金融

中国新三板市場(店頭公開)の上場企業数は7,759社

 日本の証券市場に東証や店頭市場があるように、中国にも上海や深圳に市場があります。そして、日本でいうところの店頭登録に当たるものとして新三板という市場があります。新三板は全国規模の証券取引プラットフォームで、上海や深圳証券取引所と同様に中国証券監督管理委員会の監督下に置かれ、全国中小企業株式譲渡システム有限公司により運営管理されています。新三板の主な機能は、非上場株式の公開譲渡、融資、買収等に関連するサービスを提供することです。新三板の登録には財務諸表の数値に関する基準が設けられておらず、登録に際し証券管理監督委員会の審査批准を必要としないなど、比較的容易に利用できる点がその特徴といえます。

 

 さて、今現在新三板に上場している企業は7,759社ありますが、都市別の新三板上場企業数トップ10は次の通りです。赤が現在、ピンクが昨年の数字ですが、いずれの都市においても急増していることが分かります。

 

 北京が圧倒的に多く、上海よりも7割も多いです。北京のほうが人材やお金が集まるということなのでしょう。しかし、北方都市でランク入りしているのは北京だけで、その他9都市については中西部(武漢・成都)、珠江デルタ(広州、深圳)、長江デルタ(上海、蘇州、杭州、無錫、南京)と点在しています。

 

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 省ごとに見たのが下のグラフです。北京市を別とすると、省として広東省、江蘇省、浙江省が新三板上場企業の多いトップ3の省です。逆に、東北の省は20位にようやく黒竜江省が出てきます。東北地区は国有企業が強い地区のようで、活力の乏しい地区といえそうですね。中西部は都市でいうと重慶という直轄市があるのですが71社で19位。武漢、成都ともに100社以上有るのでもっとあってもよさそうなのですが、研究開発に投入している資金が少ない地区のようで、それがためか伸び悩んでいるようです。ちなみに重慶全体の研究開発投入額は華為の約25%だそうです。重慶もこれに気づいていて、今後は政策的に研究開発を促していく方向にあり、この地域に投資する意向のある企業はこの芳香性を読み解く必要がありそうですね。

 

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日中間の出資案件、うまくはまればお互いにハッピー

 上海に外婆家というレストランがあります。全国で200店以上あるちょっとした外食チェーンです。いつも並んでいて、並ぶのが嫌いな私はまだ一度も食べに行ったことがありません。

 

 この会社のオーナーの私と同じ苗字の呉さんはよく日本に行くのですが、東京に行ったときにとあるレストランで非常においしい鳥スープの飲む機会がありました。仕事がら1000杯以上の鳥スープを飲んできた呉さんですが、こんなにおいしいスープは飲んだことがないというほどの絶品だったとのこと。そこで呉さんは店主にこの味を伝授主てほしいとお願いしたところ断られました。このお店はそれほど大きくないながらもミシュランガイドに掲載されているお店で、非常に格式のあるお店でありました。このようなお店が軽々しく味を伝授するわけにもいかず、当然のことながらお断りされたわけです。呉さんはそれでもあきらめず、ライセンスをもらえないかと聞いては断られ、設備を売ってほしいとお願いしては断られ、中国でお店を出すように提案しても断られ、最後に株主にならせてくれといったところ、なんとこれが受け入れられたのであります。株主になったわけでありますから、厨房に入ることもできるようになり、秘伝の鳥スープも手に入れることができたわけであります。

 

 さて、日中間のM&Aにおいて、日本側が中国側を買うまたは出資する、これに対して抵抗する人はあまりいませんが、中国側が日本側を買うまたは出資する、これに抵抗感を感じる人は少なくありません。特に中小企業であればあるほどその傾向があるように思います。しかし、今回の外家婆のケースを考えてみましょう。呉さんは日本で出くわしたお店の味を中国に持って帰りたかっただけで、日本での経営にまで手を伸ばそうという気持ちは毛頭ありません。日本側は今まで通りの経営を続けることができるわけです。そして中国側は中国で日本のノウハウを活用して業績を伸ばしていくことを目指します。日本側が出資金を受け取る以外に、しっかりとライセンスフィーをもらうことさえできれば(私の見たニュースソースにはここまで書かれていないのですが)、日本側の経営に口を出されることもなく、しかも中国からフィーをもらうことができ、中国側も手に入れたノウハウで業績を伸ばすことができる。誰にとっても損のない話なんですよね。もちろん、中にはたちの悪い中国企業もいるでしょうが、おそらくおおくの中国側の日本側に対する買収や出資はここで紹介しているようなケースが多いのではないかと思います。ビジネスライクに考えればいろいろ面白そうな動きはもっとあってもいいように思います。外婆家の呉さんは秘伝の鳥スープをサブブランドの宴西湖という高級店舗に導入したとのことです。

