2009-10-27

労務派遣の行方

  《労働契約法》が公布された時点で、労務派遣の形式はどうなるのだろうかが話題になった。《労働契約法》どおりであれば労務派遣はかなり限定的にしか利用できない制度となってしまうが、現状を見る限りでは以前とほとんど労務派遣の実態に変化はないといえるだおる。このような状況の中で、人力資源社会保障部労働関係司が先週《労務派遣規定》草案の内部意見募集を終えたそうだ。そして、現在は正式文書を作成中で来年に公布したいと考えているようだ。

 注目されている点としては、労務派遣が適用されるべき職務内容の「臨時的・補助的・代替的」を具体的な定義の明確化、そして労務派遣会社も無固定期限契約を締結すべきかという二点だ。

  労務派遣に対して現在二つの方向性が考えられているそうだ。ひとつが、「臨時的・補助的・代替的」について特に解釈を行わず、定義も明確にせず、使用単位に任せるというものだ。政府は労務派遣は「臨時的・補助的・代替的」なものに限定すべきと言い続けながら、定義が明確でないものについては臨時的措置をとるというもの、要するに今現在とそれほど変わらない状態といえるだろう。

 もうひとつは、相対的に定義しやすい「臨時的・代替的」をひとつの範囲内に制限し、「補助的」の判断の権利を使用単位に渡し、工会、従業員代表大会を通じて集団協議を行い、最終的に労働行政部門で審査を行うというものだ。

  全国総工会法律工作部の謝良敏副部長という人がいるが、この人の考えとしては、(何を根拠に言っているのかわからないが)、労務派遣の雇用形式は一般的に雇用総数の5%を超えるべきではないという。

 また、無固定期限契約は派遣会社にも同様に適用すべきかという問題については、前出の謝副部長は派遣会社も一企業でありほかの企業と同じく適用すべきという考え方を持っている。これが認められると派遣会社を利用している企業にとっては大変だ。無固定期限契約を締結するリスクを排除するために派遣会社を利用しているような会社の場合、派遣会社が無固定期限契約を強いられた場合、それを派遣会社利用会社に転嫁し、結果として派遣会社利用会社は無固定期限契約のリスクを排除できなくなるからだ。

  制度そのものをどうすべきかという議論に終始しているが、そもそも派遣従業員の給与をピンはねするような派遣会社があったりするなど、派遣という制度よりも派遣会社自体に問題があるケースも散見されるという。派遣会社の要件として資本金50万元というのがあるが、これもあって派遣会社の要件をもっと引き上げるべきではないかという議論も出ている。

 以上の議論を見ていると、派遣という制度のデメリットばかりに注目しているきらいがあるように思う。もっと前向きに派遣という制度を検討してもいいのではないだろうかと思う。最終的に《労務派遣規定》がどのような内容になるかはわからないが、どうも後ろ向きな議論に終始しているのが気になる。個人的に派遣という制度は決して悪い制度でないと思う。いまのままだとルールどおりに業務を行っている派遣会社にとっては死活問題になりかねない。派遣会社の巻き返しに期待したい。

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