呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

緊張感は大事

「日本語練習したい」に要注意 上海でぼったくり急増

http://www.asahi.com/national/update/1001/TKY201110010131.html

 

 最近この記事についてよく見かけますが、これを見て私が2002年11月に始めて駐在で上海に来たときのことを思い出しました。

 

 2002年11月下旬、私は日本からの視察団のアテンドを追えて南京東路の歩行者天国を一人ぶらぶら歩いていました。そこに二人組みの女性が話しかけてきたのですが、おなかがすいたので一緒にご飯を食べに行かないか誘ってきました。瞬間的に胡散臭いと気付きましたので、ちょっと遊び心を出して、「マクドナルドならいいよ」と返事。二人組みは何やあらそわそわと話し込み「ケンタッキーがいい」と言ってきたので、ケンタッキーに行くことになりました。ケンタッキーならせいぜい100元くらいでしょうから、払わされてもたいしたことはないでしょう。ケンタッキーに到着して私はすぐに座席に座りました。二人組みに何も注文しないのかと聞かれ、「お腹一杯だから」と返事、続いて二人組みが「私たちの分は?」と聞いてきたので、「自分のものは自分で払ってよ」と返事。二人組み激怒りです。私はこのやり取りを楽しめてニコニコです。

 

 これ以降も同じ場所を歩くとちょこちょこ声をかけられますが、いつも「一緒にご飯食べたいのだったらおごってください。だって、私と一緒に食べたいんですよね?誘ったほうが出してよ。」といってかわしてます。しかし、相変わらず多いですねえ。こういうのはなかなかなくならないですね。

 

 ビジネスでも同じですが、日本ではものすごく慎重な人で、石橋をたたいてわたるような人が、なぜか中国では相手に言いくるめられて日本では考えられないような判断を下すことがあります。どこか栓が一本抜けてしまう判断をしてしまうんですね。中国に限らず海外に出ると何かしら開放感があるため判断力が鈍ってしまいます。緊張感は必要ですね。今日は独立後初めての営業日、緊張感を持って動きたいと思います!

独立します

 ここ最近ばたばたしてなかなか記事をアップできていませんでしたが、読者の皆様に報告があります。

 

 実は私この度9月30日付で、日綜(上海)を退職することになりました。日綜(上海)在任中は、格別の御高配を賜り、誠に有難うございました。

 

 今後ですが、拓知投資諮詢(上海)有限公司(10月より拓知管理諮詢(上海)有限公司に名称変更)にて総経理として引き続き上海でコンサルティング業務を行って参ります。また、今まで以上に日本での活動も行っていくことを考えています。

 

 現総経理の武内隆明は同社の最高顧問として引き続き同社の業務をサポートして頂くことになります。

 

 いろんな状況や背景があり、色々と考えましたが、結果として独立という道を選ぶことになりました。人によって考え方は違うとは思いますが、同じような状況におかれれば私と同じような選択をする人は少なくないのではないかと思います。変なたとえですが、ドラマの中で主人公が何らかの行動をとるときに、私ならこうするだろうなあとか、私も同じようにするだろうなあと思うようなことがあるかと思うのですが、今回の場合は後者ですね。

 

 なお、新たな連絡先は次のとおりです。

 

拓知管理諮詢(上海)有限公司

E-mail:gomeiken@tnc-cn.com

URL:http://www.tnc-cn.com

200336

上海市長寧区仙霞路88号太陽広場西塔301D室

電話 :+86-21-6270-0022

FAX :+86-21-5237-2772

 

 国慶節明けの10月10日よりこの場所でスタートします。

 

 ありがたいことに少なからずの方からいろんなお話を頂戴しております。本当にありがたく思います。スタートしたばかりなのでこういうお話はありがたいですし、こういった関係は大事にしていきたいと思います。

 

 今後やって行きたいことは色々とありますが、一つ一つ実現していきたいと思います。私の中国コンサルは法務・税務・税関・外貨管理等の制度面のコンサルからスタートしました。今後ともこの分野の相談はなくなることはないと思いますし、引き続き行っていきたいと思っています。また、最近では中国市場にどのようにして食い込んでいくのか、どのようにして売り込んでいくのかというお話が多くなってきています。ブログでもこの両方の記事を意識的に書いてきているのは読者の方であれば気づいておられた方もいらっしゃるのではないかと思います。中国市場をテーマにするような案件も近年多くこなしてきましたが、当初身につけた制度面のコンサルをリサーチ、経営コンサルティングに味付けすることで、こういったお話に対してよりニーズにこたえられるようなコンサルティングをご提供していきたいと思っております。

 

 今後ともお引き立てのほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 あ、そうそう、顧問契約していただけると嬉しいです!

