呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

いま、西部市場がホット

 SOHU汽車が発表した統計によりますと2011年上半期の中国全国の乗用車市場の伸び率は5%程度と意外にも低いのですが、西部地区(ここでいう西部地区は四川、重慶、陕西、貴州、甘粛、新疆、雲南、寧夏、西蔵等の省市)はこれはなんと20%以上の伸びだそうです。全国を西部市場、東北市場、華北市場、華中市場、華南市場に分けた場合、いずれの市場の伸び率も10%以下です。西部地区の乗用車ナンバープレート発行量は89.3万台で、全国の17.15%を占めるにいたっております。ちなみに華北市場は26.36%、華中市場は15.42%、華南市場は13.65%、東北市場は7.48%です。西部地区羽振りいいですねえ。

 

 最近はこの西部市場がホットなようです。一線都市から二線都市へ、二線都市から三線年へ、といった流れですね。一線都市も大分飽和してきたのでしょう。ベンツなんかも西部地区に熱い視線を向けており、「以前は全国の販売大エリアを東エリア、北エリアと南エリアに分け、西エリアは設けていなかった。現在西部地区の伸び幅はその他エリアを大きく上回っているので、来年には西エリアを設けて、一段と西部市場を開拓する」とコメントしています。ベンツ意外だとVW、GM、トヨタ、日産といったあたりが次々とチャネルに手を打っています。日系だと一汽豊田は西部市場で年内に11のディーラーを増やすことを計画しています。ただ、西部地区はまだまだほかの地区と比べてベースが弱いので、すぐに花が開くようなことはないという見方もあります。

 

 とはいうものの、多かれ少なかれ西部地区とやらに期待していることは間違いないでしょう。なにせ20%以上伸びているんですから。中国経済はバブル状態にあり、いつどうなるかわからないというようなことを言う人がいます。日本のバブル崩壊を知っている人からするとそれは確かにそれなりに説得力があるいい方かと思います。ただし、日本と決定的に違うのは、今日紹介した西部地区のようにまだまだ市場があるという点です。とにかく国がでかいんですよねえ。国がでかいだけならロシアやアメリカもそうなのですが、中国は人口もでかいんです。そこが他国と決定的に違う点なのではないかと思うのです。国や人口が以上にでかいと過去のケースが当てはまらないというのは十分ありえるでしょう。といいながら、中国のバブル崩壊論を聞かされるとそれはそれで納得してしまう自分がいたりします。こういうのって難しいですねえ。

社会保険計算基数の上限撤廃 ~ 大連

 9月1日より大連で社会保険料が大幅に引き上げられることが発表されています。従来社会保険料の計算基数は基本的には従業員の賃金総額(前年度平均月額が一般的)に基づいて定められ、その賃金が平均賃金を上回る場合は300%を上限として基数とするというものでしたが、なんと大連ではこの基数上限を撤廃するという内容です。下の比較表をご覧ください。

 

  従来 9月1日以降
会社負担 個人納付基数の合計で決定 前月の従業員給与総額で決定
従業員負担 前年度月平均給与

 

 従業員負担部分は変更なしですが、会社負担が「個人納付基数の和」、すなわち300%の上限を勘案した上での従業員個々の基数の和から、「前月の従業員給与総額」、すなわち300%の上限など関係なく、単純に給与総額で決めてしまうというものです。

 

 基数が会社と従業員で異なり、従業員は変わらないものの会社負担分が増加する形になります。特に駐在員や給与水準の高い従業員を多く抱えている企業にとってはかなりの負担増になることはいうまでもありません。外国人に対して社会保険納付の義務化され、これにより給与手取り保障形態の多い駐在員にかかる会社のコスト増を年間80万円程度と試算したことがありますが、こと大連に関してはこの程度で収まらなくなります。中国人個人にとっては会社負担が増えるだけで自分の給与が直接的に影響を受けるわけではないためありがたい話ではありますが、会社としては急激なコストアップにつながるためたまったもんではありません。

 

 今のところこの考え方は大連だけのようですが、他の都市に波及しないことを祈るばかりです。

独立初日

 9月30日付で前職を退職して10月からTNCの総経理として活動を開始したわけですが、ここ最近は何かとばたばたして記事をアップできていませんでした。本日から以前のようなペースで書いていきたいと思います。

 

