呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

PV EXPO 2017に行ってきました

 顧問先に太陽光関連業界の企業がいる関係もあり、PV EXPOには何度か顔を出しているのですが、今年も行ってきました。例年この時期に開催されています。

 

1

 

場所はビッグサイト。

 

3

 

 ブースによっては結構きれいなコンパニオンのお姉さんがいたりして、目の保養としても良さげでした。こういう業界でもそういうコンパニオンを用意するものなんですね。

2

4

 

 結構な規模の展示会でしたが、太陽光発電についていうと日本では売電価格が下がってきていることもあってか、業務的にはピークを過ぎているようです。いままで電話やメールでしかやり取りしたことのなかった中国系の業者とも会って話したのですが、やはり日本市場に関しては一時の勢いはなくなってきているという話でした。

 

 とある蘇州の業者は中国企業と違って日本企業はメンテナンスに対する意識が高いので、今後はメンテナンス業務を推進していこうという考えを持っていました。

 

 別のある常州の業者とも話したのですが、やはり日本市場は一時に勢いがないとぼやいていたので、日本以外の国とかもやったらいいんじゃないのと話したところ、インドの話がでてきて、あの国はやりづらくてしょうがないというコメントが出ました。日本企業の場合、クオリティ要求は厳しいものの、それに見合う対価を支払ってくれるのに対して、インド企業は日本企業よりも技術面でうるさい要求をしてきながら、価格は日本企業向けの15-20%低い値段を要求してくるとのこと。この値段だったら儲けがないし、やる意味もないというような話でした。価格が厳しいのはわかるのですが、技術面での要求も結構厳しいというのは意外でした。インド企業手強しですね。

中国のスキーマーケット、2025年には1兆元規模に

 昨年ISPOというスポーツ用品展示会組織のイベントにセミナー講師として招待されたことがあります。私は中国のスポーツ産業全体についてお話ししたのですが、その他の方はスキーに関するテーマがメインで、中国人講演者もスキーをテーマにしていました。これからスキーはねらい目ということだったのでしょう。実際のところはどうなのか。2016中国スキー産業白書なるものが発表されました。それによりますと、2016年に中国のスキー場は78か所増加して646か所に。スキー人口も延べ1510万人に達し、前年比20.8%増と伸ばしてきています。適当に引っ張ってきたのですが、2012-13年のスキー人口が1150万人くらいなので、2016年の1510万人というのは理解できる数字ですね。

 

中国スキー人口

 

 日本のスキー場数は観光庁が2年前に行った調査では517か所を対象にしているので、まあ1000か所もないでしょう。ここで日本のスキー人口を見てみましょう。

 

日本スキー人口

 

 ピークと比べて半分以下に落ちてしまってます。ピーク時期は1998年でバルブ時期というわけでもないですね。最近はスキーははやらないのでしょうか。これにつれて用品販売も減少しています。

 

日本用品

 用品販売はバブル末期の1991年がピークで、なんといまやピーク時の4分の1まで減少してます。日本国内だけで勝負してたところは全然ダメダメになってしまったでしょう。やっぱり海外やらないとね。

 

 さて、また中国に話を戻します。マーケットを見ると北京が最も大きく、スキー場24か所と全体の3.7%に対して、スキー延べ人口は171万人で全体の11.3%。次いで、黒竜江、河北(85万人から122万人に43%増加)、吉林(96万人から118万人に23%増加)のスキー人口が増加してます。

 

 用品を見ますと、レンタルスキー板(+38.57%)、ベルトコンベヤー式リスト(+37.54%)、増雪設備(+29.50%)及び圧雪車(+24.24%)の数量は増加しており、そのうち増雪設備と圧雪車の輸入品の比率が高く、レンタルスキー板も輸入物の伸び率のほうが国産よりも高くなっております。

 

 スキー人口も増えていくでしょうし、それにつれて用品市場も大きくなっていくでしょう。2025年にはスキー産業の総規模は1兆元に達するといわれています。今後楽しみなマーケットですね。

中国のチョコレート市場が頭打ち?

 今日はバレンタインデーです。日本だと女性が男性にチョコレートを上げたりしますが、中国だと男性が女性に何かプレゼントします。そしてそれに対してホワイトデーのようにお返しするという習慣もありません。女性はもらいっぱなしなのです。女性にも主体的に動くイベントがあればいいのになあと思います。

 

 ということで、今日はチョコレート市場について。

 日本のバレンタインチョコレートの市場推移ですが、2015年でざっと500億円程度です。これはチョコレート全体ではなくて、バレンタインチョコレートだけの数字なので、結構な数字といえるでしょう。

日本

 

