呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

(続報)大江戸温泉物語が上海にやって来た?

 早速日本のメディアでも話題になっていますね。

 

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161223-00000048-asahi-int

「我々と日本側の直接の協力はないが、関連会社が得た『名称使用権』を譲り受けた。これ以上詳しいことは分からない」

 

http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/jnn?a=20161223-00000170-jnn-int

取材に対応した上海の施設の日本人責任者は、「日本の大江戸温泉物語が上海とは関係ないと発表したことは知っている。改めて見解は述べる」

 

 日本人もかんでいるんですね。この方はわかっていてお手伝いしたのか、知らずにお手伝いしたのか、信じさせられてお手伝いしたのか。直接お話を伺わないことにはわかりません。もしわかっていたのであれば残念なことですね。

 

 日本で話題になったのと同じく、中国でもこれって日本のもののパクリではないかと話題になっており、上海の運営側も何らかのコメントをしないといけなくなったのでしょう。上海大江戸温泉物語の公式Wechatアカウントにこんなものがアップされています。

 

 647162734561690077

 

 文章も長くないのでそのまんま翻訳しますね。

 

////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////// 

 声明書

 上海江泉酒店管理有限公司は2015年11月1日に大江戸温泉物語株式会社(日本)と合作文書を締結し、“大江戸温泉物語”ブランドの中国地区での合法使用の授権を獲得しています。

 

 弊社と上海雲湯沐浴管理有限公司は、2016年3月1日に“大江戸温泉物語”の授権使用に関する加盟協議及び関連文書に関して締結しています。

 

 特にここに声明する。

 上海江泉酒店管理有限公司

 2016年12月22日

//////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////

 

 この声明書では上海の運営会社である上海江泉酒店管理有限公司ともうひとつ上海雲湯沐浴管理有限公司という会社の名前が出ています。まあこれは上海側が一方的に出している文書で、日本側の署名や捺印もないもの、つまり勝手にいくらでも作れる文書であります。あらためてこの2社の出資関係を見てみましょう。

 

 上海江泉酒店管理有限公司

 318191117881874769 

 

 上海雲湯沐浴管理有限公司

 %e3%82%ad%e3%83%a3%e3%83%97%e3%83%81%e3%83%a32

 

 日本の大江戸温泉物語株式会社は「一切関係ない」とコメントしているうえに、この出資構造を見る限り関係している感じも見られません。

 

 さらに調べるとこの二社のWechat公式アカウントを見つけました。

462225445952198601

524918684663090514

 

 そして、この中に上に紹介した声明書以外にもいろんな資料をアップしてます。

 

 先ほどのとは別の声明書です。日本大江戸温泉と上海江泉酒店管理有限公司が業務提携基本契約を締結し、公認証明書なる書類を発行し、上海江泉酒店管理有限公司が中国で唯一の授権合作社であることを謳ったものです。しかしあくまで声明書なので一方的に作成できる資料ではあります。

1

 

 次もほぼ同じような内容の声明書です。

4

 

 今度は授権書です。上海江泉酒店管理有限公司が、上海雲湯沐浴管理有限公司が上海の温泉事業のパートナーであることを示す内容となっています。また、上海大江戸温泉物語がパクリであるといわれていることに対して、それはガセだと対抗する文言が最後に付け加えられてています。

2

 

 公認証明書です。これは大江戸温泉物語株式会社が、上海江泉酒店管理有限公司がパートナーであることを証明する内容となっています。これには大江戸温泉物語株式会社の印鑑が見えるのですが、異常に薄くて白黒にも見えなくないのですが。。。(フォトショップでこれをカラーにするのは結構テクニックが必要らしい)。この証明書自体が偽物だとすると「ここまでやるか?」と思いますよね。ま、日本側が否定している以上、この証明書自体の真実性もかなりかなり怪しいですが。

 

3

 

 この公認証明書ってどうなんですかねえ?しかも日付を見ると去年の11月より使用しても良いとなっており、すでに1年以上もたっているのですが。。。

 

簡易検索レベルだと「大江戸温泉物語」というのは商標登録されていないようなのですが、これを調べているときに「瀋陽大江戸温泉物語」という会社が2014年10月に設立されているという情報を見つけてしまいました。ちょっとこの会社のことはよくわからないです。瀋陽在住の方、何か知っておられますかー?

