マクロ経済

貴州やチベットで固定資産投資の伸びが全国平均を大きく上回るってどうよ?

2015年の中国の主な都市のGDP、その成長率、そして第三次産業比率です。上海における第三次産業の比率が大きいというのは昨日書いたばかりですが、いわゆる一線都市における第三次産業比率はどこも高く、北京に至ってはなんと約8割もあります。北京はあまり工場が進出する感じがしない場所ではありますが、それにしても高いですね。

 

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次に、工業生産額の増加(左)及び固定資産投資(右)について見ていき行きましょう。

まずは工業生産額。北京、上海といった第三次産業比率が高いところほど落ち込んでいるような印象があります。伸びが鈍い省は資源で食べているところが多いという傾向があると指摘されています。それにしても遼寧省のマイナス幅が大きいです。

そして固定資産投資を見ていきますと、全国平均が10.2%とということですが、ここでも遼寧省の落ち込みが異常に大きいのが目立ちます。しかし、貴州はなんと21.1%も伸ばしているとは。本当にそれだけ投資が必要なのか、はたまた不良化するプロジェクトばかりなのか。都市部の不動産がいまだ値上がりしている一方で、地方の不動産は疲弊しているはずなのですが、貴州は地方とはいえ不動産市場は活発なのでしょうか。貧しい省のイメージなので、ベースが低いから伸びが大きくなってしまっているだけなのでしょうか。狙い目かもしれないですし、今から行けばババをつかまされるだけかもしれません。貴州の次に伸びが大きいのが山西、その次がチベット。こんなところに固定資産投資なんて自分だと怖くてできませんね。

 

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中国の一人当たりGDP、10省が1万米ドル超え

中国の31个省のGDPです。重慶とチベットの伸びが11%で最も大きく、遼寧の伸びが3%で最も小さなものとなっています。中国という広大な国を養うためには3%という数字は小さいのでしょうが、それでも今の日本と比べると3%というのはちょっとうらやましい数字ともいえます。また、山東省が一人当たりGDPが1万米ドルを超え、これで1万米ドル声が10省に達しました。なお、1万米ドル超えは山東省以外ですと、北京、天津、上海、浙江、江蘇、内蒙古、広東、福建、遼寧です。内蒙古が入っているのに意外感を感じる人も多いでしょうが、資源が多いからなのでしょう。天津、北京、上海あたりは2万米ドルを近々超えそうなところまで来ています。

 

 

中国経済原則と連日のように日本メディアで騒がれており、また企業の話を聞いても後ろ向きな話ばかり。ほとんどの省が7-8%以上の伸びなのですが、この半分くらいのほうが感覚値に合うという声も多いです。マイナス情報が多い中で、プラス情報もある、どの情報が一番腹に入るかという意味で、多く情報に接しないとわからないですね。

欧州系企業が見る中国の新常態

 最近中国に関するキーワードとして「新常態」という用語がよく聞かれます。カタカナでニューノーマルといいますが、これだけだとよくわかりません。産経新聞の記事には、”新常態は「坂を登り峠を越える重要な段階」と表現された。高度経済成長時代が終焉(しゅうえん)を告げ、成長鈍化局面に入ったことを聞き覚えのない言葉に言い換えた一種のレトリックだ。”と表現されています。要するに成長鈍化に時代に入ったということを指しているようです。

 さて、この新常態という状況を欧州系企業がどのように見ているのかを《中国EU商会商業信心調査》で発表されていますので、今日はそれを見ていきましょう。

1.欧州系企業の利益

 中国における欧州系企業の利益に関するグラフです。薄いグリーンが利息前税前収益率がプラス、要するに黒字企業の比率です。2014年は70%が黒字ということですが、裏を返すと30%が赤字ということになります。しかもこの70%という数字は2005年以降で見ると高い方の数値に入っています。グレーは営業額が増加している企業の比率です。ピークは2010年ごろで、今は60%くらいです。こんなもんなんですね。

 

 

 

2.中国における経営における課題

 2014年、2015年ともに中国経済の鈍化が40%強となっています。ここ数年ずっと言われていることですね。2015年については人的コストの上昇が24%となっており、2014年にはこれが見られないので、急上昇したのかと思われます。昨年時点ですで人的コストは上昇していますが、調査時期と発表時期のタイムラグ、及び人民元高の影響もあるのかと思われます。

 