偽上海蟹

 上海蟹の季節が近づいてきました。上海蟹の正統といえば陽澄湖でとれるものといわれていますが、そこでとれる上海蟹の漁獲量と販売量では販売量の方がずっと多いって聞いたことないでしょうか。販売量が漁獲量より多いというのは偽上海蟹が多く出回っているということです。このような事態を防ぐべく、本物の上海蟹に本物であることを証明するタグがつけられるようになっています。

 

 赤丸で囲っているのがそのタグです。ところが、このタグの偽者が大量に生産されているのです。ちなみにひとつ0.2元です。いうならば、たった0.2元のコストだけで陽澄湖ブランドを演出しているということです。私なんかは蟹がそれほど好きではないので、、このタグを見るだけでちゃんとしたものだと思い込み、多少味が劣ったとしても気づかないだろうと思います。

 北京と上海で陽澄湖産の上海蟹の専門店は3000軒ほどあるそうですが、ちゃんと授権を受けているのは10分の1に過ぎないとのことですので(たった10分の1かいな!)、かなりの陽澄湖ブランドの偽上海蟹が出回っているのでしょう。なにせ値段も一匹で80元から高いものでは1000元もするのがあるのですが、あまりにも値段が開きすぎているので、少なからずの偽者が回っているのでしょう。接待や会食で上海蟹がでるとこの話を思い出してしまいそうになりますね。

腰をすえて

 上海にあるとあるスペインの靴屋さんのお話です。店舗の名前はel navalonといいます。靴屋なのですが、具体的には伝統的になスペインのブーツを扱っていおり、商品構成としては男性ものが女性ものよりも多いです。

 

 ここのオーナーが店舗の立地を選ぶにあたり重視したのが建物の雰囲気です。扱うものがスペインブーツですので、ちょっとこじゃれた昔風の洋館が選ばれました。外国人が結構うろうろしている通りで、立地は三叉路にあり、地下鉄駅からもそこそこ近く、人の流れもそこそこついてくるだろうと見込んだわけです。

 

 また、靴屋、特に大衆的な靴屋が並んでいるところにスペインブーツのお店なんか出しても浮いてしまうので、自らのグレードを上げられるような場所を選んでいます。だからこそこしゃれた通りなんでしょうね。

 

 さて、店舗の運営実態についてみて行きます。

 

1.初期投資

 初期投資は約15万元必要で、その内訳は最初家賃・保証金、在庫及び内装費です。店舗面積は20㎡と小さいのですが、スペインブーツは種類が多いわけではなく、在庫さえある程度おくことができればそれほど大きな面積を必要としません。ひとつのデザインにつき数足しか在庫がなかったりします。ほかの人と同じは嫌、という人にはいいかもしれません。

 

2.コスト

 毎月の支出で最も大きいのが家賃で、毎月1万元程度です。従業員が2名いて、このコストが3000元程度(これは福利厚生も含めてということなので個人的には安過ぎるように思います)、これらと光熱費等を合わせて毎月のコストが14000元です。これをまかなうためには毎月11足のブーツを売る必要があります。3日に1足のペースですね。

 

 

3.ターゲット顧客

 扱う商品はスペインブーツですが顧客の中で外国人が占める比率は大きくなく、中国人メインです。当然購買力がある人である必要があり、さらにはファッションセンスも持った人となります。小ぶりなテンポなので外国人だけを対象にするようなレベルかと思いきや、中国人がメインになっているんですね。ちなみに会員カードを発行しており、会員のリピート率、購入単価とも高い傾向にあるとのことです。囲い込みができているということがいえますね。

 

