労務

《女性従業員特殊労働保護条例(意見募集稿)》

 昨年11月に《女性従業員特殊労働保護条例(意見募集稿)》というものが発表されておりますが、これが今採集の修正段階に入っていまして、今年上半期には国務院より正式に公布されることが見込まれています。

 意見募集稿の段階で注目された点としては、国際労働機関(ILO)の規定を参照して、産休を90日から14週に増加し、あわせて流産による休暇について細分化されています。また、女性従業員が生育保険に加入していない場合、雇用単位により支払うものとすると明確にされている点です。

 産休が90日から14週に増えるのはたかだか8日間なので大きく影響はしないでしょう。

 流産の場合、現行規定では病院の証明書に基づいて一定期間の休暇を与えるという決まりがありますが、意見募集稿では妊娠4カ月未満の流産(人口流産を含む)の場合、2週間以上の休暇、妊娠満4カ月の流産だと6週間以上の休暇という文言が含まれています。

 私は男性なので流産というものがどれだけ身体的な負担が大きいかわからないのですが、4カ月未満の場合だと段階によって身体的負担は結構違うのかなあと思ったりしてます。この辺りそんなことないよということであればご指摘いただきたいのですが、早い段階で人口流産という方法を選択した場合も2週間以上の休暇だとちょっと多いような気もします。逆に言えばそんな早い段階でわかるということがあまりないのでしょうか。それと、既婚者はともかく未婚者の場合だと申告しにくいのかなあとも思います。色々と思い目ぐさせましたが、流産自体がそもそもそんなに頻繁に起こることでもないのでそれほど心配する必要もないでしょう。

中国のMBA

 近年中国のMBAの学費がもの凄い金額になっているというのは以前にも書いたことがあります。国内一流どころのビジネススクールのパートタイム(仕事しながら勉強)の学費が40万元近くに達しているものもあります。それなのに申込者は増えていってるのです。いくつかの観点から見ていきましょう。

 

1.     学費

 まず中国EMBAの学費ランキングトップ5を見てみましょう。

  1.長江EMBA:65.8万

  2.清華EMBA:56万

  3.中欧EMBA:53.8万

  4.上海交大安泰EMBA:53.8万

  5.北大光華EMBA:53.8万

 凄い金額ですねえ。この学費は急激に上がってきているのです。下のグラフを見るとよくわかります。10年前と比べてざっくり2-3倍に跳ね上がっています。でもひょっとすると不動産の値上がりほどではないかもしれません。

  

 トップ5は全部50万元以上です。全体的な物価水準等を考えるとこれはもう尋常じゃないでしょう。申し訳ないですが、勉強する場所というよりは人脈を作る場所という位置づけで見ている人が多いですので、いわゆる勉強で学んだことはどこまで生かせるのかというとちょっと疑わしいですね。そもそも勉強している人自体がそこで得られる人脈に期待している人が多いので、まだまだ勉強よりも人脈の方が大事だと思っている人が多いかもしれません。お金持ちの親が自分の子供を有名大学に入れることにあまり意味を感じていない人も多く、それはなぜかというと親は以前大学で勉強してきたけれどもお金持ちになったのは大学で勉強してきたことと関係なく、むしろ別のポイント(人脈かな?)の方がよっぽど貢献しているという考え方から来ているものです。それはわからなくもないですし、人脈もない寄り合った方がいいとは思うのですが、経済的にも依然と比べてスマートになってきている中で人脈を前面にアピールするのもいかがなものかと(もちろん人脈を全否定するつもりは毛頭ありません)思うのであります。そういう意味では中国人よりも外国人の方が勉強熱心なのではないでしょうか(個人的推測)。 

 

