呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国国内上場アパレル企業44社の2017年上半期業績

 中国国内衣料ブランドの2017年の上半期の業績について紹介していきます。カテゴリーとしては、メンズ、レディース、カジュアル、スポーツ、キッズ、下着と別れており、並び方は結構ランダムです。あくまで上場会社の数字なので、連結対象とならない関連会社の数字が含まれていない点は予めご了承ください。

 

(1)メンズ

 雅戈尔(ヤンガー)の売り上げが大きく落ち込んでいます。利益率の低いアパレルを減らして、いろんな分野に投資を行っているのですが、投資のリターンも芳しいものでなく、利益も大きく落ち込んでます。ヤンガーがこんなですので、他の会社もこの売り上げの中に果たしてどれだけアパレルが含まれているのか、よく分解してみないと本当のアパレルの状況は見えなさそうですね。

 

メンズ

 

(2)レディース

 レディース堅調ですねえ。売上高がマイナスになっているところがありません。というか、かなり伸ばしています。

 

レディース

 

(3)カジュアル

カジュアル

 

 捜于特というところが売上高を大きく伸ばしており、時価総額も200億元を超えています。聞いたことのないブランドなのですが、こんなところです。

 

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 全く知らんかった。ロゴがゆに黒っぽいような気もするのですが。。。

 

(4)スポーツ スポーツ

 健康志向が強くなってきていることもあって、どこもかしこも伸ばしてきているのかと思いきや、売上高がマイナスになっているところ、売り上げを伸ばしていても利益が落ち込んでいるところもあります。いいのはANTA、李寧、牧高笛。牧高笛って知らなかったのですが、こんなところです。個人的にはロゴはいまいちですが、全体的な雰囲気はなかなかかっこいいです。

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(5)靴

 靴も業績が結構ばらついていますねえ。ばらついているということ各社のテイストに違いがあるとすれば好みが多様化してきたということなのでしょうか。

靴

(6)キッズ

 これからはキッズだとよく聞きます。安奈儿って5億元弱、つまり100億円も売ってない。好孩子はそこそこですが、中国キッズ市場もこんなものなのか。もっと日本ブランドが来てもいい分野なのではないかと思います。

キッズ

 

(7)下着

 意外と伸びていないですねえ。そういえば贅沢禁止令が出始めたころに、贅沢したいけど目立ってはいけないということで見えないところで着用する高級下着が売れたなんて話も聞いたことがあります。

下着

 

 これをご覧の方にこれらカテゴリーと同業の方もいらっしゃるかもしれません。ぜひご参考ください。

取引所取引が禁止された中国でビットコイン盗難事件!!!

 9月末を以って中国でビットコインなど仮想通貨の国内取引所での取引が禁止されました。一時はビットコインの取引量の9割が中国人といわれてましたが、今は日本が日によっては半分を超えるときもあるようです。

 

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 さて、基本的にビットコインの取引が禁止されてしまった中国で、なんと禁止間際にビットコインが盗まれてしまうという事件が起きました。やられた取引所はOKExとOKCoin(この二つの取引所は関連があります)、金額にして約2000万元です。これに対して取引所側の回答は、「これはハッカーがやったことで、ビットコインが盗まれたことはプラットフォームとは関係ない、被害者は自分で警察に届けてください」って。冷たい!あまりにも冷たい対応!ハッキングされるような脆弱なプラットフォームを提供していたことに対する責任をかけらも感じさせないコメント!ここまで開き直れるのがすごいわ。以前にもビットコインが盗まれた事件はあったようですが、特段の保護措置が取られることなく今までずるずる来ていたようです。

 

 さて、これを実際に警察に届けた場合どうなるか。警察の中にはこれをねずみ講扱いして被害を受け付けないという考え方もあるよです。これまた冷たい!