 

 しかし、日本という国はミシュラン掲載店舗が世界最大だそうで、東京だけで226店舗あり、これはパリの94店舗もよりもはるかに上回っています。あまり意識して食べに行こうと思ったことはないですが、いつかちゃんと調べていってみたいものです。そこまでするのも仰々しいので、まずは秘伝の鳥スープを提供する宴西湖に行ってみることにしましょう。

おそるべし中国証券業界の好待遇

 2016年春季求職10大高級業界です。トップは財務会計・法律等の専門サービス、次点の仲介サービスというのは内容がよくわかりません。その次がエネルビー・資源関係、そしてファンド・証券、オンラインゲームと続きます。証券にスポットを当ててみていきましょう。

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 2015年の証券会社の平均給与(右から2列目)です。トップの招商証券がなんと121.3万元(2087万円)、一番下の国元証券が41.8万元(719万円)、相当高くないですか?トップの招商証券が2087万円って、これ絶対野村證券よりも多いですよ。だって、2000万越えなんて大部長か役員クラスじゃないですか?これが平均とは。でもこれ、前年と比較するとものすごく伸びていることが分かります。伸び率は軒並み大幅アップで、招商証券なんて倍ですよ。間違ってるのではないかと思うくらいです。

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 ちなみに前年の同じ表はこれになります。

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 以上は有価証券報告書発表企業ということなので、有価証券報告書から引っ張ってきたデータなのではないかと思います。これとは別の出所の証券会社の年収のデータがあります。

 招商証券の数字が90.45万元(1556万円)と上に紹介したほどではないですが、それでも平均値としては相当高いです。東方証券は102.45万元(1762万円)、凄いです。雇われでこれだけもらえたら起業しようなんて言う気は失せてしまうでしょう。 

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 そして銀行。証券会社と比べて全然低いです。平均値とはいえちょっと低すぎるのではないかと。証券と銀行でここまで差があるのはちょっと変な感じがします、

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 いやあ、それにしても中国経済がああだこうだと言われていますが、少なくとも証券業界の待遇を見ている限りそれを感じさせませんね。

 

中国の貯蓄率

 今日は中国の貯蓄率について紹介します。

 

 貯蓄率といいながらまず借入についてから。

 

 この図では38%の中国家庭に負債があり、73%の家庭に住宅ローンがあるということを示しています。

 30-40歳の負債を持つ家庭では、借入総額の平均が家庭年間収入の11倍を超えており、収入の下位25%の家庭の借入額は年収の32倍を超えているということが示されています。

 日本では住宅を購入する際に住宅ローンという借入を行うにあたり、借入額の目安として年収の5-6倍が多いそうですが、中国では物件価格が高い成果この程度だと足らないのでしょうか。銀行の住宅ローン審査も日本とは基準が異なってくるでしょう。昔住宅ローンの審査担当をしていた時は確か年収の40%以内を一応の目安にしていたと思うのですが、中国だと年収の11倍として、返済率をもっと高く見ていないと難しいですよね。

 

 

 次に、貯蓄率そのものを見ていきます。1位カタール、2位クゥエート、3位中国となっています。解説がないのですがおそらくこれはGDPに対する中国全体の貯蓄の比率です。1992年と比べると16ポイントも上昇してます。

 

 ところが、住民貯蓄を見てみると、1992年と2012年ともに中国全体貯蓄の20%と変化がなく、つまり中国全体の貯蓄が増えているといっても、個人レベルで見ると決して増えていないということが言えるかと思います。ちなみに2008年の日本の家庭金融資産のGDPに対する比率は27%くらいでした。

 

