労務

小売業店長の給与水準 ~その1~

 ちょっと面白いデータを見つけました。聯商網というところが行った調査なのですが、小売業の店長の給与に関する調査です。全体のサンプル数は723で、小売業といってもコンビニ、スーパー、百貨店、家電チェーン等があるので、必ずしもサンプル数としては十分ではないのかもしれませんが、参考にはなるかと思います。ちなみに調査方法はネット、範囲は全国エリアです。

 

 それでは、まず業態別の天平の月間給与についてみていきましょう。最も数値の大きいものが赤字表示されています。

 

 

 

 コンビニの店長は店舗の規模が小さいこともあってか、店長といえども給与水準はそれほど高くないです。これとは対照的に規模の大きな大手スーパー(大売場)や百貨店は比較的給与水準が高く、12000元以上はこの2つで4割以上となっています。コンビニの店長は9割以上が5000元以下です。店長がこのレベルだと普通の店員だとかなり給与水準が低いことがわかります。

 

 次に資本別給与水準についてみてきましょう。

 

 

 12000元以上もらっている店長は外資(マジョリティを含む)4割近く、民間資本や国有資本だと半分近くが5000元以下ですね。まあ、店員のレベルも違いますし、こういう結果になるのもわかります。

 

 ちょっと意外に感じたのは次のエリア別です。

 

 

 

 12000元以上についてみると華北と東北の比率が高いです。東北って結構給与水準が高いですねえ。給与水準の低いコンビニの比率が少ないのでしょうか。

 

 これ面白いので、明日またこの続きをやりますね。

イトーヨーカ堂、店長の評価のものさし

 日本企業の中国進出成功例としてイトーヨーカ堂が良く取り上げられます。成都にある5店舗は世界中の店舗でもトップレベルにあり、双楠店では今年の売り上げは20億元に達することが見込まれているそうです。ちなみに3000平方メートルほどのスーパーマーケットは年間4億元ほど売り上げているそうです。

 

 そんなイトーヨーカ堂に対して、とあるスーパーマーケット関係の会合で北京のあるスーパーマーケットの総裁がイトーヨーカ堂の生徒にある錦華店、高新店、春熙店の店長に、イトーヨーカ堂は店長をどのように評価しているかと質問したところ、以下の答えが返ってきました。

 

・第一に、毎年の来客数の増加率

・第二に、どれだけの中核従業員を育成したか

・第三に、売上と利益

 

 この答えを聞いてその場にいた100社近くの企業は非常に意外に感じたそうです。感覚的にわかりますよね。中国企業の場合は、売上と利益が一番最初に来るのです。中国系のスーパーはカルフールやウォルマートの評価方法を踏襲しており、とにかく売上と利益を気にします。これが正しいと思っています。ヨーカ堂の場合は、従業員が顧客にサービスを提供し、十分なサービスを提供できれば慕ってくれるようにない、来客数が増え、売り上げも自然と伸びてくるという考え方です。同時に、中国となる従業員をどれだけ育成できたかにより今後の業績も左右され、こうしたことができれば売り上げも利益も上がるという考え方です。非常に理想的ですね。

 

 売上と利益を最初に見るか、結果として売上と利益があがるようにするのか、という違いですね。究極的には企業なので売り上げや利益は上げていかないといけないのですが、その発想が違うということですね。国内企業からするとイトーヨーカ堂の考え方は理解できたとしても回り道に感じてしまうのでしょう。

 

 もう一つ質問があり、店長はどうしてそんなに長くイトーヨーカ堂で働き続けているのかという質問に対して、「我々の給料は決して高くないし、国内企業の店長よりも低いくらいだ。ヘッドハンティングの電話もよくかかってくるが、私たちの上司は非常に優秀で、非常に魅力がある。だからこの会社で働き続けたいと思う。」と答えました。いやあ、いい上司に恵まれてますねえ。中国人は人についていくの典型的な答えですね。日本の場合は同じ会社で働き続けるいわゆる終身雇用的な考え方がまだまだあるのに対して、中国の場合は転職なんて当たり前の世界、そんな中で同業からもっといい条件で誘われたら普通その話に乗っかってしまうと思います。そうさせないところに上司の魅力もそうですが、会社としての魅力もあるのでしょう。

