労務

中国31省区市の2012年都市住民収入ランキング、トップは上海

 国家統計局の発表によりますと、2012年の都市住民の一人当たり平均可処分所得は24,565元で、1978年と比べて71倍になりました。価格要素を除くと年平均増加率は7.4%です。農村住民の一人当たり平均純収入は7,917元で、これは1978年と比べて58倍、年平均増加率は12.8%、価格要素を除くと7.5%となっています。都市と農村の格差が広がったと言えます。数字が一見小さいように思えますが、あくまで一人あたりですので、収入のない未就業者も数に入っていることによります。

 

 さて、都市別のランキングを見ますと、トップは上海で40,188.3元です。続いて北京、浙江省、広東省、江蘇省までがベスト5です。中国の消費者をターゲットにするビジネスにおいて、この数値は一応の参考になりますが、必ずしもこれだけを頼りにするわけにはいきません。収入が多いイコール消費も多いイコール売り上げが上がる、までは言えるでしょうか、利益が上がるに直接結びつくとは限りません。そうです、各地域によってコストが違うからです。ここ最近中国消費マーケット関連の調査を行っており、上海からスタートしているのですが、やはり上海のコスト高には皆悩まされています。同行している日本側から出た質問が、「そこまでわかっているのであれば内陸も含めた別の都市に行けばいいのでは?」。そうです。そうなんですが、情報の少ない地方都市でどこまで独自で市場開拓できるのかという別の問題が立ちはだかるわけです。それに重慶の平均可処分所得を見て上海の半分強程度なので、そこにためらいを感じる人もいるでしょう。最近でこそ地方の大都市である成都、重慶、武漢あたりの情報も増えてきており、大よその状況まではつかめてきていると思うのですが、個社がその市場を開拓するまでの報収収集はまだ不足していると思います。とはいうものの、飽和状態の沿岸部をひたすらせめても効率的によくないでしょうから、異なるエリアの開拓も考えていかなければならないでしょう。もちろんやみくもに広げても会社の資源的な問題もありますので、そのあたりは会社の状況を射ながらではありますが。

 

 

人材採用面接、いくらなんでも吹っかけすぎでしょ!

 昨日知人と人材採用について話をしました。そもそもは最初私の会社で新しく人を採用したことから話題が広がったのですが、その知人が面接のときになんじゃこりゃと思った経験を話してくれました。なかなか面白かったです。ちなみに業種はあまり細かく言えませんが美容関係です。

 

 面接を行い条件面の話になりました。知人の過去の経験や感覚、社内の賃金システム等を鑑みると、4000元くらいが妥当かなあと判断し、まずは相手に対して希望条件を尋ねたところ、「前の会社の待遇とかを考えると15000元くらいは欲しい」ときた。知人は余りにも乖離しているので交渉の余地がないなあと感じたので、断らざるを得ないと思い、会社としては4000元くらいしか出せないと伝えたところ、「4000元でいいです」って。おいおい、どんだけ吹っかけてるのだか。

 

 もう一つ、やはり面接で条件面の話になり、相手が「前の会社では運転手付きの車をあてがってもらっていたので同じようにしてほしい」とリクエストがあり、知人はこれはどうしょうもないなあと思いつつ、「ウチではそこまでできない。そんなにいい待遇だったら今の会社に残った方がいいのではないか」と回答したところ、「じゃあ、なくてもいいです」って。おいおい、どんだけ吹っかけてるのだか。

 

 さすがに私はここまで吹っかけてくるのに会ったことはないですが、業種によってはあるんでしょうねえ。待遇面は交渉事だというのは分かりますし、ダメ元で行ってきているというのはわかるのですが、いくらなんでもこの二つの例は吹っかけすぎダナ。

労務派遣、同工同酬に福利と社会保険を含まないの意味は?