 次を見ていきましょう。中国政府の預金残高は2003年以降年間平均37%も増加してきています。

 

 

 収入上位10%の家庭が占める貯蓄金額は74.9%、その次の35%の家庭が占める貯蓄金額は25.1%、そしてその残りの55%の家庭にはほとんど貯蓄がないというデータが出ています。半分以上の家庭に貯金がないということですね。日本だと貯金のない家庭というのはどのくらいあるのでしょうか。

 

 ちなみに最近話題の理財商品ですが、それに投資している比率のことでしょうか、ここでは「愛理財」という表現になっていますが、2012年と比べて2013年は18.2ポイントも上昇してます。

 

 日本人は貯金好きといわれます。確かに将来に対する考え方が保守的な部分が多いのだと思います。こういうのは国の制度やそれをベースに培われた国民性によるものかと思います。個人的に気になったのは中国の場合は貯金や投資よりも借入ですね。借金を好まないとよく言われていますが、その実さすがに住宅に関してはローンを組む人が多く、親が子供のために家を買ってあげるというわけにもいかなくなってきているのでしょう。親からの支援は一部支援にとどめているところが多そうですね。それと、そもそも年収対比借金が大きすぎますが、収入がどんどん増えていくことでカバーしていけると考えているのでしょうね。

 

委託貸付はシャドーバンキングのなんと26%

 中国において資金貸出は金融業のみが認められている行為なのですが、民間企業同士の資金貸借を銀行が仲介する方法として委託貸付という制度があります。日系企業の場合は関連企業間で資金貸借を行っているケースが多いと思います。2014年の中国国内の委託貸付規模は2.51兆元で、前年比ほぼ倍増しています。委託貸付の増加幅は商業銀行の人民元貸出規模の30%にも達しており、シャドーバンキング規模の26%に上るとも言われています。そして、このコントロールが利かなくなりつつあるといわれています。最近の委託貸付の約20%は不動産業に流れているといわれており、しかも増加傾向にあります。不動産業向け貸金について、銀行はリスト制を実行するようになり、リスト外の企業は委託貸付を通じてしか借り入れができなくなってきています。

 

 上場会社は銀行の委託貸付業務をそこそこの収益のあがる業務とみています。理財商品の収益は年利で5-6.5%程度なのに対して、委託貸付の利率は15%以上にもなり、これは民間金融より少し低い程度です。

 

 銀行の委託貸付は主に二種類あります。 

指定性委託貸付

資金の出し手と借りてが利率を協議し、銀行の役割は仲介のみで、貸出リスクは負わず、零点数パーセントの手数料を徴収する。

不指定性委託貸付

資金の出し手を銀行が確定し、銀行が業務に対して担保義務を負うが、受け取る費用は一般的に3%を超える

 

 指定性業務における資金の出し手の収益は一般的に非常に高く、20%に達することもあるり、銀行はこの貸し出しに対するリスクは負いません。一方で、不指定性業務は銀行の信用担保が関係してくることもあり、資金の出し手の収益も7-10%程度となってしまいます。収益の高い低いはあるにせよ、委託貸付には一般的な資金運用以上の収益という妙味があるといえます。

 

 冒頭に書きましたように、委託貸付に対することロールがきかなくなりつつあることから、管理を強化すべく《商業銀行委託貸付管理弁法》の意見募集稿が発表されています。この中で委託貸付の資金の出所、貸付先及び銀行の職責につい次のように明確に規定されています。

 

①  商業銀行は国家が規定する特殊用途のある各種専用基金、銀行与信資金、債券発行のために集めた資金、集めた他人資金及び出所を証明できない資金等を委託貸付に用いることを厳格に禁止する。

②  商業銀行が受託して行う委託貸付に明確な用途がありべきであり、「国家が禁止する製品とプロジェクトの生産・経営または投資」、「債権、先物、デリバティブ、理財商品、出資者利益等の投資に従事」、「登録資本金、験資登録または増資による持分拡大」、及び「国家が明確に規定するその他禁止用途」に対しては行ってはならない。