 

 一般的には小売業は立地が非常に大事で、その立地にどのような人が来て、そのような人たちに何を打っていくのか、これらを突き詰めていく必要があるのですが、このレベルになるとこの辺りはもう当たり前になっているのでしょう。現地化を推進していることもこの辺りを後押しする要因になっているのでしょう。また、イトーヨーカ堂の店長が言う「上司の魅力」が最も理想的で、最も難しいことだと思います。ここまで持っていくまでには結構な苦労があったかと思いますが、それを乗り越えて今があるといえますね。成都の評判はよく聞こえてくるのですが、北京はどうなんでしょうねえ。

海底撈のサービスを体験してきました

 先日サービスが良いと評判の海底撈(http://www.haidilao.com/)という火鍋屋に行ってきました。「日本のサービスがかすんで見える」、「日本も学ぶ点が多い」というような感じで紹介されることが多く、以前から興味は持っていたのですが、ようやく初めて行ってきました!

 

 サービスが良いという評判からか、待ち人数が結構多かったです。待つのは嫌いなのであまりに多いと別のところに行くのですが、今日ばかりはちょっと待ってみようと思いました。体験しないといけないですからね。そうするとお茶とつまみ(果物)が出てきました。待っている間之でしのいでくださいということでしょう。

 

 

 

 このオレンジ、結構甘かったです。これをつまんで待つこともできますが、店内ではWIFIをつなぐことができますので、タブレット端末やスマホを持っていれば結構時間をつぶすことができますし、そうでなくても無料で使えるデスクトップパソコンが何台もありました。

 

 ふっと横を見るとこんな光景が。

 

 

 

 靴磨きをしてもらってます。いいですねえ。

 

 子連れにはもってこいのキッズスペースベースもありました。

 

 

 

 ちょっとお手洗いに行きましたら手拭用のティッシュを手渡してくれる人がいました。高級ホテルのようです。さすがにこれは写真に収めませんでした。

 

 そうこうしているうちにようやく順番が回ってきました。時間をつぶすツールがたくさんあるせいか、待ち時間はそれほど気になりませんでした。

 

 店内は結構きれいです。従業員もきびきび動いています。

 

   

 

 席に着くと眼鏡ふきをもらいました。うわさに聞いていたものですが、実際にもらえるとちょっと嬉しかったりします。

 

  

 

 お腹がいっぱいになったので注文しませんでしたが、麺を注文すると目の前で踊りながら作ってくれます。

 

 

 

 帰り際に気付いたのですが、ネイルサロンまであります。もちろん無料サービスです。

 

 

 

 とにかく退屈しないようなシステムになっています。サービスがいいというのはあらかじめ聞いていましたが、その裏には何があるのでしょうかというのが次なる思いです。

 

 従業員がこれだけの対応をしてくれる要因としてきっと研修がかなり充実していると思われます。それも気になるのですが、果たしてどれくらいの待遇なのかのほうも気になりましたので、ちょっと調べてみました。仕事そのものが好きであったとしてもやはり待遇も大事ですからね。上海の新卒採用のページを見てみましたところ福利厚生の充実ぶりが目に付きました。

 

1、 年齢:18——40歳。男女不問。 
2、 中卒以上。つらい目や苦労に耐えられ、食糧倫理があること。 
3、 面接時に身分証の原本を持ってくること。 
4、ジブからの手で運命を変えられるという企業理念を理解できること。

福利厚生

1、 無料で宿舎・食事を手配(宿舍内にはふとん、エアコン、テレビ、パソコン、洗濯機、タンス、靴箱等を配備し、掃除つき) 

