労務

総経理になると人格が変わってしまうケース

 いつも読んでくださっているマニアの方々、ありがとうございます。書いている本人は多くの人に見てもらうつもりで書き始めたのですが、どうも読者はマニアックな方が中心だということが最近分かってきました。まあ中国ネタにほぼ限定して、しかも非日系に関する情報の比率も高いのでマニアックにもなりますね。さて、今日の話題は「総経理」についてです。

 中国の現地法人に駐在される駐在員は日本本社勤務の人が派遣されるのが通常です。最近では人材のグローバル化も進んできており、日本採用の外国人も増えてきています。ただし、日本採用の外国人にも二通りあり、日本育ちでアイデンティティが限りなく日本に近い外国人と、あとから日本にやってきた外国人、端的に言えば日本留学してそのまま日本に住み着いた外国人で、こういう人たちのアイデンティティーは日本にはあまりないでしょう。そして現地の総経理として派遣される人の中で後者のアイデンティティーが日本にはない外国人、中国の現地法人だとアイデンティティーが日本にない中国人が派遣されるケースがあります。そもそも中国人だし、言葉も当然できるし、その辺の日本人よりよっぽど中国のことをわかっているからという理由で選ばれていると思うのですが、こういう理由で選ぶというのはよく理解できますし、ありだと思います。しかし、こうした「アイデンティティーが日本にない中国人」が困った存在になるケースはよく聞きます。

 アイデンティティーが日本にない中国人も駐在員として派遣されるくらいですので、日本本社でも非常によく働く真面目な社員であるのは間違いないと思うのですが、どういうわけか中国の総経理として派遣されると「人が変わってしまう」ケースがあります。誤解のないように付け加えますともちろん全員がそうなるわけではありません。ただ、よく聞こえてくるのです。前職時代にあった話ですが、とある現地法人の副総経理の依頼を受けて私の上司がその会社に行ってきたところ、なんとその会社の総経理はつくえの上に足を乗せたまま話してきたそうです。あり得ない話です。こういう人なので当然問題で、だからこそ副総経理は社内を何とかしたいという思いからコンサルティング会社に来てもらったのですが、それにしてもびっくりです。不満に思う人は当然たくさんいるわけですが、現地の副総経理レベルが日本本社に総経理に関する不満を伝えても日本本社の方から言い返されてしまうそうです。なぜならば、そういう総経理は往々にして日本本社の偉い方とつながっていて、それこそ不満を伝えようものならかえって自分の身が危うくなってしまうのです。で、結局誰もそういったふるまいを止めることができず、現地で総経理は好き放題してしまうというパターンですね。結局この時の話は総経理がコンサル会社なんて全く必要ないということで、現状を変える機会にすることはできませんでした。

 この手の話は今でも時々聞こえてきます。先日も知人と話していたところ、現地に派遣された日本採用の中国人総経理の話になりました。なんでも日本にいるときは非常にまじめに働いていたのですが、現地に行ってからはやるべきこともちゃんとやらず、周りがとがめると露骨に嫌がったりして、非常に困っているという話です。私が、「派遣されてからその人は人が変わったでしょ」、「本社の偉い方にかなり気に入られている人でしょ」というと、まったくその通りですという返事でした。なにせ偉い方に気に入られていることもあって周りがおかしいと言っても受け入れられないのです。現地では総経理という権限も持っているだけにたちが悪い。まさにアイデンティティーが日本にない中国人の悪い意味での典型的な例と言えるでしょう。

中国税務当局によるPE認定が大幅に厳格化か

 個人的にインパクトが大きいと思いましたので、普段会社のウェブサイトにアップしているニュースレターの内容を転載します。

 

 2013年4月19日付で、《国家税務総局:非居住者企業派遣人員の中国国内における役務提供で徴収する企業所得税に関する問題についての公告》(国家税務総局公告2013年第19号)が公布され6月1日より施行されることとなりました。

 

 本公告は《中華人民共和国企業所得税法》及びその実施条例、中国政府が署名した二重課税回避協定(香港、マカオ特別行政区との間に署名した税収協定を含む。以下「税収協定」という)及び《国家税務総局:〈中華人民共和国政府、シンガポール共和国政府における所得に対する二重課税回避及び課税漏れ防止の協定及び議定書条文解釈〉印刷配布に関する通知》(国税発[2010]75号)等の規定(いわゆる租税条約)に基づいたものとなっており、非居住者企業(以下「派遣企業」という」)よりの派遣人員が中国国内役務提供するにあたってのPE認定について説明するものとなっています。