 

 さて、この上海の大江戸温泉物語、中国でもパクリだという報道も出ており話題になりつつありますが、果たしていつまでこの名前を貫こうとするのでしょうか。パクリだという指摘のプレッシャーで名前を変えてくれればいいのですが。でも名前を変えるとへんてこりんな名前になってしまうかもしれないですね。「大上海温泉物語」とかになったりして。

大江戸温泉物語が上海にやって来た?

 上海には日式温泉として極楽湯が2店舗あり、極楽湯は武漢にも進出したように、非常に人気です。そして日本にある大江戸温泉物語、これもまた中国人のみならず外国人観光客にも大人気です。中に入るとかなり外国人比率が高いです。そんな大江戸温泉物語がついに上海に登場しました!

 

 場所はちょっと遠いですが、これだけまとまった面積の施設だとおのずとそうなるでしょう。口コミサイトでも「待ってました」というようなコメントが多く、いかに多くの人が楽しみにしていたのかがうかがえます。

 1

 

 2  3 

 

 4 

 

 いやあ、是非行ってみたいです。定価168元のところ口コミサイトを通じて購入すると138元、いいじゃないですか!

 実はこの情報、JETROの人に教えてもらったのですが、日本の大江戸温泉との関係性がよくわからなかったようでしたので、資本関係を調べてみました。上海の大江戸温泉を運営している会社は上海江泉酒店管理有限公司というところです。ここを軸に資本関係を調べてみました。

 

 318191117881874769

 

 日本資本は入っていなさそうです。しかし、看板貸しの可能性もないことはありませんので、このあたりの確認が必要かと思っていたところ、大江戸温泉物語本体のウェブサイトでこのような告知がありました!

 

 5

 

 偽モノかよ!ど真ん中攻めすぎやろ!残念!

 簡易検索レベルでは商標登録はまだされてないようなので、もし申請を進めていないのであれば早めにやったほうがいいですね。

中国小売り上場企業の第3四半期業績

 中国小売り上場企業の第3四半期業績について紹介します。カテゴリーによって傾向が違うことが見て取れると思います。

 

1.百貨店、ショッピングモール

 売上、純利益ともマイナスとなっているところが目立ちます。一部プラスとなっている企業もいますが、母数が小さく、規模の大きいところの落ち込みが目立ちます。

%e7%99%be%e8%b2%a8%ef%bc%91 %e7%99%be%e8%b2%a8%ef%bc%92 %e7%99%be%e8%b2%a8%ef%bc%93

 

2.スーパー

 トップの高鑫(大潤発、オーシャン)は断トツの利益を計上しており、鈍いながらもプラスとなっていますが、全体的にマイナスが多いか。永輝超市は大きく伸ばしています。

%e3%82%b9%e3%83%bc%e3%83%91%e3%83%bc

 

3.アパレル。ジュエリー

 プラス幅、マイナス幅ともに大きいのが目立つように思います。

%e6%9c%8d%e9%a3%be%ef%bc%91 %e6%9c%8d%e9%a3%be%ef%bc%92

 

4.家電小売り

 ランク入りしている4社とも純利益がマイナスとなっていますが、特に蘇寧の純利益がとてつもなく大きく落ち込んでいます。業種的に今後もこのトレンドで推移していくのでしょうか。

 %ef%bc%93c

 

5.薬局

 いろんなカテゴリーで取り上げていますが、薬局のみが売上、利益ともすべての指標がプラスとなっています。

 %e8%96%ac%e5%b1%80

 