 中国に進出するに当たり、何を以って成功というか、会社によって異なるでしょう。日本で年商数百億売っている会社が中国で数億円しか売れず、それが中長期のビジョンの中での入り口の部分であればまだしも、それが最終形になるようであればやらないほうがましといえるでしょう。逆に、日本で年商数億円レベルの会社が中国で数千万売れれば、会社規模としては成功といえるかもしれません。このあたりははっきりさせる必要があるでしょう。ここで紹介した靴屋がどのレベルを成功としているかはわかりかねますが、個人が行っているレベルの商売で、特に知名度が高いブランドでもなく、店舗の規模も小さいことから、食べていければいいというレベルを成功としているのかもしれません。もしそうなのであればすでに成功しているということになりますね。私としてはこの店舗のオーナーはスペインから中国にやってきて腰をすえてやっている点に注目してもらいたいのです。なんとなく中国で売れればいいなあという軽い気持ちで片手間程度に中国での販売を手がけている会社は少なくないと思いますが、やはり腰をすえてやらないと。腰をすえてやることで現地の制度、習慣、流行、顧客の声、こういったものがわかったり入ってきたりするようになるので、これを反映させることで顧客ニーズにあった展開を行うことができるようになります。そういう意味で、確かにこの靴の店舗は小さいかもしれませんが、腰をすえてやっているという点は尊敬に値するのではないかと思うのです。

貨物貿易外貨管理制度の改革

 2011年9月6日付で《国家外貨管理局 国家税務総局 税関総署:貨物貿易外貨管理制度改革試点に関する公告》が交付され、12月1日より施行されることになりました。これに基づいて、試点期間において試点地区(江蘇、山東、湖北、浙江(寧波を含まず)、福建(廈門を含まず)、大連、青島等の省市)で本公告に基づいた取り扱いが行われることになります。本日はこれの大まかな内容について紹介したいと思います。

 

1.貨物貿易外貨管理方式の改革

本公告の付属文書として《貨物貿易外貨管理試点手引》と《貨物貿易外貨管理試点手引実施細則》が発表されています。これらにより企業は輸出外貨回収の核銷手続きを行う必要がなくなります。

 

2.試点地区企業に対する動態分類管理の実施

企業に対してA類・B類・C類の3つに企業を分類します。

 

A類 輸入支払いの書類を簡素化します。輸入報関単、契約または発票(インボイス)等のいずれかひとつの取引の真実性を証明できる書類に基づいて銀行で直接支払いができ、輸出回収支払いについてオンライン審査を行う必要がない。
B類 貿易外貨収支について銀行は電子データ調査を行う。
C類 貿易外貨収支は外貨管理局の個別登記後に処理しなければならない。

 

分類が高ければ高いほど支払・回収の事務負担が軽減されます。

 

3.輸出税額還付証憑の簡素化

輸出税額還付の申告に際して、あらためて紙ベースの輸出外貨回収核銷単の提出が不要となります。輸出外貨回収の核銷が不要となることによるものですが、税務局は外貨管理局が提供する輸出外貨回収の情報と分類の状況を参考に、輸出税額還付の審査を行うことになります。

 

4.輸出通関フローの調整

輸出通関に際して引き続き現行規定に従って輸出外貨回収核銷単の提出は必要です。項目1で輸出外貨回収核銷手続きを行う必要がなくなるとあり、これと矛盾するように見えます。外貨管理局と税務局は輸出外貨回収核銷単を不要としますが、税関ではいましばらく必要とされるからです。ただし、貨物貿易外貨管理制度改革が全国に普及した後、税関総署と国家外貨管理局は輸出通関フローを調整し、輸出外貨回収核銷単を廃止するとされています。

 

5.部門連合監督管理の強化

 以上に上げた一連の政策は外貨管理局、税務局、税関が協同することではじめて実現するものといえ、この三部門は今後一段と連携していくことになります。なお、外貨管理、輸出税額還付、輸出通関等の具体的な内容については、関連部門が別途規定を制定することになります。

 

 以上の精神に基づいて事務が簡素化されていきますと、企業・銀行双方にとって事務負担が大きく軽減されます。本日は大まかな内容について紹介しましたが、はたしてこれらがフィージブルなのか等も含めて、近々もう少し詳細な内容について紹介して行こうと思います。

