呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

本物の47号公告

 先日国家税務総局公告第47号を名売った偽通達が出回ったことは記憶に当たらしかと思います。その偽通達は賞与に対する個人所得税の課税方法に関するものだったですが、今度は正真正銘の47号公告が公布されました。個人所得税とはまったく関係がありません。それなりに有用かと思いますので翻訳しました。以下をご参考ください。

 

《国家税務総局:納税人が土地使用権譲渡または不動産販売と同時に合わせて土地または不動産に付着する固定資産を販売するときの関連税収問題に関する公告》

 

                   国家税務総局公告2011年第47号

 

 ここに納税人が土地使用権譲渡または不動産販売と同時に合わせて土地または不動産に付着する固定資産を販売するときの関連税収問題を以下のとおり公告する:

 

 納税人が土地使用権または不動産販売と同時に合わせて販売する土地または不動産に付着する固定資産において、増値税課税貨物に属する場合は全て、《財政部 国家税務総局:一部貨物に増値税低税率及び簡易方法を適用して増値税を徴収する政策に関する通知》(財税[2009]9号)第二条の関連規定に従って、増値税を計算納付しなければならない。不動産に属する場合は全て、《中華人民共和国営業税暫定条例》の“不動産販売”の税目に従って営業税を納付しなければならない。

 

 納税人は増値税課税貨物と不動産の販売額を区分して計算しなければならず、区分して計算していないまたは計算がはっきりしない場合、主管税務機関によりその増値税課税貨物の販売額と不動産の販売額を査定する。

 

 本公告は2011年9月1日より施行する。《国家税務総局:石炭企業が炭石炭採掘井戸を譲渡するときの営業税徴収の問題に関する批復》(国税函[1997]556号)及び《国家税務総局:炭鉱譲渡の営業税徴収問題に関する批復》(国税函[2007]1018号)における『単位及び個人が炭鉱の土地使用権の譲渡及び不動産販売と同時に土地または不動産に付着する機電設備を譲渡し、合わせて「不動産販売」に従って営業税を徴収する」の規定を同時に廃止する。本公告施行前に既に処理した事項については改めて調整せず、未処理事項は本公告に基づいて処理する。

 

 特にここに公告する。

 

クロスボーダー貿易人民元決済の対象地域が全国へ拡大

 《クロスボーダー貿易人民元決済地域拡大に関する通知》が公布され、クロスボーダー貿易人民元決済地域が全国へ拡大することが発表されました。具体的な内容は次のとおりです。

 

1.クロスボーダー貿易人民元決済地域に河北、山西、安徽、江西、河南、湖南、貴州、陕西、甘粛、寧夏、青海省(自治区)を加えて、対象地域を全国に拡大。

 

2.新たに追加した上述の11の省(自治区)は《クロスボーダー貿易人民元決済試点管理弁法》に従って、人民元建てで輸入貨物貿易、クロスボーダーサービス貿易とその他経常項目決済を行うことができる。

 

3.吉林省、龍江省、チベット自治区、新疆ウイグル自治区の試点企業は《クロスボーダー貿易人民元決済試点管理办法》に従って、国外の国家と地域の企業と輸出貨物貿易人民元決済業務を展開することができる。

 

4.《クロスボーダー貿易人民元決済試点管理办法》第四条の関連規定に基づいて、上述の新たに追加した11の省(自治区)と吉林省、龍江省、チベット自治区、新疆ウイグル自治区の人民政府は現地関連部門と協調して輸出貨物貿易人民元決済試点企業を推薦し、そし人民銀行、財政部、商務部、税関総署、税務総局、銀監会の審査を行う。審査を経た後の試点企業の人民元決済を使用する輸出貨物貿易は関連規定に従って輸出通関手続を行い、輸出貨物税額還付(免除)政策を享受する。

 

