呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

中国系の銀行にとっては国のルールも何のその

 うちのお客さんで会社名や経営範囲を変更した会社がありまして、そのお手続きをお手伝いしている一連の流れの中の出来事です。会社名が変わるので、印鑑も変わらないといけないのですが、日本と違って中国では印鑑作成は公安の許可をもらって、その許可証に基づいて印鑑作成の資格を持つ業者が作成します。会社名や経営範囲変更に伴う営業許可証の変更手続きも完了し、公安で印鑑作成の許可証をもらう手続きのことです。この許可証をもらう手続き自体はその場で完結するのですが、公安では印鑑変更にあたり同じ種類の印鑑が同時に二種類存在してはならないという考え方があり、印鑑作成許可証を発行するにあたり今ある印鑑の廃棄処分を行います。簡単に言うと、目の前で印鑑の文字面をハサミでぐちゃぐちゃにしたのであります。これを経て晴れた印鑑作成許可を発行してもらえるのですが、ちょっとややこしいことが起こりました。なんでも、中国系の銀行で使用する財務印というもの(いわゆる銀行員)の変更手続きを行う際に、旧印鑑と新印鑑が同時に必要だというのです。公安は先ほどの説明の通りで旧印鑑を廃棄処分にしない限り、新印鑑の発行許可は出せないというスタンス。とりあえず、財務印以外のほかの印鑑を優先して印鑑作成許可を発行してもらい、ほどなく印鑑作成業者より印鑑が届きました。

 

 さて、悩ましいのは銀行です。こっちでもいろいろと調べたのですが、公安の言っていることが正しいことがわかる根拠規定を見つけました。国家規定と上海市の地方規定ともにありましたので、ダブルでお墨付けをもらっているといえるのですが、銀行にとってはそんなことはお構いなし。国とか上海市の規定なんてどうでもいい、銀行のルール最優先だと譲らない。まるで北京の役人みたいなスタンス。どうしても公安の言う通り進めたいのなら旧印鑑を廃止して新たに作成した印鑑に対して公証手続きをしろといってきました。なんか論理が飛びすぎている。許可証なしで作成した印鑑は何も言わずに受け入れて、公安が発行する許可書に基づいて、印鑑作成の資格を持つ業者が作成する印鑑に対して公証手続きを要求するとは。逆じゃないかね?そもそも今使っている印鑑に対してそこまでやっているかどうかもわからん。

 

 あまりに訳の分からない考え方をしてくるので、銀行勤務時代の以前の同僚に確認したところ、「新印鑑があるだけではダメ」といわれてしまいました。同じ考え方かよ。。。ただし、もう一つの方法としては、印鑑作成許可書と新印鑑がセットであれば変更手続きは可能とのこと。これはわかる。すごくわかる。というか、こうあるべきでしょう。

 

 結局、中国系銀行はまったく聞く耳を持たず(そもそも電話口でも人の話を全く聞こうとしない)、しょうがないので印鑑作成許可なしで印鑑作成する業者を紹介してもらい、そこで印鑑作成をすることにしました。うちに出入りしている印鑑作成業者は許可書なしで作成するわけにはいかないというスタンス、個人的にも紹介してもらったその印鑑作成業者もよくやるなあと思うのですが、実際には銀行でしか使うことのない印鑑なので、また事務面でもそうしないとまわらないので、今回はこれで落ち着かせることにしました。しかし根拠規定もあるのによくここまで銀行独自のルールを押し付けるよな。印鑑作成許可に基づかない印鑑でいいのならその辺の印鑑屋で作ったものでも大丈夫ということですよね。いかにも中国らしい、久しぶりの疲れるやり取りをしましたわ。

中国トップ500企業のうち消費小売り系は50社

 フォーチュンチャイナが中国企業トップ500を発表しました。そしてこのトップ500の中に消費小売カテゴリーに属する企業が50社ランクインしています。

 

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 この50社の中で利益がマイナスとなっているのが5社あります。京東商城(▲38.07億元)、中興通訊(▲23.57億元)、蒙牛(▲7.51億元)、聯華超市(▲4.5億元)、華聯綜超(▲2.6億元)といった銘柄になります。

 

