2016-02-27

中国の不動産価格の最新状況

国家統計局が2016年1月度の70の大中都市の住宅販売価格変動状況を発表しました。前年同月比、新築住宅(保障性住宅を除く)の価格が下落したのが45都市、上昇したのが25都市です。前月比で見ますと、下落したのが24都市、上昇したのが38都市、そして8都市が横ばいです。要するに、まだまだ上がっている都市はたくさんあるのです。上海にいるので上海について言えば既に相当上がっており、この期に及んでまだ上がるのかという感じで、実に前年比21.4%も上昇しています。不動産バブルももうじき崩壊ということが最近しょっちゅう聞こえてきますが、それでも上海では発売初日に売り切れてしまうマンションが今でもあります。まるで中島みゆきやLOVE PSYCHEDELICO のライブのチケットのようです。すぐに売り切れてしまいます。そして、最も上昇率が高いのが深圳で、前年同期比52.7%上昇、下げ幅の最も大きいのが湛江でマイナス4.9%です。深圳の上がり方が異常としか思えません。上海の上昇も述需が多いからという人もいますが、深圳のこれは実需だけでは説明がつかんでしょう。

新築

2016年1月大中70都市新築商品住宅価格指数(环比:前月比、同比:前年同月比)

 次に中古住宅を見てみましょう。前年同月比で見ますと、マイナスとなったのが29都市、そして上昇しているのが40都市、横ばいが1都市です。前月比で見ますと、マイナスとなったのが25都市、そして上訴輸しているのが37都市、横ばいが7都市です。個々でも深圳の伸び幅が目立ち、前年同期比なんと49.7%のプラス、マイナス幅の最も大きいのは錦州で8.1%です。

中古

2016年1月大中70都市中古住宅価格指数(环比:前月比、同比:前年同月比)

 全体的に、大都市は上昇、地方都市は在庫がたまっていると言われていますが、確かに大都市はどこもかしこも上昇しています。日本人になじみのある都市で観光都市の桂林以外で下落しているところはありません。

 北京・上海・広州・深圳といった大都市はこれを見る限りまだまだ上昇圧力があるように見えますが、一方で、三・四線都市は在庫がだぶついていると言われており、何かしらの対策を打たない限り(対策を打ったとしても)、供給過多の問題は解決できそうにない状況にあると言えます。不動産相場が崩れて経済がおかしくなってというのは望ましい動きではないですが、三・四線都市の動きのほうが理解しやすいですね。北京・上海・広州・深圳、特に深圳の動きは以上としか言えず、どこかの段階でババ抜きが始まるに違いないと思いつつ、それがなかなか始まらないところが中国の不動産のわからないところですね。中国の不動産の動きは読めん。

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