 平成27年のチョコレートの小売市場規模が5040億円なので、単純に考えるとバレンタインチョコレートが占めるのはざっと10分の1程度で、特にこの時だけが大きいわけでもなさそうです。このあたりは市場規模と消費規模の計算根拠が異なることに依るのかもしれません。このあたり、ちょっとめんどうなので深く追求しません。

 

 さて、翻って中国のバレンタインチョコレートではなくチョコレート全体の市場規模を見てみましょう。

中国

 

 中国のこの手の統計にしては珍しく下がっています。2015年の売上規模がざっと180億元(約3000億円)。まだこんなものなのですね。中国のチョコレート市場は外資ブランドが圧倒的に強く、Mars、Ferrero、nestle、Hershey’s、 Mondelez(亿滋)の5つで80%のシェア、そしてMarsのDoveだけで25%を占めています。中国ブランドは全然箸にも棒にもかからん感じです。

 

 売上推移をみると販売量が下がってきてます。いろんな見方があると思うのですが、その中の一つにチョコレートをバクバク食べると太ってしまい体に悪いというのがあります。確かに中国も健康志向が強くなってきてはいますが、こんな理由で販売量が下がるのはちょっと疑問に思います。まだまだ一人当たりの消費量は少ないので、もっともっと伸びていってもいいのではないかと思いますので、個人的には健康志向を理由にするのはちょっとしっくりこないです。

 

 中国のチョコレートチョコレート市場の伸び悩みの中身を見ていきますと、大衆ブランドの勢いが鈍くなってきており、一方でGodiva、Lindtといった高級チョコレートは伸びています。高級チョコレートの伸びがなければ販売量の落ち込みはもうちょっと大きかったといえるでしょう。

 

 最近は実店舗ではなくてネットで購入する人も増えてきており、だいたい20%くらいがネットを通じて購入しており、3割近く伸ばしています。一方で実店舗においては特にスーパーの売り上げが落ち込み、それをコンビニが補うような形になっています。

 

 1人当たりのチョコレート消費量はアメリカがダントツの4000グラム、日本は1500グラムくらいでしょうか。自分の生活を翻ってみるとこんなにたくさん食べてないと思います。そして中国ですがこれは100グラムくらいでしょうか。ま、とにかく人が多いので、平均だとこんなもんなんですね。

 

 今後の中国のチョコレート市場はギフト用の高級チョコレートが引っ張っていくという見方がありますが、これだけ消費量が少ないと一般的なチョコレートも伸ばしていくように思います。もちろん、そのあたりのレベルだと中国ブランドになってくるでしょうが、今高級をやっている外資ブランドがどこまで下りてくるかにもよるでしょう。

 

 2015年9月にFerreroが杭州に中国初の工場、2015年12月にnestleがキットカットを国内生産・国内販売を開始、2016年12月にドイツブランドのMika中国市場に参入、そしてMondelez(亿滋)が3年以内に中国市場に1億米ドル以上投資し、このうちの一部で蘇州でチョコレート生産を行うとしております。こうしてみると、今後が楽しみな業界ですね。

TNC上海設立10周年

 大した話ではないのですが、本日訪問先の方と話ししていたところ、ふと当社(TNC上海)の設立10周年であることを思い出しました。当初は知人が経営しており、私自信が携わるようになったのは2011年10月からなのでまだ5年4ヶ月なのですが、会社としては10周年という節目を迎えたわけであります。前にもどこかの節目で同じようなことを書いたのですが、まだまだ自分がイメージする姿にまではなっておりません。今後は今まで以上に気合をもっていかなければならないと思う次第であります。今後とも引き続きどうぞ応援のほどよろしくお願いいたします。

パクリスーパーが訴えられて敗訴

 中国国内で最も売上高の大きい外資(台湾系)スーパーである大潤発。上海あたりだと中心部にあまり見られないのでなじみはないかもしれませんが、非常に有名な会社です。最近この会社の名前をかたって商売をしていた中国企業が訴えられて敗訴しています。

 

 そもそも大潤発というスーパーは康成投資(中国)有限公司という会社が商標を持つ会社であります。ところが江西省で大潤発投資有限公司という会社が2014年10月に設立されています。資本金6000万元とちょっとした規模です。そもそもこんな有名なスーパーの屋号を新社名として認めるのがおかしいのですが、なぜか認められています。しかも業種は同業。これをパクリ大潤発と呼びましょう。パクリ大潤発の店構えはこんな感じです。

 

 パクリ

 

 これだけ見るとわからないかもしれませんので、本物大潤発の店舗を見てみましょう。

 

 本物

 

 屋号は同じですけどロゴが違いますよね。パクリ大潤発はビニール袋、価格ラベル、会員カード、印鑑、従業員制服にも「大潤発」という屋号を入れていました。分公司だけでも8つもあります。そりゃあ本物大潤発は激怒します。ということで、本物大潤発は訴えたわけであります。当然ですよね。