2.給料

 フルタイムのMBA卒業生の5年後の平均給与は41.6万元に達しており、これは入学前の4.5倍にもなります。卒業後の給与の伸び率は17%にもなります。パートタイムのMBA卒業生に入学した卒業生の5年後の平均給与は34.4万元に達しており、これは入学前の2.8倍にもなります。そして、卒業後の給与の伸び率は12.6%になります。学費はめちゃめちゃ高いですが、それなりのリターンがあるといえるでしょう。これは平均値ですが、学校別でみる戸すさまじい数値があらわされており、中欧の2007年のフルタイムMBAの卒業生は入学前後で比べると給料が156.8%も伸びており、その後もなお14.1%の伸び率を維持しており、卒業後5年でのリターンは97.1万元にもなります。他の学校もすごいのですが、ちょっと数が多いのでここでは割愛します。

 

3.職位

 収入が上がっている以外に、職位にも変化が現れています。MBAの勉強する前はわずか10.7%が高級管理者(総監以上の職位)しかいなかったのが、卒業後1年でこの数値が22.4%、卒業後5年には32.3%にも達しています。

 

4.就職業界

 お金と職位以外だと働く業界にも影響が生じています。ビジネススクールで勉強する前は金融業界で働く人は9.2%しかいなかったのが、卒業後1年でこれが14.7%に増加しています。やっぱり中国でも金融は人気なんですねえ。なお、勉強する女性も増えており、2007年の卒業生は19.1%だったのが、2011年には26.9%と大幅に増えています。

 

 以上、4つのポイントで見てきましたが、2007年と2011年を比較する表を作ってみました。 

 

2007年

2011年

フルタイム

パートタイム

フルタイム

パートタイム

入学前平均給与及び卒業後給与伸び幅

9.3万元

94.2%

12.2万元

51.5%

14万元

57.5%

16.6万元

44.8%

入学前平均勤務年数

6.3年

7.3年

5.8年

7.7年

 2011年は2007年と比べると給与の伸び幅は大分下がってきているんですね。まあ、2007年よりも2011年の方が給与のベースが上がってきたということなのでしょう。しかしそれにしても学費の高さがすごいですね。日本だとMBAの勉強したくらいでこんなに待遇が変わるんですかねえ?さすがにここまで変わらないですよねえ?

外資系企業の初任給の伸び幅と離職率が高すぎ

 中欧博尔捷という会社が発表したところによりますと、2012年の大学卒業生数が過去最大の700万人を突破するそうです。そして調査対象の1079社の企業のうち、83%の企業が新卒の採用を選択し、また大学生全体の初任給の伸び率も15-20%に達しているということです。

 

 2011年の新卒の平均初任給は2010年と比べて10-15%伸び、2012年については次のような感じとなっています。

 大科:2212元(+18%)

 本科:3059元(+15%)

 修士:4699元(+15%)

 博士:8650元(+20%)

 これは全国の大学生の平均なので、地方によってはこの金額は大きく変わってくると思います。

 

 上海について見ていきましょう。とある調査会社が2011年の上海の外資企業の給与状況について調べたところ、2011年の新卒の初任給の伸び幅は大きく、2010年と比べて17.25%も伸びています。そのうち、本科生の初任給が前年の2864元から3358元にまで上がっています。コストがこれだけ上がってもちゃんと仕事してくれてちゃんと続けてくれればいいのですが、気になるのが離職率です。離職率のトップ3は広告(47%)、医薬(44%)とインターネット業界(41%)です。募集の不足率が高い業界はインターネット(42%)、物流(35%)、販売会社(35%)となっています。しかしトップ3だけ抜き出しているとはいえ離職率がとにかく高い!トップ3はいずれも40%以上です。ちょっとありえないですねえ。いくら転職が多いと言ってもこれはちょっと。転職が多いのは今に始まったことではなく、ずっと以前からあった問題であり、それをなんとかしようと多くの会社が悪戦苦闘してきていますが、それでもなおこの結果を見ると、かなり能力の高い人間を雇用し続けるか、離職率が高いのを全体に組織を組む方向に行かざるを得ないように思います。あくまで理論ではありますが。まあ日本でも外資系企業の離職率は一般企業よりも高そうなイメージがありますが、上海でも同じということなんでしょうか。