 京東商城は米国会計基準を適用していなければ純利益10億元だそうです。中興通訊(ZTE)はアメリカから貿易制裁により8.92億米ドルの罰金を支払ったことによる赤字、、蒙牛は買収した先の業績に足を引っ張られたことによる赤字、聯華超市は売上減少や閉店によるもの、華聯綜超は高級スーパーの業績が振るわなかったことによります。スーパーの業績が落ち込むって、ひょっとしてかつての日本と同じような現象?いまのところ家電量販の順位はそれほど変わっていないようですが、これもそのうちスーパーと同じように落ち込んでいくのでしょうか?今後すべてが日本がたどったのと同じような道を行ってしまうのであれば、スーパー、百貨店、家電量販も今後厳しくなっていくのか。京東商城が1位だったり、アリババが去年よりも順位を上げてきている(62→49位)ように、ネット系が今後も伸び続けていくのか。日本がたどってきた道とネット企業の動きというのは中国の今後を予想するうえでもかなり参考になるかと思います。

トレーニングしている人のなんと98%が家庭月収1万元超

 ジョギングする人、ジムに通う人。健康に目覚めた人が多くなってきています。体を鍛えている人のうち、63%が男性、37%が女性です。男性は自発的に始める人が多く、女性は他の人から勧められたり、トレーナーが男前だったりといった理由で始める人が多いようです。

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 体を鍛える場所としては、スポーツジムが37.2%を占めています。

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 体を鍛えている人の年齢は30歳以下が6割を超えており、40歳以下までが85%を占めています。そしてタイトルにある収入ですが、家庭月収1万元以下はわずか2%、4万元~8万元が18%、そして8万元以上が15%もいます。これは中国語の「健身」を行っている人のことなので、あくまで体を鍛えている人全体についてですが、普通に考えて自宅周辺をジョギングするよりもスポーツジムに通うほうがお金がかかるはずなので、そう考えるとジムに通っている人がより高所得であるといえるでしょう。私もスポーツジムに通っており、年間会員の会費も決して安くなく、結構裕福な人が集まっているのでしょう。

 

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 体を鍛えている人はその成果を見せびらかせたい傾向にあるようです。SNSでアップしない人の比率が全体で20%弱、つまり圧倒的多数の人がアップしています。そういう私もアップしたことありますね。

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 さて、体を鍛える頻度を見ていきましょう。ここでは健身会員、つまりスポーツジム会員についてですが、2-3日に一回、言い換えると週に2-3回の人が一番多くなっています。働きながらだと週に2-3回は結構なペースですね。通っているスポーツジムはWeChatでグループを作成し、時々練習模様を見ることができるのですが、確かにかなりの頻度で来ている会員がいることが分かります。なんでこんなに頻繁に来れるのかなあと思ってましたが、そういう人は結構いるようですね。

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さて、体を鍛えることに対してどれだけのお金を使っているのかですが、男性が1.13万元、女性が1.28万元、だいたい月間1000元くらい使っているということになります。

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 その内訳ですが、水色がトレーナー費用、オレンジがフィットネス用品費用、赤がサプリメント等の費用です。一番右はいわゆる富裕層なのですが、めちゃめちゃ使ってますねえ!上の表の数値と下の表の一番左(一般的な人)の数値が近い水準にありますので、富裕層やスポーツ愛好者のが統計に占める比率はかなり低そうです。統計数値を見る場合、ほとんどが一般的な人で、一部健康オタクと富裕層が混じっていると考えるべきでしょう。

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 さて、スポーツジム、果たして儲かるのでしょうか。会費収入だけで考えますと仮に月間会費が1万円として、会員数が100人とすると月商100万円、そこから賃料、光熱費、トレーナーを含む人件費を差し引くと間違いなく赤字。ということは、会員数は100人どころか少なくともその倍以上はいないと成り立たないように思います。下の表を見ると会費収入は65%、パーソナルトレーニングが30%なので、会費収入をベースとしていかにパーソナルトレーニングを積み上げていくかが大事になってきますね。ちなみに私が今通っているところのパーソナルトレーン具の費用はトレーナーにもよりますが一回1時間当たり400-600元程度です。

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 上の表は収入ですが、コストを見ていきましょう。賃料が20-35%、人件費・償却費用等が47-62%、そして販売管理費用が18%となっています。実際に中国で事務を経営しようとするのであればこれが一応の収支のイメージなるでしょう。

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 さて、最後にフィットネス産業の市場規模を見てみましょう。伸び幅も伸び率も落ち着きつつありますが、着実に伸ばしてきております。