 

 裁判の結果ですが、商標権侵害、不正当競争、悪質であるということで原告である本物大潤発が勝訴。300万元の賠償金を支払うような判決まで出ました。これまた当然ですよね。

 

 さて、パクリ大潤発の出資構成を見てみましょう。

 出資

 「好又多」の名の付く会社が出資しています。「好又多」も台湾系。これは「好又多」も悪意を持ってやったことなのか、「好又多」もまた大潤発と同じく屋号を使われてしまっているのか、そこまではちょっと面倒なので調べませんでした。

 

 しかしこれだけの規模でパクリするなんて、あとのこと何も考えていないのだろうか。このあたりの感覚がよくわからん。まあ、楽して稼ごうというのが一番なのでしょう。ビジネスのイノベーションというのは何にもないところから作り出されるようなものもあれば、すでにあるものを組み合わせて作りあげられるものとがあると思います。例えば最近はやりのシェアリングエコノミーであるmobikeなんかもそうですが、自転車という既にあるもの、電子決済という既にあるもの、GPSという既にあるもの、これらを全部組み合わせてできたものだと思うのです。この組み合わせを考えるアイデアは素晴らしいと思います。何もないところから新しいものを生み出すより、既存のものを組み合わせるほうが楽であり、おそらく中国ではそういうのが、つまりいかに楽して稼ぐのかを考えるのが好きなのではないかと思います。いかに楽して稼ぐのかの中で最もレベルの低いのがパクリだと思うんですよねえ。以前と比べるとかなり偽物に興味が薄れてきているので、今現在どれだけ偽物が蔓延してるのかよくわからないですが、おそらく以前ほどではなくなってきているのではないかと思います。有名な偽物売り場がなくなって言ってますからねえ。しかし、今回のパクリ大潤発のようにかなりの規模でパクリビジネスをやる輩もまだいます。こういうのがなくなるのはもうちょっと時間がかかるのでしょう。今回のケースはパクった側が罰せられて賠償金を支払わされるだけでよい事例といえるのでしょう。

2016年中国アウトレットトップ20

 百貨店の勢いが衰え、ショッピングモールが乱立している中で、アウトレットも徐々に増えてきています。アウトレットの2016年の業績ランキングが発表されていますので、紹介したいと思います。

 

 トップは上海青浦にある百聯のアウトレット。唯一の40億元越えです。それに続くのが天津佛羅生倫小鎮と北京燕莎。これら3つが突き抜けた存在となっています。上海青浦は売り場面積増加無しで2億元増加、天津は20%増加しており、さらに4期として売り場面積を増やしますので、さらに伸ばしていくと思われます。

 トップの上海青浦の業績が43.17億元、今日のレートで引き直しますと729億円、2015年6月の記事で見つけた数字で御殿場プレミアムアウトレットが761億円なので、ほとんど同じくらいですね。単位面積当たりで比べてみましょう。上海青浦が6.8万平方メートルに対して43.17億元、御殿場プレミアムアウトレットが4.46万平方メートルに対して729億円、これらを引き直すと上海が1平方メートル当たり106万円、御殿場が1平方メートル当たり163万円。今のところ御殿場のほうが単位面積当たり大きな数値ですが、今後この差が縮まっていくことが予想されますね。よく見ますと天津が1平方メートル当たり123万円売っていますので、効率としては上海よりもいいのですね。

 

 日系がらみだと寧波に三井不動産と杉杉集団が一緒にやっている杉井奥特莱斯広場があります。ここは商業面積4万平方メートルに対して19.3億元、1平方メートルあたりだと80.4万円になります。開業している期間が上海青浦より5年少ないことを考えるとまずまずの数字かと。実は上海青浦のアウトレットはまだ行ったことがなくて、上海は一度見に行かないといかんな。

 

1

週刊ダイヤモンド(2017年1月14日号)掲載記事『欧米有名ブランドが続々と販売権を回収 中国事業は次の段階へ』

 弊社代表の呉明憲の寄稿記事『欧米有名ブランドが続々と販売権を回収 中国事業は次の段階へ』が週刊ダイヤモンド2017年1月14日号のWorld Scope ワールドスコープ from 中国のコーナーで掲載されました。

1

 

外国人ランク付け制度、危ぶむなかれ

 チャイナウォッチャーの近藤大介さんが書いた記事『前代未聞! 中国が始める外国人「ABCランクづけ」制度』が結構話題になっています。タイトル通りで中国に滞在する外国人に対してABCのランク分けをするというものです。そして、この基準を満たさなければ中国で就業できないというものです。多くの人はこの記事を見てランク付けの基準点数を満たすことができない人はどうすればいいのか!と騒いでいるわけですが、それほど騒ぐ必要もないでしょう。もちろん全く影響がないとは言いませんが、大部分の人が今までと同じように滞在することができると考えていいでしょう。それにこのような制度、別に中国だけ特別にある制度でもなく、どこの国でも外国からくる人を選別するのは当たり前といえば当たり前で、なんだかんだいっていま中国に滞在している人も選別された上でいまいるわけであります。

