呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

2018年中国アウトレットのトップ20

 ランキング好きの皆さーん!2018年の中国アウトレットの売上高トップ20が出ましたよー!まずは表をご覧ください!

 

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 トップは上海青浦百聯、この4年間ずっとトップです。そして第二位が京津仏羅倫薩小鎮で、ここは40億元越えを果たしました。三位も順位変わらずで北京首創奥特莱斯で、30億元にやや届かず。4位は北京燕莎奥莱で三位との差はわずか0.07億元。

 

 このほか上位にランク入りしているのは北京八達岭奥莱、北京斯普瑞斯奥莱等で、北京八達岭奥莱は20億元越えを果たしています。

 

 2017年のランキングとの違いですが、トップ20に入るための売上高が10億元だったのが11億元に上がっています。そしてなぜか30億元台が2018年は1施設もなく、20億元越えは2016年には6施設だったのが、2017年には10施設になり、2018年には13施設に増えています。20億元を目前にしたところも3施設ほどあるので、来年もさらに増えていくことでしょう。最近やたらと中国の景気後退というメディア報道が気になりますが、ここは頑張ってもらいたいところ。

 

 グループで見ますと、2018年のトップ20に杉杉が4施設(寧波杉井6位、天美杉杉13位、哈爾濱杉杉14位、鄭州杉杉15位)。そして百聯が3施設(上海青浦百聯1位、武漢百聯6位、無錫百聯16位)、砂之船が3施設(重慶砂之船8位、南京砂之船17位、西安砂之船20位)、首創鉅大が2施設(北京首創奥莱3位、万寧首創奥莱13位)、RDM Asiaが2施設(京津と上海の仏羅倫薩小鎮がそれぞれ2位と9位)

 

 トップ20入りした新銘柄としては2017年に開業した天美杉杉奥特莱斯と西安砂之船奥莱があります。勢いあるね!

 

 ということで、アウトレットも年々調子がいいみたいで、ショッピングモールと同じく新しいのがポコポコできています。

 

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 これらは2万㎡以上の施設だけです。ショッピングモールもそうですが、ほんとこういう箱モノが好きですなあ。中国の景気に関するネガティブ情報が多くなってきたこのご時世で、この勢いはいつまで続くでしょうか。

無人化は人を不愉快にさせるシステムのソリューション

 中国のキャッシュレスが話題になって久しくなります。キャッシュレスをはじめとして、人をできるだけ介さないような形態がみられるようになってきており、シェアサイクルしかり、無人コンビニしかり、店舗での注文をiPadやスマートホンで済ませるようにしたり、決済までさせたりなんかがそうですね。人の温かみを感じられなくなるという人もいるかもしれませんが、人を介さないほうがストレスを感じなくなるのではないかという考え方もあるのではないかと。

 

 とある会社の中国法人設立のお手伝いをしておりまして、最近中国の銀行も本人確認がやたらとうるさく、代表者本人が来ないと口座開設してくれなくなって来たりしてます。たかだか銀行口座を作るためだけに、銀行窓口で顔を見せるためだけにいちいち海外からくるのはばからしいのですが、かたくなにこれを要求します。そんな中で、パスポートの原本さえあれば本人が来なくてもいいという銀行があり、そこで銀行口座を開設することになったのですが、オペレーションが利用者にとって親切ではないのです。親切だと思ったのは人民元基本口座を開設するときくらいで、なぜ親切と感じたかというと、銀行窓口に行く必要ももちろんあるのですが、アプリで必要資料が明記されていたり、進捗が確認できたりするのです。ということで、人民元基本口座の開設はそれ相応の時間は要しましたが、それほどストレスを感じることもなく進めることができました。問題は人民元資本金口座です。これはストレスばっかりですわ。そもそも必要資料で何が必要かというのを口頭で済ませようとする。その時点でおかしいのだが、必要資料一覧くらいさすがにあるだろうから、ペーパーでくれとお願いしたらめちゃめちゃ印刷の悪いのが出てきて、これ見ればよいとだけ言われました。これを見ればよいという資料も書き方が曖昧なので、後からすったもんだしました。

 