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 健康に対する関心は間違いなく高くなってきています。一般的スポーツジムとして参入するにはちょっと成熟気味の市場ということもあり、最近では日本でいうライザップのような美しい体づくりを目指すジムや、格闘技クラスを中心にしたジムのように、真正面からではなくちょっと変化球を加えるような形での参入も見られるようになってきています。ビジネス目線で見ると他都市の状況は知りませんが、上海においてはスポーツジムとしての参入はちょっと飽和気味な感じもしますので、用品で攻めていくほうがいいかもしれませんね。

日系企業の物流版Uberに対する反応、これいかに。

 日本で最近よく見る中国ビジネス関係の報道といえばシェアリング自転車や電子決済についてが多いですが、今日は同じシェアリングでもトラックについて書いてみます。

 

 日本でハコベルというサービスがあります。http://www.isono-body.co.jp/blog-technology-16091/の記事の中にもあるように、「運送会社の非稼働時間の情報を共有し、その時間を利用して配送する」というサービスで、まさに物流版Uberなのです。こういうサービスだと中国でもやってそうだと思うのですが、実はこのような会社はすでにありまして、私自身も1年半ほど前にいろいろとやり取りしたことがあります。

 

 物を運ぶサービスなので、物を運んでほしいという人が顧客になり、そうした顧客とトラック運転手とのマッチングを仲介する会社です。一般企業だけではなくて物流会社でも業務がたくさんあると自社だけでは消化できず、外注することがありますが、外注先であるトラック運転手をこの会社のプラットフォームを通じてマッチングすることができます。トラック運転手を探す作業はそれほど簡単ではなく、またトラック運転手は個人事業主が多く、発票の発行もすんなりいかないケースも多いようなのですが、この会社を通じることでそのあたりもすべて解決してくれるので、依頼主としてはかなり助かるサービスだと思います。私が知り合った当時の時点ですでに日系の物流会社ともお付き合いがあり、その他の大手どころとしては家電量販大手の蘇寧あたりとも結構なボリュームのお付き合いをしておりました。そしてこの会社から日系企業の貨物を扱いたいので、日系の物流会社とビジネスがしたいという相談を受け、日系の物流会社を紹介したことがあります。こちらとしてはサービス内容も面白いので、結構いい反応が得られるのではないかと思っていました。

 

 一社目については対応してくれた方の反応決して悪くはなかったのですが、この会社にはトラックがない(マッチングする会社なので当たり前ですが)というのが会社として付き合う先としてちょっとネックになるなあというものでした。でもサービスについては非常の理解をしていただたようで、対応してくれた方は実際に相手の会社まで訪問しています。結果としてまとまりはしなかったのですが、誠実に対応していただいたと思います。

 

 もう一社の反応は非常に辛辣で、「トラックも持ってないくせに」というような反応でした。会社の性質が理解できればトラックがないことがそれほど重要とは思えないのですが、とにかくトラックがないことが完全ダメダメという反応でした。その会社自体もトラックをそれほど持っていないようなのですが、トラックを保有していることが最優先という反応でした。

 

 そしてもう一つはこれは反応が非常に良く、一度オフィスまで見学に行かせてくださいというような言葉までいただき、最も反応が良かったのですが、なんとこれは200%社交辞令だったようです。その後時間のすり合わせの返事をしてほしいとなんど催促しても一向に返事が来ません。一度としてきませんでした。向こうからすると社交辞令であることくらいわかってくれよということなのかもしれないですが、お互いの時間をすり合わせてオフィスを訪問させてくださいとまで言っておきながらさすがにこれはないかと。

 

 要するに、トラックのシェアリングサービス、全くウケなかったのです。消費者としてUber、中国だと滴滴を当たり前のように使っていますが、トラックになるとなんかダメ見たいです。トラックを持つことってそんなに大事なのかね?今となっては日本でも同じようなサービスも存在していますし、うまく使いこなせばどんどん業務を拡大できると思うんですけどねえ。ちなみに船でも同じようなサービスがあります。やはり発想が柔軟ですね。これだけシェアリングエコノミーだと連日のようにメディアに登場するようになってきているので、上にあげた日系企業も今は少しは考え方が変わってるのかな?

