呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

不動産相場下落 ~ 狼少年

 なんか最近都市部の不動産価格が下落しているというニュースをやたらと見ます。買ったばかりのマンションがいきなり値段が下がったので、その差額を補填しろというような動きもあるようです。かわいそうかとは思いますが、自己責任なのでしょうがないでしょう。で、こういう状況なので中国のバブルももう終わりかなんていう人がいますが、果たしてどうでしょうか。私は2002年11月に上海にやってきたのですが、そのときから今日までの間不動産の動きがやばいというのは何回もありました。そしてその度に私もやばいのではないかと思いましたが、気がつくといつの間にか忘れられていて、また相場がじりじりと上げて行ったように思います。そういう経験もあり、ここ最近の不動産価格下落もそのうち忘れられるのではないかと思ったりします。なんか変な安心感を感じたりします。ニュースを見ていると市民もそれほど相場が下がることを心配していない人もいるようですし、住宅ローン金利が上がったといっても毎月の返済が100元程度しか増えないのでどうってことないと答えている人もいます。住宅家賃相場も結構強気ですし、オフィス賃料相場も結構強気です。不動産価格下落といわれても賃料相場はそうなっていません。また盛り返すんでしょうねえ。なんか、「そういえばこの間も不動産相場がやばいと言っていたなあ」って気がついたら言ってそうな気もします。もう狼少年の世界ですね。

地域密着型スーパーの秘訣

 超市発というスーパーがあります。北京を基盤とする食品や家庭用品等を販売するスーパーで、直営店が74店舗、全店舗の面積が16万㎡、従業員が7000人という規模です。

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 2000年の時点での売り上げは12億元だったのが2010年には32億元に達し、今年は39億元を目標としています。そして、最近では北京中心だったのが、河北省の張家口、宣化、承徳等にまで展開を広げています。現在の同社を作り上げたのは現総裁の李燕川氏の功績によるものですが、ここにいいたるまでのポイントについて見ていきましょう。

 

 

1.立地選択

 小売業にとって立地は非常に重要な要素を占めます。同社が打ち出したコンセプトは社区のコンビニでした。社区とは、「固定の地理区域範囲内の社会メンバーが居住環境を主体として、社会機能を行使し、社会規範物を創造し、行政村と同一等級の行政区域」[1]のことをいいます。要するに対象とするエリアは決して大きすぎず、決して遠すぎず、そして密度がほどほどであるということです。店舗開設に当たってはまず店舗開設候補地に既にあるスーパーの現状を研究し、それによって得られた結果に基づいて自社の店舗をどの程度大きさにするのか、商品を他の店舗とどのように差別化するのか等を決定します。

大型である必要はまったく考えておらず、駐車場すら必要としていません。なぜならば自社のポジショニングは自動車で買い物に来る人ではなく、5-10分の距離を歩いてくる人たちだからです。

 また、既に飽和しているようなエリアには進出しません。むしろ消費水準が劣る地域に進出するケースすらあります。消費水準の低い地域であってもそこに住む農民がいい物を求めないというわけではないですし、また地面に商品を並べているような露店で買い物する習慣を変えさせることも狙いとし、そしてもうひとつが新たに出来上がった小区(団地)への進出です。です。

 

 また、店舗開設を一つの線として行っています。線で結ぶことができるような店舗配置です。この線を作り上げることで、輸送コストを引き下げることができ、店舗間の商品の行き来をスムーズにすることができることを通じて販促等をスムーズに行うことができます。

 

 

2.ターゲット顧客の選定

 店舗の立地が固まれば次に行うべきはどのような商品を以って顧客ニーズにこたえるかです。同社の顧客は自動車でカルフールやウォルマートに大量に買い物に行くような人たちとは異なり、老若男女を問わず一週間のうち4-5回来店する人が多く、固定客が70-80%を占めています。こういった顧客の特徴としては、少量の買い物を行う人が多く、それに応えるために少量をパックで販売するようにしています。

 

 また、地域によっても顧客の嗜好は異なります。例えば知識人や軍人が多く住んでいるエリアでは、知識人向けに国際ブランド品を多く置いたり、軍人向けには休みに帰省したときのお土産用にギフト類の比率を増やすというような対応を行っています。

 