改正外商投資産業指導目録がようやく発表か

 外商投資産業目録が出る出るといわれて久しいですが、ここでまたこれについて紹介したいと思います。

 

 現在外商投資産業指導目録は改正過程にあり、意見募集も終わり、ようやく正式に発表される模様です。

 

 新たに発表される外商投資産業指導目録では主として外資がハイエンドの製造業、ハイテク産業、現代サービス業、新エネルギーと省エネ・環境保護等の産業への投入を奨励し、同時に両高一低類(高投資、高消耗、低効率)のプロジェクトを厳格に制限する内容となっております。また、地域本部、研究開発センター、購買センター、財務管理センター、決済センターおよびコスト・利益計算センター等の機能性、本部性の機構を奨励し、中外の企業が研究開発で合作することを奨励しています。

 

 地域的なものとしては、外資の中西部への移転や追加投資を積極的に導入するものとなっています。既に中西部外商投資優勢産業目録の補充改正も始めており、労働集約型プロジェクトの項目の追加したり、中西部地区で環境保護要求に当てはまる労働集約型産業を奨励したり、条件に当てはまる西部地区の内外資企業に対して企業所得税の優遇を継続して実行したり、東部地区の外資系企業が中西部への移転を支持する内容となっています。

 

 このほかには、A株上場会社が国内外の戦略投資を受け入れ、外資が国内証券投資とM&Aに参加することを帰阪し、条件に当てはまる外商投資企業が国内で株式と債券を発行することを支持する、あるいはベンチャー投資企業の設立を奨励するといった内容も含まれています。

 

 今はまだ正式に発表されていませんが、要するに中国として欲しているレベルの高い技術、本部経済、こういったものに対して優遇的な措置がとられることが見込まれているいえます。こういった政策をうまく活用してビジネスを構築していく必要があるといえますね。

進出前・進出・進出後

 中国ビジネスへの進出にもいろんなスキームがありますが、ここでは中国に子会社を設立することを例にして説明したいと思います。

 

 進出前・進出・進出後、この3つのうちどれが一番大事かと思いますか。ここでいう進出というのは会社を設立する手続きのことを言います。私の考えでは進出前>進出後>進出という順番になります。しかしながら、どうもこの順番どおりになっていないケースが多いように思います。

 

 進出する前にまず中国市場はどうなっているのか、マーケットはあるのか、自分のやろうとしていることは中国の現行の制度の中でできるのか、どんなスキームがベストか、これらがクリアできたとしてどのようなビジョンでビジネスを展望していくか、これが進出前にやるべきことです。進出後は進出前に調べあげたこと、それを元に練り上げた計画を実行していきます。この二つは大事ですよね。しかしながら、私の中で優先順位が最も低い「進出」が最重要テーマになっているケースが非常に多いです。中国で会社を設立するのは大変だ、こんな大変なことは簡単じゃない、といった考え方ですね。確かに会社を設立するというのは面倒な手続きです。特殊な業界ではさらに面倒です。まして日本ではなくて中国という外国で設立するわけですから。そしてそれをやたらとあおる人がいるのも事実なんですよね。でもやっぱり進出前が一番大事だと思うんです。進出前にするべきことをしておくことによって、そもそも会社を設立しないという結論に達することもあるでしょうし、事前に調べておくことによって設立後には業務をスムーズに立ち上げることができるともいえます。会社の設立でいっぱいいっぱいで、いざ会社ができたとたん自分のイメージしていたことができないというケースを見たことがあります。あるいは会社ができたはいいものの、進出前の詰めが甘いため、進出後にすべきことが見えていないというケースも見られます。これ結構多そうですね。進出前からお金はかけられない、外部になんて頼めないというのであれば自社でそれに代わるだけのことをやらないとだめです。こうした事前調査をないがしろにして、会社の設立だけに気合をやたらと入れていざ事業を始めたところ「?」マーク連発、今後のビジョンも「?」、結局うまくいかず出てくる言葉は、「中国は難しい」、中国が難しいのは否定しませんが、事前にやるべきことをやった上での言葉ならまだしも、そうじゃないんですよねえ。これってバクチ的な行動ともいえると思うんです。いまどき競馬で一生懸命研究して馬券を買う人はたくさんいますし、パチンコやパチスロでも研究してから打つ人も多いです。これらを研究することはあっても中国ビジネスにおける事前調査が軽んじられている傾向に非常に歯がゆさを感じます。そんな簡単な世界じゃないので、なおさら事前調査に重きを置く必要があると思うんですよね。これができてない会社って意外と多いと思いませんか?