 

 事件が発生したのは9月28日、取引所取引最終日の2日前です。何が真実かわかりませんが、取引所の従業員がハッカーに情報を提供したのではないかという見方もあるようです。ビットコインはよろしくないという風潮の中、この事件に対して中国当局は真剣に解明するのでしょうか。

中国誘拐事情

 昨年9月に多くの日本人が集まる上海古北にある6歳の日本人の女の子が誘拐されかけたという事件があったことを覚えていますでしょうか。その時女の子は腕をつかまれて連れていかれそうになったのを振りほどいて家族の元に戻ったのですが、誘拐目的だった可能性があります。こんな町のど真ん中で恐ろしい話です。上海は治安がいいといわれますが、油断なりませんね。

 

 さて、そもそも中国って誘拐が多いのか?決して少なくはなく、2016年6月から2017年6月までの間で結審した誘拐事件の裁判が100件ほどありました。100件は多いと思うでしょう。私もそう思うのですが、ほんとのホントに治安の悪い国だとこんなもんじゃないようです。ちなみに世界誘拐マップをご覧ください。色の濃い地域ほど危険であることを示しています。

 

無題

 

 中国の中では地域的には広東と広西で3割近く、この二つを含む東南沿海部(浙江、福建、広東、広西、海南)で約4割発生しています。

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 誘拐対象は9割が大人、1割が子供です。大人の人で狙われた主な対象は、一人で車を運転していた女性、タクシードライバー、風俗店勤務女性、賭博関係者、ねずみ講関係者だそうです。対象者の属性を見ると日本人はほとんど関係なさそうで、せいぜい一人で車を運転している女性がいるかもしれないくらいでしょうか。

 

 誘拐目的としては1割が報復、ストーカーの延長、精神疾患者によるもので、9割がお金目的です。身代金要求額は途方もない金額というのは多くありません。

 

無題

 

 身代金目的の誘拐93件の中で、100マ万元以上要求しているのが15件、2割もないんですよね。そして身代金で一番多いのが1-10万元、なかには1万元以下というのが6件もあります。所得水準の低い知己のものかと思うのですが、それにしてもたかだか1万元という金額で誘拐をするとは。

 

 駐在で来られている方はある程度守られた環境の中で生活しているでしょうが、地方に行くとそこまで守られた環境でないところもあろうかと思います。用心するに越したことはありませんね。

中国における離婚件数推移

 まずは下のグラフをご覧ください。中国の離婚に関する統計です。離婚件数と離婚率の推移を表示しています。離婚件数、離婚率とも2002年をボトムに上昇しています。

 

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 2002年といえば私が上海に駐在した時期です。中国へ新規進出する企業が増え始めた時期であり、要するに中国経済が活発になった時期でもあります。この前年い中国はWTOに加盟しているので、まさにこれから上っていこうとする時期だったといえます。2002年から2016年までの推移を見ますとあれよあれとと増加し、件数、離婚率とも約3倍にまで増加しています。

 

 離婚しても中には復縁する人たちもいます。そんな統計があるんですよねえ。こちらです。

 

 無題

 

 2014年くらいから急に増えているように見えます。これには原因があり、2013年に俗に国五条と呼ばれる住宅購入制限令が発表されており、一世帯につき購入していい住宅は一戸まで、あるいは地方によっては二戸までという制限が出たのです。住宅を購入したい人たちが考えたのが、一世帯を離婚することによって二世帯にして、住宅を購入することだったのであります。なんでも、上海市の徐匯区や浦東新区では離婚手続きが急激に増加したため離婚制限政策をとったとのこと。そういう理由で離婚しているので、住宅さえ買ってしまえば同じ人と再婚する、だから復婚(同じ人と再婚)する人がこの時期に増えたのであります。

 

 しかし、復婚でもトラブルがあったようで、例えば厦門の劉夫妻、住宅購入するために離婚し、住宅を購入し、そして再婚しようとしたところ、妻のほうが再婚を拒否し、裁判沙汰になったとのこと。離婚協議自体は成立しているので、これを取り消すことは今更できず、劉さんは結局妻と購入した住宅の両方を失ったあげく、理由はよくわかりませんが、50万元の賠償金まで支払わされたとのこと。笑い話でこんなことあるのかなあと思っていたのですが、このような事例は結構あったようです。なんとも世知辛い世の中ですなあ。 

無人コンビニって儲かるの?