 また、勤め人の多いところでは調理の手間を減らすことができるように細切れにした野菜を多く置くようにしていますし、消費水準の低めなところでは低価格の商品を置くようにしています。30歳以下の顧客が45%も占めており、こういった顧客向けにおしゃれな商品も置くようにしています。 

 もともと12000種あまりの商品を並べていた店舗で8600種にまでラインナップを減らした店舗もあります。こうすることによって新品種を置くスペースを確保したり、商品の配列がゆったりするので、顧客にとっても見やすくなります。

 

 

3.社区への溶け込み

 立地、品揃えの選択等が社区スーパーの成功のハード面の措置だとすれば、社区へ溶け込むことは社区スーパーを主とする業態の企業が成長を持続できるか否かを検証するソフト面といえるでしょう。李総裁によると、「社区スーパーをしっかりと行おうというのであれば、社区に足場を作り、本当に自らを社区の一員として、社区住民のニーズを的確に理解し、彼らのニーズを満たすことのみが、企業が本当の土台の立脚を見つけることができる」といっています。

 

同社は社区に溶け込むために様々の方法をとってきました。例えば、各店舗にボランティアを組織し、ボランティアが老人の家を訪れた買い物をしたげ足り、掃除してあげたり、一緒に散歩してあげたり、老人が買い物しやすくするために、社区の中で野菜市場を設けたりしました。また、各店舗には薬箱も常備しており、救心薬等も常備しており、季節によってそろえるものも変えています。このほか、ちまき包み大会を10年以上続けていたり、住民のために毎年20万部以上の健康食手帳等を印刷したりしています。こうした活動を通じて社区の住民の支持を得るようにしています。

 

 以上をまとめますと、小売業にとって最も重要であると思われる立地選択に対するこだわりはもちろんのこと、その立地をさらに効果的にするために顧客セグメントをしっかりと把握し、それに応じた品揃えを行っています。こうすれば売りたいモノと売れるモノのミスマッチは生じません。そして、地元へ溶け込むことで顧客の自社に対するロイヤリティーを向上させていく、つまり自社のファンを増やす活動を行っています。立地選択は言うまでもありませんが、後者の二つである顧客セグメントに応じた品揃え、自社のファンの増加、これにむけた動きというのはわかっていながらもなかなか取り組めていない部分かと思います。超市発のこれらの取り組みは中国消費者にいかに食い込んでいくかという点で大いに参考にすることができるでしょう。

一流ブランドの展示会

 ちょうど一週間前の土曜日に一流ブランドばかり集まったTOP MARQUES という展示会に行ってきました。場所は上海展覧中心です。最近この展示会の存在を知ったのですが、2005年からスタートして各地で開催されており今回で14回目の開催になるそうです。かなり格式の高い展示会で、基本的には招待客しか入れないと聞いていましたので、人づてで招待券をゲットして入場しましたが、当日はダフ屋がたくさんいました。言い値が100元でしたが、もっと安くなると思います。身なりもそれなりの格好が要求されていると聞いていましたが、ジーンズでも問題ないようです。

 別のところでちゃんとした報告書を書くことになっていますので、ここでは個人的に思ったことだけさらっと書いていきます。

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 高級品といえば車、でも私は車にそんなに興味がないんですよねえ。ということでハーレーの方が興味ありです。

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 初めてまたがりました。ド迫力でした。上海では125cc以下のバイクしか走ることができないので、こんなでかいバイクをそもそも売ることができないのではと質問したところ、数年前にその規制は解除されたという答えが帰ってきました。

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 ノリタケのお皿です。98,000元のものがすでにreservedの表示が出ていました。一般客向けには初日だというのに動き早いです。

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 この時計なかなか面白いです。とにかく時計の部分がでかいんです。思ったほど高くなく、2500元くらいだそうです。イカしてます。でも私自身は時計を身につけないんですよねえ。

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 このオルゴール結構かわいいです。生産する数量はかなり限定しているそうです。

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 最後はこれで締めくくりましょう。

 いろいろと回って思ったのですが、所詮買う気もない、将来的にも買いそうにもない私に対してどこもかしこもかなり丁寧に応対してくれました。また、今まで見ていたような展示会だ外国人来訪者向けに商品説明する通訳をアルバイトで雇っているケースが多かったのですが、この展示会ではアルバイトのような人は見かけられず、みんな自前でした。まだ中国に現地法人がないところなんて全部中国出張で来てましたから。それだけイメージを大事にしているのでしょう。なかなか面白かったです。