 

 

1.PE認定

 派遣企業の派遣人員が中国国内で役務を提供するにあたり、以下に該当すれば派遣企業は中国国内にて機構、場所を設立し役務を提供したとみなされます。

(1)

 ・派遣企業が派遣人員の業務結果に対し一部もし

  くは全部の責任とリスクを負担。

 

 派遣企業は中国国内にて機構、場所を

 設立し役務を提供したとみなさなけれ

 ばならない。

 ・派遣企業が通常的に派遣人員の業務成績を考

 査、評価。

(2)

 ・派遣企業が税収協定の締結国に属する企業。

 且つ、

 ・役務提供をする機構、場所が比較的固定性なら

  びに持久性を有している場合。

 当該機構、場所は中国国内に設立され

 た常設機構を構成するものとする。

 

 

 (2)についてはそもそも固定的施設を有しているということなので常設機構、すなわちPE認定されるというのは理解できます。

 しかし、(1)については解釈に仕方によっては余りにも厳しいと言えます。技術派遣のケースと駐在員のケースについてみていきます。

 まず、技術派遣についてみた場合、「派遣企業が派遣人員の業務結果に対し一部もしくは全部の責任とリスクを負担」するのは当然なのですが、これだとPE認定されてしまいます。次に、二つ目の駐在員のケースですが、親子会社であれば独立採算性とはいえある程度「派遣企業が派遣人員の業務結果に対し一部もしくは全部の責任とリスクを負担」するようなケースもあるでしょう。さらに、「通常的に派遣人員の業務成績を考査、評価」に至っては、駐在員の人事は本国の本社で管理しているところが大半かと思いますが、それすらもPEとみなされると読み取れてしまいます。そのため、ここでいう「通常」というのがどの程度なのかという問題が出てきます。ここでいう「通常」が日常的と同義であれば本社が節目節目で人事管理をしていても大丈夫かと思われます。保守的な対応としてはPE認定を避けるために本社が駐在員の人事管理を行わないようすることが考えられますが、現実的にはありえないでしょう。

 

 また、上述の判断を行うにあたり、以下の要素と合わせて確定するものとされています。

 

要素

筆者の推測

1    

 役務を受け入れる国内企業(以下「受入

 企業」と総称)が派遣企業に対し管理費、

 サービス費の性質を有する金額を支払っ

 ている

 管理費、サービス費という名目はかなり広範囲に

 解釈することもできることから、かなりの混乱がも

 たらされることが考えられます。

2     

 受入企業が派遣企業に対し支払う金額

 が、派遣企業の立替金、派遣人員の賃

 金、給与、社会保険費及びその他費用の

 立替払い額を上回っている。

 受入企業が派遣人員に対するコスト以上に派遣

 企業に対して支払いを行うことが、派遣企業の利

 益につながるという考え方によるものと思われま

 す。

3    

 受入企業が支払った関連費用を、派遣企

 業は派遣人員に対し全額支払わず、一

 定額の金額を留保している

 派遣人員に対するコストを派遣会社が負担しきっ

 ていないことが、派遣会社の利益につながるとい

 う考え方によるものと思われます。

4     

 派遣企業が負担する派遣人員の賃金・

 給与全額について中国で個人所得税を

 納付していない

 租税条約締結国であれば183日以下の短期滞

 在者免税規定があります。駐在員の場合は一般

 的に中国で個人所得税を納付していることから左

 記の要素にふれることはありません。しかし、技

 術派遣やコンサルティングで短期間派遣された人

 員の場合、PE認定されない限り中国で個人所得

 税を納付しないのが通常ながら、それを判断要

 素にするという点に違和感が感じられます。

5     

 派遣企業が派遣人員の数、任職資格、

 給与基準及び中国国内における作業場

 所を決定している

 派遣企業が中国で業務を行っているのに等しい

 という考え方によるものと思われます。

 

 以上の規定に合致する派遣企業は正確に取得した所得を計算して企業所得税を申告、納付を行う必要があります。事実通り申告出来ない場合、税務機関は関連規定に従いその課税所得額を査定することができます。

 