 シェア自転車や電子マネーのような中国の新しいビジネスモデルが日本でもよく紹介されています。日本にないビジネスモデルが中国で生まれるようになったというのは古くから中国ビジネスに携わっている人にとっては隔世の感があるでしょう。さて、今日はこれまたよく話題になっている無人コンビニについて取り上げてみます。そもそもこれって儲かるのか?先ごろ2000万元のエンジェル投資を受けた広州からスタートしたEasyGoという無人コンビニを例に見ていきましょう。

 

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 無人コンビニは店頭に従業員はいませんが、当然別のところで運営・管理している人はいます。人がいない分だけここの機能は強くしておく必要があるでしょう。

 

 EasyGoのビジネスモデルでは賃料というものがありません。小区(日本でいう団地みたいなもの)の管理会社と提携し、共同で設備メンテナンスを行い、レベニューシェアを行います。管理会社は売上高の5-8%が取り分となります。1店舗オープンするにあたり10万元程度の投資が必要であるのに対し、運営状況は毎日の売上高が約2000元、つまり月商約6万元、粗利率が35%、その他もろもろのコストを差し引くとおおよそ8-12ヶ月くらいで投資元本は回収できるとのこと。2016年の従来型コンビニ店の平均日販が3714元、この水準だと赤字のところも少なくなく、収支トントンまでもっていくためには日販6000元が必要だという見方があります。無人コンビニだと日販2000元で十分利益が出るようですから、確かに投資効率は良さそうです。無人コンビニを行っている事業者はいくつかありますが、どこもかしこもファンドから結構な金額の投資を受けたりしています。しかし一方で、店舗が小さく、取扱品目が多くない無人コンビニは消費者を満足させることができず、ゆくゆくは飽きられるという見方をする人もいます。このあたりの評価はもう少し時間が必要でしょう。

 

 また、無人コンビニには実店舗でよくある入場料がないということもあり、無人コンビニと取引をしたがるサプライヤーは多いとのこと。ちなみに客単価は22-24元とのことなのでおおよそ90人弱が買い物していることになります。今年の夏は異常に暑かったこともあり、買うつもりもないのに無人コンビニ内で涼んでいた人も多かったようですが。

 

 何分新しいビジネスモデルなので、評価が定まるにはもう少し時間が必要かもしれないですが、面白い動きではありますね。

上海の商業施設の賃料と坪効率

1.賃料

 2016年の上海の商業施設の平均賃料は8.8元/㎡/日となっており、商圏別に見ますと徐家匯が最も高く、南京西路、南京東路がそれに続きます。郊外では莘庄が相対的に高い水準にあります。業態別の賃料は小売業が最も高く、その次に飲食店、サービス業は最も低くなっています。それぞれの業態の売り上げの伸び率は小売業が6%、飲食業が4.5%、サービス業が2%、思ったほど伸びていないですね。

 

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2.坪効率

 中国大陸では坪という単位はほとんど使われていないのですが、面積当たりの売上を示す指標で「坪効」という表現があり、●元/㎡/日という表記になります。2016年の上海市の商業施設の全体平均は49.1元/㎡/日、商圏別に見ますと賃料の高い徐家匯、南京西路、南京東路では90元/㎡/日を超えています。郊外商圏では趙巷というところが最も高くなっています。

 

 業態別に見ますと、小売業が59.9元/㎡/日、飲食業が51.6元/㎡/日となっています。

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 小売業とサービス業はそれぞれ前年比▲1.1%に対して、飲食業はプラス8.7%と対照的な数値となっています。

 

 規模別に見ますと大型の商業施設の水準が高く61元/㎡/日、しかしながら減少幅も大きく、前年比▲7.9%となっています。小型については伸び率は17.3%のプラスとなっています。

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 百貨店、スーパー、専門店を比較しますと、百貨店の坪効率が高いです。高級なものを中心に扱っているので当然なのですが、これは86.3元/㎡/日、しかし前年比▲4.4%。スーパーは38.7元/㎡/日(前年比+1.6%)、専門店が61.9元(前年比+0.6%)という結果になっています。

 

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 読者の中にもこういった商業施設に出店している方も多いと思います。ぜひご参考ください。

ユニクロと第一財経週刊による「2017年新中産品質生活報告」その3

7.消費が増えたかどうか

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(1)旅行

 みんな旅行に行くようになりましたねえ。外国旅行もそうですが、長期休暇時は国内も観光地も以前よりも人が増えたように思います。2000年代はまだそこまでたくさんいなかった印象があります。

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(2)趣味

趣味に費やすお金も増えてきました。気持ちに余裕が出てきたのは間違いないですね。

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(3)過去一年の間に消費したもの

版権のある図書への支出が9割近くです。そういえば、最近は動画サイトでも課金するコンテンツが増えてきてますね。

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8.ブランド

(1)ブランドロイヤリティは高まったか

ブランドロイヤリティがこれだけ高まっているのであれば、いかに初めの段階で囲い込んでしまうかがかなり重要ですね。

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(2)以前よりもよく知らないブランドを試すようになったか