意外に低い中国の掃除機普及率

 戦後日本の新時代の生活必需品として白黒テレビ・洗濯機・冷蔵庫の家電の3品目が『三種の神器』と呼ばれておりました。テレビ放送が始まる前は白黒テレビの代わりに電気釜(炊飯器)、あるいは掃除機が代わりに入っていたこともありました。さて、中国はどうでしょうか。2012年までのちょっと古いデータですが、耐久消費財の普及状況の推移を示すグラフがあります。

 

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(出所:社会実需データ図録)

 

 2017年現在はいずれの数値も上がっていると思いますが、この中に掃除機がありません。現時点における中国の掃除機の普及率はなんとわずか11%程度、かなり意外です。年間販売台数は780万台、日本は2015年で800万台強で、人口が10分の1程度にもかかわらず中国よりも多く売れています。日本のほとんどの家庭で掃除機が普及していると考えると、なるほど中国においては普及率が11%程度となるわけです。

 

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(掃除機の販売台数 / GfK Japan調べ)

 

 では、なぜ中国で掃除機がいまいち普及しないのでしょうか。アンケート調査によると。掃除機を買わない理由として、掃除機の掃除能力を理解していないが41.62%、掃除機のコードが煩わしいが36.04%、そして価格が高いが31.98%という結果であります。中国では安い掃除機は100元程度でも売っているので、実情を知る以前に高いという固定観念が強く印象付けられているのかもしれません。家の中でも靴を履いて生活している人がまだまだ多くて、掃除機を使う生活スタイルでない人が多いのかもしれませんね。

 

 普及率が低いからあきらめるという人もいるかもしれませんが、逆にこれからの伸びしろが大きいと考えることもできます。吸引力が強いことでおなじみのダイソンも通語句での展開を行っており、国産ブランドももちろん出てきています。まだまだこれから市場を作っていく段階にあるといえますが、今後を考えると結構面白そうな市場ですね。ところが、タオパオで掃除機を検索してみたところ日本ブランドで名前がぱっと出たのはパナソニックだけ。伸びしろはありそうな市場ですが、今の日本企業にとっては消費者向け家電というのは目指す方向性が違う商品なのかもしれないですね。

中国各地の小売業の職種別平均給与

 採用というのは難しい。面接で相手のすべてを理解するのはほぼ不可能だと思っていて、実際に働き始めてからでないと本当の姿はなかなか見ることができないと思っています。面接のときの受け答えがしっかりしていても、いざ働き始めると期待外れなことがありますし、その逆のタイプの人がいたとしても、そういう人の場合面接の段階で弾き飛ばされ、本当の姿を知ることができません。いろんな人と話しましたが、結局のところ面接ですべて見通すのはやはり難しいなあと同じような考え方を持つ人も結構います。企業規模が大きいところはたくさんの人数を抱えることができるので、レベルに差があったとしてもうまく中和させることができるでしょうが、うちくらいの規模だとそういうわけにもいきません。

 

 先日も知り合い経由で紹介していただいた方と面接をして、こちらとしてはいいなあと思って採用したいと返事をしたのですが、仕事内容と条件が合わないということでお断りされました。こちらの考えと相手の考えがマッチしなかったということですね。過去には先方のほうがこちらを気に入り、逆にこちらのほうが気に入らなかったケースがありましたが、今回は逆でした。仕事内容を理由にするのは断り文句としてはありきたりな言葉でしょうが、条件、要するにこちらの提示した待遇が今一つだったのかもしれません。本当のところどのように思っているかはわかりませんが、条件面の要因も大きかったのかなあと。小売業に従事している人でしたが、中国各地の小売業の職種別の平均給与はこちらです。

 

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こちらとしてはこの表にある水準から鑑みた水準を提示したと思いつつ、一方で条件面についてはちょっとした事情があってあまり思い切った条件を提示できなかったのですが、さはさりながら、うちとしてももうちょっと思い切ってもよかったなあと思っています。思い切りの良さって必要ですね。今回は残念でしたが、ぼちぼち探していきます。冒頭に面接で相手の全てを理解するのはほぼ不可能と思っていると書いたばかりですが、じっくりと見極めながら探してきます。あせって探すよりかはましでしょうからね。

中国宅配便満足度のトップ3は順豊、郵政EMS、中通

 最近日本では宅急便の人手不足が話題になっていますが、中国でもネット販売市場が急速に成長していることもあり、配送員不足が話題になったこともあります。ここでは宅配便に関するいろんな数値データを見ていきます。