意外と受け入れられている畳

 日本の畳は中国でも畳と表現するかと思いきや、中国では「榻榻米」と表現します。中国語のソフトで変換してもすぐ出ますので、「畳」よりも「榻榻米」という表現のほうが浸透しているといえます。

 

 さて、なぜ畳について話すのかということなのですが、絨毯を買おうと思いまして上海の宜山路という通りに行ってきました。この通りには内装するにあたって必要となるものが一通りそろっており、建材はもちろんのこと、キッチン、浴室、トイレ、カーテン、床板等を販売する店舗がわんさかあります。目的は絨毯だったのですが、目を引いたのが畳でした。一軒二軒であれば中国で畳なんてマニアックなお店だなあと思うだけのことですが、なんと畳を扱っているお店が多いです、というかかなり多いです。そこで見かけた表現が「榻榻米」なんですね。畳を売るだけではなく、畳を使ったコーディネート、要するに和室ですね、それをアピールしているところもありました。ここまで畳が受け入れられているとは思いませんでした。ここまで受け入れられるのであれば日本の畳業者も中国マーケット本格進出も十分可能性ありでしょう。ちなみにあるお店に価格を聞いてみたのですが、1㎡あたり150元(2000円弱)と激安です。もちろん安い分だけ品質は劣るとは思います。日本品は価格勝負になると中国品に当然勝てないので、品質をアピールすることになると思います。いい物さえ作っていれば売れる、というほど中国市場が単純ではなく、高いなら高いなりの理由を消費者に理解してもらい、「売る」のではなく「買ってもらう」という方向に意識を変える必要があるでしょう。中途半端に、具体的なビジョンもなく、おそるおそる進めるというのはうまくいかない可能性が高く、むしろやらないほうがいいのではないかと思います。買ってもらえるようになるために何をすべきか、すべきことをどのようにして進めるべきか、これらをじっくり考えて、方向性を定めて、目標となる時間軸を決めて、この手順を踏まえて腰を据えて(この腰を据えてが大事)いけば、チャンスは十分にあると思います。もちろん、その商品に対する中国人の受容度という問題はありますが。

 

 畳に限らずですが、取り扱う商品がどんなエリアで、どんな人を対象に、どういう売られ方をしているか、まず入り口としてこのあたりを理解していく必要がありますね。その上で、自社の商品をどのようなエリアで、どんなターゲットに、どんな形で販売していくか、どんなプロモーションを行うか、これ大事ですね。品質に自信があるからといって気づいてもらわないことには買ってもらうという行為につながりませんので、勢いだけで「中国で売る」ことを進めるのではなく、「売る」、むしろ「買ってもらう」ためにはどうすべきか、事前によーく理解してから行動するのがいいでしょう。当たり前のように思えますが、実はこれ意外とできていないところが多いんですよねえ。このあたりのくだりはまた明日書きます。

上海での部屋探し

 日本でも中国でもあまり部屋捜しということをしたことがない(上海に駐在したときはある程度物件が限られていた)のですが、来月から引越しすることにしたこともあり最近ぼちぼち部屋探しを始めました。いわゆる駐在員が住むような高級物件ではなくて、今回はローカルな物件を探しています。仲介業者にお願いして物件を探してもらうのですが、こういう物件だと気に入った物件を見つけるとその場で即決する必要があります。仲介業者は「一週間だけキープしておきましょうか」なんて気のきいたことは全く言わず、「早い者勝ちですよ、迷っている間に取られちゃいますよ」と言ってきます。確かにそうなんですよねえ、物件が出ては消え、出ては消という感じです。また、気に入った物件を見つけたとしても、すぐに引渡しが行われます。「じゃあ月末引渡しで」なんていっても聞いてもらえず、引渡しすら猶予がもらえないのです。完全な売り手市場ですね。日本だとこんなことはないでしょう。ローカル物件の賃貸状況がなんとなくわかってきました。