 また、以上の規定に合致する派遣企業及び受入企業は《非居住者請負工事作業と役務提供税収管理暫行弁法》(国家税務総局令第19号)の規定に従って税務登記、備案、税務申告及びその他税関連事項の手続きを行う必要があります。

 

 

2.PE認定されないケース

 派遣企業が受入企業への株主権利行使、合法的な株主権益保障のためのみに人員を派遣して中国国内で役務を提供する場合は、当該活動が受入企業営業場所にて行われたからといって派遣企業が中国国内にて機構、場所あるいは常設機構を設立したとは認定されません。なお、ここでいう役務とは、派遣人員が派遣企業のために受入企業投資に対する関連提案を行ったり、派遣企業を代表し受入企業株主総会もしくは董事会へ参加したり等の活動を含みます。

 

 

3.重点的な審査内容

主管税務機関は派遣行為に対する税収管理強化を強化し、重点的に下記の派遣行為と関連する資料及び派遣アレンジの経済実態と執行状況を審査し、非居住者企業の所得税納税義務を確定します。

 

 1  派遣企業、受入企業と派遣人員との間の契約協議または約定。

 2  派遣企業あるいは受入企業の派遣人員に対する管理規定(派遣人員の職責、業務内容、業 務

     考課、リスク負担等の方面の具体的規定を含む)。

 3  受入企業の派遣企業に対する支払金及び関連帳簿処理状況、派遣人員個人所得税申告納 付

     資料。

 4  受入企業の相殺取引、債権法規、関連取引あるいはその他の方法を通じた隠蔽性支払と派遣

     行為関連費用の有無。

 

 これを見る限りでは、受入会社は派遣会社から完全に独立していることを各種資料・規定を以って証明し、むやみに経費の立て替えや相殺を発生させないようにすることで税務局の審査に備える必要があるといえます。

 以   上

 

 ということで、とにかく凄いことを書いてます。条文通りに適用されるのであれば非常に厳しいなあと思いました。「少しでも中国ビジネスに関わったら税金取るぞ!」と言わんばかりです。ただでさえ理不尽なPE認定があるといわれているなか、これが本格的に始まるとさらに大変になりそうです。

 

 会社のウェブサイトには訳文も掲載しましたのでご参考ください。こちらです。http://www.tnc-cn.com/tnc/68.html

珠江デルタ、上がり続けるワーカーの人件費

 珠江デルタの302社の企業に対すスタンダードチャータード銀行の調査によりますと、2013年の農民工の給与増加率は9%以上と、昨年の7.6%を上回るという結果が出ています。

 

 302社のうち、80社(60%)がすでに給与を引き上げており、引き上げ幅は平均で7.9%となっています。そして36社(12%)が昨年より労働力不足の状況は改善していると回答しているものの、34%の企業が2011年から労働力く不足の状況がどんどんひどくなっていると回答しています。

 

 第十二五次五か年計画では、全国の最低給与標準の変換平均増加率を13%以上とし、地方は状況に応じてもっと高い標準を設定できるとしています。多くの企業が五か年計画以上の引き上げを行っていますが、103社の企業は最低給与標準が引き上げられていなくても給与を上げていると回答しています。最低給与標準も大事ですが、それとは関係なしに給与増を迫られている状況ですね。

 

 さらに多くの企業が過去6か月以内に工会(組合)または従業員代表と正式な給与協議を行っており、60%以上の企業が5%~10%の日聞き上げを要求され、32%の企業が10%~20%の引き上げを要求され、それ以外は20%以上の引き上げを要求されています。あまりにも激しいです。

 

 こんな状況なので珠江デルタから出ていこうという選択当然出てきており、91社(30%)が内陸への移転を計画、27社(9%)が中国から出ていくと回答しています。また、広西と珠江デルタの給与差は30%もあることから、広西へ移転するという回答も多いです。5年くらい前から来料加工に対して政策的に締め付けが厳しくなってきましたが、その時点で広西に移転してしまった香港・台湾系は結構あります。動きが速いなあと思ってみていましたので印象に残っています。中国国外で最も注目されているのはカンボジア、それ以外だとバングラデシュとベトナムです。日本で言われているのと変わらないですね。

 