 労務派遣が大きく制限されることになると言われています。中国ビジネスに携わっている人であればご存知かと思いますが、労務派遣は臨時的、補助的、代替的な業務に限られ、条文の中で次のように定められています。

 

臨時的

継続期間が6 ヶ月を超えない職位

補助的

主要業務を行う職位にサービスを提供する非主要業務の職位

代替的

使用単位の労働者が職場を離れて研修したり、休暇を取得する等の理由で勤務できない一定期間において、他の労働者が代替可能な業務を行う職位

 

 この条文から、臨時的、代替的はしょうがないけれども、補助的業務という位置づけであれば労務派遣を続けられるという考えもあります。たとえば、営業助理(営業アシスタント)、財務助理(財務アシスタント)のように、助理というアシスタントに相当する肩書は補助的な業務なのだという考えですが、まあ言葉遊びの世界ですね。

 

 さて、人力資源社会保障部の担当者が示したところによりますと、労務派遣従業員は「同工同酬」(同一労働同一賃金)を受けるべきだが、「同工同酬」は福利と社会保険を含まないとのことです。この辺りもう少し踏み込んでみましょう。

 

 なぜこのような考え方が出てきたのでしょうか。人力資源社会保障部や全国総工会は「同工同酬」に福利と社会保険を含むべきと希望しているのですが、一部の部門や中央企業から猛烈な反対を受けたために福利と社会保険は含まずとトーンダウンしたようです。とある中央企業の年間利益は300億元あり、もしその労務派遣従業員に本来的な意味の「同工同酬」、つまり福利と社会保険も正式従業員と同等な扱いにすれば、福利と社会保険だけで260億元が吹っ飛んでしまうそうです。企業からするとこれが実施されると確かに大きなダメージであるのは間違いありません。反対派の勢いに押されてトーダウンしたのは間違いないでしょう。

 

 ここからがわかりにくいのですが、先ほどの人力資源社会保障部の担当者によりますと、これは使用単位が派遣従業員に対して福利と社会保険を提供しなくてよいという意味ではない、《労働契約法》では使用単位は使用職場に関連する福利待遇等を支払うべきだ、としております。ただし、「同工同酬」は福利と社会保険を含まないというのは、福利待遇において企業は正式従業員と労務派遣従業員の基準を自ら把握することができることを意味しているとのことです。言ってることがよくわからないですね。

 

 また、「同工同酬」には条件があり、同一職場の同一量の労働による同等業績を取得する労働者は同一の労働報酬を獲得すべきで、単純に職位が同じであれば同じ給与をもらえるわけではないともコメントしており、これは確かにわかるのですが、評価するがその裁量でなんとでもできてしまうように思える表現ですね。

 

 労務派遣従業員に関する論争はもうずっと続いていますが、もういい加減に落ち着いてほしいですね。少なくとも便利だからと言うことで形式的に労務派遣の形態を取り、正規従業員と登壇の差をつけていない企業にとっては関係ない話ですからね。

中国の都市別の安心できるだけの給与

 給与安全感調査なるものが目に入りました。各々の都市の会社員がどれだけの給与がもらえれば安心感を感じられるのかというものです。年によって収入も違えば支出も違い、そして安全感を感じる収入は支出に左右されるでしょう。この統計は都市別の平均給与、物価上昇及び消費水準に基づいて算出されているとのことです。では見ていきましょう。

 

 上海:9250元

 深圳:8780元

 北京:8550元

 温州:8020元

 杭州:7880元

 広州:7750元

 蘇州:7320元

 厦門:6600元

 青島:6260元

 天津:5350元

 大連:5000元

 南京:5980元

 成都:5660元

 

 上海、深圳、北京が突き抜けていますねえ。上海にいて思うのは確かに物価は高くなってきてます。食品なんかがそうですが、値上げ幅も大きい。昨日とあるところにラーメンを食べに行ってきましたが、なんと15元だったのが21元にまで値上げしてます。絶対額で言えばたったの6元ですが、上昇率で見ると40%です。これまでは日本製品は品質はいいかもしれないけど値段が高いと言って敬遠されていたのが、その価格差が縮んできているので以前よりはチャンスは増えてきているのではないかと。とある台湾系の外食産業の方にも聞きましたが、以前は外国の味覚のまま中国で持ってきた場合成功することはまず難しかったのが、最近では中国テイストのアレンジしないのでも受け入れつつあるようになってきているそうです。もちろん味だけでなく価格面でも受け入れられるようになってきているのでしょう。

 

また、多くの都市で例えば大学同窓会や県人会やらがあったりしますが、これらの参加会費もかなり上がってきています。ちょっと前まではせいぜい200元くらいだったのが、今では250元とか高い者だと350元とかになっていたりします。物価が上がっている中でしょうがないのかもしれませんが、これだとたぶん若い人は参加しづらいのではないかと思います。若いわけではないですが、私も稼がないといけないですね!