知らないブランドにトライする人も増えてます。値段やブランドだけ見て買う人の比率は年代が分けければ若いほど減ってきているでしょう。

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(3)ブランドを購入する原因は

とはいうものの、ブランド力のあるものは品質が良いと思われていますね。コスパが高いというのはどの程度の意識で答えているかわかりませんが、値段の割には長持ちするよねというのは多いのではないかと。友人の推薦はいがくぃと少ないのですね。

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9.将来(今後消費が増えるか否か)

(1)教育・自己啓発

余裕が出てくると自己投資、顧問先の社長も言ってました。

教育自己啓発

 

 

(2)投資理財(保険を含む)

投資もまあまあしてますねえ。

投資理財

 

(3)養老貯蓄、医療

年を取ってからのことはほかの項目と比べると消費が増えると思ってないですね。まあ、その年齢にならないとわからないことですし、まだその年齢に達していないとこんなものなのでしょうね。

養老貯蓄医療

 

ユニクロと第一財経週刊による「2017年新中産品質生活報告」その2

4.気持ち・精神のある買い物(ちょっと翻訳が難しかったです。こだわった買い物のようなイメージ)

(1)過去1年の間に以下の商品を購入したことがあるか

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(2)文化芸術(映画・イベント・展示会etc)に対する消費は増えたか

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(3)自分の個性を表す服装に対する消費は増えたか

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 自分の個性を大切にして、自分の本当に好きなものを買ったり体験したりする人が増えてきているということが言えるでしょう。マニアック、オタクな人が増えてきているともいえるでしょう。

 

5.価格から品質へ

(1)よりお金を出してより良いサービスと体験を追求したいか

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 4分の3が新しいサービスを体験したいと考えていますね。私も思うのですが、楽しみに飢えている、だから楽しみを追求するという動きが感じられます。

 

(2)実店舗での体験をより重視するか

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 いくらネット社会になってきているからといって、実店舗が完全になくなるわけではありませ。実店舗としてはネットに流れている消費者をどのようにして取り戻すかが大事で、そこでよく出てくるキーワードが体験です。いかに楽しく実店舗で買い物体験できるのか、そして果たして消費者がどこまでそれを望んでいるのかということですが、やはり他のいい買い物体験は望まれていることが分かります。

 

(3)街をぶらぶらあるいはショッピングの際にどのような新ブランドがあなたの好感度を増しますか

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 オリジナリティーとサービスに対するポイントが高いですねえ。中国で日本レベルのサービスが受けれるか否か。私の答えは条件付きで受けられるというものです。条件付きというのはより高いレベルのサービスを受けるためにはコストが必要という意味です。とはいうものの、一般レベルでのサービスという意味でのレベルも上がってきていると思います。

 

6.健康

(1)飲食・生活習慣の健康に対する影響に注意しないといけないと思うか

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 注意しないといけないと思うかと聞かれ、そう思わないと答えるほうが変なので、これは高い数値が出て当たり前でしょう。

 

(2)消費している傾向にあるのか

①スポーツ衣料、スポーツ用品、スポーツレッスン、有機食品等

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②食品

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 スポーツ、食品に対して以前よりも消費している傾向にあるとのことです。

 

(3)健康のためにどのような努力をしているか

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 食品、運動、休息、健康のためにこれらを重視しています。

 

(4)しばしばスポーツ(ジョギング、ヨガ、フィットネスを含む)を行っているか

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 結構高い数値が出ていますねえ。「しばしば」と聞かれて4分の3以上がそうだと答えています。感覚的にはちょっと多すぎるような気もしますね。

 

続く

ユニクロと第一財経週刊による「2017年新中産品質生活報告」その1

 中国メディアの第一財経週刊とユニクロが共同で「2017年中国新中産品質生活報告」というレポートを発表しています。このレポートで定義している「新中産」とは、一定の時間、財産、社会リソースを持っていることをベースに、これらのリソースをさらに多様化していることが「中産」と異なるとしています。ちょっと難しいですね。調査対象者は20-45歳の一定の収入水準を持つ人(個人月収で、一線都市:8000元以上、新一線と二線都市は4000元以上)としています。いろんなアンケートを取っているので、これを3回に分けて結果をみていきましょう。

 