 

12月より増値税改革が上海でスタート

 増値税と営業税を一本化する増値税改革が以前からずっと言われていましたが、ついに12月1日より上海で試行されることになりました。まずは交通運輸業と一部の現代サービス業からスタートします。営業税を納付している納税者が原材料、生産設備、燃料等を購入した際に納付した増値税が控除できず、営業税と増値税の二重課税の問題がずっと指摘されていました。試行がスタートすると従来の営業税納付者も増値税を控除することができるようになります。要するに営業税という税目が増値税という税目に吸収されてしまうということですね。

 

 これに伴い、増値税の現行の17%と13%の税率に加えて、11%と6%を追加します。これはサービス業ではずっと営業税を納付してきたことにより、増値税の控除の流れが始まったばかりではスムーズに処理されないと考えられること、業種によって営業税の税率が異なること等により、生産性サービス業に対して一般製造業と貿易類企業の増値税税率と異なる増値税税率を設ける必要があると考えていることによります。ただし、今の段階で11%と6%がどれに対して割り当てられるのかは決まっていません。しかしながら、この二つの税率が現れることで、そもそもの増値税の税率が将来的に引き下げられるというシグナルではないかという見方もあります。

 

 増値税改革の大きなネックであった中央と地方の税収配分ですが、増値税は75%が中央、25%が地方に配分されています。営業税は100%地方に配分されています。そのため、営業税が単純に増値税にスライドしてしまうと地方の取り分が大きく減少することになってしまい、そのため地方は増値税改革に積極的になれず、これが増値税改革がなかなか進まない原因のひとつでもありました。しかしこれもあらたに増値税に変更される従来の営業税部分については地方に配分されることから、地方の税収に影響しないということになっています。つまり、ひとつの税目でありながら、その配分が業種によって異なるということになります。これって結構管理が大変かもしれません。いつものことではありますが、スタートし始めた時点で事務的にちょっとややこしい場面が出てくるかもしれませんね。

中国では外資銀行が預金集めに躍起

 中国では外資銀行が預貸比率75%必達に向けて預金集めに躍起になっているようです。預貸比率とは貸金を預金の75%以内に納めなければならないというもので、これは月末や期末に達成すればいいというものではなく、毎日がこの比率以内に収まらなければならないというものです。外資銀行が中国で現地法人化したことにより、外資銀行にもこの預貸比率を中国のルールにあわせなければならなくなり、その猶予期限が今年末までなのです。この比率を達成するためには簡単に言えば預金をたくさん集めるか、貸金を抑えるかということになります。

 

 新聞報道によりますと一部の外資銀行が金利を引き上げて預金集めを図っている模様です。欧米系の銀行でそれが顕著なようですが、具体的にはスタンダードチャータード銀行が最も引き上げ幅が大きく、元々の金利の1.18-15.83倍にまで引き上げています。香港ドルの預金金利を0.15%から2.375%、引き上げ幅は2.225%ですが確かに倍率は15.83倍です。名前の挙げられている銀行はほかにはHSBC、シティバンクがあります。KPMGが出したレポートによりますと、2009年末の時点の外資銀行の預貸比率の平均は149%、2010年末時点では102.46%で、全体で30行のうち半分近くの外資銀行が75%のラインをクリアできていませんでした。75%以下を達成していたのはわずか7行に過ぎませんでした。

 

 人民元預金は基準金利という基準で管理されているため、預金金利で顧客に訴えるためにはどうしても人民元のような上限管理をされていない外貨預金の金利を引き上げることによってアピールせざるを得ないことから起こっている現象です。

 

 外資銀行は年内にはこの75%という預貸比率を達成しなければならないため、この動きはしばらく続きそうに思います。借入に頼る必要のない企業にとっては預金金利という妙味がありますので歓迎できる動きといえます。一方でこの逆の動きの貸金すなわち企業の資金調達も難しくなってきているようです。企業にとっては資金運営上貸金の動きのほうが気になりますね。

研究開発機構の設備購入税収政策の継続執行に関する通知

 2011年10月10日付で、《財政部 商務部 税関総署 国家税務総局:研究開発機構の設備購入税収政策の継続執行に関する通知》(財税[2011]88号)が公布され、2011年1月1日から2015年12月31日まで適用されます。これは内資、外資ともに対象となります。