 まあ、なんやかんやで資本金口座が開設できました。そうこうしているうちに資本金が払い込まれましたという電話連絡が来ました。電話が来た時に、入金手続きするときに必要な資料が何かを教えてもらい銀行に行ったところ、「今から必要資料説明しまーす」と言われ、頭の中は一気にクエスチョンマーク。そして伝えられたことは電話連絡で聞いた時の内容と全然違う。電話連絡で聞いてた話と違うと伝えると、「その人は着金したことを連絡するだけなので、そこまでわからない」とのたまわれ、仏様×100倍の穏やかさを持つ私もさすがに怒ってしまいました。どうしてわかってない人から連絡させるのだろうか、その発想がわからん。そもそも口座開設の時に必要な資料一覧、資本金口座に入金した資金を使用するにあたって必要となる資料一覧、こんなの紙一枚用意しておけばいいものを、「イレギュラーな取引があるから」という理由で用意していないとは。イレギュラーを前提にするなよ。やらないための理由づくりとしか思えん。お客さんに寄り添う姿勢が足りないよな。銀行の言うとおりにやろうとすると結局は窓口で説明を受けないと前に進まないということになるので、何回も銀行に行かないといけなくなる。こんなことでそんなに来店誘導したいか?業務の効率化を進めようとする姿勢が全く見られん。自分が銀行にいてこの業務をやっていた時は必要資料一覧はちゃんと作成していました。過剰サービスいう人もいるかもしれないですが、サービスが良いと思ってもらえばそれでいいですし、むしろしょうもない問い合わせをカットする効果のほうがずっと大きいと思います。

 

  ということで感じたのは、中国の無人化というのは技術研究を追求していく中で得られた結果であるには違いないですが、人を介さないような方向(これを無人化というのでしょうが)に持っていくため、人と人がやり取りするとストレスが溜まってしまうだけなので、そうならないように人と人が介さないような方向にもっていくことを一番の目的にしているのではないかと思ってしまいました。システムを使いこなせないのもストレスですが、人と接することによるストレスも結構きつい。そういえば、最近はどうだか知りませんが、昔中国を旅行していた時にやたらとストレスを感じさせられる場面が多く、「人を不愉快にさせるシステム」と呼んでいた時期もあったなあ。中国の無人化は人と人とが触れ合うことによるストレスを回避することを目的にしているのだ。うん、きっとそうに違いない。人を不愉快にさせすシステムの究極のソリューションは無人化なのだ!

 

中国各地の最新版最低賃金

 人力資源社会保障部が10日に全国各地の月間最低賃金標準(2018年12月時点)を発表しました。上海がトップで2420元、そのほか2000元を超えているのが広東、北京、天津、江蘇、浙江の6省市です。上海の最低賃金が2420元ですが、今振り返るとこ15年近く前にこれくらいの金額で人を雇ったことがあるようなないような。長く滞在していると昔のイメージがどこかで残ってしまい、今の水準を聞くたびにそういえば昔はなどと言ってしまいます。これって、おっさんになったということなのでしょうか。気持ちが若いと抵抗しても見かけはやっぱりおっさん!

 

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2019年が始まります

新年あけましておめでとうございます。

2003年から中国コンサルティング業務を行っておりますが、そのころには想像していなかったスピードでの中国経済の発展に伴い、初期のころにいただいた類のご相談もありつつ、新たな分野の相談内容も増えてきております。新しく携わる業務も増えてきているわけですがが、積極的にチャレンジしていきたいと思います。

 

「人生はチャレンジだ、 チャンスは掴め」by ジャンボ鶴田

 

今年も引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

 

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中国における無印良品の競合・類似プレーヤー

 日本で中国の消費者事情について話すと必ず出て来る銘柄の一つとして無印良品があります。そして、中国において無印良品が少し不調なのはなぜなのか、これも最近はほぼ必ず聞かれます。いろんな原因があるかと思うのですが、そのうちの一つとして消費者の選択肢が増えた、つまり似たようなお店が増えたというのがあるのではないかとよく言われます。ここではそのよく似たお店について紹介します。

 

1.网易严选 http://you.163.com/

 まずはサイトから。wangyi

 実験的にだと思うのですが、杭州や武漢に実店舗もあります。

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2.名创优品 http://www.miniso.cn/