 

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 左上は郵政業務に占める宅配便業務の比率です。年々増加しており、昨年は73.9%に達しています。個人的にも一般郵便はほとんど使わなくなってしまいました。

 

 右上ですが、宅配便の単価の推移です。ずっと下げ基調にあります。業務量の増大とともに効率化に伴う値下げ余力と競争の激化によるものと思います。

 

 左下は一日平均業務量と一日最高業務量です。昨年で言えば毎日平均で9000万件、最高で2.5億件もあるということですね。

 

 そして右下は2014-2016年の月別平均業務量です。11月は双十一があるので最も多いというのはわかります。2016年11月だとグラフを見る感じでは37億件くらいでしょうか。12月もそこそこありますね。

 

 宅配会社の満足度ランキングでは順豊、郵政EMS、中通がトップ3となっており、宅配便に関する全国ン満足ポイントは74.7点で前年比0.7ポイント増加しています。

 

 最後にクレーム率を見ていきましょう。クレームの多い順で如風達、国通、宅急送となっています。物がなくなってしまうというクレームが結構高い数値で出ていますが、個人的にもその経験はあります。クレームの少ないのは下にある蘇寧、京東です。京東からは購入したことがありますが、確かに悪くないですね。また、多くの企業でクレームもかなり減ってきていることが分かります。今の感じだと今後も業務量が増えつつ、各社のレベルも上がってクレーム率も下がっていくことでしょう。

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韓国から中国へのフライトは要注意?

 昨日知り合いのプロレスファンの香港人と話していた時に教えてもらった話です。台湾から上海浦東へのフライトが5時間ほど遅延し、たまたま韓国からの到着便と時間帯が重なってしまったとのこと。今の中国と韓国の関係を反映したのかどうかわかりませんが、荷物引き取り後の荷物チェックがかなりうるさかったようです。韓国からやってきた人だとわかると、その人を捕まえて、こんな会話があったようです。

 

税関職員   「キャリーバックはいくつですか?」

 

韓国帰りの人 「2つです」

 

税関職員   「中には何が入ってますか?全部言ってください。」

 

韓国帰りの人 「AとBとCとDが入ってます。」

 

税関職員   (実際にキャリーバッグを開けて)「おやおや、Eがはいってるじゃない。これさっき言ってなかったですよね?ほかにも漏れてないか詳しく調べますね」

 

などというやり取りが行われた人がたくさんおり、聞かれた韓国帰りの人もムーディー勝山のように話を聞き流すわけにはいかず、最後にX線を通すところで大渋滞。

 

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    しかも到着したのは深夜。韓国便でもコミュニケーションがとりづらいせいなのか韓国人は別にいいみたいなのですが、韓国帰りの中国人が狙い撃ちされたようです。なかには確かに韓国に代理購入という形で韓国製品を仕入れに行く人もおり、そういう人を取り締まるというのはわからなくもないですが、たいしてたくさんの荷物を持っていない人もやられていたようです。韓国便は要注意ですね。しかし、国家間の関係が悪化して中国内の韓国の小売店がひどい目に遭っていることについて紹介したことがありますが、こんなところにまで影響してくるとは。日中間でも関係がおかしくなってくると同じようなことになってしまうのでしょうか。数週間前に東京から上海虹橋への便でも同じように全員がX線を通させれられていましたが、このような検査が常時行われているのではなく、たまたま行われていたのだけということであればいいのですが。

中国の屋外音楽フェスティバルは85%が赤字運営

 

 最近中国で音楽フェスティバルの開催が増加しています。

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 2015年が大きく減少していますが、これは2014年末の上海でのカウントダウンイベントで将棋倒しにより死傷者が発生したことにより翌年のイベント数が減少してしまったことによります。2016年には再び増加に転じ、200余りが開催されています。これだけイベント数が増えているのですが、多くの音楽フェスティバルの収支は赤字で、主催者の管理運営とも十分なレベルに達してないといわれています。

 