労務派遣は無固定期限契約対象外になるのか

 現在作成途上にある《労務派遣規定》、主なポイントは以前にもご紹介しておりますが、同規定において労務派遣には無固定期限契約をあらためて要求しないということが検討されているようです。労務派遣は「臨時的、補助的、代替的」の職種に限定され、これまた決定しているわけではないのですが、派遣比率は10%以内に収めることと合わせると、果たして労務派遣において無固定期限契約が要求されないことにどれだけ使い勝手の良さがあるのかということになりますが、ないよりはましだと考えると企業にとってはメリットと言えるでしょう。一方で、派遣比率10%以内達成のために2年の過渡期間を設けるという見方がありましたが、これをなくすよう意見している人もいるようです。いずれにしても、労働契約法は7月1日から改正施行されており、もう一か月以上経過していることから、もういい加減にはっきりしてもらいたいところですね。

2013年の北京の給与指導ライン

 2013年の北京の給与指導ラインが8月2日に発表されました。給与指導ラインが関係するのは17業種、そのうち最低給与保障ラインは16800元で、これは最低給与1400元を単純に12倍にしたものです。

 

 今年の給与引き上げの指導ラインは基準が12%、上限が16.5%、下限が5%です。もちろんこれはあくまで指導ラインなので強制的なものではありません。とはいうもののこんなのが公になるとこれを根拠に行ってくる従業員も出てくるでしょう。企業からすると大きなお世話で、本来給与と言うのは会社全体の業績や本人の実績に基づいて決めるべきで、こんな指導ラインは「やかましい」存在と言えます。ただし、一点だけなるほどと思うところがありまして、「平均給与が全市従業員平均給与の1.5倍以上の時、その給与の伸び率は適宜引き下げる」と強調しているとのことです。2012年度の北京の平均給与が5223元、これの1.5倍ということは7835元ということになり、会社の平均給与がこれを上回る場合はその伸び率は適宜引き下げるということなので、あまり基準が12%、上限が16.5%、下限が5%の伸び率にとらわれることがないということになります。そこそこ給与の高い人に対してこの指導ラインがそのまま適用されたらたまったものではなく、この指導ラインは給与の低い層を対象にしているということがいえますね。なので、給与の高い人からガイドラインのパーセンテージをよりどころとして交渉されたら以上及び知識を以って対抗しましょう。

本日より改正労働契約法がスタート

 本日7月1日より改正労働契約法がスタートします。主なポイントはいくつかありますが、外商投資企業にとって最も気になるのは派遣会社を通じて派遣を受けている(実質的には雇用している)社員の取り扱いでしょう。派遣会社を通じて派遣を受ける社員は「臨時的・補助的・代替的」な職務に限定されるべきで、しかもその数が全体の一定比率以内に納めなければならないというものです。7月1日よりスタートするにもかかわらず、6月28日時点ではその比率はまだ発表されていません。メディア報道を見ているとこの比率は10%になるのではないかという見方が多いようです。

 

 さて、仮にこの10%がその通りに実行されるとすると、「臨時的・補助的・代替的」な職務に従事する派遣社員が全体の10%以内に収まっていなければならないのですが、この比率を計算するに当たり「臨時的・補助的・代替的」ではなく「補助的」のみに限定し、「臨時的・代替的」についてはこの比率の対象外とするという案があるそうです。これが仮にそうだとして、では「補助的」をどう判定すべきかという議論が出てきて、これについては起草段階におけるもっとも主流な意見が「企業が自主的に定める」というものだったようです。しかしこれだと企業が恣意的に判断することができるので、いちおう制限を設けようという考え方があり、それは労働契約法第4条にある「民主的フローで規定を定める」というものを参照することで対応しようという考え方があるようです。まあ、いずれにしてももうじき出るわけですが、気になると言えば気になりますね。

 