 ここはもうおなじみでしょう。ユニクロっぽいロゴにダイソーをパクった名前のなんとなく無印っぽい店舗。

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 日本テイストを売りにしており、日本にもお店があります。日本ブランドと勘違いしている人もいるでしょう。

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3.淘宝心选 https://good.tmall.com/

 いつのまにかタオパオにもこんなサイトが。

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 杭州に実店舗があります。

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4.京东京选 https://mall.jd.com/index-1000003230.html

 JDもいつの間にかこんなことを。

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 これは北京の店舗。店舗数もあんまりないようなので、実験的にやっているのではないかと。

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5.NOME

以上の他にチャイナウォッチャーの間で話題のNOMEというブランドがあります。なぜか二つありまして。

 

(1)诺米设计(广州)有限公司 http://www.nome.com.cn/

 これがサイト。 nome1

 こっちが店舗。右側のポスターに移っているのはスウェーデンのデザイナーとのこと。立ち位置としてはメイソーの三宅さんという日本人と同じような建付けかと思います。

 店舗は広東省を中心に上海にも展開しています。ここの株主は名創優品(メイソー)でして、サブブランドとして立ち上げたブランドといえます。コンセプトは同じですね。日本ブランドに見せかけたメイソー、スウェーデンブランドに見せかけたNOMEです。

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(2)广州诺米品牌管理有限公司 http://www.nome.cn/  www.nome.com 

 こちらがサイト。

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 こちらの店舗は広東省主体ですね。出資者は複数おりますが、香港の投資会社が入ってますが、基本的には中国系かと。

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 この二つ、ロゴが同じように見えるのですが、よーく見ると後者のほうはOの上に曲線が入っており、前者のほうはそれがありません。なのでこの二社、もめているようです。記録を調べてみますと、メイソーとの間で名誉権なるもので争ってい他か争っているかのようで、他にもたくさん訴訟を抱えています。いろんなことを振り切って突き進んでいるのでしょう。これだけそっくりなロゴの二つの会社、これからどうなっていくのでしょうか。無印のことを書いていたつもりがなぜかNOMEで締めることになってしまいました。要は無印はこういったプレイヤーとこれからも戦っていかないといかんということです。

中国の宅配ボックス、果たして儲けは出ているのだろうか

 中国でそんなに普及しないだろうと思っていたものとして宅配ボックスがあります。そもそもネット通販で購入した商品を会社宛に届ける人が多く、会社宛だと誰かしら受け取ることのできる人がいるので、再配達ニーズも多くありません。日本の場合、会社勤めの人がネット通販商品を会社に届けてもらうのは公私混同ということで問題になるケースが多いと聞いてます。また、中国所在の日系企業においても同じく公私混同という考え方の下、ネット通販商品の会社受け取りを問題視するところが多いように聞いてます。しかし、一般的には問題視する会社も多くないので、多くの人が会社受け取りをしていましたが、宅配ボックスの普及とともに自宅付近の宅配ボックスで受け取る人も増えてきたかと思います。

 

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 消費者にとってはとても便利な子の宅配ボックス、気が付くとあっという間に普及してしまいました。ボックスに入れられてしまうと受け取り拒否できないというデメリットがあり、これに対する不満を言う人もいますが、全体的に考えた場合やはり便利です。

 

 さて、この宅配ボックスについて一体だれが運営しているのかと時々聞かれます。もっとも初めに宅配ボックスを作ったのは中国郵政でこれが2010年です。知らんかった。その後ネット販売の成長とともに速递易、中集e栈、云贵といったところが2012-2014年に設立。結構前からあったようですが、知らんかった。今では10数社があり、ボックス自体は25万セット、毎日の処理件数は1100万件に達しています。会社携帯で参入しているということで、気になるのが儲かっているのかという点です。我々消費者からすると、受け取りにあたって費用は発生していないので、宅配ボックス会社は消費者以外のどこかから代金を受け取っているはずです。では、宅配ボックス事業に関する収支についてみてみましょう。

 