 まず、収入面で言えば、チケット収入がそもそも足りないという問題があります。もちろんチケット収入以外に、スポンサー収入があり、グッズの販売もありなのですが、グッズ収入は総収入の5-10%程度のため、チケット収入に負うところが非常に高いです。コストも決して安くなく、2012年に成都で開催された大愛音楽節というイベントは6000万元のコストをかけたにもかかわらず、チケット収入はわずか300万元という惨憺たる結果に終わっています。こんな状況なので、来場者数が減ることを恐れてチケット代金を引き上げることもできない状況にあります。来場者も学生や若手社会人が多く、要するに可処分所得が少ない人が多いため、価格をある程度低く設定せざるを得ない状況にあるようです。それと、ダフ屋の影響もあります。よほどの人気イベントであればいざ知らず、そうでなければダフ屋は安くチケットを売る、それを知る来場者は安くでチケットを買う、正規の金額で買う人は極めて少ない、ということになってしまいます。

 

 また、利益を上げることが第一の目標となっていないこともあって、収支がこんな状況でもイベント数だけは増えていってます。現在中国の音楽フェスティバルは①都市、②商品、③専門家、これら3つと連動したものが主体となっています。①は都市のアピール、②は商品のアピール、③はレコード会社やイベント会社による開催、ということです。①、②はその性質上イベントそのものの収支は第一の目標となっていません。③については、回数をこなしているうちに利益の出るイベントに成長していきますが、道のりは決して短くはありません。ということは、音楽フェスティバルの開催数はこれからまだまだ増えていくんでしょう。しかし、チケット収入以外のグッズ収入はもっと増やさないとだめですな。しかしこれがまた難しいと思います。音楽フェスティバルではなくてコンサートなのですが、これがすごいのよ。以前台湾歌手蔡依玲のコンサートに行ったことがあるのですが、まず会場にグッズ売り場が見当たらなかった(有ったかもしれないけれど)。そして、コンサートが終わった後の帰り道で、コンサートの関連グッズのみならず、その日のコンサートの様子を撮影した写真を大きく引き伸ばしたものが売られていたりするのです。いつの間に!そりゃあグッズが売れないわけです。これが放置される限り、グッズ収入の売り上げも上がらないでしょうし、スポンサー収入を飛躍的に増やさないと、結局いつまでたってもチケット収入こそがすべてのような収支構造から抜け出せないでしょうね。それでもまだまだ屋外音楽フェスティバルは増えていくとみられています。都市なら都市、商品なら商品で、派生的に効果が出ていればいいのですが、いつまでこの状況が続いていくでしょうか。

上海で不動産賃貸価格が90か月ぶりに下落

 不動産価格があまりにも上がりすぎるもので、政府として対策を出したところ市場に流通する物件が減少、価格が安定するようになり、特に一線都市においては賃貸価格も下がり始めたようです。上海では連続して90ヶ月上昇してきた賃貸価格が、今年の1月から下落し始めたとのこと。売却から賃貸に回そうとする物件が増えてきたのがその要因のようです。上海市楊浦区の例で見ると、一部屋物件が3500元/月から3200元/月程度に下落、二部屋物件が6000元/月から5300-5500元/月に下落、三部屋物件が8500元/月から7500-7800元/月に下落しています。そしてこのような状況は上海だけではなく、北京、広州、深圳を含む四大一線都市すべてで見られている現象です。賃料も高騰していたので、正しい姿に戻ろうとしているともいえるでしょう。現地報道によると「3つの要因」によるとされており、①昨年下半期より不動産市場の上昇に対する措置が講じられ、売却から賃貸に回す物件が増えてきたこと、これは既述の通りです。②仲介市場の管理を厳格に行うことにより、賃料の中に含まれる上振れ分(要するに仲介業者が持っていく分ということでしょう)を削ることができるようになったため。③中低所得者向け賃貸住宅の増加。なるほど。しかし、一線都市の賃貸利回りが1.5%程度といわれており(いま私が住んでいるところも1%台)、北京ではそれを下回っているようです。このような賃貸料下落がさらにその他の都市にも広がっていくのではないかという見方があります。

 

 このような賃貸価格下落は一般の物件だけで、駐在員が居住するような高級物件とあまり関係ないかと思いきや、4月以降高額物件の賃貸価格が下落しているという話を聞きました。その方によると外国人就業許可手続きが煩雑になってきた、あるいは要件が厳しくなってきたことが関係しているかもしれないとのこと。駐在員であれば就業許可の手続きなんてたいてい問題なさそうだと思っていましたが、中にはなかなか前に進まないケースも見られます。確かに関係あるかもしれませんね。