2008-06-20

中国における企業再編での免税取り扱いの行方

  《企業再編と清算の所得税処理方弁法(討論稿)》というものが出ているようであり、その内容としては企業再編と清算の過程における税収問題についてより明確且つ厳格に規定したものであるという。外商投資企業の企業再編に関する法令法規も過去において公布されているが、企業所得税法が内外資で統一されたこともあり、外商投資企業の企業再編移管する法令法規も今後整理されていくだろうし、この討論稿はその一環といえるだろう。なお、今回ご紹介する《企業再編と清算の所得税処理方弁法(討論稿)》は年内に最終決定版が公布される模様であるものの、ここでご紹介するのはあくまで討論稿に過ぎないということにご留意いただきたい。

 
  討論稿は《総則》、《課税再編》、《免税再編》、《企業清算》の合計四章あり、特に注目されるのが《免税再編》だ。この中で、「同時に以下の条件に符合する企業再編は、再編取引の非株式価格差額または貨幣性価格差額に対応する資産譲渡所得または損失が取引当期に確認されることを除き、税務機関の確認を経て、取引各方は一時的に関連資産の譲渡所得または損失を確認しなくともよい。」とある。その三つの条件とは次のとおりである


1.企業再編に十分な経営目的があること

 十分な経営目的とは以下の条件を満たさなければならない。
(1)再編各方が資産取引を行うときに税収利益の存在を別に意識していないこと
(2)被再編企業が譲渡する資産と権益が再編企業にとって必要且つ有益なものであること
(3)再編により予測される経済効果が獲得する税収利益よりも遥かに上回ること
(4)再編が発生しない場合でも企業はこれら税収利益を獲得することができること
(5)企業が選択する再編取引方式が既定目標を獲得する上での最も経済的な実行可能方式であること
 この中で、(1)の「税収利益の存在を意識していないこと」がいまひとつ明確とはいえない文言であるが、この条件の目的とするところは租税回避を目的とする再編を防ぐことにあるようだ。

2.企業が合併、出資持分買取、資産買取、分割において、非株式価格差額の公正価格が出資持分帳簿価値の15%を下回る、企業全体資産の交換において、貨幣性価格差額が全体資産交換の構成価値の15%を下回ること

  現行の規定では企業が合併、出資持分買取、資産買取、分割等の再編の課程において、免税とされる条件としては、
(1)非出資持分支払額が出資持分額面価値(または支払う株式資本の帳簿価値)の20%を上回らないこと
(2)資産交換において、貨幣性資産が交換収入総資産の構成価値の25%を上回らないこと

3.分割において、被分割企業は少なくとも分割前の5年間は積極的な営業活動を行っていること。



  以上は免税再編が可能であるケースについて紹介したものだが、討論稿第21条において、企業再編は税務機関が免税を確認した後に連続36ヶ月の時間内に、以下の条件のいずれかに当てはまる場合、税務機関は当該再編業務の免税資格を取り消すとしている。

(1) 再編企業が被再編企業から取得する資産を被再編企業が元々有する経営目的に継続して使用しない
(2) 被再編企業の株主が有する再編企業の株式権を譲渡した後に2の条件(企業が合併、出資持分買取、資産買取、分割において、非株式価格差額の公正価格が出資持分帳簿価値の15%を下回る、企業全体資産の交換において、貨幣性価格差額が全体資産交換の構成価値の15%を下回ること)に当てはまらないこと。

 繰り返しになるが、あくまで討論稿であり変更の可能性も十分にあることにご留意いただきご参考いただきたい。

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