 まずはコストから。宅配ボックスのサイズは250×195×50センチで12000元ほど、さらに設置、運営費用を含めると初期投資で4万元程度必要になります。毎年のコストが8,000-10,000元(内ボックスの減価償却コストが4,000-5,000元)、小区(住宅団地)に入るための費用が3,000元、電気代やメンテナンス費用が1,000元程度。宅配ボックス場所使用料の最も高いところでいうと8,000元に達しているところもあるとのこと。これに対して収入は一回の使用に突き0.4元程度。1ボックスがざっと100ほどあるとして、1日1回転とすると1日40元、1か月で約1,200元、年間だと約14,000元の収入となりますが、これだととてもペイすることが難しそうに思います。実際に多くの宅配ボックスの収支はマイナスとなっており、受け取りの暗証番号確認画面に広告を入れたり、スマートフォンでの通知画面にもプッシュ広告を入れたり、何とか収支を取ろうとしていますが、果たしてどこまでもうけが出ていることやら。私の住むエリアにあるのは豊巣という宅配ボックスですが、これは宅配便最大手の順風の関連会社のようで、他の宅配便会社にも使用を開放しておりますが、自社だけのことを考えた場合、ボックスを設けることによって再配達コストを抑えることが一番の目的なのかもしれんですね。せっかくの便利なサービスなので消費者としてはぜひ継続してもらいたいところです。

ファーウェイはかわいそうという見方 

 ファーウェイのCFOがカナダで逮捕されたのはさんざんメディアで報道されているのでこれを読むくらいの人であればおおよそどのようなことで逮捕につながったかはすでにご存じではないかと思います。直接的な理由は「対イラン経済制裁を回避する金融取引に関与した疑い」ということで、しかも過去に虚偽説明を行っていたということなので、これに関しては言い逃れは難しいのかもしれません。これをきっかけにそもそもファーウェイ製品って大丈夫なのかという議論が出てきており、要するに安全保障上果たして大丈夫なのかというのが問題点として挙げられている。おそらく多くの人は中国政府の息のかかった企業だから、製品に変な仕掛けをして機密情報を吸い上げようとしているという見方に対してあまり疑いを持たず、中国政府はもちろんのこと、ファーウェイもけしからんと考えている人も多いでしょう。

 

 これに関して個人的に思ったことがあります。「対イラン経済制裁を回避する金融取引に関与した疑い」は横に置いておくとして、果たしてファーウェイという会社が自らの意思で機密情報を吸い上げるような仕掛けをするものなのでしょうか。ファーウェイという会社は過去にいろんなパクリ的なことをやってきた今までのし上がったという見方もあります。本当にゼロから生み出されるイノベーションもあろうかと思いますが、イノベーションというのは多かれ少なかれパクリをベースにしていたり、ベースとなる技術に応用を加えて新たなものを作り出すことにより生まれる、つまりパクリ的に生まれるケースも多いのではないでしょうか。実際に使えるものがどれだけあるのかというのは大事なポイントではありますが、さはさりながら、2017年の特許国際出願件数でファーウェイが世界で断トツトップの4024件、そしてファーウエイがアップルから取得した特許ライセンスが98件なのに対し、アップルがファーウエイから取得したライセンスがその8倍近い769件と圧倒的に上回り、いまやファーウエイがアップルから特許料を受け取る側に転じています。売上高の10%以上を研究開発費に投じた結果がこれなのではないかと思います。そうであるからこそ一民間企業のファーウェイが安全保障上の問題を抱えた製品を世界中に流通させることの目的が今一つ明確ではないように思うのです。ということは、メディアで報道されているように、ファーウェイ製品に安全保障上の問題があるということは、ファーウェイ自らの意思ではなく、やはり中国政府による指示があったとしてもおかしくないように思います。そしてもし仮にここで書くように中国政府の指示により安全保障上問題のある製品を流通させたのだとすれば、これってファーウェイにとって悲劇ではないでしょうか。やりたくもないことをやらされ、挙句の果てには他国から安全保障上の問題ありということで取引が排除される、本来ものすごく力のある企業なのに、やりたくないことをさせられ、それが発覚したことがきっかけで力のある企業であるにもかかわらず、海外で勝負できない会社にさせられてしまう、ひょっとすると潰れてしまうかもしれない。こう考えると、ファーウェイにとっては今回の出来事は単なる悲劇であるようにしか思えないのです。そもそも中国企業が政府から何かを頼まれ、それを断るというのはその後の事業展開を考えると、現実的な選択肢としてはありえないでしょう。ちょっとファーウェイをかばう立場に寄りすぎかなと思っていたら、なんでもCFOのおじいさんが共産党のちょっとした人だったそうな。事業拡大するためにはこういう人脈って必要なのかなあ。そうであるなら持ちつ持たれつといったところか。

