労務

最新版給与指導ガイドライン

 2018年も残すところ後3か月弱。今この段階で少なくとも全国15省市で2018年企業給与指導ガイドラインが発表されております。

 

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 毎年のように発表されている企業給与指導ガイドラインですが、ここで二点はっきりさせておく必要があります。

 

 まず一つ目として、給与指導ガイドラインは必ずしも企業が必ず給与をこのガイドライン通りにあげなければならないというものではないということです。これはあくまで意見であり、指導であり、強制力はないのです。とはいうものの、こういう具体的な数値が示されている以上、給与に関する交渉、特に団体交渉の場合はこれを持ち出して交渉がスタートすることは十分にあり得る話だと思います。

 

 もう一点ですが、仮に給与を上げるにしても、当然のことですが、企業の業績や体力により、上げ幅は異なるという点です。地方によってガイドライン数値が異なるのはこれも背景の一つといえるでしょう。

 

 景気が低迷してなかなか休養が上がらない環境の中で、国が給与上昇率に意見するならまだしも、今はそういう環境でもないでしょうし、いつも思うのですが、企業からすると大きなお世話的なガイドラインといえるでしょう。でもまあ、出てしまったものはしょうがないですし、それなりに従業員も知っている情報なので、お互いがこの数値を認識しつつ交渉するということになるでしょう。

中国の大学新卒初任給格差

 日本の大卒初任給は一部の特殊な職種や外資系企業などを除き、いまはだいたい20万円前後なのかなと思うのですが、どこの大学を出ているとかあんまり関係なく、企業が大学新卒の新入社員に対する給料は統一されていると思います。ところが、中国では出ている大学によって初任給がかなり大きく差があるようです。

 

 赶集網が95後の新卒者に対して調査を行った《2018年卒業生就業報告》によると、彼らが期待する平均給与は6174元となっています。これはあくまで平均で、どこの大学を出ているのか、どの学部を出ているのか、これも大きな要素なのです。では、大学新卒給与トップ200を見ていきましょう。

 

 2017年卒業というのは就職して1年未満なので、ほぼ初任給の水準であるといえます。2015年卒業や2013年卒業の金額も出ていますが、これは単純に勤務経験を積み重ねるうちに昇給していったものです。初任給で見た場合、清華大学理工学部がトップで9065元、なんと上海市の2017年平均賃金の7132元をはるかに上回っています。第20位の上海対外経貿大学でも8500元です。

 

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 これは全国トップ200ののうちのトップ20の数字ですが、上海市内の大学だけを抜き出したものがこれです。一番最後の上海海洋大学農林学部で6264元です。トップの上海交通大学総合学部の9010元の3分の2くらいです。かなり差があります。

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 それでは、全国トップ200全てを見てみましょう。トップの清華大学理工学部9065元に対して、第200位の西安建築科技大学が3394元で約3倍の違いです。しかも西安建築科技大学の2013年卒業生の平均賃金は4925元で、もう5年も働いているというのに、同じ大卒なのに清華大学理工学部の新卒初任給の約半分とは。。。日本も学歴社会といわれてます(以前ほどではないのかな?)がこれだけ給与格差があるのを見てしまうと、どうみても中国のほうがよっぽど学歴社会といえるでしょう。

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11省市における2018年の給与指導ライン

 8月21日時点で、すくなくとも上海、山東、山西、内蒙古、福建、河南、江西、吉林四川、天津、陕西等の11省市において2018年の企業給与指導ラインが発表されています。上げ幅を見ると多くが10%以上で、上海、江西は基準ラインのみの発表となっております。基準ラインの多くは7%程度、下ラインの多くが3%程度となっています。

 

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 各地により要求が異なるのですが、上海の場合ですと、給与水準の低い現場作業員の給与引き上げを促しており、現場作業員の給与増加幅はその企業全体の平均給与の伸び幅を下回ってはならない都市、高級管理職についてはその企業全体の平均給与の伸びを上回って張らなないとしています。

 

 さて、そもそもこの給与指導ラインはどこまで守らなければいけないものなのか。答えとしては必ずしも守らなければならないものではなく、参考にすればよいという程度のものであります。要するに強制力はありません。会社のよって状況が異なりますので、これをがんじがらめに適用させる方に無理があるといえるでしょう。あくまで参考と考えていただければよいかと思います。

 

