2016-04-20

中国不動産バブルが持続しても土地使用権の期限にはかなわない? ~その2

 前回は居住用地の土地使用権について書きましたが、もう少し補足しましょう。2005年に北京で公布された地方通達《北京市国有建設用地供給弁法(試行)》において、「土地有償使用期限が満了し、土地使用者が継続して土地を使用する必要がある場合、有償使用期限満了の1年前までに申請を提出し、未申請または申請の批准が得られない場合、期限満了後の土地使用権は政府が無償で回収する」という所有者からすると非常に厳しい文言となっています。期限つきなので当然なのですが。ただし、土地使用権の上にある建築物は期限付きではないので、国が土地使用権を取り上げる場合、建築物に対する補償は行われることになります。

 さて、次は商業用地について見ていきましょう。すでに深圳の商業用地では前回の記事と同じようなケースが発生しています。国際商業大厦というビルで中国国内初の土地使用権継続の事例が起こったのです。このビルはちょっと特殊で、同一ビル内になぜか20年、30年、40年、50年の4種類の権利があります。このうち20年のものが期限到来することから、《深圳の期限到来不動産の更新の若干規定》なる通達を出し、この中で、期限が到来する不動産について、所有者が当該土地を継続して使用する必要がある場合、用途変更しないという前提の下で、有償使用土地の原則に従って、土地使用期限を延長し、剰余年限(国家が規定する最長使用年限から既使用年限を引いたもの)の範囲内で年限を約定する場合、追納地価金額を公告基準地価の35%とし、約定年限に応じて一括払いすることとあります。そして、これに基づいて多くの部屋で土地払下金を追加で支払うことで更新したのであります。

 前回の記事にある温州でも使用権延長のためにはお金が必要、北京では延長しない場合回収されてしまう、深圳でも使用権延長のためにはお金が必要。期限付き使用権なので理屈はわかります。でも、中国人はこの理屈理解して物件購入してるんですかねえ?商業用地40年なので、1990年に取得したものは2030年に期限がやってきます。住宅用地だと2050年なのでこれはまだまだ先。現状は、年限の長短を気にして物件購入する人はあまりいないように思います。まあ、期限が来る前に、そして相場が崩れる前に売り切るのが勝者ということなんでしょう。

タグ: ,
関連記事