6.EC

 アリババって利益は前年比マイナスなんですね。それでも他社と比べると断トルの利益額です。京東は少ないながらも利益を出せています。

 ec

 

 全体的にみると、百貨店・ショッピングモール、家電量販は先行きがあまり明るいとは言えず、アパレルは横ばい、スーパーも決して良いとは言えない。このあたり日本と構図がよく似ているように思います。カテゴリーとして明るい指標が出ているのは薬局くらいですね。

商工クラブセミナーに登壇 ~中国空調企業格力の取り組み~

 先日縁あって商工クラブの地域連絡会のセミナーに登壇する機会をいただきました。

 

 %e7%9c%8b%e6%9d%bf

 エリアで集まめる部会と違い、幅広い業種の方々にお集まりいただきました。

 

 %e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%92

 

 今時中国国内では星の数ほどとまではいいませんがかなり多くのセミナーが開催されており、ゲストスピーカーでテーマを決め打ちの場合はともかく、自社開催の場合も含めてこちら側でテーマを考える場合、どんなテーマで話せばいいのかいつも考え込んでしまいます。そこで今回考えたのは非日系企業、特に中国企業に焦点を当てて、彼らがどのような取り組みをしているのかを紹介するような内容にしました。一般的に日系企業は他の日系企業がどのような取り組みをしているのかについて興味を持つ傾向にあり、日系企業であるがゆえの情報の入りやすさもありますが、中国企業となるとそれほど知っていないのではないかということからこのようなテーマを取り上げました。そして、紹介した企業は格力(GREE)という空調の会社です。かなりの勢いで成長した企業でもあり、既に取引をしておられる方、あるいは興味を持つ方も多いのではないかと思いました。

 

%e6%8e%a8%e7%a7%bb

 

 最近ここのトップが集団公司のトップを解任された(集団公司の子会社に当たり上場している股份公司のトップの座は引き続き留任)ということで話題の董明珠さんという方がいますが、格力の取り組んできた歴史というのは彼女が取り組んできた歴史のようなもので、そのあたりを中心に紹介しました。また、同じ空調会社ということで、ダイキンとの比較を財務諸表ベースでも紹介し、特に売掛、在庫、買掛の比較を行ってみました。

 

 かなり以前に自社で非日系企業の取り組みというようなテーマでセミナーを開催したことがあるのですが、他をテーマにした時のセミナーと比べて集客がしんどかったこともあり、同様のテーマでお話をするのはそれ以来ということでしたが、関心を持っている人は多いのではないかと思っております。

 

 商工クラブ開催のセミナーには約10年ぶりに登壇しましたが、またこのような機会があればと思っております。

 

%e5%86%99%e7%9c%9f%ef%bc%91

虎は退治できてもハエは退治しきれん

 習近平による反腐敗取り締まり、大物の虎をどんどん退治してしまったせいか、ここ最近はあまり話題になっていないように思います。であればハエもどんどんたたいてほしいところだが、ハエは数が多いうえに生命力も強く、なかなか排除は難しいようです。

 

 先日とある美容サロンで店長さんにお話を伺ったときのこと。営業許可証は取得し、消防手続きも完了しているのですが、衛生許可がまだ下りていないとのこと。そういうこともあり今はテスト営業のような形でスタートしています。そこでぼやきがあったのですが、衛生許可を取るために役人にお金を払ったとのこと。周りに聞くと3000-4000元程度でよいと聞いていたようなのですが、店舗が入居している管理会社を通じて渡したようで、なんと8000元も渡したそうな。要するに管理会社の担当者が半分ピンハネしたわけですね。直接役人に渡しても良かったのですが、管理会社とはこれからも付き合っていかないといけないのでしょうがなくそのようにしたということです。

 