1.買い物について

(1)消費が理性的になったか

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(2)価格よりも品質を重視

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(3)以前よりの自分のスタイルを表すことのできるブランドを重視

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 要するに買い物の際に品質はどうでもいいからひたすら安いものを買うようなことはせず、値段が高ければいいものだとばかりに値段の高いものをに価値基準を置くような買い物をせず、品質を見ながら、自分に合うものを、理性的に買い物しようという考えになっています。

 

2.ハイテク製品に対して

(1)スマート化は生活を便利にしてくれたか

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(2)スマート商品にもっとお金を投入するつもりはあるか

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 調査対象者が20-45歳ということなので、この辺りは当然高い数値が出てきますね。

 

3.支払い

(1)支払いを行う時の最初の選択肢

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 なんと現金を選択する人が2.48%しかいません。ちなみに私個人の場合だとクレジットカード、電子マネー、現金の順番になります。

 

(2)どのような場面でモバイル決済を行うか

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 モバイル決済が圧倒的多数です。この辺りは最近日本のメディアでよく紹介されているところであります。

 

 電話が普及しきる前に携帯電話が普及したように、クレジットカードが普及する前に電子マネーが普及してしまったようなものといえるでしょうか。個人的には中国ではクレジットカードは非常にはまりやすいと思っていました。クレジットカードにはノーマルカード、ゴールドカード、プラチナカード、そして頂点のブラックカードとランク付けされており、よりランクの高いカードを持つことで中国人の虚栄心を満足させるのではないかと思っていました。しかし現実は、銀行カードといえばデビットカードの機能ばかり利用され、クレジットも利用する人はいるのですが、思ったほどでもなかったです。そして今や電子決済ですよ。電子決済を活用すること自体は虚栄心を満足させるものではないと思うのですが、利便性が優先してしまったようですね。

 

続く

個人信用度が上がることで住宅賃貸の保証金が免除

 住宅賃貸取引サービスプラットフォームなるものを構築しようという動きがあります。まず最初は、杭州からで、アリババとアントフィナンシャル(アリババの金融子会社)が全国初の住宅賃貸スマートプラットフォームを早ければ9月末にもスタートします。

 

 ポイントとなるのは評価体系です。賃貸前、賃貸中、賃貸後のそれぞれの段階において、仲介者に対する評価、賃借人の賃貸人に対する評価、賃貸人の賃借人に対する評価(賃料の支払い状況等)、というように、関係者間で相互に評価し、その信用度が公開されるものです。これが回り始めると、信用度の高い賃貸人はより多くの賃借人の目に触れるようになり、信用度の高い賃借人は保証金を免除されたり、家賃を月払いできたりするようになります。上海界隈では駐在員の住むような高額物件は家賃を月払いしているケースが多いと思いますが、一般的な住宅では付三押一(保証金1か月、家賃3か月前払い)が多く、地方によっては付六押一(保証金1か月、家賃6か月前払い)付十二押一(保証金1か月、家賃12か月前払い)なんてのもあります。大家からするとがちがちに保全を固めてるわけですが、借りる側からすると一番負担の大きい1年分の家賃前払いなんてあまりにも立場が弱すぎるといわざるを得ません。

 

 アントフィナンシャルによりますと、すでにいくつかの住宅仲介サイトで芝麻信用(個人の信用度を図る社会信用スコア。アントフィナンシャルが設立した独立機構によるもので、ビッグデータを使い個人の信用力を数値化し、評価点数が高い人には、ローンの金利優遇やホテルのデポジット不要など様々な生活サービスでメリットが享受されます)の評価に基づいて賃借人が保証金を納付することが免除されたり、家賃の月払いを認められたり、仲介料を免除されたり(仲介業者にとっては痛いはず)というようなメリットを受けられるような仕組みが出来上がってきています。

 

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(住宅賃貸仲介サイト「相寓」のウェブサイトより)

 

 他にも住宅賃貸に関する通達は準備されているようで、大家のほうから「子供が結婚することになったので住ませる」なんて理由で賃貸契約を解除してくるようなことは認められないようになり、賃貸契約も3年以上の期間で締結すれば政策支持(補助金か?)、家賃月払いを奨励するという内容になっています。

 

 そもそもいままでが賃貸者の立場が強すぎたのであり、こういう動きは賃借人にとっては非常にありがたい動きだといえます。アリババのような大手が動いている話であり、思っているよりも早く普及するかもしれませんね。