 

 安全保障上の問題に関しては悲劇ではあると思うのですが、CFO逮捕につながった「対イラン経済制裁を回避する金融取引に関与した疑い」はまた別の問題であると思います。これが事実であればファーウェイも儲けを目の前にして欲の皮が突っ張り、やってはいけないことをやってしまった、会社としては注意してしかるべき取引をどうして止められなかったのかという問題に変わってきます。わかっててやっていたとしても同じで、やはりこれが法的に問題であるということであればやはりストップをかけることのできるシステム、仕組みが必要だったのではないかと思います。そう言う意味で、ファーウェイの社内コンプライアンス体制も問題だったのではないかと。もちろん、アメリカが中国狙い撃ち策の一環としてやってきたことであったとすれば避けがたかったのかもしれませんが、少なくとも相手に狙い移されるようなネタを提供してしまったという点で、ファーウェイはミスってしまったといえるのではないでしょうか。

 

 最後に、個人的非常に興味があることとしてこのCFOは中国旅券4通、香港旅券3通を保有しているとのことですが、どうやって取得したのか、それぞれの旅券にどのような違いがあるのか、非常に興味があります。誰か教えてくださーい!

越境EC政策が緩和とともに期限延長、2019年よりスタート

 越境ECの政策、具体的には越境輸入小売ECの政策が短期間の期限を設けられ、期限到来の都度更新されてきていたのですが、今年末期限だったのがさらに継続されることになりました。来年からのスタートですが、単純な継続ではなく、次の4点がポイントとしてあげられます。

 

(1)初回輸入のための許可文書、登録、備案(届出)までもが不要に

 初回輸入のための許可文書、登録、備案(届出)までもが不要になり、個人の持ち込みと同じレベルでの管理となります。それまでは、化粧品、粉ミルク、医療機器、特殊食品(保健食品、特殊医学用途配合食品等を含む)に対しては面倒な手続きがあったわけですが、これがなくなるということです。

 

(2)政策の適用エリアを拡大

 政策の適用範囲を従来の天津、上海、杭州、寧波、鄭州、広州、深圳、重慶、福州、平潭、合肥、成都、大連、青島、蘇州の15都市から、北京、瀋陽、南京、武漢、西安、厦門等を追加して合計22の新設越境Eコマース総合試験区を設ける都市にまで拡大します。

 非試点都市の直接購入輸入業務は関連政策に従って実行されるとのこと。

 

(3)優遇政策を享受できる商品範囲を人気のあるものについて63品目を追加。

 越境EC小売輸入リスト内の商品は限度額内ゼロ関税、輸入環節増値税及び消費税が法定課税額の70%で徴収するというベースに下で、さらにこれを適用する商品の範囲を拡大します。63品目を追加するとのことですが、具体的に何かは今のところ分かりません。判明次第修正追記します。

 

(4)一回当たり購入限度額を2000元を5000元、年間限度額を2万元から2.6万元に引き上げ。

 日本円ベースでいうと約10万円の年間枠が増加します。個人ベースではこれで十分でしょうし、そもそも日用品類が人気の日本商品を好む一般の人にとってこのレベルで十分でしょう。

 

 これはこれで緩和といえますが、一方で来年からスタートする電子商務法に対して警戒する見方もあります。電子商務法ではネット販売する人は原則としてすべて経営者としての登記を要求しており、これがくそまじめに適用されると代理購入ビジネスへの影響は少なくないといわれています。代理購入とは関係ないところで越境ECで購入する人にとってはあんまり変わりがないとは思いますが、商品を売る側としては今回の緩和策よりも、電子商務法に依る代理購入減少の方の影響が大きいかもしれませんね。