 それにしても下ラインが軒並み3%、これをうらやましいと思っている人は少なくないかと思います。

直近の11省市の最低賃金を見てみましょう

 6月29日に北京市、四川省が最低賃金引き上げを発表しました。北京は毎月2000元だったのが2120元に9月1日より引き上げられます。四川省は1260-1500元だったのが7月1日より1550-1780元/月に引き上げられました。北京市の上げ幅は6%ですが、四川省では等級によって18.7-23.0%もの引き上げとなっています。

 6月29日までの間に、北京、四川、広東、遼寧、新疆、江西、西藏、広西、上海、雲南と山東の11省市が最低賃金を引き上げており、現時点において,上海、深圳、北京、広州、天津、杭州、寧波、温州等の8都市で最低賃金が2000元を超えています。

 

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最低賃金とはあくまで最低レベルではあるのですが、このレベルの賃金で生計を立てている人は実は決して少なくないようで、労務派遣工や、歩合制の販売員などがそうです。

 

 

上記11省市以外では、安徽省、重慶市の最低賃金が今年中に引き上げられる事が予想されています。関連規定によると、各省市の最低賃金は少なくとも2-3年に一回調整しなければならず、且つ調整幅は原則として社会平均賃金増加幅を超えてはならないとされています。

 

特に工場では最低賃金を見ながら賃金設定をしているところも多いようなので、この数字の動きは結構気になるでしょうね。

 

従業員解雇交渉の現場 ~その5(最終回)~

 日本側から依頼を受けた期限の3月31日がやってきた。この時点で残り二人の従業員との交渉は妥結しておらず。お金が欲しかったらそっちから連絡してきたらいいというスタンスで構えて放置していたので、特に交渉もしなかった。実はこの会社、いまどきまだ派遣会社から社員の派遣を受けるというスタイルをとっていたこともあり、私は従業員を放置しつつも、その間派遣会社とは打ち合わせしており、派遣会社の希望もあり3月31日付で派遣された社員を派遣会社につき返すという方針で進めようということが決まっていた。「会社の規章制度を守らない(娘さんのお店に対する嫌がらせという社会道徳に反する行為を行った)、職務を執行せず(メールでの支持を受けないと明言)会社に損害を与えた」という理由で派遣会社につき返したのである。派遣会社に対してはもちろん娘さんの店に嫌がらせをしたことも説明。これで会社と残り2人の社員との関係は切れたも同然。無責任なようであるが、今後従業員は不満があれば派遣会社とやり取りすればよい、それを狙って突き返したのだ。派遣会社も同じようなケースは何度も遭遇しているようで、それは困ると言いながらしょうがないなあという反応であった。この日に男のほうからは連絡があったが、銀行口座が既に差し押さえられてしまったので、金額がいくらであれもう支払うことはできないと説明した。だからあの時に妥結しておけばよかったものを。たかだか0.8万元にこだわって4.2万元をふいにしてしまうとは。アホとしか思えん。この件について一番最初に交渉妥結したリーダー格の人とやり取りがあった。

 

「彼はもう1元ももらえへんよ」

「何を考えているかよくわからなかったが、なんとなくかわいそう」

「今妥結しとかないと1元ももらえなくなるかもしれないって、俺はちゃんと説明してたやろ?」

「してた」

「そのリスクを彼は取ったのだからしょうがない。」

「確かに」

 哀れといえば哀れだが、小さなことにこだわって4.2万元をふいにしたのは本当にアホとしか言いようがない。

 

 さて、その後この二人の従業員は会社に対して労働仲裁を申し立ててきた。仲裁庭からは誰が出席するのか聞いてきたが、だれも出席しないこと、そもそもこの二人の従業員は派遣会社に突き返したのでもう会社とは関係ないこと、会社に関係があるとしても会社の銀行口座はすでに債権者より差し押さえられており、仮に仲裁の結果が会社は二人の従業員に対して支払うべきというものであったとしても支払いようがないこと、法定代表人も中国にいないので追いかけようがないこと、なのでこんな仲裁をやっても意味がないと二人に伝えてくれと仲裁庭の人に伝えたのだが、「そんなこと私の立場からは言えない」ってさ。まあ、そりゃそうか。

 

 このほか、債権者が債権取り立てのための提訴をしたりしてきたが、そのあたりはちゃんと相手の弁護士に状況を説明し、事務手続きだけは協力し、こちらとしてはこの案件はいちおう終結した。

 

 この案件を通じて一つ気になった言葉がある。以前携わった会社清算の時にやはり解雇にあたっての経済補償金の交渉をしたことがあったのだが、その時にある従業員が言った一言を思い出した。

 

「我对这家公司有感情」(私はこの会社に対して思い入れがある)