3.中国経済鈍化の影響が大きい業種

 薄いグリーンが「顕著に影響」を示すものですが、工業機械産業が76%でトップ、営業が最も小さいのは医療保健となっています。医療保健は許認可に時間がかかるといった声がよく聞こえてきますが、相対的に安定している業種だといえますね。

 

 

4.中国市場の重要性

 薄いグリーンは重要であると示している比率です。2011年あたりは80%くらいありましたが、2015年は約2割落ち込んで61%、それでも過半数が重要視しているということです。なお、欧州からの投資は前年同期比で22.2%のプラスとなっています。

 

5.将来的に投資を考える業種

 自動車及び部品が80%、医療保健が79%、ホテルが87%となっています。欧州企業がわざわざ中国に来てまで展開するホテルはそれなりのグレードのホテルになるかと思うのですが、まだまだやっていける業種だとみているのでしょうか。上海を見る限りはじゃんじゃん高級ホテルができていますが、いまさらさらに上海というわけにもいかないでしょうし、地方都市でどこまでグレードの高いホテルがやっていけるのかということになりそうですね。

 

6.新常態の中国でやるべきこと

 短期的には損失を押さえること、長期的には投資していくこと、という方針です。

 

 短期的な損失を押させるというところを見ますと、中国業務を拡大しない:31%、投資をその他市場に振り向ける:16%、コスト削減の計画:39%となっています。

 長期的な投資を見ていきますと、中国でのR&Dセンターの設立:25%、中国でのR&Dの増加:85%、中国におけるR&D能力は既に世界平均レベルと同じ:48%となっています。研究開発という目線でも中国は重要になってきています。技術漏洩うんぬんの話おありますが、中国市場を相手にするのであれば中国でのR&Dはやっていくべきでしょうし、中国のR&Dで得られた成果を中国以外でも活用することができる、こういう考え方でやっているのかと思います。R&Dセンターの技術者の離職率を本国と中国で比較した場合、それほど変わらなかったという国もあり、つまり離職による技術漏洩リスクは変わらんということから、割り切っている企業も少なくないと思います。とはいうものの、自身が企業の立場だとコアな部分はやはり本国に残したいという気持ちがあるおは否定しません。結構保守的なのです。

 

7.インセンティブを感じる中国で持続発展する五大要素

 期待度の大きい順で見ていきますと、法治、国内消費、公平な競争及び独占の減少、厳格な環境保護政策及び執行、腐敗食い止めの能力という順になっています。日頃企業のお話しを聞く中で聞こえてくるボヤキと同じような内容ですね。このあたりは日系も欧州系もあまり変わらんということですね。

 

 

 ご参考ください。

チャイナストレス

 中国ビジネスの話の中でよくチャイナリスクという単語が出てきます。最近で言うとつい先日民事再生法を申請した江守グループホールディングスなんかがそうですね。多額の回収不能売掛金が原因とのこと。そして、その多額の回収不能売掛金の背後には現地中国人総経理が親族が経営していると思われる会社との間の取引がが原因のようであること。本社がちゃんとチェックしていればという声も聞こえてきそうですが、現地総経理をよほど日本のお偉い方から信頼していたのでしょう。そして、おそらく現地に派遣されていた駐在員は実態を把握していたのではないかと思うのです。売掛金がどこにどれだけ滞留しているかなんてすぐわかるはずですから。ところが、総経理があまりにも本社の覚えめでたい人であるがゆえに、駐在員がモノを言える雰囲気ではなかったのではないのかもしれません。実際にそういう会社がありますからね。そして、今回本格的にチェックして初めて発覚したということなのかと。後から振り返ることはいくらでもできるのですが、もっと総経理以外の声も聞いて実態把握すべきだったのでしょう。どこにどれだけ販売していて、どれだけの売掛金がたまっているか、現地総経理がその管理をやる気がなかったのであればもうどうしょうもないのですが、真面目な総経理であればそのあたり経営管理としてマメにチェックしてもらいたいと思います。

 さて、これらはチャイナリスクですが、中国に長く住んでいて、以前と比べてだいぶんよくなったとはいえストレスが溜まってしまうことは少なくありません。送付したバイク便がなかなか相手に届かない、通販で注文した書籍があまりに発送が遅いのでキャンセル手続きをし、電話でもその旨伝えたのに意地でも送付してきたり(こちらとしては返送するのが面倒)、あと、これは知り合いなのですが、商品に問題があったので返品申請いをしたところかえってきた返事がこれです。

 

 返品を拒絶しているのですが、そのコメントには

 拒絶原因:「商品返却後に返金処理」⇒これはまだわかります。

 拒絶説明:「返品返金は面倒」⇒???