2、 待遇:2200-5000元/月; 
3、勤務3か月後に勤務地から自宅(郷里のこと)までの硬座の電車代及び交通費を支給。 
4、 夫婦のどちらか一方が会社で万6か月勤務後に夫婦で会社が部屋を提供または800元の住宅手当を支給。 
5、 勤続満一年で有給休暇を取得。 
6、 金属満三年の従業員の子女に対して2000-5000元/年の教育手当を支給。 
7、 勤続満5年、10年、15年の従業員に対して純金の“金元宝”(金で作った昔の貨幣)一枚を贈る。 
8、 每月4日の有給休暇。 
9、 海底撈は外部から管理者を招へいすることはせず、現有の管理者はすべて給仕当の最も末端の職位から選抜し、会社は皆に対して公平、公正な発展空間を提供し、もし“自らの両手で運命を変える”という言葉を信じるのであれば未来の成就につながり、どんな学歴背景であっても、会社は三つの職業発展及び昇進ルートを提供する(1.、模範労働者、功労 2.プロフェッショナルマネージャー 3.財務、物流、出納、人事) 

 

 結構いい待遇じゃあーりませんか!大企業のホワイトカラーの福利厚生と遜色ないといえるでしょう。しかし、待遇がいいだけではたして人はここまで変われるものなのかという思いもあります。待遇が良くったって働きの悪いのはどこの会社でもいますからね。そのあたりについてもっと研究する価値があると思います。これだけ仕込むことのできる研修担当者は結構売れっ子になりますね。ちょっと時間ができたらこの辺りを研究してみたいと思います。

不動産賃貸を通じての横領

 知り合いの不動産仲介業者から聞いた話ですが、中国に駐在している人で自分が住んでいる物件を通じてお小遣い稼ぎをしているケースがあります。もちろん自分の物件を人に貸して賃料をもらうのは羨ましく思われるとはいえ後ろ指を指されることではありません。もっと別のスキームです。ちょっと具体的に見ていきましょう。

 

1.自己保有物件を賃借

 駐在員自身が物件を持っていてそこに住むのですが、不動産仲介業者とつるんで貸主不動産仲介業者、借主駐在員という形で賃貸契約を締結するパターンです。これによりどうなるかというと、例えば家賃2万元として会社に申告すると、会社は契約書はインボイスを基にその2万元を経費処理します。経費処理するということは貸主にその2万元を支払うということです。ここから先がポイントです。貸主である不動産仲介業者は実は駐在員と別途賃貸契約を交わしており、その契約書上で不動産仲介業者は借主、駐在員は貸主となっているのです。ということは、不動産仲介業者に入ってきた2万元は(幾分かマージンを抜かれた後)、駐在員の懐に入ります。住宅を持っていない人に対しては住宅手当が出ているのに対して、住宅を持っている人に対してはそういう福利厚生がないことから、一見許されそうにも見えますが、やはり会社のコンプライアンス上はまずいと言えるでしょう。これを未然に防ぐケースとしては物件の権利証を確認するということですね。まあ、自分の物件を持っている人はそれほど多いわけでもないので、あるとしてもレアケースだとは思います。

 

2.大家とつるむ(その1)

 これはもっとシンプルですし、発覚しにくいがゆえに結構多いかもしれません。例えば本来は2万元が妥当な水準の物件があるとします。これに対して駐在員が大家に契約書を25000元で締結するように話を持ちかけます。会社は契約書を信じるので、それに基づいて支払いを行います。25000元と2万元の差額部分5000元が発生しますが、これを駐在員が懐に入れるというやり方ですね。これは対外的にはちゃんと契約書を締結しているので非常にわかりにくいと思います。いちいち大家にも聞いていられないですしね。

 

 

3.大家とつるむ(その2)

 これは基本的には先ほどのケースと同じです。KTVのホステスの小姐が持っている物件に住む(同棲のケースもありそう)ケースです。ホステスの稼ぎがいいとは言っても、実際に住んでいるところはせいぜい2000-4000元程度のところではないかと思います。ここでは中を取って3000元としましょう。実際は3000程度の価値のところなのですが、この駐在員は小姐と15000元の契約書を作成します。会社としては15000元という金額には違和感を覚えませんので、契約書に基づいて支払います。この場合、駐在員自身は自分の懐にはお金が入りませんが、実質的には会社の金を使って小姐に貢いでいることになります。この場合、権利証を見たからと言って不正がわかるわけでもないですし、いちいち住んでいるところまで見に行くこともしないでしょうから、やはり発覚しづらいと思われます。ただ一点挙げるとすると、なんでこのエリアで家賃がこんなにするのだろうかと気づく人がいるかもしれないという点です。