 この美容サロンは地場系なのですが、この手のお金は外資だけでなく地場の会社でも払わないと前に進まないのですね。もう役人にお金を渡して物事を片付けるような時代じゃないという人もいますし、上海レベルであればこのあたりきれいになってきていると思うのですが、まだまだ残っているようです。日本語でいうところの政府は中国でも政府といいますが、日本でいうところの役所を中国語で政府と表現することが多いです。役所と政府だと全然違うと思うのですが、このあたりが中国人の中ではごっちゃになっているように思います。中国人ほど役人に付け届けしないといけない意識が強すぎて、この悪臭から脱皮できないのかもしれないですね。

【TNC中国セミナー(東京・上海)】トランプ後の中国経済~日本企業としてどこまで中国市場にコミットすべきか~

 先日の米国大統領選挙を受けて、来年1月よりトランプ大統領が誕生します。日本に対する直接的な影響が気になるのはもちろんのこと、中国経済に対してどのような影響を与えるのか、そしてその影響が日本にどのように波及していくのか、非常に気になるところであります。

 

 また、日本において近年中国のネガティブな面に関する報道等が増えてきています。「中国経済急減速」、「爆買いバブル終了」、「不動産バブル崩壊懸念」、「過剰生産」、のきなみマイナスワードばかりです。このような報道を受けて、これからは中国以外の市場を志向すべきという声も上がっていますが、果たして世界最大のマーケットといえる中国という市場への挑戦を安易に放棄していいものでしょうか。 

 

 中国に拠点を持たない企業はメディア報道による影響が強いため、中国に対してネガティブに考えがちですが、中国に拠点を持つ企業の多くはそこまでネガティブに考えていない方も多くいます。今後も中国とのビジネスが続く限り、はたして中国が今後どのように変化していくのか、より多くの方面から考察したうえで方向性を定めていく必要があるといえるでしょう。

 

 今般のセミナーでは日中だけの関係に加えて、新大統領が誕生する米国が日中、特に日本企業に対してどのような影響を与えるのかについて、より多くの客観的データ、客観的事情をもとに検証し、日本企業が今後中国市場に対してどこまでコミットしていくべきかについて考察することで、皆様の中国戦略の参考にしていただきたいと思っております。

 

 ご多用とは存じますが、多数ご参加賜りますようご案内申し上げます。 

1

2

 

 

【お申込み】下記リンク先より参加申込書にご記入の上、開催3日前までにEメールにてお申込み下さい。セミナー代金振込先口座番号をお伝えいたします。なお、定員に到達次第締め切りとさせていただきます。

 

 TNC12月中国セミナー申込書

 

 

【お問合せ】Ms徐 TEL :(日本)050-5806-2111 (中国)021-6270-0022 

双十一イベントにおける天猫モールのカテゴリー別売上高ランキング

 今年の双十一はいろんなところで報道されておりますが、天猫モールで前年比プラス32%の1207億元(約1.8兆円)と1000億元の大台を軽く上回りました。

 

446089826386765575

 

 全体に関する情報はいろんなところで見られるので、ここではカテゴリー別ランキングを見てきましょう。

 

1.携帯電話

 アップルが1位、人気が落ち気味といわれている小米が2位につけています。サムスンはすっかり消えてしまいましたねえ。

%e6%90%ba%e5%b8%af%e9%9b%bb%e8%a9%b1

 

2.小物家電

 東芝の白物家電部門を買収した美的が1位です。日本ブランドが入っていません。ブランド力がなくなってきたのか、それともこのイベントに興味がなかったのか。この日にたくさん売れても儲かるとは限らないですからね。

 %e5%b0%8f%e7%89%a9%e5%ae%b6%e9%9b%bb

 

3.大物家電

 ハイアールが1位、2位に美的がつけています。ここにも日本ブランドはできておりません。しかし、楽視TVって何を売っているのかと思いきやおそらくテレビでしょう。テレビは「大家電」のカテゴリーに入るようです。

%e5%a4%a7%e7%89%a9%e5%ae%b6%e9%9b%bb

 

4.化粧品

 うーん、知らないブランドがランキングに入っています。SKⅡが5位に入ってますね。

%e5%8c%96%e7%b2%a7%e5%93%81

 