 考え方としては鞘取りの抜け道をふさぎ、資金の出所と用途を同時に管理し、そして銀行が信用担保を行えないようにするものであります。この規定が実際に施行されれば、委託業務に対する影響は少なくないでしょう。民間企業の資金多様立つ手法が減ってしまうと同時に、銀行にとっても中間業務による収益減につながってしまいます。銀行は信用担保も行ってはならないですし、不指定性委託貸付の資金の出し手を探すことは難しくなってしまいます。

 

 以前ほどシャドーバンキングという単語を聞かなくなってきましたが、だからといって問題がなくなったわけでもありません。委託貸付は行ってみれば転貸のようなもので、関連企業宛ならともかく、非関連企業に対するものがあまりにもたくさんある方がおかしいのです。委託貸付がシャドーバンキングの26%も占めており、この中のどれだけが非関連企業宛のものなのかわかりませんが、少なくとも非関連企業向けのものについては。書くまで個人的なイメージですがあまり健全な貸金でなさそうなので締め付けいくべきではないかと思います。

中国の金融系の待遇がすごい!

 中国の大手保険会社で安邦保険という会社があります。この会社の求人案内がすごいのです。何がすごいかというととにかく給料が高いのです。それと、学歴要求や経歴要求があるのはわかるのですが、なぜか身長の要求があります。そこはよくわからないところです。銀行チャネル事業部という部署の求人案内ですが、2つの業務があり、それぞれについて見ていきましょう。

 

1.勤務経験要求なし

 

 

給与

住宅手当

自動車手当

211、985、海外普通大学卒

10,000

4,000

2,000

211、985、海外普通大学院卒

15,000

4,000

2,000

常春藤院校(米名門大学)、

世界トップ10のMBA

30,000

7,000

3,000

(211と985は大学をカテゴライズしたもの。優秀な大学が多い)

そして、身長が男性175センチ、女性が165センチ以上。

 

勤務経験が要求されていないので、新卒も対象になると思うのですが、新卒だとものすごい待遇ですね。

 

 

2.勤務経験要求有

 

3年以上の勤務経験が要求されています。

 

 

給与

住宅手当

自動車手当

211、985、海外普通大学卒

20,000~50,000

6,000

2,000

211、985、海外普通大学院卒

25,000~65,000

6,000

2,000

常春藤院校(米名門大学)、

世界トップ10のMBA

40,000以上

10,000

5,000

 

 そして、同じく身長が男性175センチ、女性が165センチ以上。これはどうしてもわからん。容姿端麗とないだけまだましか。

 しかし、これもまたすごい待遇です。勤務経験3年以上が対象ですが、名門MBA取得者は4万元以上ですよ!手当込だと5.5万元、今のレートだと100万円くらいになります。211、985、海外普通大学院卒の最高値をとると73万元、約130万円になります!今の日系の金融機関が中国の現地人材にどれくらいの給料を出しているのかよく知りませんが、これだけの待遇を出しているところはそうそうないのではないでしょうか。日本メガバンクでもこれだけもらおうと思うとそれなりの年齢と役職が必要になります(駐在員は手当も考えるとこれくらいはあり得ると思いますが)。金融系はどこの国でも高い印象ですが、中国でもここまで高くなってきているとは。ため息が出ます。

地方支店の銀行員の給与大幅に下落か

 なんでも銀行貸出の返済遅延が8月9月と増加しているようです。そして、多くの銀行のが不良貸出について給与査定の項目としていることから、去年と比べて中には40%以上給与が減少する人もいるのではないかといわれています。

 

 新聞記事によると、武漢のある銀行員の昨年の年収は40万元くらいだったのが、こちしは昨年の半分にもいかないという話が紹介されています。温州や仏山あたりの不良債権率は高く、給与への影響は他の地方の銀行員と比べると大きいようです。温州のある銀行員によると、いちおう規定では支店に大きな不良債権がある場合、従業員の給与を90%もカットできるそうです!90%のカットなんてあまりにも厳しい!私も日本で銀行員をやっていた時は業績の芳しくない先を担当していました(1998年から2002年くらい)が、こんな激しい給与カットなんてもちろんなかったです(それにしてもあのころはしんどかった。。。)。さすがに90%というのは大げさで、あくまで規定上は可能なだけで、70%ダウンや80%ダウンとなるケースもほとんどないでしょう。しかし、こんな新聞記事で出るなんて、よっぽど不良債権が増えているのでしょうか。ここで、中国建設銀行の2014年6月末の数字を見てみましょう。