 

 ABCのランクですが、Aはノーベル賞のような国際的に認められた受賞歴がある人、Cは季節労働者などが中心になるので、いわゆる一般の駐在員及び現地採用はほぼBに該当するか否かが滞在できるか否かのポイントになります。記事ではこれをポイント制で60点以上ないと滞在できなくなるとあおっているように見えますが、よくよく通達を読み込むと、決してポイントだけがすべてではないことが分かります。

 

 では、具体的にBランクはどのような基準を満たせばいいのかを見ていきましょう。

 

(1)以下のいずれか一つを満たす大学卒業以上の学歴及び2年以上の関連業務経歴を有する外国専業人材

① 多国籍企業が派遣する中級以上の従業員、外国企業常駐中国代表機構の首席代表及び代表

② 各種企業 、事業単位、社会組織等で雇用する外国管理人員または専業技術人員

その他二つ省略

(2)中国国内の大学で修士以上の学位を取得した優秀卒業生

(3)国外でトップ100にランク入りする大学で博士以上の学位を取得した卒業生

(4)外国言教学人員

(5)《ポイント計算表》で60点以上

 

 よくみると大卒以上勤務歴2年以上が前提としてありますが、①または②のいずれかを満たせばいいということになっています。独り歩きしているポイント60点以上という要件以外にもいくつか基準があり、多くの人が(1)の①または②の条件を満たすのではないかと思います。特に(1)の②なんて「各種企業」というおよそすべての企業が対象となる表現があり、そこの外国管理人員または専業技術人員であればいいのです。もちろん、ポイントを増やすために中国語試験HSKを受けておくのも良いでしょう。単に就業資格の問題ではなく、外国にいてその国の言葉を覚えればいろいろと広がりも出てきますからね。

 

 就業証に代わる外国人工作許可証は90日前から期限延長手続きができますので、初めての延長に当たっては万が一に備えて後から巻き返しできるように早めに手続きしておくことをお勧めいたします。

 

 ランク付け制度が始まる前の従来の制度の下でも大学出てないと就業証を取るのが難しいという言い方がありましたが、ある程度の勤務歴を持つ専門職の方で就業証を取得している人はたくさんいます。そう考えると、今回のランク付け制度の関する通達はそれらを明文化したに過ぎず、今までと大きく変わったというわけではないといえるでしょう。この話題で騒いでいるのは日本人だけという話もありますしね。

(続報4:なんと日本の社長と現地企業の董事長が同姓同名!)大江戸温泉物語が上海にやって来た?

 前回の記事は大江戸温泉物語株式会社の社長と現地企業の董事長の名前が途中まで一致しているという消化不良の内容で終わってしまいましたが、それからも粘り強く調べてみました。

 

 もういちど大江戸温泉物語株式会社の社長名前を確認してみましょう。森田満昌、普通に読めば「もりたみつまさ」(MORITA MITSUMASA)になりますね。そして、現地企業の董事業の名前は「MORITA MITSU..」。いやあ、気なりますよねえ。どうしてもフルネームが知りたい!そして見つけてきました。現地企業の登記情報の完全バージョン、もちろん公的資料です!では、ご覧ください!

 

%e7%84%a1%e9%a1%8c

 

 出たー!MORITA MITSUMASA!大江戸温泉物語株式会社の社長と同じ読み方です!確かに漢字だと違う読み方だけが同姓同名の方かもしれませんが、一致している可能性って結構あるように思えますよね。これまで中国側の出した資料は一方的に出すことのできる声明書と双方の捺印がある公認証明書というものですが、公認証明書の大江戸温泉物語株式会社の印鑑があまりにも薄くてしかも白黒っぽく、この資料も怪しいといえば怪しいです。でも日本の社長と現地の董事長が同じとなると穏やかじゃないですよねえ。

 

 社長の独断で進めたプロジェクト?社内の誰かがハンコ等を無断で使用して契約書を締結した?そもそも詐欺師チックな胡散臭いブローカーやコンサルタントに中国側が引っ掛けられた?

 

 ここまでくれば日本側にはっきりとして説明をしてもらう必要がありますよね!いろんなところからお話を聞いている限り、大江戸温泉物語株式会社も関係ないわけじゃないというお話も聞こえるようになってきています。大江戸温泉物語株式会社も代表者の名前が出ているのですから「一切関係ない」と言い続けるのではなく、あらためてのコメントが必要じゃないでしょうか?