 代理購入の減少は空港での取り締まりがどこまで厳しくなるのかによるところがあり、9月末あたりに上海の空港で厳しく取り締まられ、かなりの税金を払わされた人が出たというような報道もありましたし、知人でもたかだか自分が使うためのiPhone一台を持ち込んだだけで900元も税金を払わされた人がいましたが、個人的には10月も11月も特に荷物検査されることもなく通過できていますし、チェックされた人も見ませんでしたので、継続的に厳しく検査するというよりは気の向いた時だけ検査するという、昔と変わらないといえば変わらないのが現状ではないかと。ただし、どこかの気まぐれで厳しくチェックし始めることもありますし、代理購入する人からするとその動きが気になるところでしょう。

ofoに続き電動シェアサイクルの享骑出行でも保証金返却が遅延

 多忙と体調不良のためなかなかかけず久しぶりの投稿になります。

 シェアサイクルのofoの経営危機がここ最近話題になっています。保証金がなかなか返ってこないとか、サプライヤーが代金を回収できないとか、破産するんじゃないとか。もともと私もofoのアカウントは持っていたのですが、このままじゃ保証金が返ってこないのではないかと思い、チャージを使い切った段階で解約申請し、ほどなく保証金が返ってきました。ひょっとするとスムーズに保証金が返してもらえる最後のタイミングだったのかもしれません。

 

 同じような話が緑の電動シェアサイクル享骑出行で起こっています。オレンジのモバイクや黄色のofoよりも台数も少ないし、駐輪場所もある程度限られているので乗ったことがない人も多いのではないかと思いますが、存在くらいは知っているのではないでしょうか。

 

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 この緑の電動シェアサイクル、これもofoに負けず劣らず不良車両が多く、電池不足はしょうがないとして、電池がたんまりあるのに動かない、座席が変な角度になってしまっていて普通に座ることができない、というのが多く、一度あったのは乗り始めて初めて気づくのですが、なんと前も後ろもブレーキが利かない等のもありました。その時は両足を地面に擦り付けて、フットブレーキ全開で無理やり止めました。あと、アプリの反応も悪く、返却したいのにアプリが反応してくれず返却できず、何時間もたってからようやく返却できたなんて言うのもありました。こんな状況なので、チャージを使い切ったら保証金299元を返却してもらおうと思っていたところ、ここでもofoと同じく保証金がなかなか返却されないという状況にあるようです。保証金返却申請をすると、いちおうは7-15営業日以内に帰ってくることになっているのですが、この期間内に帰ってこないという事態が散見しているようです。これに対して、オフィスまで行って直談判すると帰ってくるという話が出てきています。単純に面倒くさいですよねえ。遠方に住む人であればなおさらです。ところがなんとこれをビジネスにする人が出ていて、どういうことかというと、保証金を返却してほしい人から手数料をもらい、代わりに享骑出行のオフィスまで行って保証金返却手続きをしてくるというものです。もちろん、一人だけのためだと割が合わないので、何口も受け付けてから行くと思うのですが、ある程度まとまったアカウント数だと確かにちょっとした小遣い稼ぎにはなります。もし自分で返金申請して規定期間内に帰ってこないようであれば頼んでみようかなあと思います。

 

 しかし、あれだけ話題を振りまいたシェアサイクル事業、採算面ではどこも黒字化していないはずで、バックに大資本がついているところだけが何とか生きている状況かと。ofoも享骑出行も今の体制では時間の問題かも。

今一度自社商標の登録状況を確認しよう!

 昨年あたりから弊社にも知的財産に関係する相談が増えてきています。有名どころでもこの問題に苦しめられている企業がいます。例えば、無印良品がそうです。現地報道によりますと、北京棉田紡織品有限公司なる会社が株式会社良品計画と無印良品(上海)有限公司を商標権侵害で争い勝訴したという記事が出ています。

 

 判決によりますと、「無印良品」商標は海南南華実業貿易公司が24類(綿織物、タオル、シーツ、枕カバー、布団カバー等の商品)で登録したものであり、その後北京棉田紡織品有限公司に譲渡され、同社が北京無印(北京無印良品投資有限公司という北京棉田紡織品有限公司の子会社)に中国での商標権独占使用権を与え、長期にわたって使用してきたとのこと。そして、北京棉田紡織品有限公司の持つブランドであるNatural Millは消費者からは日本の無印良品の代替品とみなされてきたとのこと。ちなみにNatural Millの看板を掲げている店舗はこんな感じです。なんだかなあ。

