労務

2015年中国最低賃金一覧

すべてを網羅しているわけではないのですが、2015年中国最低賃金一覧なるものを見つけましたのでご紹介します。

 

 

 北京と深圳はついに2000元越えですねえ。思えば1995年に広州にいたときはその辺の人の給料はみんな800元くらいといっていたような気が。しかも1万円が800元くらいの時代。上海の最低時給が18元。これはあくまで最低なので、20元とか30元くらいは出さないといかんのでしょうねえ。

 

 毎年のように上がっている最低賃金。《最低賃金規定》という通達があり、これによりますと、各地区の最低賃金標準は2年ごとに最低1回調整しなければならないとされています。ところが、2年間最低賃金が調整されていない地区があります。黒竜江省、遼寧省、吉林省、いずれも東北の省です。黒竜江省は2012年12月1日に調整された1160元のまま、遼寧についても2013年7月1日に調整された1300元のまま、吉林についても2013年7月1にtに調整された1320元のままとなっています。上げなくてもいい環境にあるのでしょうかねえ。

中国人社員の平均勤続期間は2.8年

 日本人は終身雇用(最近はだんだん薄れつつありますが)、中国人はすぐ転職する。よく言われます。そこで本日は、中国人の転職について見ていこうと思います。

 

 これは《2015年春季人材流動分析報告》からの抜粋なのですが、それによりますと、ホワイトカラーの61.5%(転職活動中47.8%、転職済み13.7%)が転職活動を行ったとのこと、春節前後の動きでもあり、一番動きの大きい時期ではあるというものの、ちょっとこれは大きすぎるかと。まあ、傾向を見るという意味では春節前後に動くということをイメージできるという点で参考にはなるかと思います。

 

 

 

 下の表ですが、公務員が転職する人数が34%増加しているというデータです。そしてその人たちの人気業種は不動産、インターネット、金融です。日本の場合だと公務員がこれら三業種に転職する人も中にはいるでしょうが、ちょっと違うイメージですね。

 

 

 地理的な意味での転職先ですが、一線都市へ転職する人が10%減少しているのに対して、一線都市の周辺にある、北京に対して天津、石家庄、上海に対して蘇州、杭州のような二・三線都市への転職が13%増えてきています。これらの都市の生活環境もよくなってきたでしょうし、産業も発達して受け皿も増えてきているということでしょう。

 

 

 さて、転職する人との面接を経験したことのある人にとってはわかりやすい内容化と思いますが、下図はなぜ転職するのかの理由です。

 同僚との不和:7.4%

 勤務期間が長くなった:7.6%

 給与が低い:10.3%

 新たな仕事に対する興味:15.3%

 昇進の機会がない:59.4%

 

 これらの理由は面接では確かによく出てくる理由ですね。ちなみに、2014年のホワイトカラー転職者は平均で給与が15-25%も上がったとのこと。転職するだけでこれだけ上がるのですね。そりゃあ人件費もどんどん上がっていくわけです。

 

 下図は平均勤続期間です。業種によって分かれていますが、米国の平均が56ヶ月、中国の平均が34か月です。中国は3年持たないということですね。まるで駐在員の人気みたいですね。ちなみに私の知人がおもしろいことを言ってました。安易に人材紹介会社を利用する企業に対しての苦言なのですが、「数年でやめてしまうような人を日本ではアルバイトといいます。アルバイトを人材紹介会社を通じて採用しますか?」。なかなか厳しい言葉ですが、言ってる意味は分かります。中には人事部門がちゃんとあるのになぜか採用は人材紹介会社任せになっているようなところもあり、それって職場放棄なのではと感じてしまうこともあります。必要に迫られて人材紹介会社を利用するのはいいのですが、なんでもかんでも人材紹介会社を利用するのは確かに考え物ですね。

 

 

 最期は勤続期間比較です。日本は終身雇用となっていますが、補足として2014年には290万人が転職しており、これは4年連続の増加。終身雇用は果たしていつまで続けられるのかというようなコメントです。その他の国を見ますと、ドイツ10.5年、韓国10.3年、イギリス7.8年、アメリカ4.7年、中国2.8年です。ドイツ、韓国は結構長いですねえ。中国は3年足らず、これを見せられるとリテンションがいかに難しいか、そんな中で人材育成をどの程度注力すべきか、悩ましく感じますね。中国の日系企業を見る限りは平均2.8年ほど短い期間ではないと思いますが、企業国籍を問わず全体で見るとこんなものかもしれませんね。

 