 業種にもよると思うのですが、カンボジア、バングラデシュ、ベトナムって実際のところどうなんでしょう。アパレル会社の中にはベトナムは既に過去の国と言い切り、それこそカンボジア、ラオス、ミャンマーと言っているところがありますが、他産業も全く同じと言い切れるのでしょうか。日中間の政治的関係が発生してからより一層注目を浴びるようになったプラスワンですが、まだまだ中国生産の方が全体的に見て効率がいいという人もおり、プラスワンばかりに目が行っている人も現地のインフラや産業集積度の状況を見て、また中国を選択するという人も出てくるのではないかなあと思えますし、今から進出する製造業でも中国生産を検討しているところもあります。中国国内販売を目的としている企業なんかは特にそうですよね。トヨタなんてレクサスの中国生産を検討し始めましたし。

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD2102K_R20C13A4TJC000/

 

 なんとなくプラスワンの流れもどこかでひと段落してまだ中国回帰の動きがきそうな気がします。もちろん業種によるとは思いますが。

これは真似できないわ~終身雇用以上に凄い~

 中国の空調大手メーカーに格力という会社があります。この会社の董明珠董事長は『市場烈々-13億人に売りまくった「鉄の女」の物語』という自伝が書籍化されており、中国ビジネスに携わる方であれば読まれたことのある人も多いかもしれません。

 

 

 

 

 

 さて、この格力という会社が各従業員に対して20�の宿舎を用意しており、結婚すれば二部屋50�の家を提供し、格力で働いている限りその家を返す必要はなく、定年退職でも返す必要はないというのです。社内結婚だとこの2倍の面積がもらえるのでしょうかと思った私は小市民でしょうか。昔の国営企業みたいなことを今この時にやっているところがあるとは。

 

 この制度のおかげと言い切ってもいいと思うのですが、勤続期間3年以上の従業員が離職するのは極めて少ないそうです。中国では不動産価格が高騰しており、自らの収入で自宅を購入するのがどんどん難しくなってきています。そこで格力は自分で家を持つことができないという不安を解消するためにこのような大胆な政策を行ったのでしょう。ある程度のポジションの人だとそれなりに高給でしょうからそのうち自分で自宅を購入すると思われるので、これだけ気前よくしてあげられる対象はワーカーが中心なのではないかと思います。これだけしてもらったらそりゃあ辞めないですよねえ。

 

 決算書を見ますと2011年末で従業員が約73千人、そのうち生産に携わるものが61千人いるので、みんながみんなというわけではないと思いますが、それでもものすごい数の住居を用意してあげないといけなくなります。よっぽど資金力があるのでしょうか。こんなリテンション対策はじめて聞きました。これはさすがに真似できないですよね。ホント、終身雇用よりすごいと思います。

いいサービスだと思うですけどねえ

 既になくなってしまっているのですが、かつて暢翔網というサイトがありました。

 

 

 

 出張費管理のアウトソーシングを受ける会社で、ここを利用すると出張に伴う架空経費等のごまかしを防ぐことができ、また出張に伴う飛行機チケットの屋ホテルの手配もまとめて委託するので委託を受けた会社による大量購入が可能となり経費の節減にもつながるという利点もあります。約20-30%節減できていたそうで、聞いた感じなかなかよさそうですが、結局ダメになってしまいました。なぜこれがダメになったのでしょうか。

 

 まず、このビジネススキームでは暢翔網、銀行、ユーザー企業、ユーザー企業の出張者、ホテル等、関係する役者が多く、銀行はほとんど旨みが得られなかった(法人クレジットカードによる立替負担がそれほど収益性が高くなかった)ようです。役者をつないでスキームを作ったのにもかかわらず、それが途中で切れてしまうわけですね。

 

 もう一つ理由があり、これは中国的だなあと思ったのですが、アウトソーシングして管理すると今まで出張のたびに架空経費等を請求していた出張者はその旨みにあずかることができなくなってしまいます。そのため、そういう声の大きい企業からはウケがよくなかったそうです。なんだかなあ。

 

 ビジネススキームを考えるに当たっては現地事情をよく踏まえるのは当然のことで、出張経費のごまかしを防ぐことができるのは企業ニーズに合致しているように思います。しかし、まさに悪貨は良貨を駆逐するの世界で、悪貨、要するに経費のごまかし請求をする人たちの声が大きすぎるがためにビジネススキームが成り立たなかったということです。いかに経費をごまかして「灰色収入」を得ている人が多かったかということの証明でもあります。

 