 上海では本日10月10日より活動開始です。長期休暇をはさんでの準備というのは連絡がうまくいかずオフィスはイメージどおりに用意されていませんでした。先方も私に連絡してこようとしていたこともあるので、私がちゃんと連絡しておかなかったのがまずかったです。そのため今日のところ電話機がまだ来ておらず、ひょっとしてお電話してきた方もいるかも知れず、申し訳なく思います。結局オフィスで業務を行うことはできますが、備品の配置とかまでにはもう少しだけかかりそうです。今週中には終わらせたいところです。

緊張感は大事

「日本語練習したい」に要注意 上海でぼったくり急増

http://www.asahi.com/national/update/1001/TKY201110010131.html

 

 最近この記事についてよく見かけますが、これを見て私が2002年11月に始めて駐在で上海に来たときのことを思い出しました。

 

 2002年11月下旬、私は日本からの視察団のアテンドを追えて南京東路の歩行者天国を一人ぶらぶら歩いていました。そこに二人組みの女性が話しかけてきたのですが、おなかがすいたので一緒にご飯を食べに行かないか誘ってきました。瞬間的に胡散臭いと気付きましたので、ちょっと遊び心を出して、「マクドナルドならいいよ」と返事。二人組みは何やあらそわそわと話し込み「ケンタッキーがいい」と言ってきたので、ケンタッキーに行くことになりました。ケンタッキーならせいぜい100元くらいでしょうから、払わされてもたいしたことはないでしょう。ケンタッキーに到着して私はすぐに座席に座りました。二人組みに何も注文しないのかと聞かれ、「お腹一杯だから」と返事、続いて二人組みが「私たちの分は?」と聞いてきたので、「自分のものは自分で払ってよ」と返事。二人組み激怒りです。私はこのやり取りを楽しめてニコニコです。

 

 これ以降も同じ場所を歩くとちょこちょこ声をかけられますが、いつも「一緒にご飯食べたいのだったらおごってください。だって、私と一緒に食べたいんですよね?誘ったほうが出してよ。」といってかわしてます。しかし、相変わらず多いですねえ。こういうのはなかなかなくならないですね。

 

 ビジネスでも同じですが、日本ではものすごく慎重な人で、石橋をたたいてわたるような人が、なぜか中国では相手に言いくるめられて日本では考えられないような判断を下すことがあります。どこか栓が一本抜けてしまう判断をしてしまうんですね。中国に限らず海外に出ると何かしら開放感があるため判断力が鈍ってしまいます。緊張感は必要ですね。今日は独立後初めての営業日、緊張感を持って動きたいと思います!

独立します

 ここ最近ばたばたしてなかなか記事をアップできていませんでしたが、読者の皆様に報告があります。

 

 実は私この度9月30日付で、日綜(上海)を退職することになりました。日綜(上海)在任中は、格別の御高配を賜り、誠に有難うございました。

 

 今後ですが、拓知投資諮詢(上海)有限公司(10月より拓知管理諮詢(上海)有限公司に名称変更)にて総経理として引き続き上海でコンサルティング業務を行って参ります。また、今まで以上に日本での活動も行っていくことを考えています。

 

 現総経理の武内隆明は同社の最高顧問として引き続き同社の業務をサポートして頂くことになります。

 

 いろんな状況や背景があり、色々と考えましたが、結果として独立という道を選ぶことになりました。人によって考え方は違うとは思いますが、同じような状況におかれれば私と同じような選択をする人は少なくないのではないかと思います。変なたとえですが、ドラマの中で主人公が何らかの行動をとるときに、私ならこうするだろうなあとか、私も同じようにするだろうなあと思うようなことがあるかと思うのですが、今回の場合は後者ですね。

 

 なお、新たな連絡先は次のとおりです。

 

拓知管理諮詢(上海)有限公司

E-mail:gomeiken@tnc-cn.com

URL:http://www.tnc-cn.com

200336

上海市長寧区仙霞路88号太陽広場西塔301D室

電話 :+86-21-6270-0022

FAX :+86-21-5237-2772

 

 国慶節明けの10月10日よりこの場所でスタートします。

 

 ありがたいことに少なからずの方からいろんなお話を頂戴しております。本当にありがたく思います。スタートしたばかりなのでこういうお話はありがたいですし、こういった関係は大事にしていきたいと思います。

 