瀋陽鉄道局が28万人の従業員に対して一律減給

 瀋陽鉄道局が28万人いる従業員全体に対して4月より給与の引き下げを行っています。その理由は東北経済の不景気と鉄道石炭輸送量の大幅下落によるものとのこと。2015年度第1四半期の全国鉄道旅客輸送量は前年比8.8%のプラスに対して、全国鉄道貨物輸送量は前年比約9%のマイナスとなっています。石炭の需要が減ってきているということなのでしょうか。石炭をあまり使うと空気が汚れますからねえ。環境保護というトレンドを考えると今後ますます減っていくように思われます。

 

 さては給与自体は1月から引き上げられていたのですが、4月からの引き下げとともに、1月から3月までに引き上げ分をすべて取り消しにし、取り消し分について4月以降の給与から差し引くとのこと。単に4月以降の給与増加を取り消すだけならいざ知らず、過去の増加分を取り返すようなことまでするとは、なかなかきびしい措置を取りますねえ。石炭輸送が今後減っていくことを考えると、瀋陽鉄道局も一時的には給与増しないということで乗り切るとしても、せっかく旅客量が増加しているので、これを活用して本質的な業務構造の転換等を行う必要がありそうですね。

春節明けは転職シーズン

 今年はやや遅めだった中国の春節、飛行機チケット代を見る限りようやく落ち着いてきたようです。さて、転職シーズンでもあります。企業も新たな計画を立てるにあたり新たな人材を求めたりしますし、従業員側も春節休みをきっかけに新たなところで心機一転を図ろうとする者がいます。

 

 経営側からすると人件費の水準です。急激に上がってきていることと、日系企業の場合は円換算した場合の金額が気になってしまうでしょうから、ものすごく高くなってしまったなあという印象を持つ人も多いかと思います。

 

 中国で人件費が高いのはやはり上海や北京といった大都市ですが、杭州や重慶といった新一線都市の給与伸び率も小さくなく、こうした新一線都市の魅力も増加してきています。 

 

 とある人材会社が調べた春節後の求職者の都市別希望平均給与です。一線都市は6,518元で、新一線都市(杭州、天津、成都、重慶、蘇州)の5,889より600元余り上回っています。そして、二・三線都市は5,393元という水準です。

 

 

 上海は7,108元でダントツトップ、次点が北京で6,585元、そして深圳が6,285元で第三位です。新一線都市の杭州はなんと広州よりも多い6,131元となっています。

 

 2014年との違いですが、一線都市は6%下落、そして新一線都市は9%上昇ということで、その差が詰まってきているという点です。二・三線都市も8%上昇となっています。

 

 業種別で見た場合、ニーズが最も大きいのがインターネット業界、その次が不動産業界、そして金融業界となっています。インターネットが伸びているのはわかりますし、金融が伸びているのもわからんでもないですが、この期に及んで不動産業界でもニーズが多いとは。なんでも、多くのとして住宅購入制限が取り消されたこともあり、積極的なスタンスの不動産会社も多いようです。不動産って盛り上げっては盛り下がり、そしてまた盛り上がってはまた盛り下がりの連続ですね。今まで何度も書いてきましたが、このクオリティの住宅でこの値段はどうしてもトホホ感を感じます。いつまで続くかなあ、不動産。

 

 最後に、給食競争の激しい10職種をご紹介します。この棒グラフの数値は、履歴書送付数/職位数で計算されたものです。

 

 

 財務/監査/税務の人が一番多いです。これらはルール通りに保守的な業務をこなすイメージなので、求職したがる職種としてはちょっと意外でした。

中国企業の工場も捨てたものじゃない

 今日は上海郊外の工場で打ち合わせ。日本から来たお客さんとともに中国企業の工場に行ったのですが、いやあ、驚きました。めちゃくちゃきれいなのです!仕事柄工場はそれなりに見てきているのですが、こんなきれいな工場はなかなかなかったです。相当新しいのかと思いきや、建ててからまだ10年程度とのこと。中国の工場が10年もたてば結構ガタが来ているイメージだったのですが、この工場に限ってそれはないですねえ。工場内に入ってもゴミもなく、とにかく非常に衛生的でした。工場内も整然としていて、管理もかなりきっちりしている印象を持ちました。日系企業でもこれだけのクオリティはなかなかないのではないでしょうか。

 

 昼食はこの工場内の食堂で食べました。その時の様子を写真に撮りました。

 

 

 きれいですよね!机の上もこんなんです。

 

 

 とても衛生的でとにかくきれいです。そして肝心の食事なのですが、これまた驚きです。

 

 

 ホテルのビュッフェのようです。実際にかなりおいしかったです、相当おいしかったです。見た目もよかったせいか、ついついたくさんお皿に盛ってしまいました。中国の工場でこんなおいしい食事は今までなかったですよー。なんでも、従業員の定着率も結構いいそうで、食事がおいしいというのも離職しない要因の一つなのではないかと思いました。

 

 中国企業の工場も捨てたものじゃないなあ!