 面倒だからという理由で正当な返品返金を拒否するとは!ほんとストレスたまります。こういうストレスったないときはないのですが、ある時は続くものなんですよね。カームダウンしなければ。

中国で5月より預金保険がスタート

 日本には預金保険機構が1971年に設立されていますが、その他の国ではアメリカが1934年、カナダが1967年、イギリスが1982年、韓国が1996年、ベトナムが1999年に設立されています。日本では当座預金や利息のつかない普通預金は「決済用預金」として全額保護され、定期預金や利息のつく普通預金などは1金融機関につき預金者1人あたり1,000万円までとその利息などが保護されます。

 中国の預金保護の状況について教えてほしいという質問をもらったのが2003年、その時は「中国の銀行はみんな国営だから国がつぶれない限り銀行はつぶれない、だから預金保護という概念なんてない」といわれたことがある。今では民間銀行も増えてきており、そうも言ってられなくなり、預金保険の必要性が近年しばしば語られるようになってきていました。そんな中でようやく《預金保険条例》なるものが公布され、今年5月1日からスタートします。

 人民現預金、外貨預金ともに保護され、最高賠償限度額は50万元です。今の中国の物価基準等からすると少なすぎる感は否めません。そして、この限度額は同一預金者の同一金融機関における限度額なので、金融j機関が破たんした場合、50万元を超える部分については生産財産の中からの分配となります。そのため完全なリスクヘッジをしようとすれば複数の金融機関に分散させる必要があります。

 今のところ中国の金融機関は金利の自由化もされておらず大丈夫そうですが、最近中国人民銀行(中央銀行)の周小川総裁が預金金利の上限規制について「今年なくす可能性が非常に高い」とコメントし、年内に金利自由化に踏み出す方針を明らかにしています。 中国のネガティブメントして不動産バブルで経済崩壊と言うのが良く言われます。中国の金融機関は直接的な不動産関連融資は多くないと聞いたことがありますが、シャドーバンキング部分でどれだけ不動産向けに行われているかまで含めて考えるべきでしょう。1995年に破たんした木津信用組合みたく、異常な高金利で預金集めをするような銀行が現れてきてはじめて金融機関破たんのシグナルが見えてくるのかもしれません。

中国ビジネス VS タイビジネス

 先日以前上海にいた知り合いと偶然道端で会いました。今はタイで独立してビジネスをしている人です。そこで日本人が行う中国とタイのビジネスの違いについて話してもらったのですが、一言でいうとタイのビジネスはぬるいということでした。逆に言えば中国のビジネスの方が圧倒的に難しいそうです。中国のビジネスの難易度が10とすると、タイは2くらいらしく、そこまでさがあるのかと思わされました。中国とタイのビジネスの難易度がここまで違うので、自ずと人のレベルも違うようで、中国という難しいところで生き残っている人のレベルが10とすると、タイは6くらいだそうです。中国と比べてタイでは人のレベルが低くても成功する確率が高いということなのですが、その分胡散臭い人も多く、もめ事も多くなるそうですが、そこをきっちりと見極めれば中国と比べ物にならないくらい難易度が低いので、全然やりやすいそうです。その知人もある程度のお金を預けてくれれば、タイでビジネスに失敗する自信がないとまで言い切ってました。

 

 私も厳しい世界に入ってしまったようです。

中国企業のM&Aがうまくいかない要因

 中国企業の対外進出が話題になるようになってからしばらくになります。私のところにもその手話は意外と来ます。中国側の買いもあれば中国側の売りもあります。それ以外にも、中国系以外の非日系の在中国企業の売りの話もあります。規模的には大手証券会社だと取り扱いにくいくらいのものが多いです。このように、中国企業の関係するM&Aは徐々に増えてきていますが、統計によりますと2002年の中国の対外投資は27億米ドルだったのが、2012年には878億米ドル、そして今年1-10月で見ますと、中国企業の非金融類の海外投資は695.2億米ドルに達し、前年同時期比19.5%の増加となっています。

 中国からお金を引っ張りたいというニーズはあるようで、例えば在中国アメリカ大使館のウィリアム・ザリット公使によると、中国企業の対米投資を吸収及び奨励するのは在中国アメリカ大使館の業務の重点とコメントしています。