 第十二時五カ年計画の中で人民元クロスボーダー使用の拡大というのが含まれていましたが、その流れの中の動きといえます。まだまだ人民元決済自体の比率は非常に少なく2010年の貿易総額に占める比率はわずか2.5%に過ぎません。国・地域別では香港が圧倒的で8割以上を占めています。また、輸出入比率で見ますと、80-90%が輸入決済、10-20%が輸出決済と、これまた非常に偏りが見られます。今後はこれらがどんどん収斂しバランスが取れていくと思われますし、利用率も現在の2.5%から今年は5-6%、来年には10%に達するという観測もあります。スタンダードチャータード銀行では2015年にはこれが15-20%に達すると予測しています。米ドルの権威失墜、日本の長期的な経済低迷もあり、人民元決済がどんどん注目されていく環境にあるといえるでしょう。

来料加工廠の現地法人化に関する指導意見

 8月22日付で商務部、人力資源社会保障部、税関総署が《珠江デルタ地区の全国加工貿易モデルチェンジ・アップグレード模範区の建設に関する指導意見》というものが発表されました。この中で、模範区の加工貿易でまず4つの転換を実現させようという内容が含まれています。具体的には次のとおりです。 

 

・ 製品加工のローエンドからハイエンドへの転換

・ 産業リンケージ(産業連携)を短から長(より長く)へ

・経営主体を単一から多元へ転換

・営業市場を輸出主体から国内外の二つの市場へ転換

 

 これを3年程度以内に実現することを目標としています。ここ最近の加工貿易に対して向けられている全体的な流れですね。来料加工工場の独資法人化を促す通達はいくつも公布されていますが、その背景にはもう単なる加工屋で終わるのではなくてちゃんと付加価値のあるものを作っていこう、輸出ばかりでなく国内でも売っていこうというものがあります。

 

この《指導意見》では「主要な措置」が謳われています。 

 

・加工貿易管理モデルのイノベーション

・加工貿易産業配置の最適化

・加工貿易モデル転換の加速

・輸出基地と対外貿易の公共サービスプラットフォームの建設の加速

・加工貿易の産業リンケージ(産業連携)の延長の促進

・モデルチェンジ・アップグレードに対する融資・保険のサポートの強化

・非法人来料加工廠を独立法人企業への転換の奨励

・加工貿易企業の国内販売市場の開拓の奨励

・就業サービスと雇用指導の強化

・職業教育研修体系の完備

・保税物流体系建設の積極推進

・省エネ・環境保護生産の発展の加速

・モデルチェンジ・アップグレード模範企業育成の十項目

 

 この他には組織指導と考査評価の強化、テスト試行の奨励、及び交流と経験の普及の強化の要求、といったものが含まれています。

 

 現状がどれだけ進んでいるかですが、来料加工のメッカである深センと東莞の状況についてみていきますと、深センではまだ3500以上が来料加工廠の状態にあり、東莞ではすでに2700の来料加工廠が法人化を行っています。これでも深センの来料加工廠は下図をごらんいただければお分かりいただけるように年々減少しています。

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  来量加工廠の法人化を促す政策が過去にいくつも発表されていますが、それでもなお法人化しない理由として様子見するというのがありますが、もうひとつ印象に残ったのが、転換するわけには行かないというものでした。来料加工は海外から受注するわけですが、「輸出限定・内販禁止」という条件で請け負っているところが多く、そのため内販すると従来の受注がなくなり工場として終わってしまうということになってしまいます。「いまさら急に内販といわれても」ということでしょう。しかも内販は外資系企業にとってだけでなく、いままでそれをやってなかった地場企業にとってもハードルの高いものといわれています。そもそもまず内販の基盤を作っていかないといけないですし、基盤ができたとしても売掛金回収問題はついてまわります。中国人でも内販、特に地場企業向けをやれといわれると構えてしまう人は少なくないと利きます。内販何年も前から法人化しないといけないことはわかっていたのでしょうが、目の前の業務を失いことを恐れ身動きがとれなかったということですね。かといっていつまでも来料加工工場を続けることもできなくなってきた場合、このマーケットを誰が取っていくのかというステージが出てきそうですね。