ハイクラス要員の人件費

 万千百貨というデパートがあります。大手不動産会社の万達集団の傘下にある2007年にできたデパートです。

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 このデパートが総経理を募集するに当たり提示する年棒が45万元、エリア総経理ともなると80万元にも上っています。太っ腹です。

 

 合生創展というやはり不動産を主体にした集団企業があります。

 

 

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 ここが人事・層部マネージャーを採用するに当たって20万元以上を提示し、小売業上場会社をはるかに超える水準にあります。

 ハイクラスはこんな状況ですが、小売業の下っ端クラスになると100-200元の差で流出してしまうという状況にあります。中国でもハイクラス人材になるとそれなりの金額提示が必要だというのは現地の感覚ですが、80万元ですか、出すところは出すんですよねえ、ちなみにこれは中国系企業の話であり、外資系企業の例ではないので、外資系だともっと高い金額を出しているところもあると思います。感覚的には給料とレベルが釣り合ってない人も多いようには思うのですが、ハイクラス人員のコストはこのレベルまで来ちゃってるんですねえ。もちろんコストに見合う、あるいはそれ以上の働きをしてくれるのであれば全然高くはないのですが。人件費が上がってきているのは最近の報道でもよくされてますし、現場では当然のように感じていることですが、でもやっぱり昔の相場観を引きずっている人からすると驚きの水準ですよねえ。

蘇州で外国人に対する社会保険徴収が開始

 ついに蘇州でも始まりました。2011年10月15日以前に就業している外国人は10月にさかのぼって納付することが要求されています。

 

关于做好在我市就业的外国人参加社会保险工作的通知

各市、区人力资源和社会保障局,市社会保险基金管理中心,市劳动就业管理服务中心,各有关单位:

为了做好在我市就业的外国人参加社会保险工作,切实贯彻《在中国境内就业的外国人参加社会保险暂行办法》(人力资源和社会保障部令第16号)规定,现将省人力资源和社会保障厅《转发人力资源和社会保障部办公厅〈关于做好在我国境内就业的外国人参加社会保险工作有关问题的通知〉的通知》(苏人社函[2011]694号)转发给你们,并提出以下有关事项,请一并执行:

一、在我市行政区域内依法注册或登记的企业、事业单位、社会团体、民办非企业单位、基金会、律师事务所、会计师事务所等组织(以下称用人单位)依法招用的外国人,应当依法办理社会保险登记,参加企业养老保险、职工医疗保险、工伤保险、失业保险和生育保险。

2011年10月15日之前已经在我市就业,且符合参保条件的外国人,统一从2011年10月起参保缴费。其中,已按原苏州市劳动和社会保障局《关于外国人、华侨和台港澳人员参加社会保险有关问题的通知》(苏劳社险[2005]13号)规定参保的外国人,从2011年10月起增加缴纳失业保险费和生育保险费项目,并同时按原缴费基数补缴相关保费;2012年2月底前办理参保缴费手续的,可按实际申报工资(在缴费基数上下限范围内)补缴社会保险费;2012年3月1日起,未及时参加社会保险的,应当按相关规定补缴各项社会保险费。

二、外国参保人员社会保险关系建立、转移接续和退休条件等,按国家和省对中国籍参保人员的有关规定执行。

三、外国参保人员社会保险缴费年限以在中国实际缴纳各项社会保险费的年限为准。已加入外国籍但仍在我市保留社会保险关系的原中国籍参保人员,现重新就业的,社会保险缴费年限可以累计计算。

四、按规定办理《台港澳人员就业证》,未到达国家和省规定的退休年龄,在我市就业的台港澳人员参照本通知执行。今后国家和省有新规定的,按新规定执行。

五、本通知自文发之日起开始执行。原苏州市劳动和社会保障局《关于外国人、华侨和台港澳人员参加社会保险有关问题的通知》(苏劳社险[2005]13号)停止执行。

 

附:转发人力资源和社会保障部办公厅《关于做好在我国境内就业的外国人参加社会保险工作有关问题的通知》的通知(苏人社函[2011]694号)