 今後やって行きたいことは色々とありますが、一つ一つ実現していきたいと思います。私の中国コンサルは法務・税務・税関・外貨管理等の制度面のコンサルからスタートしました。今後ともこの分野の相談はなくなることはないと思いますし、引き続き行っていきたいと思っています。また、最近では中国市場にどのようにして食い込んでいくのか、どのようにして売り込んでいくのかというお話が多くなってきています。ブログでもこの両方の記事を意識的に書いてきているのは読者の方であれば気づいておられた方もいらっしゃるのではないかと思います。中国市場をテーマにするような案件も近年多くこなしてきましたが、当初身につけた制度面のコンサルをリサーチ、経営コンサルティングに味付けすることで、こういったお話に対してよりニーズにこたえられるようなコンサルティングをご提供していきたいと思っております。

 

 今後ともお引き立てのほど、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 あ、そうそう、顧問契約していただけると嬉しいです!

偽上海蟹

 上海蟹の季節が近づいてきました。上海蟹の正統といえば陽澄湖でとれるものといわれていますが、そこでとれる上海蟹の漁獲量と販売量では販売量の方がずっと多いって聞いたことないでしょうか。販売量が漁獲量より多いというのは偽上海蟹が多く出回っているということです。このような事態を防ぐべく、本物の上海蟹に本物であることを証明するタグがつけられるようになっています。

 

 赤丸で囲っているのがそのタグです。ところが、このタグの偽者が大量に生産されているのです。ちなみにひとつ0.2元です。いうならば、たった0.2元のコストだけで陽澄湖ブランドを演出しているということです。私なんかは蟹がそれほど好きではないので、、このタグを見るだけでちゃんとしたものだと思い込み、多少味が劣ったとしても気づかないだろうと思います。

 北京と上海で陽澄湖産の上海蟹の専門店は3000軒ほどあるそうですが、ちゃんと授権を受けているのは10分の1に過ぎないとのことですので(たった10分の1かいな!)、かなりの陽澄湖ブランドの偽上海蟹が出回っているのでしょう。なにせ値段も一匹で80元から高いものでは1000元もするのがあるのですが、あまりにも値段が開きすぎているので、少なからずの偽者が回っているのでしょう。接待や会食で上海蟹がでるとこの話を思い出してしまいそうになりますね。

腰をすえて

 上海にあるとあるスペインの靴屋さんのお話です。店舗の名前はel navalonといいます。靴屋なのですが、具体的には伝統的になスペインのブーツを扱っていおり、商品構成としては男性ものが女性ものよりも多いです。

 

 ここのオーナーが店舗の立地を選ぶにあたり重視したのが建物の雰囲気です。扱うものがスペインブーツですので、ちょっとこじゃれた昔風の洋館が選ばれました。外国人が結構うろうろしている通りで、立地は三叉路にあり、地下鉄駅からもそこそこ近く、人の流れもそこそこついてくるだろうと見込んだわけです。

 

 また、靴屋、特に大衆的な靴屋が並んでいるところにスペインブーツのお店なんか出しても浮いてしまうので、自らのグレードを上げられるような場所を選んでいます。だからこそこしゃれた通りなんでしょうね。

 

 さて、店舗の運営実態についてみて行きます。

 

1.初期投資

 初期投資は約15万元必要で、その内訳は最初家賃・保証金、在庫及び内装費です。店舗面積は20㎡と小さいのですが、スペインブーツは種類が多いわけではなく、在庫さえある程度おくことができればそれほど大きな面積を必要としません。ひとつのデザインにつき数足しか在庫がなかったりします。ほかの人と同じは嫌、という人にはいいかもしれません。

 

2.コスト

 毎月の支出で最も大きいのが家賃で、毎月1万元程度です。従業員が2名いて、このコストが3000元程度(これは福利厚生も含めてということなので個人的には安過ぎるように思います)、これらと光熱費等を合わせて毎月のコストが14000元です。これをまかなうためには毎月11足のブーツを売る必要があります。3日に1足のペースですね。

 

 

3.ターゲット顧客

 扱う商品はスペインブーツですが顧客の中で外国人が占める比率は大きくなく、中国人メインです。当然購買力がある人である必要があり、さらにはファッションセンスも持った人となります。小ぶりなテンポなので外国人だけを対象にするようなレベルかと思いきや、中国人がメインになっているんですね。ちなみに会員カードを発行しており、会員のリピート率、購入単価とも高い傾向にあるとのことです。囲い込みができているということがいえますね。

 