 

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 悪意があるようにしか思えないのですが。

 

 株式会社良品計画は2001年に商標登録に対して異議を申し立てたのですが、複数回にわたって差し戻されています。2012年には異議を申し立てた商標について中国最高人民法院が商標登録を取り消ししないとの裁定を下しています。このため、今回の裁判において人民法院は、2005年に上なってようやく上海に法人を設立した日本無印良品は北京棉田紡織品有限公司の持つ商標権を侵害したものと判断し、日本無印良品に対して62万元の賠償を命じたのです。つまり、この24類の商標に関して、日本無印良品は中国では使用することができないという結果が出てしまったのであります。なお、商標は大分類として2桁の数字があり、それのさらに細かいものとして4桁の類似群というものがありますが、類似群馬で見た場合、株式会社良品計画が有している商標もあります。

 

 では、良品計画は中国の商標権に関して果たして無策であったのでしょうか。調べるときりがなくなるので、ここでは「无印良品」の文字商標についてみることにします。

 

 「无印良品」という文字商標は、認められなかったケースも含めると214個出願されています。もっとも古いものは盛能投資有限公司という会社が1994年2月に申請しておりますが、すでに期限が到来してしまっており、期限更新はされておりません。その次が杭州無印良品服飾有限公司により1998年9月に出願申請が出されましたが不受理、そして1998年12月に瀋陽太舜企業管理顧問有限公司が出願申請しましたが、これも今では無効となってしまっています。その次が株式会社良品计画で1999年11月と12月で9つの分類で出願申請をしています。そういう意味では、株式会社良品計画も早い段階から動いていたといえるでしょう。このころに出願申請したものに限定して言いますと、期限到来後継続しなかったものも多く、今でも有効なのが3類・25類・35類の3類です。

 

 今回の争いの相手となった北京棉田紡織品有限公司についてみますと、今回の報道では24類が取り上げられていますが、これを2000年4月に出願申請をしています。北京棉田紡織品有限公司の最近の動きを見ますと、今年3月にまた24類で出願申請をしており、出願は受理され、これから審査に入ろうという段階にあります。同社は昨年8月と12月にも24類で大量に出願申請しています。類似群を増やして申請したのでしょう。株式会社良品计画も昨年12月に24類で出願申請を提出しているのですが、今年9月に差し戻されてしまっています。北京棉田紡織品有限公司の動きに影響されたことは間違いないでしょう。

 

 株式会社良品计画が24類の出願を行っていなかったのかというとそういうわけではなく、ちゃんと出願申請を過去に出しておりますが、類似群で押さえ切れなかったものがあるということでしょう。現時点において不足しているものを埋め合わせるべく出願申請中受理待ちのものもありますが、今後どうなるかはわかりませんが、あまり楽観することはできないように思います。

 

 さて、先願主義という考え方がベースになっているので、一度商標登録されてしまうとなかなか取り戻すことはできません。それゆえ、商標権というのは非常に大事に扱うべき、意識すべきものであるといえます。先日もとある会社が中国進出について相談に来られたのですが、商標権について話題になり、その場で調べたところなんと中国のパートナー企業が無断でその会社のロゴの商標出願申請をしていることがわかってしまいました。知らない仲ではないので、このようなことをするのであれば少なくとも何かしら一言言ってくるべきところ、知らない間に出願申請されたようです。親しき仲にも礼儀ありといいますが、礼儀云々の問題ではなく、そもそも黙って進められていることが問題なのであります。こんな事例もありますので、中国にすでに進出している企業、これから進出しようとしている企業は、いまいちど自社の商標の中国における状況を確認しておく必要があると思います。まったく中国市場に関心がない場合でも、自社のロゴが知らない間に登録されてしまうのは不愉快なはず。こないだ紹介したかに道楽のようなケースもきっと不愉快に感じているはずだと思います。一番よくないのは心配だけして、紋々とだけして何もしないことですよ。ですので、やはり確認くらいはしたほうがいいでしょう。