                        苏州市人力资源和社会保障局

                          二〇一二年一月十八日

2012年中国大学ランキング

 いつも武書連というところが中国の大学ランキングを発表していますが、最近2012年のが発表されています。武書連については過去記事をご覧ください。ではランキングをご覧ください。

 そうそうたる名前ですね。浙江大学が北京大学や清華大学よりも上なんですね。なんとなく北京大学や清華大学や復元大学の方が上のランクのように思えるのですが、必ずしもそうではないようです。トップ100(総合ランキングと学部別評価の二つの表が下の方にあります)をご覧ください。

 新卒を採用する企業のとってはこういうの情報は大いに参考にできますね。

社会保険の記事をきっかけに思ったこと

 日経新聞の報道によりますと、11月25日、北京市政府幹部が年末までの加入登録を義務付けることを明らかにしました。日系企業にとっては影響が大きいということでそれなりに騒がれている記事です。個人的に思うのは、この記事でいまさら騒ぐのもなんだかなあと思います。なぜならば、そもそも社会保険法は昨年すでに公布されており、その条文を読む限りでは外国人も社会保険の対象とするのはわかっていたからです。ところが外国人にも適用するという書き方がされていないから確定といえないという論調があり、中国も気をつかってなのかどうかは知りませんが、外国人も社会保険の対象ですよとアナウンスする通達をわざわざ公布し、各地政府がそれに基づいて現地ルールを制定しようとしているというのが現状です。個人的には社会保険法が公布され、且つ該当部門から「外国人も対象」とコメントすればそれで終わっていた話かと思うのですが、そういう意味では外国人に対して気をつかっているなあと感じます。

 

 日中間に限定して言いますと、医療保険でいえば確かに日本の病院と中国の病院ではあまりにも環境が違い、日本人だと中国の病院のあの黒山の人だかりの中で順番を待つというのはなかなか耐え難く、おのずと海外旅行傷害保険を利用して日系を含む外国系の病院に行くことになります。そうなると中国の社会保険は関係ありません。また、失業保険だって駐在員の場合は関係ないですし、現地採用者の場合でもいざ本当に失業すると滞在資格の問題につながりますので、そもそももらえるのかどうかもわかりません。とはいうものの、日本でも外国人から社会保険は徴収しているので、お互い様という部分で中国が外国人から社会保険を徴収するのは特別問題視される話でもないと思います。将来的には日中間で社会保障協定を締結することで解決に向かう話でありますし、伝え聞くところによると日本側も社会保障協定締結に対してかなり前向きだそうです。いずれにせよ、そう遠くないうちに外国人もすべて社会保険の対象となるということは間違いないといえます。繰り返しになりますが、前からわかっていた話ではありますが。

 

 さて、企業の観点から見ると外国人の人件費コストが上昇するというのがありますが、そもそも外国人の人件費コストは社会保険に関係なく高いのが事実で、現地日系企業の運営について話をしていても「駐在員のコストが高くて、、、」という言葉がよく出てきます。駐在員コスト負担を解決するためには「駐在員を減らす」、「駐在員がコストに見合うコストパフォーマンスを上げる」という方法しかないでしょう。企業によっては前者の「駐在員を減らす」という動きをすでに始めており、現地幹部に中国人をどんどん活用している企業もあります。中には現地化を進めているとアピールするために中国人にポストを与えつつでも権限はポストに見合っていないというのも少なくないですが。私は現地化にも二つあると思ってます。ひとつは皆さんのイメージする現地化、つまり現地法人の職員をどんどん現地人化し、権限も与えていくという現地化です。もうひとつがそのもっと手前にある、そもそも現地法人で勤務する駐在員に対して権限を与えるという意味での現地化です。駐在員ですら権限を与えられていなければ現地スタッフについては言わずもがなでしょう。

 

 社会保険については社会保障協定を締結すれば一応の決着を見ることができるわけですが、現地化については企業によっては時間を要する課題かもしれません。最近『中国で勝つ10の原則と50の具体策』という本を読みました。そこで並べている原則を見ていきますと、

 