 同社は2007年に設立し、翌年にはファンドから多額の資金調達を行いましたが、結局3年余りでダメになってしまったようです。発想自体は悪くないと思うのですが、おそらく発想が新しすぎて時代が追い付いてくれなかったのだろうと思います。こういうのを聞きますと、新たなビジネススキームを成り立たせるというのは簡単ではないのだなあと思い知らされますね。

深セン・珠海で新版営業許可証がスタート

 2013年2月20日付で《工商総局の広東省商事登記営業許可証改革方案に同意することに関する批復》が公布され3月1日より実施されることになりました。これは深セン、珠海の全市範囲内で適用されるものであり、営業許可証が新版に変更されます。外資が主にに関係するのは企業法人営業許可証、分支機構営業許可証の2種類くらいで、駐在員事務所の登記証は従来のまま残ります。いずれも経営範囲、登録資本、実収資本の記載がなくなります。

 

 公司及び非公司企業法人に適用されます。一般的な有限公司はこれに該当します。記載事項は名称、企業類型、住所、法定代表人、設立日時です。

 

 

 分公司及び非公司企業法人の分支機構、個人独資企業分支機構、パートナーシップ企業分支機構、外国(地区)企業が中国境国内での生産経営活動に従事する場合、外国(地区)公司の分公司に適用されます。記載事項は名称、企業類型、経営場所、責任者、設立日時です。

 

 経営範囲は定款、協議、申請書等により確定されますので、営業許可証上に経営範囲の記載がなくなるからといって適当に経営範囲を定めることはできません。外資の場合だと審査部門が定款を審査しますので、やはりその段階で経営範囲は吟味されます。なお、営業許可証だけを見てもその会社が何をやっているのかや、資本金等がわからなくなるわけですが、それは政府の情報公開プラットフォームで照会することができます。目新しい感じもしますが、結局外資による新規設立の場合は設立審査を経る必要がありますので、この新通知は実務的にはあまり関係なさそうですね。

上海のアイさんの相場

 知人がfacebookにアップしていたものですが、なかなか興味深いので今日はこれを紹介しようと思います。上海のお手伝いさん、いわゆるアイさんの賃金に関するデータです。

 

 アイさんといっても種類はいくつもあります。写真の上から母子の世話(住み込み)、育児(住み込み)、老人の世話(住み込み)、総合家事(住み込み)、家庭清掃(時給)、家庭調理(時給)、子供の世話(時給)、全日制家政員(日給)とあります。駐在員あたりだと週に何度か来てもらう時給制の家庭清掃を利用する人が多いのではないでしょうか。

 

 

 

 その家庭清掃(時給)ですが、賃金の指導価格が高で20元、中で16元、低で12元になってます。私が初めてアイさんに来てもらったのが2004年あたりですが、その時は10元でした。さすがにあれから10年近くたっているので同じというわけにはいきませんが、中レベルで見た場合16元なのでかなりの上昇ぶりです。浦東のマンションに住んでいた時はカネ払いのいい西洋人が多かったせいかアイさんの時給が高い印象を持っていたのですが、この表を見るとそうべらぼうでもなかったのだなあと思います。しかし母子の世話、これは産後の短期間のことになるのでしょうが、結構いいお金になります。それと最近新聞や経済誌等で中国の介護ビジネスに注目というのを見ますが、この表にある老人の世話が高レベル(住み込み)でも3000元ということを考えると、そう簡単にお年寄りたちが老人ホームのような施設に入るとも思えません。高齢者ビジネス、特に老人ホーム等の施設物を考えている人たちはこの辺りをよく認識してほしいと思います。決して簡単なビジネスではありません。先日もとある企業に老人ホームビジネスに関する打ち合わせをしてきましたが、その企業は真剣に考えているだけあって現状をよく把握しており、決して簡単なビジネスではないというのは十分に認識されていました。そういう状況の中でどうすればうまくやっていけるかというお考えを持っている、つまり安易に周りの情報に流されれず、きちっと現状を認識したうえで何をやっていくべきかを考えていきましょうというお考えをお持ちなので、これはもう是非お手伝いしたいなあと思いました。

 

 最後に、この表の下の方を見ると文脈を読み取ることができないのですが1万元以上するアイさんもいるようなことが書かれてます。1万元って、企業のちょっとしたポジションの給料と見間違えるほどです。もちろんこういう価格は交渉力いもよるのでしょうが、基本的には相場観があり、その中で価格が決まっていくものだと思います。それにしても結構いい給料ですねえ。