中国の給与公開サイト

 なかなか面白いサイトを見つけてしまいました。中国の「看准」というサイトで、スマートフォンのアプリでもあります。「看准」というのは見定めるという意味なのですが、このサイトでなんと各企業の給与がわかってしまうのです!

 

 

 実際に各企業に勤めている人が自分の職位と給料を入力し、それが年ごとにまで細分化され公開されているのです。

 今たまたまスターバックスにいるので、上海のスターバックスの従業員の給料を見てみましょう。

 

 店長で9000元ですか。maxでも12000元弱。この業界はこんなものなのでしょうか。

 

 次に、スーパーのカルフールを見ていきましょう。これも上海です。

 

 一般従業員は安いですねえ。購買担当が 6000元弱、最も高いので13000元協ですか。これはあくまで給料です。購買担当はもっと違う方法でいっぱいもらっていたりして。

 

 よし、最後に一時シャープを買収しようとして話題になったフォックスコンの深圳法人の給料を見てみましょう。

 一般ワーカーは3000元言ってないんですね。一番少ないのが1311元って。。。しかし、工程師(エンジニア)だと37,800元とか47,520元とかもらっている人がいるのですね。かなりの厚遇ですよ。いまや1元20円時代、100万円近くになりますね。勿論職種により大きく変わるのですが、中国の人件費は全然安くなくなってきました。

 

 金融系も見たかったのですが、ガードが固いのかロイヤリティーが高いのか、データ数が多くなく断念。しかし、恐ろしい世の中になってきました。

思ったほど高くない海外留学経験した中国人の待遇

 日本から海外に留学する人が減少している一方で、その比較として海外に留学する中国人が増えていっているという報道をご覧になったことのある人は少なくないと思います。中国人の海外留学組っていったいその後どんなだろうと思っている人も多いと思いますが、それに関連する記事を見つけましたので紹介します。

 

 海外留学中国人の半数以上が中国に戻ってから北京、上海、広州、深圳で就業しようと考えており、最も人気のあるのは金融、そして次がよくわからないのですが教育、その次がITです。まあ、日本人だと東京、大阪、名古屋といったところに就職したがるのと同じでしょう。しかし、教育関係に就職したいというのがよくわからん。

 

 さて、実際に海外留学から帰ってきた中国人、外資系企業に入社する人は減少しており、国有企業と中国民間企業への就職組が約半分、その次が国家事業機関と金融機関になります。給与面ですが、約8割が1万元未満です。博士課程でも約7割が1万元未満です。ざっと約半数が5000~10,000元といったところ。海外留学したからといって給料が単純に多くなるわけではないようです。まあ、なかには中国の大学に入れずに箔だけをつけるために海外留学してきて、結局何も覚えて帰れなかったドラ息子・娘もかなりいるのではないかと。さすがに海外名門大学に行っていればそれなりの待遇も待っているでしょうしね。

 

 私も個人的には中国人の海外留学組が好ましいとは100%思っておりません。結局はその人次第といえばありきたりな答えになってしまうのですが、上に書いた箔をつけるために留学した人がかなり多いのではないかと思うのです。当然そういう人だと全然勉強してないですし、仕事もちゃんとできないだろうし。なので、日本語人材を採用面接する場合、日本留学経験者だと結構構えてしまいます。日本語を話すと安心する人も多いかと思いますが、それだけで食べていってる留学経験者も多いと思います。むしろちょっと警戒しながら接するのが正解かと。

19省市で最低賃金標準を引き上げ

 9月末までで全国の17地区で最低賃金が調整され、その引き上げ幅は14.1%に達しました。14.1%は決して小さな数字ではないと思うのですが、ここ数年の中では最も小さい伸び幅になります。2011年の全国24省市においては平均伸び率22%、2012年の25省市においては平均伸び幅20.2%、2013年の27地区においては17%と、そもそも過去数年の伸び幅が大きすぎると考える方がよさそうです。最低賃金はあくまで最低賃金なので、すべての従業員のこれが適用されるわけではないですが、一応の物差しにはなってしまいますよね。

 

 

 