1. 日中市場の特質、マネジメントスタイルの違いを理解した上で行動する

2. 日本で成功したビジネスモデルをそのまま中国に当てはめてはいけない

3. 激変する現代中国の実像をつかみ、先見の明を持つ

4. さまざまなステークホルダーの需要を捉え、矛盾の中でバランスを取る

5. 日本本社と中国法人が一体となり、迅速に取り組む

6. 現地人材を惹きつけ、魅了し、やる気にさせる

7. 迅速勝つ賢明な意思決定をし、戦略的に行動する

8. 情に流されない

9. 商談、交渉においては、周到な準備をした上で根気強く駆け引きする

10.    中国社会の動向を把握し、リスクに備え、公的危機を最小化する

 

 まさにそのとおりです。同じようなことを自分もいっているなあと思いました。これってずっと以前から言われているのと同じことなんですよねえ。どれも大事なことだと思いますが、その中のトップ3と思うものについてアンダーラインを引きました。この3つのネックは共通していると思うのですが、あまり中国を理解していない、あるいは昔の中国(オールドチャイナ)のイメージを引きずっている人、がこの傾向にあると思うのです。そしてこういった人が旗振り役になり、その旗振り役に意見する人がいないようだともうどうしようもありません。最近日本にいる比率が増えてきていて、よく耳にするのですが、結構日本の会社で外部の人の協力を仰ぐ会社があり、それは別にいいのですが、オールドチャイナを引きずっているようなコンサルタントやブローカーにいいように言いくるめられているケースが少なくないとのことです。以前からそういう話はよく聞いていたのですが、あらためてやっぱりたくさんいるのかと思いました。そういう人たちって危機をあおったり、相手を言いくるめるのが上手な人が多いようです。なんとかしてそういう輩を駆逐していきたいと思う今日この頃なのであります。

 

  中国で勝つ 10の原則と50の具体策
クリエーター情報なし
東洋経済新報社

社会保険計算基数の上限撤廃 ~ 大連

 9月1日より大連で社会保険料が大幅に引き上げられることが発表されています。従来社会保険料の計算基数は基本的には従業員の賃金総額(前年度平均月額が一般的)に基づいて定められ、その賃金が平均賃金を上回る場合は300%を上限として基数とするというものでしたが、なんと大連ではこの基数上限を撤廃するという内容です。下の比較表をご覧ください。

 

  従来 9月1日以降
会社負担 個人納付基数の合計で決定 前月の従業員給与総額で決定
従業員負担 前年度月平均給与

 

 従業員負担部分は変更なしですが、会社負担が「個人納付基数の和」、すなわち300%の上限を勘案した上での従業員個々の基数の和から、「前月の従業員給与総額」、すなわち300%の上限など関係なく、単純に給与総額で決めてしまうというものです。

 

 基数が会社と従業員で異なり、従業員は変わらないものの会社負担分が増加する形になります。特に駐在員や給与水準の高い従業員を多く抱えている企業にとってはかなりの負担増になることはいうまでもありません。外国人に対して社会保険納付の義務化され、これにより給与手取り保障形態の多い駐在員にかかる会社のコスト増を年間80万円程度と試算したことがありますが、こと大連に関してはこの程度で収まらなくなります。中国人個人にとっては会社負担が増えるだけで自分の給与が直接的に影響を受けるわけではないためありがたい話ではありますが、会社としては急激なコストアップにつながるためたまったもんではありません。

 

 今のところこの考え方は大連だけのようですが、他の都市に波及しないことを祈るばかりです。

中国国内で就業する外国人の社会保険に関する暫定弁法

 2011年9月6日付で《中国国内で就業する外国人の社会保険参加暫定弁法》(中華人民共和国人力資源社会保障部令第16号)が公布され、10月15日より施行されることになりました。今日はこれについて紹介します。

 

 1.定義

 中国国内で就業する外国人とは、法に依って《外国人就業証》、《外国専門家証》、《外国常駐記者証》等の就業証書及び外国人居留証書を獲得しており、及び《外国人永久居留証》を保有し、中国国内で合法就業している非中国籍の人員のことを言います。