なんとも美しい言葉なのだが、これを言った従業員はちょっとややこしい人だったのを思い題した。そして今回の案件でも全く同じことがを聞いた。言ってきたのは財務責任者だ。これから同じような話があった時、このフレーズには要注意だな。(終わり)

従業員解雇交渉の現場 ~その4~

 このとき娘さんから電話が来た。

「あの二人が店に居座って出ていかない、どうしたらいいか?」

「ガードマンにつまみだしてもらえばいい。ガードマンが役に立たないようであれば公安に言えばいい」

「そんなことすると大家さんのお店に対するイメージが悪くなって、お店の賃貸契約の更新ができなくなるかもしれない。」

「そんなこと言ってたら何もできんでしょう。とにかく、写真バシバシとって、後に何かあった場合に備えて証拠を残しておきましょう」

 

 この二人の従業員は再三再四にわたる説明にもかかわらず、株主は連帯責任があるのでそこからとってやれと考え、娘さんのほうにも再三再四にわたって株主には連帯責任はないと説明したのだが、どうも連帯債務を負わなければならないという観念から離れられなかったようで、要するに理解していない者どうしでもめていたという訳の分からない状況だったのだ。しかし、これはこれで社会道徳に反する行為なので、あとから何かあった時に、この時の素行をカードとして持っておくことにした。

 

 この財務責任者、本当にややこしいやつで、ルーティンワークもすべて拒否し、日本側に対して「メールは法的効力がないものなので、メールを通じて受けた指示に従うことはできない」というメールを送ってきたのだ。このメールは社長宛で、私あてには送られてこなかったのだが、社長から転送してもらった。社長が中国語を読めないとわかっていることもあり、機械翻訳なのか、知り合いに頼んだのかわからないが、ちょっとたどたどしい日本語で送られてきた。事態の流れがわかっているので、だいたいの内容は理解できた。しかし、メールには法的効力がないという内容をメールで送るという何とも自己矛盾したメールだ。日本側からこのメールに関して相談があったが、会社を放置するという方針で進めていく以上、こんなメールにまじめに対応する必要がないと説明し、これもまた後から何かあった時のためのカードとして持っておく材料とした。(続く)

従業員解雇交渉の現場 ~その3~

 さて、残った二人は財務責任者と営業の男だ。営業の男に対して提示した金額は4.2万元(ルール通りだと本来であれば7.1万元)、そして男が5万元を下回るのは受け入れられないという。そこであらためて、今妥結しとかないと1元も受け取れなくなるリスクがあると相当丁寧に説明したのだが、そのリスクをとると言い張る。まったくもって合理的ではないと思うのだが、本人の希望なのでしょうがない。その場はそれで妥結しないまま終わらせた。この日はこれで終わりだと思い、帰ろうかと思っていたところ、なぜか財務責任者と胡散臭い男が交渉の続きをやろうと言いながらやってした。この胡散臭い男がいる場での交渉をするつもりはなかったので、今日はもう時間がないと言って帰ってもらった。結局財務責任者の顔を直接見たのはこの日が最後となった。しばらくそのオフィスでぼーっとし、今度こそ帰ろうと思いエレベータに乗ろうとしたところ、一番の大口債権者とバッタリ。無視するわけにもいかずしばらく話し込み。こちらとしてはない袖は振れないとしか言えず、向こうは向こうで粘ってくる。すでに弁護士を通じて何らかの手続きは進めていたようなので、それに沿って進めていけばいいのではと伝え、その日はお別れ。

 

 退職の交渉が妥結しなかったので、残留した二人はなんだかんだ言いながら従業員という存在であり、必要があれば業務は遂行してもらわなければならない。実際はこの会社は沈むことが決まっている船であり、業務はほとんどなく、事務的な業務があればそれをやってもらうよう指示するだけである。それもちゃんとやってくれず、自己主張だけはする。実はこういう動きがあった。

 

 この会社、日本人の個人が出資しているように紹介したが、実は名義借りで出資しており、実際にお金を出したのは日本人、形式上の株主は中国人となっている。残留した二人は会社の財務状況も分かっており、日本側からとれない(と私からさんざん説明していた)こともあり、なんと形式上の株主からふんだくろうともくろんだのである。実はこれ、わりと最初の頃から会社は有限責任公司なので、出資者の責任も有限責任であり、出資金以上の責任は発生しない、そのため株主に催促しても株主は支払う義務はないというのを何度も何度も説明した。確かに、個人独資企業という概念で設立した会社の株主は会社の債務に対して連帯債務を負うというルールはあるのだが、中国の会社法が改正され、一人有限公司という概念ができてからは株主が連帯債務を負わせられかねない個人独資企業で会社設立する例はほとんどなくなり、基本的には一人有限公司の形態で設立するようになった。この会社も一人有限公司なので、形式的にとはいえ出資金払い込みが完了している以上、株主にはこれ以上の責任は発生しない。しかしわからずやのこの二人の従業員はなんと形式上の株主の娘さんが経営しているお店に出向いて嫌がらせ行為を行ったのだ。(続く)