 

 以上のケース、どれをとっても会社的には横領に該当するのではないかと思います。まあ、1のケースに関しては物件を持っていない人に対しては家賃が補助されるのに対して、物件を持ってしまったがゆえに何も補助されないとなるとかわいそうにも思いますが、会社の現在のルールではそういう補助はおそらく想定していないでしょうから、ルール上は横領になってしまうでしょうし、まあばれないように契約書を締結している時点で悪意があるでしょうから、やはり結論としてはダメということになるでしょう。個人的には物件を持っている場合は賃貸と同じ程度とまでは言わないものの、少しくらいは補助してあげたらいいのではないかと思います。

 

 いずれの手口も中国で見られるケースですが、別に中国だけではなくほかの国でも考えられるケースなので、内部管理を行っている人は参考にしてもらいたいと思います。ひょっとして不正を行おうとする人の参考になったりして。

広東省で労働者に対する罰金が禁止の方向へ

 広東省で労働者に対する罰金を禁ずる条例の公布が検討されています。《広東省労働保障監察条例(改正草案)》の中で、「雇用者は規章制度を制定する等の方式を通じて労働者に罰金経済処分を実施する場合、人力資源社会保障行政部門が期限を切って是正を命じる。紀元を超えて是正されていない場合、一人当たり2000元以上5000元以下の標準で処罰を行う。労働者に損害をもたらす場合、賠償責任を負わなければならない。」という文言が入っており、これが成立すると労働者に罰金を科すことができなくなってしまいます。以前は罰金を科す場合の根拠が一応存在しており、1982年に公布された《企業従業員賞罰条例》という行政法規の中で、「従業員がしばしば遅刻、早退、無断欠勤、仕事を怠ける場合、雇用者は経済処罰を科してよい」というルールが存在していたのですが、同条例は2008年に廃止されてしまい、全国的なルールとしては罰金を科す根拠というのがなくなってしまってます。しかしながら、実務上の必要性から企業が罰金を科すことに対して地方性法規が公布されているような地域もあります。例えば、2008年に施行された《深セン経済特区和諧労働関係条例》において、雇用者は従業員に経済処罰を科することができるが、同時に処分金額は労働者の当月給与の30%を超えてはならないというものがあります。深センも広東省なので、冒頭に紹介した改正草案が通過してしまうと罰金制度を維持することができなくなってしまいます。そもそも《企業従業員賞罰条例》が廃止された時点で罰金制度そのものが本来はもうダメなのではありますが。

 

 罰金制度とだけ聞くと印象は悪いですが、ワーカーの職務意識に対するレベルの差が激しいためオペレーション上はあった方がいいと思います。上海界隈でも罰金制度がある工場は結構あると思います。私が過去接した日系工場で導入しているところはありましたし、管理者として効果はあると認識されていました。2008年よりスタートした労働契約法もそうですが、従業員のレベルが一定以上であればともかく、そうでない現状においてかなり労働者寄りに作られている感は否めず、今回の改正草案もまたしかりです。改正草案が実現してしまうと企業にとっては労務管理が今までよりも大変になってきそうです。

京の賃金トップの業種は不動産ディベロッパー

 北京の今年の給与指導ラインが発表されました。この指導ラインは北京の17の業種の生産経営が正常で、利益能力が良好な企業の2011年の販売収入、従業人員労働報酬等のデータに基づいて整理したものです。

 

 