 

 2.納付対象者

 中国国内で法に依って登録または登記している企業、事業単位、社会団体、民営非企業単位、基金会、法律事務所、会計士事務所等の組織(以下、雇用単位という)が法に依って外国人を募集採用される外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、雇用単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付する必要があります。

 

 3.駐在員の場合

 国外の雇い主と雇用契約を締結後、中国国内で登録または登記されている分支機構、代表機構(以下、国内勤務単位という)に派遣されて勤務する外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、国内勤務単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付する必要があります。

 

 ということで、要するに駐在員だろうがなんだろうが外国人は社会保険費を納付しなければならないということが明確にされました。就業証手続き後30日以内の社会保険登記手続きにまで言及しています。社会保険法を見る限りではこの結論は見えていましたが、色々と物議を醸し出していたこともあり本弁法が公布されたといえるでしょう。会社と従業員との間の給料のきめがどうなっているかという問題はありますが、会社から見た場合、少なくとも会社負担の社会保険部分はコスト高になりますし、手取り保証している場合だと個人負担部分も会社にとってコスト高になります。これ結構きついです。このあたりは過去の記事「《社会保険法》施行に伴う外国籍従業員のコスト増」をご覧ください。

 

 さて、気になるのは中国と本国の両方で社会保険を納付している場合の二重払い負担についてですが、協議を締結している国との間では規定に従って処理される、要するに協定に基づいて二重払い負担を回避するということになっています。協定がない場合は二重になりますね。日本も早く《社会保障協定》を締結しないと!

 もうひとつ気になるのはほとんどの外国人が年金の受領資格を持たないまま帰国した場合に払い損になってしまうという点です。いったん帰国してまた中国にやってきた場合、打ち切られた社会保険を累計継続することができます。受領資格を生かして受領する人は生存証明なるものを提出して生きていることの証をもって受領することができます。問題は大多数の受領しない人たちですね、この人たちは払い損になってしまうと思いきや、一応社会保険を終止して社会保険個人口座貯蓄額から一括で支給してもらうことが可能になっています。これなら許せるかと思うのですが、でもその手続きはたぶんものすごく面倒くさそうな気がしますね。

 

中華人民共和国人力資源社会保障部令

第16号

《中国国内で就業する外国人が社会保険に参加する暂行弁法》は既に人力資源社会保障部第67次部務会の審議を通過し、そして国務院の同意を経て、ここに公布し、2011年10月15日より施行する。

                            部 長 尹蔚民 

                          二○一一年九月六日 

 

中国国内で就業する外国人が社会保険に参加する暫定弁法

 

第一条 中国国内で就業する外国人が法に依って社会保険に参加し社会保険待遇の合法権益を享受することを保護し、社会保険管理を強化するため、《中華人民共和国社会保険法》(以下、社会保険法という)に基づいて、本弁法を制定する。

 

第二条 中国国内で就業する外国人とは、法に依って《外国人就業証》、《外国専門家証》、《外国常駐記者証》等の就業証書及び外国人居留証書を獲得しており、及び《外国人永久居留証》を保有し、中国国内で合法就業している非中国国籍の人員のことを指す。 

 

第三条 中国国内で法に依って登録または登記している企業、事業単位、社会団体、民営非企業単位、基金会、法律事務所、会計士事務所等の組織(以下、雇用単位という)で法に依って外国人を募集採用される外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、雇用単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付しなければならない。

 

 国外の雇い主と雇用契約を締結後、中国国内で登録または登記されている分支機構、代表機構(以下、国内勤務単位という)に派遣されて勤務する外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、国内勤務単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付しなければならない。

 

第四条 雇用単位が外国人を募集採用する場合、就業証書手続きより30日以内に社会保険登記を行わなければならない。 

 

国外雇い主より派遣されて国内勤務単位で勤務する外国人は、国内勤務単位により前項規定に従って社会保険登記を行わなければならない。

 