従業員解雇交渉の現場 ~その2~

 さて、経済補償金の話に戻ろう。経済補償金は計算公式があり、従業員の勤続年数や給与水準で自動的に計算することができる。いちおう従業員側から経済補償金の案が出されたのだが、そもそもの計算方法が違法解雇を前提として法定の2倍を要求してきており、現状はこれを適用する状況ではないと突き返し。さらに、そもそも会社の預金残高も不足しているので、法定水準のレベルも支給できないと説明。そこで、現実的な案として、現在ある残高を本来支払われるべき経済補償金に準じて4人で案分するというのを提示した。本来は支払いに回すべきお金を払わず、その時点の銀行残高をすべて補償金に充てようという、従業員にとっては状況を考えると現実的且つベストな案といえるはず。しかも、その後破産申請する可能性があることまで説明し、破産申請になってしまうと1元たりとももらえなくなる可能性があると説明。ところが従業員の反応はノー。ということでこの日の交渉は決裂。我ながら現実的でいい案だと思っていたので、ちょっとびっくり。ところが、その後リーダー格の一人からWechatで連絡が欲しいとメッセージがあり、電話したところ「あの案いいと思うだよね。でも協議書がなかったし」って、協議書用意してたっちゅうねん!この案は受入ららないというから見せなかっただけなのに。

 

 後日基本的には同じ案で改めて交渉。債権回収が一部できていたので、補償金として配分する金額を日本側の了解を取ってほんの少し増額して提示。法定通りの金額に満たないとはいえ、この日は妥結するだろうと思っていたのだが。。。

 

 交渉の場には従業員の4人が出席。これは当然として、なぜか財務責任者が今まで一度も会ったこともない男を連れてきて、交渉に参加させるという。その男は、「私は労働局の者で、このような場面に何度も立ち会ったことがあり、交渉を妥結させるべくやってきた。労働局に電話して確認してもらってもいい」と言う。普通役所の人が来る場合、自らの身分を証明する工作証明を提示するはずなので、私のほうから、

 

「こっちから労働局になんか電話しない。あなたのお名前は?工作証明を見せてもらえますか?」

と問いかけるも、それに対してはゼロ回答。私からすると身分の確認できない二元なので、

「身分のわからない人なので出て行ってください」

と伝え、追い出した。要するに胡散臭い男を連れてきたのである、財務責任者は。そしたらその財務責任者もブチ切れたようでその場を一緒に出て行ってしまった。この日で決めてしまおうと思っていた残りの従業員は大慌てだ。その後すったもんだあったものの、二人が交渉妥結し、なぜか一人で戻ってきた財務責任者が補償金の振り込み手続きまで済ませ、なぜかまた出ていってしまった。まあ、提示金額を受け入れたこの二人の行動は正解だ。(続く)

従業員解雇交渉の現場 ~その1~

 最近携わった案件のお話。案件規模は大きくないのだが、ストレスは結構溜まった。長くなるので何回かに分けてアップしていく。

 とある広告会社なのだが、もうやっていけないということで撤退の相談があった。撤退というと会社の清算手続きをするというのが一般的かと思うだろうが、このケースは投資者が法人ではなく、個人出資の会社で、業績が不振だったのをその個人が資金を投入して支えていたのだが、もうこれ以上支え続けるのは大変だということで撤退しようという話になったのである。

 

 清算手続きを行う場合、基本的には従業員の処理や全ての債務を精算したうえで清算手続きを行っていくのだが、この会社の場合は債務超過なので、会社独自で債務を精算することはできない。投資者がそこそこの会社の場合だと、投資者がお金を突っ込んで債務を精算しようとするのだが、この会社は個人会社、そこまでの資力はない。ということで、会社そのものを放置しようということになった。いわゆる夜逃げに近い形である。ただし、従業員に対しては、永年勤めあげてくれたこともあり、少しでも報いてあげたいという思いが日本側にあり、支払える範囲内で従業員に対して補償金の支払いを行うという交渉が私に託されたのである。小さな会社なので従業員は4名、たいして難しい話でもないかと思っていたのだが。。。