 一般的にM&Aは成功率が半分くらいといわれており、中国商務部国際貿易経済合作研究員の研究データでは成功率は40%という結果が出ています。平安財智投資管理有限公司という会社の王CEOによるとこれはさらに下がり成功率は14%を超えないとコメントしています。王CEOによると、政治、法律、文化上のリスク意外に、中国企業の海外M&A失敗の4つの原因とは、

1.中国企業の海外M&Aは往々にして商業と非商業の目的が混ざってしまっている。

 つまり、メンツを重んじ、言い換えると格好をつけて色んなターゲットに対してやみくもに行うM&Aが失敗しているという傾向があるということです。

2.忍耐力不足

 中国企業が欧州企業に対してM&Aを行うする時に往々にして見られるようですが、企業に対する理解をすることに対する忍耐力が不足しているということをいいます。理解しないままに買収するというのは問題ですね。

3.機会主義

 機会主義をベースにしたM&Aが主流を占めている、つまり、ビジネスチャンスを会を獲得するのは当然大事なのですが、そればかりに目を奪われて、それがちゃんとした話なのか、ちょっと怪しい話なのかの見極めが甘いということですね。中国企業は日本企業に比べて行動が速いとよく言われますが、これについてはその弊害の部分といえますね。

4.ブランドに目が行き過ぎ

 中国企業は往々にして国際ブランドを憧れのまなざしだけで見て、そのブランドの背後にあるもの(例えば従業員etc)を見過ごしがちということを言います。ブランド志向が強いので、さもありなんという感じがします。

 以上より、中国企業は対外投資をする前に、まずは明確な目標を立て、M&Aのリスクを考慮し、特にそれによって得られるビジネスについて十分考察することが必要になってきます。いわゆるポストM&Aというやつですね。

 中国企業の成長もあまりにも急激であり、そのためM&A経験も多くなく、その方面の人材が不足しているといわれています。それが成功率が高くないことにつながっているのだと思いますが、王CEOは海外M&Aを行う企業が備えておくべき4つの能力を挙げています。

(1) M&Aを計画する能力があること

(2) M&Aプロジェクトに関与する関連者を管理する能力を有していること

(3) 政策決定の選択能力を有していること

(4) ターゲット企業に対する再編能力を有していること

 今後はさらに人材の厚みも増してくるでしょうから、この4つの能力については徐々に計渇していくと思うのですが、どちらかというとその前に挙げた失敗の4つの原因、こちらは国民性による部分が多いので、これを4つの能力でいかにカバーしていくことができるのか、ということになろうかと思います。

中国小売業って統計を見る限りいちおう成長しているのでは?

 一般的に、世界経済は毎年2-3%の成長があれば安定的に維持できるといわれているそうです。具体的には、先進国では1-2%、発展途上国では3-5%の成長率があれば正常に運営できるそうです。ところが中国の小売業は7-08%の成長率を達成しているにもかかわらず、かなりの危機感を感じているのはこれいかに。ポイントとなるのは、中国では生産販売率(生産に対して販売する比率)が95-965、つまり4-5%の製品は価値を実現できていないということになります。そして、製品が流通に回っても仕入販売率(仕入れに対して販売する比率)が100%に満たないという問題があります。これが中国小売業の成長スピードが速いものの、効率が悪い原因と言われています。

 また、小売業者とサプライヤーとの間の衝突も以前から聞かれる話です。代表的なものを4つ以下に紹介します。

1.乱収費,層層収費,節節収費(なにかと費用徴収)

 サプライヤーがチェーンネットワークに入るに当たってネットワーク費を、店舗に入るためには入場料、広告費、開店記念活動費、ひいては商品部やグループへの陳列匯、整理費、衛生費等の多くの名目の費用を支払わなければならないこと。

2.乱攤派(分担の強制)

 一部の売り場では達成しなかった売上高をメーカーに割当したり、虚偽販売をおこなったり、達成しなかった利益をメーカーに分担させたり、規定を超える費用をメーカーに負担させたりしていること。

3.乱転嫁負担(費用負担の転嫁)

 多くの店舗側が負担すべき費用、電気代、水道代、衛生費等、ひいては領収書の費用もメーカーに請求すること。

4.拖欠貨货款(代金未払い)

 いわゆる代金未払い。時間通りに決済してくれないと、メーカー側の資金繰り、ひいては生産に影響してしまいます。

 こんな現象がみられる中、売り場側は入場料等の費用をさらに引き上げようと模索し、サプライヤーはサプライヤーで値上げするに当たり売り場側に問題があるというのを口実にします。悪い循環ですね。最終的には消費者につけがまわってきてしまますよね。