 多くの業種で賃金が上昇していますが、不動産ディベロッパーが相変わらずのトップで、平均月給は102,191元、年収で10万元を超えている唯一の業種です。これはスーパー小売業の3.67万元の3倍近くになります。スーパーの場合は配置されている部署によっては給料が安いでしょうし、不動産ディベロッパーはオフィスワーカーが多いでしょうからこういった差につながるのでしょう。上位の業種を見ると出版が2位で、ネット関係が3位となってます。出版って結構いいんですね。小売業は平均賃金に対して一人当たり売上額が大きい、つまりコスパがよいとも指摘されています。票を見ると確かにそうなりますね。しかし、この指導ラインというのも困ったものですねえ。構成力があるわけではないのですが、こんなものがお上から出されるとこれにかこつけて昇給を言ってくる人がいるに決まってます。企業の自主判断に影響するという意味で、個人的には好きになれない指標です。まあ、企業からすると「自分たちでちゃんと考えて決めるから放っておいてください。私たちも大人なので自分のことは自分で決めます。大きなお世話です。」といったところでしょう。

 

 ところで、平均給与のトップ業種は不動産ディベロッパーなのですが、なんだかんだ言ってたくさん給与を出せるということは調子は悪くないのでしょう。不動産バブルがはじけると言い続けている人がいますが、上海で10年ほどいますがこの間に不動産バブルがはじけるなどということはさんざん聞いてきました。確かにやばいと思ったこともありますが、なんだかんだ言って戻してきています。今となっては不動産バブル崩壊というのは狼少年的な感じがします。でもいつかは不動産市場も落ち着くので、その落ち着き方がちょっと下げ幅の大きいものだったりすると「私が言っていた通り不動産バブルは崩壊したでしょ」という人も出てくるんでしょうねえ。何年も言い続けてればそりゃあそのうち当たるときも来るでしょう。時期をピタリと当てるとすごいと思いますが、そんな人はなかなかいないでしょう。そういう意味でそういった発言は「読み物」として面白くは読ませてもらってます。まあ、私はマクロの研究家でもないのでこの手の予想を聞かれても困るのですが、感覚的にはやっぱり狼少年的な印象がぬぐえないですねえ。

求人広告で発展空間をアピール

 facebookに何気にアップした写真に結構反響がありましたのでここでもアップします。

 写真は蘇州の街歩きをしている時に見つけたユニクロの求人広告です。スタートは2500元からと大した給料ではなく、それだけだと魅力に感じないでしょうが、どれだけの期間を経過すると等級が上がり、要するに給料も上がるかを示しています。いわゆる昇給・昇格プランですね。この広告だとそれがP1級からP4級まで最短で15カ月で到達するということがわかります。P4級に達しますと最短6か月でさらに昇格し、今度は「店舗管理組」、「品牌店店長」、「さらに大きな発展空間」というように、より上のレベルでの仕事へのステップアップの可能性を視覚でアピールしています。あえて気になる点といえば最初の15カ月でたどり着く給与が3700元という水準であることと、その後の6か月を加えた合計21か月を経てようやく「店舗管理組」というポジションにたどり着くまでの期間を長いと感じる人がどれだけいるかという点でしょうか。しかしながら、このような社内でのステップアップがわかりやすく紹介されているのはしばしば「発展空間」という言葉で将来のキャリアアップを渇望する中国人には受けがいいと思います。いい見本と言えますね。

 

各地の平均給与

 2011年の都市で勤務している従業員の平均給与が発表されました。第1位が北京の4672元/月、その次が上海で4331元/月で、最下位は甘粛省で2742元/月という結果です。

 国家統計局のデータによりますと、2011年の全国都市非私営業単位在職従業員の平均年間給与は42452元で2010年の37147と比べて5305元、伸び率にして14.3%も伸びています。物価上昇要因を除いたとしてその伸び率は8.5%に達しています。全国平均の42452元を上回っているのは北京、上海、浙江、江蘇、広東、寧夏、青海の7つで、北京と上海は5万元の大台を突破しています。  伸び率8.5%より下回っているところとしては陕西(7.7%)、重慶(7.6%)、広東(6.3%)、河北(6.3%)、広西(1.54%)の5つの省があります。逆に伸び率の大きいところとしては福建(19.4%)、海南(18.3%)、江西(17.1%)がトップ3です。寧夏と青海が平均を上回っているのがクエスチョンマークですが、統計数値を出す際に国有企業、城鎮集体単位及び聯営経済、株式制経済、外商投資経済企業のみが含まれており、収入の低い私営企業と個体工商戸(営業性個人)は除かれておることが原因のようです。そう考えると、この数値に肌感覚で納得いかない人もいるでしょうし、果たしてどこまで正確なのだろうかという問題にもつながってきますね。