東莞のワーカー不足

 中国の加工貿易のメッカといえば広東省の深圳・東莞。今日は東莞のワーカー不足の状況について紹介します。

 

 某電子工場:月給最高3800元・・・問い合わせ無し

 某電子工場:月給3500元の横断幕、あわせて応募者を引き付けるために社内の余暇活動に関しても紹介。

 某企業:昨年作成した求人横断幕がすでに色褪せいまだに工場玄関に掛かっている。

 某自動車メーカー:1月に発表した最新の求人広告では経験者の月給最高6000元。 

 

 一見するとなかなかの待遇ですが、裏返せばこれだけの条件を出してもなかなか応募者がやってこないということでしょう。ちなみに給仕の模様はこんな感じです。

 

 

 いうならば人材募集デスクですね。

 

 

 最低給与1250元ですが、残業やら何やらで2500-3000元になるという内容です。

 

 

 最低給与1100元、これに補助が200-300元加えられ、残業代は平日が9.5元/h、土日が12.5元/h。

 

 

 上と同じ会社かと思いますが、時給9元での案内です。

 

 

 横断幕による募集です。残業代が平日11.3元/h、休日15元/h、祝祭日22.59元/h。結構な金額です。最低賃金1250元ですが、3000元くらいすぐに行ってしまいそうです。

 

 

 これも同じような感じですね。最低賃金1250元、残業代10.78元/h、休日14.37元、で最終的には2600-3500元になりますという内容です。

 

 

 これは社内の余暇活動の紹介掲示板ですね。

 

 

 求人デスクですね。この写真だけ見ますとちょっと物悲しいですね。

 

 上海界隈でも場所によりますが月給2500元程度で雇っているところは春節後どうなるか戦々恐々としており、もっと市街地に近い工場では月給3000元程度で雇っているものの、定着率が良くないと聞きます。また、浙江省界隈でも春節を前にして離職した人が多数出た工場もあり、沿岸部のワーカー確保はかなり大変なようです。といっても今年に限った話ではないのですが。とにかく沿岸部ではもうなかなかやっていけないという声はよく聞きます。加えて中国が軍事的な威圧行動を取ったりしてますます日本サイドは引いてしまう。外交は駆け引きという人もいますが、ここまでやられるとさすがの大人しい日本人も黙っていられないというのはしょうがないと思います。

 

 今までの騒動でも日本の報道の仕方に問題あり、中国はそこまでネガティブに考える必要ないという話もありましたが、アホとしか思えない海軍艦艇によるレーダー照射なんぞしてきたらちょっとかばいきれない状況になってきているように思います。いつまでこんなことを続けるのでしょうかねえ。日本にとっては本当に迷惑な話です。

