートも伸びてきた。まだまだこれからも頑張るぞー!」というような内容です。なんてことないと言えばなんてことないのですが、なぜこんなレターが発表されたのかというと、日本ファミリーマートとパートナーである頂新集団がもめているのが背景にあるようです。そしてなんと、日本側は中国におけるパートナー関係を打ち切りたいと申し出ているとのこと。日本側の不満としては、中国市場の成長に伴って得た利益の配分が不公平だと主張しており、さらに頂新集団がブランド使用料を従来の売上高の1%から0.3%以下にしようとしているといっています。不公平は確かにによくない。

 なんでも、日本ファミリーマートはファミリーマート中国の登録地であるケイマンの裁判所に訴状を提出しており、頂新集団が持つ59.65%の持分を全て譲渡するか、さもなくがファミリーマート中国の清算を要求したとのこと(ちなみに、中国拠点の法人はケイマン法人から出資されており、そのケイマン法人が日本ファミリーマート、頂新集団、台湾ファミリーマート、伊藤忠商事等が保有しているようです)。これに対して、頂新集団は日本ファミリーマートの受け取る契約金がライバル企業のセブンイレブンの3倍と高すぎるといっています。これはこれでよくない。しかーし、ちょっとちょっと、これってすごく大変だと思いませんか?だって2600店舗近くもあるファミリーマートがいきなりなくなったら大変でしょう!

 中国のファミリーマートは頂新集団が運営を行い、日本ファミリーマートに対してロイヤリティとレベニューシェアを配分することになっています。なお、ケイマンの裁判所で今年2月25日に行われた裁判で、日本ファミリーマートは敗訴したようです。会社が儲からなくてもめているというよりは、儲かっていてその分け前が少ないからもめているということのようです。日中合弁ではなく、日台合弁なので、中国進出の教科書的に言えば日中合弁よりもリスクは少ないはずなのでしょうが、合弁リスクが顕在化してしまった例といえるでしょう。しかし、儲かっているのなら仲良くしていけばいいと思うのですが、そのあたりは当事者の本音を聞かないことには何とも言えません。今後の展開が気になりますね。

追記

ファミリーマートより以下のコメントが発表されております。

本裁判に関し、一部メディアにおいて「FMCHが敗訴した」との報道がなされておりますが、上記の通りTCが主張する本裁判に対する却下及び棄却請求が退けられたものであり、FMCHが提起した本裁判が却下及び 棄却された事実はありません。当社グループに対する事実確認なく、このような誤った報道がなされているのは、当社として誠に遺憾です。

関連記事