 

いまだにあいまいな派遣

 《労働契約法》の改正案がここ最近審議されていますが、注目されている改正点としては、

(1)労務派遣における臨時性、補助性、代替性等の「三性」の境界
(2)規定に違反して労務派遣行為を乱用する行為への処罰の程度
この二つです。

 日系企業の場合、労務派遣を「活用する」使い方をしているケースが大半で、「濫用」しているケースはあまり聞かれないことから、ここでは「三性」について考えてみましょう。

 「三性」の一般的な定義は次の通りです。
 臨時性:使用者の勤務ポストの存続期間が6か月を超えない。
 補助性:使用者の勤務ポストが主営業務単位ではない。
 代替性:使用者の従業員が一時休職して勉強する、休暇を取る等の原因で当該勤務ポストで勤務できない一定期間について、派遣される労働者が代替的に勤務することができること。

 ところが、この「三性」は強制的な解釈というわけでもないため、現状維持を望む声に押されてうやむやになっているような状況にあります。

 現状維持を望むのは覇権を活用する企業側はもちろんですが、派遣会社側も現状維持を望んでいます。派遣が「三性」に限定されてしまうと派遣対象が大きく減少し、ビジネスが大きく減少することにつながってしまうからです。

 労働契約法が施行されたのが2008年1月1日ですので、もう4年半が経過しています。当初から話題になっていた派遣の問題は今でもこんな状況で、バシッと明確な線引きができていないのは相変わらずです。こんなんだったら最初から派遣を縛るような文言なんて入れな狩ればよかったのにと思いますね。

《労働契約法》改正法案(意見募集稿) ~労務派遣は今後どうなるのか~

 《労働契約法》の派遣社員に関する部分について改正を行うという話題が以前からあったが、どうやらそれも3月末に完成し、現在関連部門等に意見をうかがっている段階にあるようです。

 派遣社員に関する問題としては派遣社員であるがゆえに正社員と待遇が大きく異なることが問題になっていました。しかしながら、このような問題を起こしているのは中央企業が多く、日系企業にとってはあまり関係のない話であります。日系企業にとって関係あるそうな話としてはやはり派遣社員の定義についてです。現行法令の派遣社員の定義は次の通りです。

 労働派遣は一般に臨時性、補助性または代替性のある勤務ポストで実施される。

 ポイントは「臨時性・補助性・代替性」の3つのキーワードですが、現在はこの辺りがうやむやのまま、ごく一般の社員についても労働派遣形式で勤務している人は少なくありません。いちおうこれらキーワードのそれぞれの意味するところはおおよそ次の通りです。

 

臨時性・・・雇用単位の勤務職位の存続時間が6か月を超えない。

補助性・・・雇用単位の勤務職位が非主営業務単位である。

代替性・・・雇用単位の従業員が休暇等の原因により勤務できない一定期間を代替。

 

 そして、今度の改正で労務派遣の定義が次のようになる方向にあるようです。

 労働派遣は臨時性、補助性または代替性のある勤務ポストで実施される。

 

 現行との違いは「一般に」という用語がなくなっている点です。「一般に」という用語がなくなることでどんな影響が生じるかが日系企業にとっては気になるところです。「一般に」がなくなることで、「一般的にはこうだよ、でもね・・・」という意味合いから「こうなのです」と言い切ってしまうように感じられ、「とにもかくにも臨時性、補助性、代替性だけが労務派遣の対象だ」ということになると、派遣形式の使い勝手が悪くなってしまいます。あくまでネガティブに考えてみただけなのですが、そうなってしまう可能性も否定できず、結構気になるところです。