 中国に進出するに当たり、何を以って成功というか、会社によって異なるでしょう。日本で年商数百億売っている会社が中国で数億円しか売れず、それが中長期のビジョンの中での入り口の部分であればまだしも、それが最終形になるようであればやらないほうがましといえるでしょう。逆に、日本で年商数億円レベルの会社が中国で数千万売れれば、会社規模としては成功といえるかもしれません。このあたりははっきりさせる必要があるでしょう。ここで紹介した靴屋がどのレベルを成功としているかはわかりかねますが、個人が行っているレベルの商売で、特に知名度が高いブランドでもなく、店舗の規模も小さいことから、食べていければいいというレベルを成功としているのかもしれません。もしそうなのであればすでに成功しているということになりますね。私としてはこの店舗のオーナーはスペインから中国にやってきて腰をすえてやっている点に注目してもらいたいのです。なんとなく中国で売れればいいなあという軽い気持ちで片手間程度に中国での販売を手がけている会社は少なくないと思いますが、やはり腰をすえてやらないと。腰をすえてやることで現地の制度、習慣、流行、顧客の声、こういったものがわかったり入ってきたりするようになるので、これを反映させることで顧客ニーズにあった展開を行うことができるようになります。そういう意味で、確かにこの靴の店舗は小さいかもしれませんが、腰をすえてやっているという点は尊敬に値するのではないかと思うのです。

貨物貿易外貨管理制度の改革

 2011年9月6日付で《国家外貨管理局 国家税務総局 税関総署:貨物貿易外貨管理制度改革試点に関する公告》が交付され、12月1日より施行されることになりました。これに基づいて、試点期間において試点地区(江蘇、山東、湖北、浙江(寧波を含まず)、福建(廈門を含まず)、大連、青島等の省市)で本公告に基づいた取り扱いが行われることになります。本日はこれの大まかな内容について紹介したいと思います。

 

1.貨物貿易外貨管理方式の改革

本公告の付属文書として《貨物貿易外貨管理試点手引》と《貨物貿易外貨管理試点手引実施細則》が発表されています。これらにより企業は輸出外貨回収の核銷手続きを行う必要がなくなります。

 

2.試点地区企業に対する動態分類管理の実施

企業に対してA類・B類・C類の3つに企業を分類します。

 

A類 輸入支払いの書類を簡素化します。輸入報関単、契約または発票(インボイス)等のいずれかひとつの取引の真実性を証明できる書類に基づいて銀行で直接支払いができ、輸出回収支払いについてオンライン審査を行う必要がない。
B類 貿易外貨収支について銀行は電子データ調査を行う。
C類 貿易外貨収支は外貨管理局の個別登記後に処理しなければならない。

 

分類が高ければ高いほど支払・回収の事務負担が軽減されます。

 

3.輸出税額還付証憑の簡素化

輸出税額還付の申告に際して、あらためて紙ベースの輸出外貨回収核銷単の提出が不要となります。輸出外貨回収の核銷が不要となることによるものですが、税務局は外貨管理局が提供する輸出外貨回収の情報と分類の状況を参考に、輸出税額還付の審査を行うことになります。

 

4.輸出通関フローの調整

輸出通関に際して引き続き現行規定に従って輸出外貨回収核銷単の提出は必要です。項目1で輸出外貨回収核銷手続きを行う必要がなくなるとあり、これと矛盾するように見えます。外貨管理局と税務局は輸出外貨回収核銷単を不要としますが、税関ではいましばらく必要とされるからです。ただし、貨物貿易外貨管理制度改革が全国に普及した後、税関総署と国家外貨管理局は輸出通関フローを調整し、輸出外貨回収核銷単を廃止するとされています。

 

5.部門連合監督管理の強化

 以上に上げた一連の政策は外貨管理局、税務局、税関が協同することではじめて実現するものといえ、この三部門は今後一段と連携していくことになります。なお、外貨管理、輸出税額還付、輸出通関等の具体的な内容については、関連部門が別途規定を制定することになります。

 

 以上の精神に基づいて事務が簡素化されていきますと、企業・銀行双方にとって事務負担が大きく軽減されます。本日は大まかな内容について紹介しましたが、はたしてこれらがフィージブルなのか等も含めて、近々もう少し詳細な内容について紹介して行こうと思います。

改正外商投資産業指導目録がようやく発表か

 外商投資産業目録が出る出るといわれて久しいですが、ここでまたこれについて紹介したいと思います。

 