 

外資の研究開発機構は《科学技術開発用品輸入税収徴収免除暫定規定》と《<科学技術研究開発用品輸入税収徴収免除暫定規定>と<科学研究と教学用品輸入税収徴収免除>の改正に関する決定》を適用して輸入税額が徴収免除されてきましたが、本通知に基づいて設立時期に応じた適用要件は次のようになります。

 

外資研究開発センターの設立時期 2009年9月30日以前設立 2009年10月1日以降設立
研究開発標準 (1)外資研究開発センターに対して、独立法人である場合、その投資総額は500万米ドルを下回らない。企業内に設ける部門または分公司の非独立法人の場合、その研究開発総投入は500万米ドルを下回らない。

(2)企業研究開発経費年間支出額が1000万元を下回らない。

 

独立法人である場合、その投資総額は800万米ドルを下回らない。

会社内部門または分公司の非独立法人の場合、その研究開発総投入は800万米ドルを下回らない。

 

専門研究・試験発展人員 90人を下回らない。 150人を下回らない。
設立以来の購入設備原価累計 1000万元を下回らない。 2000万元を下回らない。

 

 

 研究開発というとどうしても情報漏洩が気になるところですが、欧州系メーカーが調べたところ、研究者の本国における離職率と中国における離職率はそれほど差がなかったそうです。それを踏まえて中国でもかなりの研究開発を行うところもあるようです。とはいうものの、どうしても情報漏洩は気になりますね。

ずっと前から胡散臭いと思っていたんですよ

  服飾卸社長ら、82億円詐取容疑 大阪地検、再逮捕(10/24) 

 服飾卸売会社「U.F.O.」なる会社の女社長 谷絹子に関する記事です。このおばさんに は2回ほどあったことがあります。一回目はどこかの食事会で、2回目はこのおばさんの上海法人について調べていたときです。1回目にあったときにはすでに胡散臭さを感じていたので特に近寄ることもなく、2回目のときは「会った」というよりも「見ただけ」といった感じでした。

 さて、詐欺容疑で再逮捕されたということですが、一回目の逮捕は民事再生法違反によるものです。中国ビジネスでいか にも成功したかのような振る舞い、言動をし続けてきたおばさんで、本屋に行けばやれ虎の巻だといった本が売られていました。「私は中国ビ ジネスですごいんです!」というのが売りだったと思うのですが、それよりも昭和のころから取引を粉飾していたそうで、20年以上粉飾し続けてきた事実のほうが私としてはよっぽどすごいと思います。よくこれだけの期間ごまかし続けることが できたなあと。

 さてこのおばさん、結構マスコミにももてはやされていました。本の出版もそうですし、私 は見たことがないのですがテレビにも出ていたようです。ずっと胡散臭いと思っていたんですよ、おのおばさん。一番最初に胡散臭いと思った のはこのおばさんの本を立ち読みしたときです。本とはいえ初めてのこのおばさんとの接点ですが、すぐに胡散臭いと感じました。その本とい えば私にとっては時代遅れの内容に終始し、必要以上に中国ビジネスのリスクをあおるものとしか思えませんでした。そしてやたらと「人脈」 なるキーワードが目に付いたように思います。もうやめましょうよ、今更人脈なんて。こういうのって日本にいる人だとごまかされてしまうん ですかねえ。私の印象では、中国在住の日本人からはこのおばさんに対する評価は全く高くなく、むしろ日本にいる日本人からの評価が高かっ たように思います。日本にいるとこのおばさんに虚言に近い言動を真に受けてしまうのでしょうが、現実を知っている中国在住日本人からの受 けは全くといっていいほどなかったと思います。全くは言い過ぎかもしれませんが、多くがそうだったでしょう。