 

5.レディースアパレル

 ユニクロが1位です!レディースだけ切り分けることができるのですね。

%e3%83%ac%e3%83%87%e3%82%a3%e3%83%bc%e3%82%b9%e3%82%a2%e3%83%91%e3%83%ac%e3%83%ab

 

6.ホームテキスタイル(原文;家紡)

 南極人くらいしか知らないです。

%e3%83%9b%e3%83%bc%e3%83%a0%e3%83%86%e3%82%ad%e3%82%b9%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%83%ab

 

 特にほしいものがなかったので今年は何も買いませんでしたが、日が近づくにつれて盛り上がってきているのはウェブサイト上もそうですし報道でも感じていました。こういうランキングを見ると、皆な何を望んでいたりだとか、ランキング入りしているところがどんな取り組みをしているのかという研究材料になり、参考になりますね。

中国の女性アイドルグループ

 AKB48が2005年12月よりスタートし、もうじき満11年になりますがが、いまだに人気は衰えていません。「会いに行けるアイドル」をコンセプトに専用劇場で公演をスタートし、初回公演はなんと7名しか来場客がいなかったのが、その後大きくブレイクし、日本のみならず2011年にインドネシア・ジャカルタのJKT48、12年から中国・上海のSNH48、今後は台北、マニラ、バンコクにおいた新たなグループ発足も計画されています(ちょっと頓挫気味ですが)。中国では上海のSNH48の姉妹グループとして、北京市を拠点とするBEJ48、広東省・広州市を拠点とするGNZ48の結成が発表されたが、その後日本側と中国側で契約トラブルが発生し、今ではSNH48をはじめとする中国のグループと日本側は何ら関係がなくなってしまっているようですね。

 

 中国の芸能界において女性グループといえば女子十二楽坊を思い出す人がいるでしょう。ところが女子十二楽坊の人気もそれほど長続きせず、またそれ以降ブレイクしたといえる女性グループは現れていないように思います。それでもSNHは比較的成功している部類に属し、SNHがAKBのコンセプトを活用したのと同じく、このコンセプトを活用した別グループもいくつか現れるようになってきています。そのうちの一つで以前紹介した上海、北京及び成都を拠点に活動している蜜蜂少女隊ことLady Beesというグループがいます。

 

1

3

 

 Lady Beesは中国のテレビ局が韓国のエンタメ企業と一緒に制作したリアリティショーを勝ち抜いたメンバーで組成され、その後順次訓練生という名目で上海、北京、成都チームにまで拡大しました。AKBと同じく専用劇場を持ち、週末ごとに各拠点にある専用劇場でライブイベントを開催しています。上海会場を見る限り残念ながら今のところ客席はまばらですが、メンバーを見るファンの表情は日本と同じく、まさに「会いに来た人たち」の姿です。韓国企業がプロデュースに関与しているが、世界観としては日本の今のアイドルに近いように思います。

 

2

 

 90年代後半に小室哲哉氏が東アジア圏での音楽事業を展開しましたが、ほどなくして撤退し、中国の音楽ビジネスって難しいんだなあと感じさせられた。当時は海賊版が蔓延し、版権意識も今よりもずっと薄く、ビジネスの難易度もかなり高かったことかと思います。それがいまや日本のコンセプトを取り入れる女性グループが現れ、時代も様変わりですね。中国のエンターテイメント業界ではハリウッドの映画制作会社を買収したり、実際に中国俳優がハリウッド映画に出演したりするようになり、一定のプレゼンスを発揮するようになってきており、近頃では中国大陸発の若手歌手・グループも徐々ではあるが頭角を現すようになってきているようです。女性グループについては日本を含む海外テイストで味付けしたグループで売り出そうとしているように思います。ということは、今後エンタメ分野で日本企業がより関与できることもあるかもしれないですね。