 派遣社員を厳しい規程を機械的に当てはめてしまうと混乱が生じることから、ちょっとした小技で対応できる、ハンドルでいうところの「あそび」の部分がいくつかあると言われています。まず一つ目ですが、既述しましたが「補助的」を企業がどう判定するかという部分です。次に、決まりができてもいきなり完全に対応することは不可能なので、猶予期間を2年くらい設けて徐々に正していくというやり方です。しかし、既に先を見越して面白い取り組みをしているところがあります。派遣社員と使用する企業との間の契約形態を変えてしまうというやり方です。

 

 派遣社員と使用する企業との間の契約形態を変えてしまう方法として、「転正」(正社員に転換)、「転外包」(アウトソーシングに転換)、「辞退」(辞めさせる)の3つの方法です。「転正」を選択する企業はごく少数だと思われます。「辞退」は荒業ですね。そして「転外包」ですが、これが面白い。とある派遣会社が経営範囲をどんどん追加して言っている例があるのですが、「自社のクライアントの業務のアウトソーシング」を経営範囲に追加して行ってるのです。つまり、同じ会社から人が派遣されるのですが、従来の「派遣」ではなく「アウトソーシング」として業務を受注するという形態をとるのです。今のところ「労務派遣」と「労務アウトソーシング」の違いについて法律上は明確になっておらず、そのあいまいな部分をついたやり方ですね。

 

 正式に通達が公布されて初めて今後どうすべきかというのが見えてきますが、すでにいろいろと考えているところもあり、しかも派遣会社が経営範囲にアウトソーシング業務を追加するという結構な変化球も見られています。今後の展開がどうなるか気になりますねえ。

 改正労働契約法の実施が7月1日に迫ってきています。注目は派遣従業員の取り扱い。派遣の定義づけが明確になることによって派遣が使いづらくなることは関心のある方であればすでにご存じのとおりですが、もう一つが派遣従業員の比率ですね。改正労働契約法の中で、「使用単位は労務派遣従業員の総量は一定比率を超えてはならず、具体比率は国務院労働行政部門が規定する。」という一文がありますが、この比率が今もなお発表されていません。議論の中でこの比率の上限は10%とするという意見があるようですが、今のところまだ確定はしていません。人数の多い会社は母数が大きいのでともかく、少ない会社だとある日突然比率を超過してしまう可能性があります。中国では日本よりも人の流動化が激しいので、ある日突然従業員が辞めますというケースも考えられ、それによってその瞬間に比率オーバーしてしまう可能性が生じるからです。やめられてしまうケースもそうですし、やめさせる場合もそうですが、例えば解雇したいと思っている、あるいは契約を終止しようと決めている正規雇用従業員がいたとして、でもその社員がいなくなってしまった瞬間に派遣従業員比率が上限を超えてしまうようであると解雇や契約終止をためらってしまうこともありえます。こういうこともありえますので、派遣従業員の比率が超過した時点で即罰則なのかという考え方に対しては専門家の中には様々な意見があり、超過した時点で期限を切って改善する方法や、過渡的措置として派遣比率が確定したのち、2年以内に徐々にその比率に抑えていく、といった意見も見られております。ただ、この10%をどう算出するのかということ自体にも議論があるようで、会社で働いている人の中には全日制の人もいれば非全日制の人もおり、労務関係の人もいれば、実習生や外国人もおり、母数をどうするのかという議論もあります。

 

 では、仮に10%となった場合どうなるでしょうか。設立したばかりの販売会社であれば従業員5人程度というのはざらにあります。このうちの一人が派遣であればその時点で20%となり、違反ということになります。小さい会社だと派遣は使えなくなってしまいます。10%だと10人以下の会社は一人も派遣従業員に来てもらうことができなくなってしまいます。10人以下でやっている会社なんていくらでもあると思うのですが、果たしてこの比率はどうなるでしょうか。なにせ改正労働契約法は7月1日からのスタートなので、今月中に出ないとまずいですよね。

北京の月間平均給与が5000元を突破

 2012年の北京市従業員の平均年間給与が62,667元、月間平均に引き直しますと5,223元(前年比+11.8%)とついに5,000元を突破しました。2010年から平均給与算出のための範囲を拡大し、それまでの国有、集団、聯営、私営、株式制経済・外商投資及び香港・マカオ・台湾系等の企業(これらを非私営単位という)までから、営業性個人も対象に含めるようになっています。私が1995年に広州にいた時は結構ちゃんとした人でも月収800元というのをよく聞きましたが、ついにここまできましたか。