 今日もあるお客さんと話していたのですが、中国側の人脈を期待して合弁会社を設立したも のの、期待したほどのものはなく、どちらかというと大風呂敷を広げていただけのようだったというものでした。このおばさんと同じですよ ね。基本的にこのような人脈を売りにする人ってものすごく胡散臭く感じるのです。あたかも人脈で何とでもなるといわんばかりなのがとにか く胡散臭いのです。そりゃあ人脈はないよりあるほうがいいですし、それのおかげで物事がスムーズに進むことは確かにあります。確かにそう なのですが、あたかも人脈さえあれば黒でも白にできるといわんばかりの論調は本当に勘弁してほしいと思います。グレーを白にするというの は何とかなる部分もあるかと思うのですが、黒はやっぱり黒で白にはならないし、しちゃいけないと思うのです。繰り返しますが、人脈はない よりもあるほうがいいに決まってます。だからといってそれに期待しすぎてはいけないということです。もう一つ付け加えますと、そもそもそ の人脈って本当なのかという疑いを持ってもいいでしょう。私はどこどこの役所の人を知っている、というのはよく聞きますが、どの程度のポ ジションの人を知っているのか、私は政府の上の人を知っている、本当によく知っているのか?単に一度名刺交換をしただけで、相手からぜん ぜん覚えられていないレベルの関係なのではないか。

 日本には今でもこういった人脈を売りにした中国ビジネスコンサルタントが多いと聞きま す。やめてほしいですねえ。特に日本にいる皆さんにはこういう怪しげなのには気をつけましょう。

ソフト製品の増値税政策に関する通知

 2011年10月13日付で《財政部 国家税務総局:ソフト製品の増値税政策に関する通知》(財税[2011]100号)が公布され、 11月1日より執行されることになりました。今日はこれについて紹介します。

 

 

1.対象となるソフト製品

本通知でいうところのソフト製品とは、情報処理プログラム及び関連ドキュメントとデータを指します。ソフト製品はコンピュータソフト製品、情報システム及び埋め込み式ソフト製品を含みます。埋め込み式ソフト製品とはコンピュータハード、機器設備の中に埋め込まれてあわせて販売されるものを指し、コンピュータハード、機器設備の組成部分を構成するソフト製品のことをいいます。

 

2.ソフト製品の増値税政策

(1)増値税一般納税人が自ら開発生産するソフト製品を販売する場合

17%の税率で増値税を徴収後、その増値税の実際の税負担が3%を越える部分について即時徴収即時還付の政策を実行します。

 

(2)増値税一般納税人がソフト製品を輸入しローカライズ改造して対外販売する場合

その販売するソフト製品は(1)で規定する増値税即時徴収即時還付政策を享受することができます。

ローカライズ改造とは輸入ソフト製品にあらためてデザイン、改良、転換等を行うことを指し、単純に輸入ソフト製品に対して漢字化処理を行うものは含みません。

 

(3)納税人がソフト製品の開発を受託し、著作権が受託者に属するものは増値税を徴収します。逆に、著作権が委託者に属するまたは双方が共同で保有する場合は増値税を徴収しません。また、国家版権局の登録登記を経たものに対して、納税人が販売時に著作権、所有権をあわせて譲渡する場合は増値税を徴収しません。

 

 

3.増値税政策享受の条件

以下の条件を満たすソフト製品は、主管税務機関の審査批准を経て、本通知で規定する増値税政策を享受することができます。

 

 (1)省級ソフト産業主管部門が認可するソフト検査測定機構が発行する検査測定証明資料を取得していること。

 (2)ソフト産業主管部門が発行する《ソフト製品登記証書》または著作権行政管理部門が発行する《コンピュータソフト著作権登記証書》を取得していること。

 

 

4.ソフト製品の増値税即時徴収即時還付額の計算方法

(1)ソフト製品の増値税即時徴収即時還付額の計算方法

   即時徴収即時還付額 = 当期ソフト製品増値税納付税額 - -当期ソフト製品販売額×3%

  当期ソフト製品増値税納付税額 = 当期ソフト製品販売税額 - 当期ソフト製品控除可能仕入れ税額

   当期ソフト製品販売税額 = 当期ソフト製品販売額×17%

 

(2)埋め込み式ソフト製品の増値税即時徴収即時還付額の計算方法

   1.埋め込み式ソフト製品の増値税即時徴収即時還付額の計算方法

   即時徴収即時還付額 = 当期埋め込み式ソフト製品の増値税納付税額 - 当期埋め込み式ソフト製品販売額×3%

  当期埋め込み式ソフト製品増値税納付税額 = 当期埋め込み式ソフト製品販売税額 -当期埋め込み式ソフト製品控除可能仕入れ税額

   当期埋め込み式ソフト製品販売税額 = 当期埋め込み式ソフト製品販売額 ×17%

 