中国各地の家庭料理をシェアリング

 ウーバーが退場させられた中国のタクシーアプリ業界、ことインターネットを活用したビジネスについて中国は世界の最先端を走っているといえます。アイさん(家事手伝い)派遣、引っ越しサポート、家電修理、美容師(ネイル、まつ毛エクステ、脱毛、エステ等)派遣、自動車メンテナンス、パーティー用のシェフ派遣といったサービスが一体となったアプリが存在しており、数多くのプロフェッショナルがこれに登録しサービスを提供しています。そして最近では非プロフェッショナルが自宅に居ながらにして副業として稼ぐことのできるプラットフォームが現れるようになりました。「回家吃饭」(家に帰ってご飯を食べよう)という名のアプリです。

 

huijiachifan

 

 サービスを提供する側として登録している人は料理が得意な一般人、そしてその人たちが調理する料理をアプリを通じて注文し届けてもらうというものです。届けてもらえるおおよその時間をあらかじめ表示してもらえるので時間管理も組みやすくなっています(早めに出来上がったりもしますが)。上海のような大都市であれば上海人以外にも中国各地から集まってきた人々が多くおり、中国の地方料理である広東料理、四川料理、西北料理はもちろんのこと、料理好きの調理する東南アジア料理や、西洋料理も楽しめます。プロが調理する料理ももちろんいいのですが、家庭料理を楽しみたい人にはうってつけではないでしょうか。登録している調理人の累計注文数や、ユーザーからの評価及びそのコメントも表示されていますので、この指標が悪ければ自然と淘汰されてしまうので、料理好きな人たちを一つのプラットフォームで共有することから、これもシェアリングエコノミーの一種といえますね。

 

 このサービスは2014年10月からスタートし、現在は北京、上海、広州、深圳、杭州の5都市で展開されており、登録ユーザー数は数百万人に上ります。もともとアリババ、ウーバー、京東商城(JD)、テンセント、バイドゥといったネット系企業に勤めていたメンバーにより創業され、数多くの投資会社よりの投資も受けています。

 

 一般の飲食店を開業する場合、日本の飲食店営業許可に相当する手続き、具体的には衛生許可を取得する必要がありますが、これだと店舗を構える必要もないので、そもそもそんな手続きすら必要なくなります。手軽にできるのですが、行政が関与しないため、問題が発生した場合にどこまでケアされるかという不安があります。ところが、保険会社の統計によりますとこのプラットフォームで問題が生じる割合は一般の飲食店の15分の1ほどしかなく、また仮に問題が発生した場合でも保険会社より30万元を上限とした保険が付保されています。そもそも調理師として登録するにあたり調理場所の審査や本人確認も行われており、不定期の現地パトロールも行っていますので、できるだけのリスクヘッジはしているといえるでしょう。しかし、これはあくまでプラットフォーム側の言うことであり、実際にどこまで厳格に行われているかという疑念は残ります。

 

 これと同じことを日本で展開しようとすると、個人レベルではともかく正式なビジネスとしてだとおそらく保健所の許可が必要になってくること、あるいはあまりに目立ってしまった場合、出る杭は打たれるようなことも出てきそうに思います。中国でも衛星許可を取得する必要があるといった考え方は同じなのですが、そのルールを飛び越えて先にビジネスモデルが出来上がってしまっています。すでにスタートしてから2年以上経過していることから軌道に乗ってきているといえ、大きな問題さえ起こさなければこのまま定着していきそうですね。許認可や事故を気にしているとできないことも多いかもしれませんが、そのリスクを取って新たなビジネスモデルを考える。いやはや中国人のビジネスに対する意欲は旺盛ですな。

中国の美容マーケット ~ネイルサロン~

 今日は中国のネイルサロンマーケットについて紹介します。

 中国でネイルアートのことを美甲といいます。そして「美甲幇」というところが発表した『美甲行業報告』によりますと、2015年の中国のネイルマーケットの市場規模は760億元あるといわれており、これは最近急激に伸びてきている映画市場よりもずっと大きいといわれています。

 