 

 賃借するにあたって気になるのは大家がどんな人かですよね。今住んでいるところのオーナーは典型的な「義務は果たさないが権利だけは主張する」とうい性質の悪い人です。部屋に大量に虫が発生してその処理をお願いしてもまじめに取り合わず、これを処理するまで家賃支払いをストップするという方法で何とか処理してもらうことができました。逆切れされたりもしましたが、これくらいやらないと動かないんですよ。入居するときはいいことを言っていたのですが、入居後は何もしないですね。やらざるを得なくなったときに「やらされています感」といったらもう。

 

 部屋を探すときは部屋そのものも大事ですが、大家がどんな人か、これもものすごく大事です。日本では10月から下期を迎える会社が多く、これに合わせて異動になる人も多いかと思いますが、参考にしてみてください。

中国国内で就業する外国人の社会保険に関する暫定弁法

 2011年9月6日付で《中国国内で就業する外国人の社会保険参加暫定弁法》(中華人民共和国人力資源社会保障部令第16号)が公布され、10月15日より施行されることになりました。今日はこれについて紹介します。

 

 1.定義

 中国国内で就業する外国人とは、法に依って《外国人就業証》、《外国専門家証》、《外国常駐記者証》等の就業証書及び外国人居留証書を獲得しており、及び《外国人永久居留証》を保有し、中国国内で合法就業している非中国籍の人員のことを言います。

 

 2.納付対象者

 中国国内で法に依って登録または登記している企業、事業単位、社会団体、民営非企業単位、基金会、法律事務所、会計士事務所等の組織(以下、雇用単位という)が法に依って外国人を募集採用される外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、雇用単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付する必要があります。

 

 3.駐在員の場合

 国外の雇い主と雇用契約を締結後、中国国内で登録または登記されている分支機構、代表機構(以下、国内勤務単位という)に派遣されて勤務する外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、国内勤務単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付する必要があります。

 

 ということで、要するに駐在員だろうがなんだろうが外国人は社会保険費を納付しなければならないということが明確にされました。就業証手続き後30日以内の社会保険登記手続きにまで言及しています。社会保険法を見る限りではこの結論は見えていましたが、色々と物議を醸し出していたこともあり本弁法が公布されたといえるでしょう。会社と従業員との間の給料のきめがどうなっているかという問題はありますが、会社から見た場合、少なくとも会社負担の社会保険部分はコスト高になりますし、手取り保証している場合だと個人負担部分も会社にとってコスト高になります。これ結構きついです。このあたりは過去の記事「《社会保険法》施行に伴う外国籍従業員のコスト増」をご覧ください。

 

 さて、気になるのは中国と本国の両方で社会保険を納付している場合の二重払い負担についてですが、協議を締結している国との間では規定に従って処理される、要するに協定に基づいて二重払い負担を回避するということになっています。協定がない場合は二重になりますね。日本も早く《社会保障協定》を締結しないと!

 もうひとつ気になるのはほとんどの外国人が年金の受領資格を持たないまま帰国した場合に払い損になってしまうという点です。いったん帰国してまた中国にやってきた場合、打ち切られた社会保険を累計継続することができます。受領資格を生かして受領する人は生存証明なるものを提出して生きていることの証をもって受領することができます。問題は大多数の受領しない人たちですね、この人たちは払い損になってしまうと思いきや、一応社会保険を終止して社会保険個人口座貯蓄額から一括で支給してもらうことが可能になっています。これなら許せるかと思うのですが、でもその手続きはたぶんものすごく面倒くさそうな気がしますね。

 

中華人民共和国人力資源社会保障部令

第16号

《中国国内で就業する外国人が社会保険に参加する暂行弁法》は既に人力資源社会保障部第67次部務会の審議を通過し、そして国務院の同意を経て、ここに公布し、2011年10月15日より施行する。

                            部 長 尹蔚民 

                          二○一一年九月六日 

 

中国国内で就業する外国人が社会保険に参加する暫定弁法

 