2013年中国大学ランキング

 中国校友会網というところが《2013中国大学評価研究報告》というものを発表しました。タイトルの通りです。さっそく見ていきましょう。

 まずは大学ランキングトップ100です。おなじみのよく聞かれる名前の大学が上位にランクされています。 

名次 学校名称 地区 类型 总分 科学研究 人才培养 综合声誉
1 北京大学 北京 综合 100.00 93.36 100.00 100.00
2 清华大学 北京 理工 98.25 100.00 87.15 90.06
3 复旦大学 上海 综合 82.51 56.39 53.53 53.53
4 浙江大学 浙江 综合 82.18 53.42 50.14 65.00
5 上海交通大学 上海 综合 79.72 58.88 36.50 49.46
6 南京大学 江苏 综合 78.71 44.45 43.52 53.26
7 中山大学 广东 综合 75.00 41.64 29.38 41.61
8 吉林大学 吉林 综合 74.95 37.63 36.36 32.97
9 武汉大学 湖北 综合 74.80 36.03 35.33 37.50
10 中国科学技术大学 安徽 理工 74.11 35.61 27.94 47.60
11 华中科技大学 湖北 理工 73.52 38.06 28.44 31.03
12 中国人民大学 北京 综合 72.36 17.32 41.72 32.52
13 四川大学 四川 综合 72.31 30.93 28.67 30.58
14 南开大学 天津 综合 71.96 30.13 26.37 33.39
15 山东大学 山东 综合 71.81 28.18 27.54 33.20
16 北京师范大学 北京 师范 70.98 24.43 27.37 30.85
17 哈尔滨工业大学 黑龙江 理工 70.68 26.80 25.23 25.68
18 西安交通大学 陕西 综合 70.55 26.64 24.80 25.31
19 中南大学 湖南 综合 70.54 27.62 23.80 25.24
20 厦门大学 福建 综合 70.43 26.26 22.82 29.69
21 东南大学 江苏 综合 68.96 24.89 18.15 23.26
22 同济大学 上海 理工 68.92 24.28 18.16 24.21
23 天津大学 天津 理工 68.56 20.75 19.09 25.43
24 北京航空航天大学 北京 理工 68.36 24.76 16.02 20.04
25 大连理工大学 辽宁 理工 67.77 20.03 15.28 25.43
26 华东师范大学 上海 师范 67.73 17.67 18.54 22.36
27 华南理工大学 广东 理工 67.61 19.14 14.81 26.53
28 中国农业大学 北京 农林 67.05 18.09 13.64 23.85
29 湖南大学 湖南 综合 66.41 13.57 15.00 22.37
30 兰州大学 甘肃 综合 66.35 13.69 13.17 25.81
31 重庆大学 重庆 综合 65.88 13.62 13.04 19.26
32 西北工业大学 陕西 理工 65.87 13.99 12.55 19.42
33 东北大学 辽宁 理工 65.80 13.38 13.54 17.45
34 北京理工大学 北京 理工 65.77 13.09 12.64 20.14
35 华东理工大学 上海 理工 65.76 15.92 8.98 22.10
36 北京协和医学院 北京 医药 65.33 14.18 11.25 14.32
37 东北师范大学 吉林 师范 65.27 13.15 10.27 18.60
38 北京科技大学 北京 理工 65.20 11.00 12.05 18.48
39 中国地质大学 湖北 理工 64.77 10.37 9.98 19.02
40 武汉理工大学 湖北 理工 64.66 12.79 8.11 16.04
41 华中师范大学 湖北 师范 64.62 10.94 9.91 15.48
42 西北大学 陕西 综合 64.59 11.22 9.99 13.98
43 中国矿业大学 江苏 理工 64.55 11.77 9.01 14.49
44 华中农业大学 湖北 农林 64.52 12.80 7.61 15.17
45 电子科技大学 四川 理工 64.47 10.72 8.38 17.77
46 长安大学 陕西 理工 64.17 13.11 7.91 8.29
47 东华大学 上海 理工 64.15 13.70 5.34 13.09
48 西南大学 重庆 综合 64.13 8.93 9.33 14.76
49 中国海洋大学 山东 综合 64.09 10.22 7.03 16.77
50 南京航空航天大学 江苏 理工 63.96 10.11 7.30 14.48
51 南京理工大学 江苏 理工 63.89 9.49 6.55 17.00
52 西南交通大学 四川 理工 63.84 7.40 8.65 16.16
53 北京交通大学 北京 理工 63.80 9.00 6.61 16.66
54 苏州大学 江苏 综合 63.79 10.36 6.83 12.54
55 中国石油大学 北京 理工 63.77 8.51 7.13 16.17
56 云南大学 云南 综合 63.67 7.58 8.69 13.07
57 西安电子科技大学 陕西 理工 63.62 9.66 7.28 10.57
57 北京化工大学 北京 理工 63.62 10.00 4.64 16.49
59 南京农业大学 江苏 农林 63.59 7.19 6.84 17.56
60 西北农林科技大学 陕西 农林 63.58 8.69 6.92 13.35
61 南京师范大学 江苏 师范 63.57 6.40 9.98 11.16
62 上海大学 上海 综合 63.49 7.85 7.39 13.00
63 郑州大学 河南 综合 63.40 6.46 8.85 11.40
64 河海大学 江苏 理工 63.37 7.55 6.38 14.60
65 合肥工业大学 安徽 理工 63.22 6.24 7.11 13.84
65 北京邮电大学 北京 理工 63.22 9.51 4.35 12.54
65 哈尔滨工程大学 黑龙江 理工 63.22 8.06 4.86 14.91
68 湖南师范大学 湖南 师范 63.21 6.08 8.60 10.11
69 暨南大学 广东 综合 63.04 6.78 6.79 10.53
70 福州大学 福建 理工 62.93 7.80 5.14 10.55
71 南昌大学 江西 综合 62.87 8.22 5.09 8.63
72 北京林业大学 北京 林业 62.84 5.54 5.25 14.79
73 北京工业大学 北京 理工 62.73 6.61 5.59 9.42
74 华南师范大学 广东 师范 62.66 4.58 7.16 9.53
75 陕西师范大学 陕西 师范 62.62 5.43 7.29 6.41
76 江南大学 江苏 综合 62.47 6.77 2.85 12.28
77 华南农业大学 广东 农林 62.40 6.51 5.60 4.68
78 首都医科大学 北京 医药 62.39 8.03 4.34 3.91
78 中国政法大学 北京 政法 62.39 2.30 5.66 15.20
80 新疆大学 新疆 综合 62.29 5.27 4.41 9.33
81 广西大学 广西 综合 62.22 5.38 4.08 8.92
82 内蒙古大学 内蒙古 综合 62.18 5.08 4.41 8.22
83 上海财经大学 上海 财经 62.15 2.94 5.45 10.50
83 华北电力大学 北京 理工 62.15 5.68 3.34 8.99
85 中央民族大学 北京 民族 62.10 2.59 4.83 12.30
86 南京医科大学 江苏 医药 62.09 6.91 3.80 3.67
86 山西大学 山西 综合 62.09 5.53 6.21 0.93
88 太原理工大学 山西 理工 62.08 4.97 4.52 6.62
88 河南大学 河南 综合 62.08 5.21 5.74 2.81
90 中南财经政法大学 湖北 财经 62.06 2.70 6.57 6.90
91 南方医科大学 广东 医药 62.04 5.94 4.12 4.59
91 安徽大学 安徽 综合 62.04 3.99 4.70 8.22
93 湘潭大学 湖南 综合 61.99 5.50 4.29 4.58
94 贵州大学 贵州 综合 61.95 4.87 3.65 7.31
95 哈尔滨医科大学 黑龙江 医药 61.94 5.82 4.49 2.46
95 南京工业大学 江苏 理工 61.94 5.89 4.42 2.42
97 燕山大学 河北 理工 61.91 5.72 3.92 3.72
98 浙江工业大学 浙江 理工 61.90 5.63 4.19 3.14
99 辽宁大学 辽宁 综合 61.89 1.99 6.10 7.35
99 东北林业大学 黑龙江 林业 61.89 4.13 4.55 5.91

