2010-12-21

ウォルマートによる好又多の買収が躓いている

 

 ウォルマートが台湾系スーパーの好又多の持分を買収すると発表したのが2007年2月。買収は分割で行われ、今年2月にそれが完了するはずだった。しかしそれが一旦11月に延期になり、今度は来年5月まで延期すると発表された。延期になった原因は、ウォルマートによると、「契約中のある取引条件を満たすため」ということだ。この取引条件は好又多の数十の店舗が内資であったのをウォルマート標準の外商独資の店舗に転換させることであった。好又多は国内で104店舗開設し、そのうち30店舗のみが商務部の批准を経た外資の店舗で、その後5店舗が外資に転換し、残りの69店舗が内資の店舗であった。2004年に外資に対して小売業が開放されたにもかかわらず、好又多の店舗の多くの出資者は国内の自然人であった。これが店舗を外資に転換させるのに大きな障害となった。その後ウォルマートは3年の時間を要して、店舗の外資への転換を完了させることができた。

 

 店舗性質の転換こそできたものの、やはり問題はあった。100余りある店舗のうちの30あまりの店舗が工業用地にあったり、国有土地使用証がない、不動産賃貸登記証がない、権利証がない、消防合格証がな い等の事実が発覚し、このようなことは、ウォルマートとしてコンプライアンスの観点から認められないのである。アメリカ人からすると、営業許可証があるということは、法律的に問題がないという考えで、当初100枚以上の営業許可証を確認した時点で問題無しという認識だったという。ところが結局この30あまりの店舗の問題で躓いている。工業用地の商業用地への転換は簡単でなく、また店舗オーナーも面倒くさがってやりたがらない。店舗側からすると通常通り営業できているので、問題を問題と感じていないのだ。

 

 そんなこんなで、計画を来年5月に延期したが、それが又延期される可能性もあるし、コンプライアンス違反に該当する店舗を放棄する可能性も残されている。

 

 相手が外資に該当する台湾系に対する買収でもこんな問題が生じてしまった。ましてや中国系企業に対する買収となると言わずもがなだろう。私も以前一度内資の外資への転換をお手伝いしたことがあるが、相手となる内資企業の工場は農業用地に立てられており、これを工業用地へ転換するのに苦労したことが思い出される。

 

 今回の買収で躓いた問題は財務的な問題が発覚したというようなものではなく、当たり前のように行われていたことがコンプライアンス的に問題があったというものだ。これもまた「いかにも中国」らしいですね。

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