  2.当期埋め込み式ソフト製品販売額の計算公式

   当期埋め込み式ソフト製品販売額 = 当期埋め込み式ソフト製品とコンピュータハード、機器設備販売額合計 - 当期コンピュータハード、機器設備販売額

   コンピュータハード、機器設備販売額は以下の順序に従って確定します。

(ア)納税人の最近の同時期同類貨物の平均販売価格に従って計算確定

(イ)その他の納税人の最近の同時期同類貨物の平均販売価格に従って計算して確定

(ウ)コンピュータハード、機器設備が構成する課税価格に従って計算して確定  コンピュータハード、機器設備構成課税価格 = コンピュータハード、機器設備コスト×(1+10%)。

 

 

5.製品販売と役務提供が同時に発生する場合

増値税一般納税人がソフト製品を販売すると同時にその他貨物または課税役務を販売する場合で、この二つを区分することができないような仕入れ税額に対して、実際のコストまたは販売収入比率に従ってソフト製品の分担すべき仕入れ税額を確定します。

ソフト製品の開発生産専用の設備及び工具の仕入れ税額は分担を行うことはできません。

納税人は選定する分担方式を主管税務機関に届出し、そして届出日より一年以内は変更することはできません。

 

 ソフト製品の開発生産専用の設備及び工具は、ソフトを設計するのに用いるコンピュータ設備、読み取りプリントアウト器具設備、工具ソフト、ソフトプラットフォームと検査設備を含みますがこららだけに限りません。

 

6.ハードとソフトの混合販売

増値税一般納税人がコンピュータハード、機器設備と合わせて埋め込み式ソフト製品を合わせて販売する場合で、本通知の規定を適用して構成する課税価格にしたがってコンピュータハード、機器設備の販売額を計算確定する場合、埋め込み式ソフト製品とコンピュータハード、機器設備部分のコストを区分する必要があります。区分計算していない、または計算が明確でない場合は、本通知で規定する増値税政策を享受することはできません。

《破産法》の司法解釈が公布

 現行の《企業破産法》(以下、《破産法》という)は2007年6月より実施されていますが、各地の裁判所が受理する破産件数が増加していないのみならず却って下がっているそうです。本来的にはルールが明確化されることで処理しやすくなっていくはずがそうなっていないのです。具体的には2007年に受理された破産案件は3817件、2008年が3139件、2009年が3128件、そして2010年が2000件にも満たないという状況です。一方で、2007円から2009年の間の営業許可証の取消や抹消の件数は80万にも達しています。このような状況を是正する目的で《<中華人民共和国企業破産法>の適用の若干問題に関する規定(一)>が公布され、9月26日より実施されています。

 

 司法解釈によると、以下の五つのいずれかの状況にある場合、裁判所は明らかに返済能力が欠落していると認定しなければならないと定められています。

 

 ①  資金がひどく不足しまたは財産が現金化できない等の原因により、債務弁済ができない。

 ②  法定代表人が行方不明で且つ財産を管理する他者がいない。

 ③  人民法院の強制執行を経て、債務弁済ができない。

 ④  長期赤字で且つ経営の黒字転換が困難。

 ⑤  債務者が弁済能力を喪失するその他状況。

 

 これにより破産対象となる基準が明確となりました。今までは、地方政府が破産案件を受理したがらないという傾向がありました。地方政府にとって印象が悪く、運営上マイナスイメージとなるからです。地方によっては毎年の破産案件を○件を超えてはならないと下達しているところもありました。司法解釈では仮に破産申請が裁判所に受理されなかったとしても、一級上の裁判所に破産申請を提出することができるようになっています。

 

 また、破産に伴い申し立て側が予納する金額のバーが大幅に下がっています。従来であれば債権者が裁判所に破産を申し立てる場合、申請人に対して破産案件訴訟費用の予納を要求していました。おうおうにしてこの予納費用は数十万元以上になり、その資金負担の大きさから申し立てを思いとどまるケースも多かったと思われます。しかしながら、司法解釈では破産案件の訴訟費用は債務者の財産から支払うとされています。そして、申請人が予納費用を納付していないことにより関連当事者が破産申請に意義を提出しても裁判所は支持しないとされています。