 

 次の一流大学リストというものも発表されていますので見てみましょう。

 

 

 

 軍事考案系まで入っていますねえ。この辺りは興味本位でみてもらえばいいと思いますが、前半に紹介したランキングは社員を採用するときなんかに参考にすることができますので、保存しておく値打ちはあると思います。

小売業店長の給与水準 ~その2~

 昨日の続きです。小売業の店長の給与水準は昨日の記事を参考にしていただきたいのですが、では店長たちはそれに対してどれほど満足しているのかが下のグラフです。

 

 

 

 很不合理と不合理、ようするに仕事と給与が見合ってないと思っている店長が約半分います。まあ中国では自己評価と他社評価が乖離(もちろん自己評価が高い)しがちですのでこんなものなのかと思います。

 

 次に、今後1年間での給与増加予想です。

 

 

 

 10%以上のアップを期待している店長が4分の3います。最も多い10-20%増を期待する店長が39%。かなり高いですねえ。期待値と同じだけ給料が上がることはないと思いますが、これだけの幅で上がって当然と思っている店長がいかに多いかがよくわかります。

 

 最後に、仕事において何が最も重要と思っているかについてです。

 

 

 

 給与と安定性が23%の同率でトップ。その次が昇進の可能性、仕事の挑戦性(やりがいといえばいいか)、上司からどれだけ認められているか、と続き、もっと高いと思っていた人間関係はわずか3%です。給料が大事なのはわかりますが、安定志向も見受けられます。

 

 最後に、転職を考えているかについての調査結果です。

 

 

 

 転職を考えているのが39.7%もおり、考えていないのがわずか23.5%。安定性を求めているとはいうものの、転職自体に対する抵抗感がやはり内容です。なんだかんだいって給料のいい職場が見つかればいつでもやめるんでしょう。

 

 個人的にはお金も大事ですが、もっとハートの部分の要素が大きいのではないかと思ってました。職場の人間関係や上司からの認められ具合のことですが、結局お金の優先順位が高いですね。そのあたりは現実的ですね。