法に依って外国人就業証書手続きを行う機構は、速やかに外国人が中国に来て就業する関連情報を現地の社会保険取扱機構に通知しなければならない。社会保険取扱機構は定期的に関連機構に外国人就業証書手続きの状況を照会しなければならない。 

 

第五条 社会保険に参加する外国人は、条件に符合する場合、法に依って社会保険待遇を享受する。 

 

規定の養老年金受け取りの年齢に達する前に出国する場合、その社会保険の個人口座は保留することが認められ、再度中国に来て就業する場合、納付年限を累計で計算する。本人の書面申請を経て社会保険関係を終止する場合もまた、その社会保険個人口座貯蓄額を一度に本人に支給することができる。 

 

第六条 外国人が死亡する場合、その社会保険の個人口座残額は法に依って继承することができる。

 

第七条 中国国外で月毎に社会保険待遇を受け取ることを享受する外国人は、少なくとも毎年その待遇を支払う社会保険取扱機構に中国駐外大使、領事館が発行する生存証明、または居住国の関連機構が公証、認証しそして中国駐外大使、領事館が認証した生存証明を一回提出しなければならない。 

 

外国人が合法的に入国する場合、社会保険取扱機構で自らその生存状況を証明することができ、あらためて前項で規定する生存証明を提供しない。 

 

第八条 法に依って社会保険に参加する外国人と雇用単位または国内勤務単位が社会保険のため争議が発生する場合、法に依って調停、仲裁、訴訟提起を申請することができる。雇用単位または国内勤務単位がその社会保険権益を侵害する場合、外国人もまた社会保険行政部門または社会保険費徴収機構に法に依って处理を要求することができる。

 

第九条 中国と社会保険二国間または多国間協議を締結している国家の国籍の人員が中国国内で就業する場合、その社会保険に参加する方法は協議に従って処理する。

 

第十条 社会保険取扱機構は《外国人社会保障番号編制規則》に基づいて、外国人のために社会保障番号を構築し、そして中華人民共和国社会保障カードを発行しなければならない。

 

第十一条 社会保険行政部門は社会保険法の規定に従って、外国人が社会保険に参加している情况に対して監督検査を行わなければならない。雇用単位または国内勤務単位が法に依って募集採用する外国人に社会保険登記を行わないまたは法に依って社会保険費の納付を行わない場合、社会保険法、《労働保障監察条例》等の法律、行政法規及び関連規章の規定に従って处理する。

 

雇用単位が法に依って就業証書手続きを行っていないまたは《外国人永久居留証》を保有していない外国人を募集採用する場合、《外国人在中国就業管理規定》に従って処理する。

 

第十二条 本弁法は2011年10月15日より施行する。

 

付属文書:外国人社会保障番号編制規則(略)

中国では71%の従業員が仮病休暇の経験あり

 有給休暇の多い国では仮病で休み従業員は少なく、逆に有給休暇が少ない国では仮病で休む従業員が多いようです。中国ではこの仮病休暇の経験のある従業員が71%でトップ、次がインドの62%です。かなりの数値ですねえ。まさかこれを読んでドキッとしてませんか?少ない国としてはフランスの16%、メキシコの38%があります。結構高いように思いますが、これでも最も少ない二国です。アメリカとカナダは50%、オーストラリアが58%、イギリスが43%です。

 

 フランスは法定休暇が最も多い国のひとつで、毎年有給休暇が30日もあるそうです。中国とインドはそれぞれ10日と12日しかありません。これが仮病休暇をとる取らない直接的な原因と見られています。休みを闇雲にあげればいいというものではないですが、なんとかしたいところです。病院の診断書を提出させるという方法がありますが、一日中家で寝込んでいたといわれればそんなものはないですし、そもそも診断書にどれだけ信憑性があるのかという問題もありますので難しいところですね。

 

 皆さんは仮病で会社を休んだことはありますか。参加したくない社内行事に適当な理由をつけてサボったことはありますが、私は仮病休暇はないですねえ。そんな私からすると、71%なんてとんでもないです!皆さんの周りはどんな感じですか?