2018-10-11

日中キャッシュレス決済料率比較

 日本のキャッシュレス比率が他国対比低いとよく言われています。電子マネーだけがキャッシュレス決済ではないですし、クレジットカードや交通系プリペイドカードは日本ではかなり普及していると思うのですが、キャッシュレス比率の他国との比較を見てみましょう。

出所:経済産業省

  確かに日本のキャッシュレス比率は18.4%と低い。これは認めざるを得ません。しかし、クレジットカードや交通系プリペイドカードがこれだけ普及しているのにキャッシュレス比率が2割を切っているって、何がここまで低くさせているのでしょう。

出所:経済産業省

 この表を見ると、日本のキャッシュレスのメインはクレジットカードであることがわかりますが、これと交通系プリペイドカード併せて2割弱に過ぎないのですね。そして、韓国のクレジットカード比率が高い!他の国は思った以上にデビットカードの比率が高い!

 さて、このブログは中国関連情報を配信しているブログなので、中国のキャッシュレスについて改めてみてみましょう。よく、中国でキャッシュレスが普及したのはやれ偽札が多いからだなどと言われたりしますが、手数料率が低いことが大きな要素であるかと思っています。日本との比較をするために、まず日本のキャッシュレス決済の受取側の手数料率を見てみましょう。ネットサーフィンで適当に見つけてきました。

 だいたい3%強ですね。結構しますねえ。次に中国を見てみましょう。中国は《国家発展改革委 中国人民銀行:銀行カード決済手数料価格決定構造の改善に関する通知》(発改価格[2016]557号)という通達で料率が決められています。

 ちょっと料率体系が複雑ですが、単純に全部足し算をしてもさすがに3%まではいきません。なので、日本と比べると大分低い料率といえます。そして、いまや中国のキャッシュレスに代名詞ともいえるアリペイとWechatpayの料率はこんな感じ。

 これは中国国内の料率で、日本で中国人向けサービスとして提供されているこれら二種類の決済手数料はここまで安くはなく、日本のキャッシュレス手数料よりもやや低く設定されていると聞いています。お店側からすると日本人にクレジットカードで決済されるよりも、中国人に電子決済されるほうが取られる手数料は少なくて済むというメリットがありますね。

 しかし、中国との比較だけで見ると、日本のキャッシュレス決済手数料は高いなあ。既存プレーヤーからすると新たなプレーヤーが低料率で入って来られると儲からなくなるので、何とかして既得権益を死守しようとしているのだと思います。しかしLINE Payなんかも決済手数料0でやり始めたりしており、既得権益者からすると迷惑極まりない動きでしょう。こういう動きを通じて決済手数料が下がっていくといいなあ。日本では現金以外お断りのお店が少なからずありますが、決済手数料負担を回避したいことによるのだと思います。決済手数料が下がることで現金以外お断りのお店が減っていくと消費者としても助かるし、お店の人も助かると思うのだけどなあ。

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