 

 経済補償金の交渉は以前にも行ったことがある。従業員はできるだけむしり取ろうとするので、金額を吊り上げようとあれやこれやと言ってくる。しかし、今回のケースは今までのものとは違った。会社に金がなく、日本側からも追加で資金投入する状況にないのだ。つまり、いくら従業員が騒ごうが、いまある資金の中で我慢してもらうしかなく、それ以上のものを求められても「無理!」と返すしかないという状況、いわゆるない袖は振れないという状態だ。

 

 経済補償金の交渉に入る前に、オフィスの大家さんからの強い要望もあり、入居しているオフィスの分公司登記を抹消手続きを進めようと思ったのだが、提出資料として税務関連資料が必要だった。それ以外の資料はすべてそろっており、財務関連の資料だけは財務責任者に用意してもらわないといけなかったのである。そして財務責任者にそれを手配させようとすると、その準備のために必要な金税盤(発票発行のために必要な器具で、この中に発票発行データ等が入っている)と財務ソフトを立ち上げるためのUSBがないとぬかしやがった。財務責任者によると、押しかけてきた債権者が嫌がらせのために持って行ったに違いないとのこと。このときはまだこの財務責任者を信じていたのだが、実は適当なことを言っていたということが後でわかった。証拠があるわけではないのだが。というのも、従業員全体を集めて打ち合わせしたときに、分公司抹消手続きの話をし、あらためて税務関連資料が必要なので、財務責任者に何とかしてほしいと申し入れした。具体的には、金税盤の再発行手続きと、1月末時点までの財務資料があるのだから、2月分の証憑をかき集めて2月末の財務報告書を作り上げることを指示。はっきり言ってかなりめんどくさい作業だ。実はこの時点でこの財務責任者にはかなり問題があるように思い始めていた。この指示を受けて財務担当者は探すと言い始め、探し始めて5分ほどで金税盤と税務ソフト用USBとも見つけたのである、しかも自分で。明らかに怪しいとしか思えない。(続く)

中国の飲食業の人件費が大卒や院卒の初任給以上?

 中国の人材会社58英才の調査報告によると、北京、上海、広州、深圳等の一・二線都市の飲食業社員の給料が高騰しているとのこと。高いところから10都市を並べると、北京、南京、広州、上海、深圳、杭州、合肥、蘇州、西安、武漢となっており、杭州の飲食企業の平均賃金はなんと5898元に達しています。縦の点線が2本走っていますが、左が4年制大学新卒の初任給、右が院卒の初任給です。

 

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 多くの都市で飲食企業の平均賃金が4年制大学新卒の初任給を上回り、北京に至っては院卒の初任給までも上回っています。飲食業自体の市場規模が大きくなっているのに対して、人手の数が足りていないこと、長続きしない人も多いこと、あるいはデリバリーサービスやバイク便に従事している人たちの給料が飲食業の人たちと比べて高いことから、対抗するために上げざるを得ないといったことが理由として挙げられています。

 

 近年一部のお店でiPadやQRコードを使って来店客に自分で注文させたりするところがありますが、これをすることで人手を抑えることができるようで、今後ますます増えていくのかもしれません。

 

 しかし、初任給とはいえ飲食業スタッフの給料が中国で4年制大学新卒や院卒の給与と比べられるのはかつてあまり考えられませんでした。北京に至っては院卒の初任給まで上回っており、本当にこんなに飲食業社員の給料って高いのかとびっくりします。データは飲食業企業の賃金なので、店頭スタッフだけでなく、ベテランの調理師や本部スタッフもいるのでしょうが、大多数が店頭スタッフでしょうからこの金額水準は腑に落ちない。近所の飲食店の求人の張り紙の写真を撮ってきました。

 

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 これ上海の写真ですが、職種にもよりますが、平均6331元という調査結果に対してやはり低い水準です。調査会社が拾うデータなので、ちゃんとした飲食企業のみを対象にした調査結果としての金額ということなのでしょうか。賃料増や原料高に加えて人件費もこれだと飲食業も大変ですね。中国で多店舗展開している日本の飲食業といえばサイゼリヤ、吉野家、すき家、カレーハウスCoCo壱番屋、ワタミあたりが浮かびますが、これらの企業も人件費負担が年々厳しくなってきているかもしれません。

 

 ちなみに下の写真は去年12月に取ったの上海のユニクロの求人広告です。5000元からのスタートで、その後最短どの程度の期間で職位がどうなり、どこまで給料が上がっていくかまで図示しています。ご参考まで。

 

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