 

 最近浙江省あたりで経営者が逃げ出して行方不明になるケースが多く見られています。今年の1-9月だけで228件発生しています。これはまさに既述した②のケースに該当しますね。

 

 以上のように、第三者による破産申し立ての基準が明確になり、予納費用負担も大きく軽減されたため、今後申し立て件数が増えていくことが予想されます。申し立てる側としては進めやすくなったというメリットはありますが、もしも申し立てられる側になると今までと違って簡単に申し立てされてしまうというリスクが出てきます。現地法人の中には長期赤字で且つ経営の黒字転換が困難な状況にあるところもあるかと思いますが、いちおうこれが第三者破産申し立ての自由になってしまうということは、ちょっとしたトラブルが発生した際に、「第三者破産申し立てするぞ!」という脅し文句が出てくるかもしれません。考えすぎかもしれませんが、この基準であればそういうことになってもおかしくないですね。企業というのは「長期赤字で且つ経営の黒字転換が困難」であっても、キャッシュさえあれば運営し続けていくことが可能です。経営状況はよくないけどもキャッシュフローで何とか運営できている会社であっても破産申し立てされるとさすがにイメージダウンは免れません。そういった会社にとってはこの司法解釈は恐怖かもしれないですね。あ

保健食品に関するルールが年内にも公布へ

 《保健食品監督管理条例》が年内にも公布することが見込まれています。中国の保健食品市場はいい加減なものも多く、こういったものを取り締まっていくことが期待されます。よくあるのが保健食品は食品の一種であり、疾病治療の効能を備えているわけでもないにもかかわらず、効能をうたっているというものです。

2007年度の保健食品業界の生産額は600億元、2008年度には800億元、2010年には2000億元以上に達し、毎年15%以上伸びています。このように成長している市場ですが、保健食品市場で生じている問題は大体次のものが挙げられます。

 

1.概念が希薄

 保健薬品と保健食品の境が明確でなく、「医食同源」の経験の影響から保健食品に役員的な色彩が含まれているケースが多いです。

 

2.誇大宣伝

 「豊」、「減」、「壮」の三文字に集約できるという言い方があります。「豊胸」、「減肥」、「壮陽」(精力をつける)の三つです。これらをうたい文句にした保健食品が非常に多いという問題があります。

3.参入障壁が低い

 参入障壁が低すぎて、管理が届かないという問題があります。

 

 こういった状況もあって、《保健食品監督管理条例》は非常に期待されているのです。2009年に《食品安全法》が公布されたときは結構話題になりましたが、その中で「国家は特定保健機能を有すると謳う食品に対して厳格に監督管理を実行する。(中略)具体管理弁法は国務院により規定する。」とありますが、今のところまだ公布されておらず、空白地帯のようになっています。なかなか公布されていない理由としては、監督管理の範囲について意見が異なっているという点です。保健食品が謳う機能について、審査を必要とするものはどれか、謳うだけでいいのはどれか、この調整ができていないようなのです。

しかし、年内に《保健食品監督管理条例》が公布されるということは、これの調整がようやく落ち着いてきたということなのでしょう。

 

 次に、ネット販売で売られている保健食品にも問題は少なくないようです。罰則は一応あるのですが、ネット販売にかかる広告費、つまる広告収入ですね、これが罰金よりもぜんぜん少ないのです。ということは、何もしないよりは罰金を払ってでも広告収入を上げたほうがいいという考え方になってしまいますよね。道義的には問題ですが。

 

 しかし、この問題も《保健食品監督管理条例》の中で、ネット販売のついては参入規制を強化し、ネットでの薬品販売のように販売許可証制度の導入も検討されているようです。

 

 日本にも多くの保健食品があります。現在の中国の保健食品市場は冒頭に紹介したように乱れ気味であり、それがゆえに日本の保健食品に対する影響もあったと考えられます(まあ、輸入品はなかなか認可がうっとうしいという問題はありますが)。そう考えますと、ルールが整備されることで市場の乱れが収まり、正当な商品が受け入れられる方向に向かっていくといえるでしょう。そうすると日本の、あるいは日系の保健食品にとっては明るいニュースといえるでしょう。

 

 個人的には保健食品のライバルは漢方薬なんじゃないかと思ってます。