 現在外商投資産業指導目録は改正過程にあり、意見募集も終わり、ようやく正式に発表される模様です。

 

 新たに発表される外商投資産業指導目録では主として外資がハイエンドの製造業、ハイテク産業、現代サービス業、新エネルギーと省エネ・環境保護等の産業への投入を奨励し、同時に両高一低類(高投資、高消耗、低効率)のプロジェクトを厳格に制限する内容となっております。また、地域本部、研究開発センター、購買センター、財務管理センター、決済センターおよびコスト・利益計算センター等の機能性、本部性の機構を奨励し、中外の企業が研究開発で合作することを奨励しています。

 

 地域的なものとしては、外資の中西部への移転や追加投資を積極的に導入するものとなっています。既に中西部外商投資優勢産業目録の補充改正も始めており、労働集約型プロジェクトの項目の追加したり、中西部地区で環境保護要求に当てはまる労働集約型産業を奨励したり、条件に当てはまる西部地区の内外資企業に対して企業所得税の優遇を継続して実行したり、東部地区の外資系企業が中西部への移転を支持する内容となっています。

 

 このほかには、A株上場会社が国内外の戦略投資を受け入れ、外資が国内証券投資とM&Aに参加することを帰阪し、条件に当てはまる外商投資企業が国内で株式と債券を発行することを支持する、あるいはベンチャー投資企業の設立を奨励するといった内容も含まれています。

 

 今はまだ正式に発表されていませんが、要するに中国として欲しているレベルの高い技術、本部経済、こういったものに対して優遇的な措置がとられることが見込まれているいえます。こういった政策をうまく活用してビジネスを構築していく必要があるといえますね。

進出前・進出・進出後

 中国ビジネスへの進出にもいろんなスキームがありますが、ここでは中国に子会社を設立することを例にして説明したいと思います。

 

 進出前・進出・進出後、この3つのうちどれが一番大事かと思いますか。ここでいう進出というのは会社を設立する手続きのことを言います。私の考えでは進出前>進出後>進出という順番になります。しかしながら、どうもこの順番どおりになっていないケースが多いように思います。

 

 進出する前にまず中国市場はどうなっているのか、マーケットはあるのか、自分のやろうとしていることは中国の現行の制度の中でできるのか、どんなスキームがベストか、これらがクリアできたとしてどのようなビジョンでビジネスを展望していくか、これが進出前にやるべきことです。進出後は進出前に調べあげたこと、それを元に練り上げた計画を実行していきます。この二つは大事ですよね。しかしながら、私の中で優先順位が最も低い「進出」が最重要テーマになっているケースが非常に多いです。中国で会社を設立するのは大変だ、こんな大変なことは簡単じゃない、といった考え方ですね。確かに会社を設立するというのは面倒な手続きです。特殊な業界ではさらに面倒です。まして日本ではなくて中国という外国で設立するわけですから。そしてそれをやたらとあおる人がいるのも事実なんですよね。でもやっぱり進出前が一番大事だと思うんです。進出前にするべきことをしておくことによって、そもそも会社を設立しないという結論に達することもあるでしょうし、事前に調べておくことによって設立後には業務をスムーズに立ち上げることができるともいえます。会社の設立でいっぱいいっぱいで、いざ会社ができたとたん自分のイメージしていたことができないというケースを見たことがあります。あるいは会社ができたはいいものの、進出前の詰めが甘いため、進出後にすべきことが見えていないというケースも見られます。これ結構多そうですね。進出前からお金はかけられない、外部になんて頼めないというのであれば自社でそれに代わるだけのことをやらないとだめです。こうした事前調査をないがしろにして、会社の設立だけに気合をやたらと入れていざ事業を始めたところ「?」マーク連発、今後のビジョンも「?」、結局うまくいかず出てくる言葉は、「中国は難しい」、中国が難しいのは否定しませんが、事前にやるべきことをやった上での言葉ならまだしも、そうじゃないんですよねえ。これってバクチ的な行動ともいえると思うんです。いまどき競馬で一生懸命研究して馬券を買う人はたくさんいますし、パチンコやパチスロでも研究してから打つ人も多いです。これらを研究することはあっても中国ビジネスにおける事前調査が軽んじられている傾向に非常に歯がゆさを感じます。そんな簡単な世界じゃないので、なおさら事前調査に重きを置く必要があると思うんですよね。これができてない会社って意外と多いと思いませんか?