 

 内訳を見ていきましょう。都市非私営単位と都市私営単位をそれぞれみていきます。

 

 

2011年

2012年

上昇率(物価上昇要素を除く)

都市非私営単位

75,482元

84,742元

+8.7%

都市私営単位

34,235元

42,882元

+21.3%

 

 非私営単位だけを見ていきましょう。

非私営単位

業種

非私営単位

トップ3

金融業

184,612元

IT

130,154元

科学研究・技術サービス

106,604元

ワースト3

住民サービス・修理およびその他サービス業

38,838元

農・林・牧・漁業

39,334元

宿泊・飲食業

42,016元

  一番少ないのでも月間3000元を超えてますね。

 

 私営単位だけを見ていきましょう。

私営単位

業種

非私営単位

トップ3

IT

68,161元

金融業(主として各種保険代理、質屋、投資コンサルティング業)

61,216元

推理・環境及び公共施設管理業

49,671元

 

 要は軒並み人件費が上昇してきているということを言いたいわけですが、このような状況に対して60%の企業が人件費コストが上昇しており(もっと大きい数値でもおかしくないと思うのですが)、41.9%の企業が採用が難しいと感じているとのことです。そして、採用が難しいのにあえて採用しようとすると待遇面で好条件を提示せざるを得ず、これがまた人件費コスト上昇の要因となっています。果たしてこの傾向はいつまで続くのでしょうか。そういえば所得を倍増させようという計画も昨年だったでしょうか、発表されており、まだ縛らうこの傾向が続きそうです。会社を運営する立場としてはそろそろ収まって欲しいのですが。。。

改正労働契約法があと1ヶ月で実施

 改正労働契約法が7月1日より施行されます。この改正で最も大きな話題となったのは派遣従業員の定義が明確になり、明確になりすぎたがゆえに派遣という形式を使いづらくなるのではないかところにあります。あらためて復習しますと、明確になった内容というのは派遣というのは臨時的、補助的、代替的な業務で行われるべきものであるということです。それぞれの定義は次の通りになります。

 

臨時的

継続期間が6 ヶ月を超えない職位

補助的

主要業務を行う職位にサービスを提供する非主要業務の職位

代替的

使用単位の労働者が職場を離れて研修したり、休暇を取得する等の理由で勤務できない一定期間において、他の労働者が代替可能な業務を行う職位

 

 次に、派遣の形式で問題となっているのは「逆向派遣」と呼ばれる形態です。これは使用会社がすでに労働者と事実上の労働関係を構築し、しかし使用会社は労働者と労働契約を締結せず、労務派遣会社を探して労働者と労務派遣契約を締結し、労働者は派遣従業員の名義で使用会社で勤務することを指します。フェスコや中智のような人材派遣会社を経由するパターンがこれですね。非常によくみられるパターンです。しかし、これは厳密には違反だという見方があります。中国では労働契約が基本で、あくまで労務派遣は補充的な形式にすぎず、臨時的、補助的、代替的な業務でのみ適用されるべきという考え方からです。そして、それを判断する基準として以下の三点があげられています。

 

1.労働者が労務派遣会社と契約を締結する前に、既に使用単位で勤務していたか否か。

2.労働者と労務派遣会社が自由意志であるか否か、使用単位の強制を受けたか否か。

3.労務派遣の職位が臨時的、補助的、代替的に当てはまるか否か。

 

 労働契約法の条文を厳しく解釈するともう派遣形式はほとんど使えなくなるなあと感じる人が多いでしょうし、私もそう思います。今のところまだスタートしているわけではなく、7月1日から施行されてからどのように運用されるか様子を見ていこうという人が多いでしょう。

 

 派遣形式が使いづらくなることに対してどのようにリスクヘッジばかりを考えているところが多いのではないかと思いますが、そんな小手先のことでなく、労働契約法をのものを受け入れて、それに基づいて会社としての人事制度・労務管理を行うのが本来あるべき姿ではないかと思います。