 

  残高 前年比
延滞債権 1204億元 +337億元
不良債権 957億元 +104億元

 

 延滞債権の増加がかなり目立ちます。残高の1/4以上は昨年なかったわけですから。延滞債権は不良債権予備軍ともいえるので、これが大きいということは将来的に不良債権が増加するリスクを抱えているといえます。不良債権比率は1.04%で、これは前年比0.05ポイントの増加となっています。これらの債権の業種ですが、製造業と卸売小売業が多いとのことで、世間一般が思っているような不動産関連はそれほど多くないようです。銀行が不動産関連に融資しない代わりにシャドーバンキングが発達してしまったということも言えるかもしれませんね。

2014年の中国の税収特別検査重点

 今年2月に税務局より2014年全国税収特別検査項目が発表されています。その中で特別検査項目として6大重点が記されています。

 

1.指令性検査項目

 全ての省が国家税務総局の要求に従って行う必ず行わなければならない調査項目。

 (1)  不動産及び建築据付業

 (2)  輸出税額還付(免除)を行っている企業

 (3)  持分譲渡取引における企業および個人

 

2.指導性検査項目

 各地が国家税務総局の要求に従って現地の実際の状況を勘案して、1-2項目を選択して特別検査を行う項目。

 (1)  地方性商業銀行

 (2)  高汚染、高エネルギー消費、生産能力過剰企業

 (3)  高収入者の個人所得税

 

 2014年の特徴として、輸出税額還付(免除)を行っている企業をはじめて指令性検査範囲に入れたという点があります。過去にも輸出税額還付(免除)を行っている企業は対象でありましたが、2012年は電子、服装類製品、家具等、2013年は電子、服装類製品、つまり業界が限定されていたのですが、今年に関しては全業種が対象となっています。

 

 また、高汚染、高エネルギー消費、生産能力過剰企業が指導性検査項目に含まれている点も目を引きます。

 

 以上のほか、国家税務総局は杭規制税収特別整理を展開することを要求しています。その対象として3つ挙げられています。

① 発票の虚偽発行、脱税等の税収硫黄行為が発生しやすい、あるいは多発している地区

② 農産品購入、鉱産物製品と製品油を仕入れ販売する企業が比較的集中している地区および関連専門市場

③ 「営改増」(営業税の増値税への変更)試行業界が比較的集中している地区。

 

 同時に、国家税務総局は一部重点税源企業を選択して税収特別検査を展開しようとしており、各地税務機関もまた現地の税源状況をかんがみて一部重点税源企業を選択して税収特別検査を行うものとされています。

 

 税収特別検査の期間範囲は2012年度と2013年度ですが、重大な税収違法行為の手掛かりがある場合、過年度に遡及または2014年度まで調査することとされています。

 

 いくらきちんとした処理をしている企業でも、税務調査が来られるのはうっとうしいに違いがありません。上記のどれかに該当しそうな企業はある程度心の準備をしておいたほうがいいですね。

破産を考える現地法人

 数か月前に一度中国の現地法人を破産させたいという相談を受けたことがあります。破産はイメージもよくないのでやるならやるでかなりの覚悟が必要かと思いますが、なんでも今後一切中国で事業をするつもりもなく、債権者に日系企業もいないので、日本のビジネスにも影響はないだろうということから破産を考えたようです。よっぽと中国事業が嫌になったようですね。

 これは上海での話ですが、破産手続き自体がそれほど事例が多いわけではないので、そういう面からの難しさというのもあるのですが、やはり不義理をするのはよくないのではないかと。せっぱつまってどうしょうもないのであれば破産という選択肢もあるかとは思いますが、日本の本社は別にせっぱつまっているわけでもないようでしたので、なんだかなあと思いました。