第一条 中国国内で就業する外国人が法に依って社会保険に参加し社会保険待遇の合法権益を享受することを保護し、社会保険管理を強化するため、《中華人民共和国社会保険法》(以下、社会保険法という)に基づいて、本弁法を制定する。

 

第二条 中国国内で就業する外国人とは、法に依って《外国人就業証》、《外国専門家証》、《外国常駐記者証》等の就業証書及び外国人居留証書を獲得しており、及び《外国人永久居留証》を保有し、中国国内で合法就業している非中国国籍の人員のことを指す。 

 

第三条 中国国内で法に依って登録または登記している企業、事業単位、社会団体、民営非企業単位、基金会、法律事務所、会計士事務所等の組織(以下、雇用単位という)で法に依って外国人を募集採用される外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、雇用単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付しなければならない。

 

 国外の雇い主と雇用契約を締結後、中国国内で登録または登記されている分支機構、代表機構(以下、国内勤務単位という)に派遣されて勤務する外国人は、法に依って従業員基本養老保険、従業員基本医療保険、工傷保険、失業保険及び生育保険に参加し、国内勤務単位及び本人が規定に従って社会保険費を納付しなければならない。

 

第四条 雇用単位が外国人を募集採用する場合、就業証書手続きより30日以内に社会保険登記を行わなければならない。 

 

国外雇い主より派遣されて国内勤務単位で勤務する外国人は、国内勤務単位により前項規定に従って社会保険登記を行わなければならない。

 

法に依って外国人就業証書手続きを行う機構は、速やかに外国人が中国に来て就業する関連情報を現地の社会保険取扱機構に通知しなければならない。社会保険取扱機構は定期的に関連機構に外国人就業証書手続きの状況を照会しなければならない。 

 

第五条 社会保険に参加する外国人は、条件に符合する場合、法に依って社会保険待遇を享受する。 

 

規定の養老年金受け取りの年齢に達する前に出国する場合、その社会保険の個人口座は保留することが認められ、再度中国に来て就業する場合、納付年限を累計で計算する。本人の書面申請を経て社会保険関係を終止する場合もまた、その社会保険個人口座貯蓄額を一度に本人に支給することができる。 

 

第六条 外国人が死亡する場合、その社会保険の個人口座残額は法に依って继承することができる。

 

第七条 中国国外で月毎に社会保険待遇を受け取ることを享受する外国人は、少なくとも毎年その待遇を支払う社会保険取扱機構に中国駐外大使、領事館が発行する生存証明、または居住国の関連機構が公証、認証しそして中国駐外大使、領事館が認証した生存証明を一回提出しなければならない。 

 

外国人が合法的に入国する場合、社会保険取扱機構で自らその生存状況を証明することができ、あらためて前項で規定する生存証明を提供しない。 

 

第八条 法に依って社会保険に参加する外国人と雇用単位または国内勤務単位が社会保険のため争議が発生する場合、法に依って調停、仲裁、訴訟提起を申請することができる。雇用単位または国内勤務単位がその社会保険権益を侵害する場合、外国人もまた社会保険行政部門または社会保険費徴収機構に法に依って处理を要求することができる。

 

第九条 中国と社会保険二国間または多国間協議を締結している国家の国籍の人員が中国国内で就業する場合、その社会保険に参加する方法は協議に従って処理する。

 

第十条 社会保険取扱機構は《外国人社会保障番号編制規則》に基づいて、外国人のために社会保障番号を構築し、そして中華人民共和国社会保障カードを発行しなければならない。

 

第十一条 社会保険行政部門は社会保険法の規定に従って、外国人が社会保険に参加している情况に対して監督検査を行わなければならない。雇用単位または国内勤務単位が法に依って募集採用する外国人に社会保険登記を行わないまたは法に依って社会保険費の納付を行わない場合、社会保険法、《労働保障監察条例》等の法律、行政法規及び関連規章の規定に従って处理する。

 

雇用単位が法に依って就業証書手続きを行っていないまたは《外国人永久居留証》を保有していない外国人を募集採用する場合、《外国人在中国就業管理規定》に従って処理する。

 

第十二条 本弁法は2011年10月15日より施行する。

 

付属文書:外国人社会保障番号編制規則(略)