中国企業、アフリカへ行く

 中国企業がアフリカへ進出している話は聞かれたことがあるかと思います。ポジティブな報道もあればネガティブな報道もあります。徐々に中国経済圏に取り込まれていくのだとすれば日本もうかうかしていられないでしょう。これからはアフリカだという日本人にもお会いしたことがありますが、確かにアフリカは今後かなり刺激的な進出地と言えるかもしれません。ここでは中国最大の婦人靴メーカー華堅集団の事例を紹介します。

 

 同社は広東省東莞で婦人靴を生産しているのですが、10数年前からコストが次第に上昇するだろうと意識し、生産分布の調整を開始し、一部の注文を江西省に移転すると同時に、ベトナムにも工場を設けました。ベトナム工場は数年後に閉鎖することになってしまいましたが、ベトナムは製靴業の環境は珠江デルタほど整備されておらず、多くの原材料も広東省から調達しなければならず、生産効率もあまり高くなく、総合コストも珠江デルタに劣るのがその要因でありました。

 

 ベトナムはこのような結果になりましたが、2011年に華堅集団は中国製靴業で初めてアフリカに投資し、2012年1月より生産を開始しました。進出国はエチオピアで、同国は良質かつ廉価な原材料を調達することができ、労働力も十分にあり、そしてその労働力のコストもかなり安いという環境にありました。中国商務部の発表によるとエチオピアの製靴工場ワーカーの月間給与は262.8元(約4200円)とかなり優位性があります。珠江デルタのワーカーの給与は以前紹介したことがありますが3000元前後であり、ベトナムはこれの半分、そしてアフリカはこれよりも大きく下回ります。これにより、同社のエチオピアにおけるコスト構成は、原材料コスト約50%、従業員コスト約30%で、工場建物及びその他の支出約という構成になっています。

 

 アジア靴業協会と言うところがあるのですが、そこの発表によりますと、労働力コストの影響もあり、珠江デルタ地区の製靴企業の半分は中国国内の中西部に移転し、3分の1が東南アジアに移転しています。しかしながら、東南アジアのコストも上昇していくことを考えると、東南アジアを飛び越えてアフリカに進出する方がいいという考え方をする人もいます。また、世界的に見ても、労働集約型産業の移転先としてアフリカは最後の場所ともいえ、アフリカには若年労働者も多くいることから、コスト競争力もあります。しかし、あまりに東南アジアやアフリカに移転してしまっても、中国国内の就業に影響してしまうという問題があります。そのため、中国としても労働集約型産業を完全に切り捨てるようなことはせず、どんどん中西部に移転するようにすべきという意見もあるようです。今時日本の労働集約型産業が中国の工場で生産するという時代でもないと思いますが、かといってアフリカとなるとハードルが高そうですし、そうなると中国と東南アジアのどちらか、今の趨勢だと東南アジアなのでしょう。中国の中西部地区に労働集約型産業を集めたとして、おそらく多くの人は今の中国を見ると急激にコストが上昇することを恐れるのではないかなあと思います。自分が労働集約型産業の経営者だったら、やっぱり中国はないかな。

2013年フォーチュントップ500

 フォーチュントップ500が発表されました。トップがアメリカの132社、次点が中国の89社(台湾を含まず)、そして第3位に日本で62社、日本は前年比何と16社も減らしており、香港企業(4社)を除いた後の数値でも大幅に後れをとる結果に終わってしまいました。

 

 

 (2社以上リストアップされている国だけ表示)

 

 トップ100で見た場合、日本企業は10社で、これは去年より2社減少。中国企業は香港企業を除いて考えると12社で、これは前年比3社増加。トップ100でもトップ500でもついに抜かれてしまったというわけです。日中のトップ100入りした企業を見ていきましょう。

 

 

 

 

 (香港企業は除きました)

 

 ううう、日本企業の利益額が二桁に乗っているのがトヨタだけ。。。去年も書いたのですが、トップ100を見る限り、中国企業は資源系、金融系、インフラ系が中心であるのに対し、日本はメーカー系が中心であり、モノづくりという意味ではまだ中国に負けていないといえると思います。日本が誇れるとすればこの点でしょう。バブル後20年が失われようが、為替がどれだけ円安にふれようが円高にふれようが、それでもなお世界のトップクラスの国家であリ続けているということは誇ってもいいと思います。ただ、トップ100企業の利益はもうちと頑張ってもらいたいなあと思いますね。あっ、よその心配するよりも自分の会社の心配をせねば!