 円ベースでのお仕事が弊社では多いのですが、最近の円安に加えて人件費を含むもろもろのコストが急速に上昇していると感じてまして、なかなかやりづらい世の中になってきたなあという感じがします。先月大連に行ったときは物価が安いなあと感じたのですが、上海は決して安くない、むしろ高いくらいです。高いなら高いなりの理由が必要なのですが、それを見いだせないものが多いと思うんだな。

地方支店の銀行員の給与大幅に下落か

 なんでも銀行貸出の返済遅延が8月9月と増加しているようです。そして、多くの銀行のが不良貸出について給与査定の項目としていることから、去年と比べて中には40%以上給与が減少する人もいるのではないかといわれています。

 

 新聞記事によると、武漢のある銀行員の昨年の年収は40万元くらいだったのが、こちしは昨年の半分にもいかないという話が紹介されています。温州や仏山あたりの不良債権率は高く、給与への影響は他の地方の銀行員と比べると大きいようです。温州のある銀行員によると、いちおう規定では支店に大きな不良債権がある場合、従業員の給与を90%もカットできるそうです!90%のカットなんてあまりにも厳しい!私も日本で銀行員をやっていた時は業績の芳しくない先を担当していました(1998年から2002年くらい)が、こんな激しい給与カットなんてもちろんなかったです(それにしてもあのころはしんどかった。。。)。さすがに90%というのは大げさで、あくまで規定上は可能なだけで、70%ダウンや80%ダウンとなるケースもほとんどないでしょう。しかし、こんな新聞記事で出るなんて、よっぽど不良債権が増えているのでしょうか。ここで、中国建設銀行の2014年6月末の数字を見てみましょう。

 

  残高 前年比
延滞債権 1204億元 +337億元
不良債権 957億元 +104億元

 

 延滞債権の増加がかなり目立ちます。残高の1/4以上は昨年なかったわけですから。延滞債権は不良債権予備軍ともいえるので、これが大きいということは将来的に不良債権が増加するリスクを抱えているといえます。不良債権比率は1.04%で、これは前年比0.05ポイントの増加となっています。これらの債権の業種ですが、製造業と卸売小売業が多いとのことで、世間一般が思っているような不動産関連はそれほど多くないようです。銀行が不動産関連に融資しない代わりにシャドーバンキングが発達してしまったということも言えるかもしれませんね。

上海自由貿易試験区のブラックリスト企業

 上海自由貿易試験区で「企業経営異常名録」といういわゆるブラックリストが発表されました。これは年度報告を提出した企業の12%に該当します。12%って結構高い水準だと思います。いい加減な気持ちで設立された企業が多いのでしょう。リストアップされる企業は、(1)期限通りに年度報告の公示義務を履行していない、(2)住所(経営場所)を通じて連絡が取れない、の二つで、今回リストアップされている企業はほぼ全て(1)に該当します。ほとんどが新設企業かと思われます。資本金要件が撤廃されたり、手続き自体が簡素化され会社設立が容易になったことから、当初は転売目的で設立された企業も多かったようですが、その影響かと思われます。

 

 どれだけの数の企業が設立されたかですが、上海自由貿易試験区がスタートしてから9月15日時点までで12,288社が登記されています。これは過去20年に設立された累計企業数を超えるものです。新設企業の資本金の平均は2841万元とそこそこの規模で、業種としては卸売・小売業54%、リース・商業サービス業27%で、この二つで約8割を占めています。

 

 さて、この自由貿易試験区がどこまで有効に活用できるか、これは自由貿易試験区という名がつく前の保税区や保税物流園区等と比較してということになるのですが、個人的には特に大きく変わらないものと思います。もちろん、自由貿易試験区だからこそできることも増えましたが、限定的に業界の参入要件を緩和した(ex:病院、ゲーム、航行等)ものであり、従来から運営している企業にとっては特段の影響もなく、また通常の貿易会社にとっても同じく何ら変わりはありません。もちろん参入要件が緩和されている業種もありますので、それを狙って参入する企業にとってはメリットがありますが、あまり汎用的な業種はないと思います。

 

 一般的には以前から保税区や保税物流園区で運営していた企業にも何かメリットがあるのではないかと考える人がいるかもしれません。上海でも自由貿易試験区に関するセミナーが何度も開催されていますが、その多くが無料セミナーということもあってどれも多くの人数が参加していますが、上海で散会する企業は既に自由貿易試験区内にいる企業なので、政策面で新たに何ができるというのはほとんどなく、それはわかっているけれども知識だけはつけておきたいという人が多かったように思います。あくまで業種が部分的に開放されたにすぎず、以前からできていたような業種にとっては関係ないと考えていいでしょう。