 それと、その時に相手に話したのですが、債権者に日系企業がいないから、特に積極的に発表さえしなければ破産となっても日本にまで伝わることはないだろうという考えをお持ちでしたが、もし仮に伝わったらどうなるか、私はそこが気になりました。もしさりげなく破産が認められて(事例が多くないのですが、ここではあくまで破産が認められるのを前提とします)、それが日本にまで伝わったとしましょう。日本の取引先に伝わるとどうなるか、おそらく余裕があるのに不義理をした会社と思われるのではないでしょうか。取引銀行に伝わるとどうなるか。日本にまで伝わることはないだろうという考えがある以上、現地法人を破産させるなどということを取引銀行に伝えることはないでしょうが、それが知れてしまう場合ですね。おそらくこれも不義理をする会社と思われるでしょう。もともと銀行勤めをしていた立場からすると、そういう会社はちょっと信用できなくなってしまうなあと思います。となると、日本での銀行取引に影響が生じる可能性が出てきますね。ということで、破産はやめなはれ、清算にしなはれ、ということで清算手続きのお見積りをしたところ価格が合わず残念ながら失注。また次の案件をがんばります!

中国企業のM&Aがうまくいかない要因

 中国企業の対外進出が話題になるようになってからしばらくになります。私のところにもその手話は意外と来ます。中国側の買いもあれば中国側の売りもあります。それ以外にも、中国系以外の非日系の在中国企業の売りの話もあります。規模的には大手証券会社だと取り扱いにくいくらいのものが多いです。このように、中国企業の関係するM&Aは徐々に増えてきていますが、統計によりますと2002年の中国の対外投資は27億米ドルだったのが、2012年には878億米ドル、そして今年1-10月で見ますと、中国企業の非金融類の海外投資は695.2億米ドルに達し、前年同時期比19.5%の増加となっています。

 中国からお金を引っ張りたいというニーズはあるようで、例えば在中国アメリカ大使館のウィリアム・ザリット公使によると、中国企業の対米投資を吸収及び奨励するのは在中国アメリカ大使館の業務の重点とコメントしています。

 一般的にM&Aは成功率が半分くらいといわれており、中国商務部国際貿易経済合作研究員の研究データでは成功率は40%という結果が出ています。平安財智投資管理有限公司という会社の王CEOによるとこれはさらに下がり成功率は14%を超えないとコメントしています。王CEOによると、政治、法律、文化上のリスク意外に、中国企業の海外M&A失敗の4つの原因とは、

1.中国企業の海外M&Aは往々にして商業と非商業の目的が混ざってしまっている。

 つまり、メンツを重んじ、言い換えると格好をつけて色んなターゲットに対してやみくもに行うM&Aが失敗しているという傾向があるということです。

2.忍耐力不足

 中国企業が欧州企業に対してM&Aを行うする時に往々にして見られるようですが、企業に対する理解をすることに対する忍耐力が不足しているということをいいます。理解しないままに買収するというのは問題ですね。

3.機会主義

 機会主義をベースにしたM&Aが主流を占めている、つまり、ビジネスチャンスを会を獲得するのは当然大事なのですが、そればかりに目を奪われて、それがちゃんとした話なのか、ちょっと怪しい話なのかの見極めが甘いということですね。中国企業は日本企業に比べて行動が速いとよく言われますが、これについてはその弊害の部分といえますね。

4.ブランドに目が行き過ぎ

 中国企業は往々にして国際ブランドを憧れのまなざしだけで見て、そのブランドの背後にあるもの(例えば従業員etc)を見過ごしがちということを言います。ブランド志向が強いので、さもありなんという感じがします。

 以上より、中国企業は対外投資をする前に、まずは明確な目標を立て、M&Aのリスクを考慮し、特にそれによって得られるビジネスについて十分考察することが必要になってきます。いわゆるポストM&Aというやつですね。

 中国企業の成長もあまりにも急激であり、そのためM&A経験も多くなく、その方面の人材が不足しているといわれています。それが成功率が高くないことにつながっているのだと思いますが、王CEOは海外M&Aを行う企業が備えておくべき4つの能力を挙げています。

(1) M&Aを計画する能力があること

(2) M&Aプロジェクトに関与する関連者を管理する能力を有していること

(3) 政策決定の選択能力を有していること

(4) ターゲット企業に対する再編能力を有していること

 今後はさらに人材の厚みも増してくるでしょうから、この4つの能力については徐々に計渇していくと思うのですが、どちらかというとその前に挙げた失敗の4つの原因、こちらは国民性による部分が多いので、これを4つの能力でいかにカバーしていくことができるのか、ということになろうかと思います。