%e5%b8%82%e5%a0%b4%e8%a6%8f%e6%a8%a1

 

 この勢いで増えれば来年2017年には1000億元をゆうに突破することが予想されています。ネイルのような美容はやはり経済的に余裕のある人のものだと思うのですが、都市等級レベルが上がる穂と店舗数は多くなっており、2015年末時点で、中国には約30万店舗のネイルサロンがあり、北京、上海、広州がトップ3で、これら各都市はそれぞれ6000店舗ほどあるといわれています。深圳まで入れた四つの一線都市の店舗数比率は8.4%ながら、都市等級が下の都市をあわせた店舗数は都市数量が違うこともあり、単純な都市等級別店舗数で見た場合都市等級が下でも店舗数はかなり多く、ご覧の通りの分布となっています。

 

%e9%83%bd%e5%b8%82%e5%88%a5

 

 この業界は雇用も多く生んでおり、関連業界従事者が200万人、そしてなんとこのうち男性が64万人もいるといわれています。私はもちろん自分自身でネイルしてもらったことがないので、まさかこんなに男性がいるとは思ってもいませんでした。

 

%e7%94%b7%e5%a5%b3%e6%af%94%e7%8e%87

 

 上海で実際によくネイルサロンに行く人に聞くと男性はそこまで多くなくせいぜい1割くらいの印象なので、ひょっとすると他の都市で男性比率が高いのか、あるいはネイリスト以外の人も含めた業界全体の中での割合なのではないかと思われます。

 

 学歴別の統計が出ておりまして、約7割が高卒以下とのこと。

 

%e5%ad%a6%e6%ad%b4%e5%88%a5

 

 それに対して、ネイルサロンにくるお客さんは高卒以下はわずか5.4%に過ぎず、ないという結果が出ております。サービス提供者と顧客が完全に反対になっている形です。一般的に考えて、学歴が高いほど収入も高くなるでしょうから、そう考えると、低賃金の従業員を使って大金持ちとまで言わないまでも小金持ちあたりからお金を稼ぐビジネスモデルになっているとも言えます。最近では価格も下がってきており、小金持ちまで行かない人でもネイルサロンに行くようになってきています。賃金の低い工場労働者を使ってモノづくりをして、出来上がった製品を売ってせっせと稼ぐモノづくり工場モデルがそのままネイルサロンという形に移行したような感じですね。

 

 実際に上海の街を歩いてみると確かにいたるところにネイルサロンがあります。

 

 3

2

1

 

 価格は使っている材料やネイリストの技量にもより高いところもあれば安いところもありますが、結構いい値段します。ちなみにネットで予約できる58同城というサイトがあります。

 

 4

 

 そこを見てみますと100元(約1500円)以下の価格帯はなく、一番高いところで246元(約3800円)となっており、路面店だとこれよりもずっと高いところもあり、デザインにもよりますと日系だと500元(約7700円)以上のところもあります。一方で100元以下の店舗もたくさんあり、結構ばらつきがあるといえます。感覚的なものではありますが、日系だと100元以下のような有象無象のところと競争しないほうがいいでしょう。

 

 中国における日系の美容ビジネスはヘアサロンから始まったと思うのですが、そのあとエステも広がり、いまやネイルサロンにまで広がってきており、さらにまつ毛エクステにまで広がってきており、さらに脱毛も見られるようになってきております。まつ毛エクステと脱毛だと銀座カラーというところがすでに進出しております。初期の段階で進出した日系のヘアサロンは日本人向けに多くやっていた印象があり、こじんまり続ける分にはこれでもいいと思いますが、いまとなっては消費力を付けた中国人消費者も多くおり、今後は日本人よりもむしろ中国人消費者をいかに取り込んでいくかが業容拡大できるか否かのポイントといえますね。まだまだ個人レベルで営業している人も多いですが、企業レベルでの進出も見られており、マーケットを押さえたいのであればそろそろ入っておかないといけない時期なのではないかと思いますね。