298,000元のお酒

 五糧液というお酒をご存知でしょうか。異常な値上がりをしていることで当地では結構話題になっているお酒です。

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 そしてこの中秋節という贈り物の季節がやってきたのですが、なんと298000元もする五糧液が売られているのです!298000元って360万円ですよ!そもそも本当にそれだけの価値があるのでしょうか。90年物ということですが、量は600ml、そしてケースがなんと180gの24金でできているのです。やりすぎですね。

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 昨年4月に《食品と化粧品の商品の過剰包装要求の制限》という通達が公布されています。特に月餅などであまりにも過剰な放送がされていたのを制限するために公布されたもので、初期方法以外のすべての放送のコスト総額は商品販売価格の20%を超えてはならないとされています。今回の五糧液は24金を使っているのでこの規定に違反しそうなものですが、24金を初期包装とみなすという考えをとっているのかもしれません。仮に初期包装とみなしたとしてもお酒自身の価格と24金の価格を比べた場合に、話してお酒メインで24金包装したのか、24金のケースにお酒を沿えたのか、どっちが正しいのかという議論が出てくるでしょう。いずれにしても、やりすぎ感は否めないですね。

 

 ちなみに以前このお酒がオークションの対象となったことがあるのですが、そのときについて最高価格が508.8万元です。異常だー!

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フライト遅延の要因は?

 中国国内の飛行機を利用したことがある人はよく知っていることかと思いますが、中国の航空会社のフライトはとにかく遅れます。国際線でも遅れます。あらかじめ遅れることを想定しないといけないくらい遅れます。

 

 民航局の副局長が、日常のフライト業務において2時間以上ディレイしたフライトについて、空管部門は優先的に離陸を手配し、そして扉を閉じて30分以内に離陸することを確保しなければならないというコメントをしています。でも30分以上機内に閉じ込められたことのある人は少なくないでしょう。そういえばあまりに待たされ過ぎて先に食事が出て、食事を終えていない人が大半という状況で突然離陸したこともありました。

 

 『2010年民航業界発展統計広報』というものが発表されています。この中でフライト状況に関するデータがあります。それによりますと、フライトの正常率が75.8%で、前年比5ポイントダウンです。正常率75.8%ということは、そうでないのが、要するに遅れるのが24.2%ということになりますが、感覚的にはこんなんじゃ収まらないです。同じ感覚を持つ方は少なくないと思います。なお、遅れる理由として挙げられているのが、航空会社自らの要因(41.1%)、交通規制(27.6%)、天候要因(19.5%)、その他(11.8%)ということになってます。航空会社自らの要因というのは自身の体験の中では一回もありませんでした。しかしながらこれがトップということは、交通規制や天候要因という理由で説明しておきながら、本当は航空会社自身に原因があったということだと推測できます。ひどいよなあ。この間も上海台北のフライトが突如キャンセルになりましたが、振り替え可能日は3日後、しかも天候要因なので宿泊費は顧客自己負担というものでした。ほかの航空会社はびゅんびゅん飛んでるのに。。。
 しかし、フライトが遅延するのは過密ダイヤが原因であることは間違いないでしょう。その当たりのデータを見て見ましょう。
 まず、2006-2010年の旅客運総数です。延べ2.68億人です。2008年の伸びがかなり鈍化していますが、リーマンショックが原因だったのでしょうか。それ以外はいずれも15%以上伸びています。
 

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 やっぱり飛行機の便数が多すぎるんでしょうねえ。高速鉄道ももう少ししっかりしてもらわないと、まだしばらくこの状態が続きそうですね。

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 次に、2006-2010年の飛行機の発着数です。2010年は553.2万回です。これも2008年以外はいずれも10%以上伸びています。

 

売り場はきれいなのですが

 上海の正大広場の地下にあるロータスというスーパーがあります。一時模様替えしていて閉まっていて足が遠のいていたのですが、久々に行ってきました。模様替えしたことにより確かに高級感が出ていました。うわさに聞いていたとおりです。いわゆるデパ地下というやつですね。輸入ものもたくさんあって、品揃えはなかなか豊富です。売り場面積も大きいですからね。ということで、品物を選ぶというところまでは心地よかったのですが、レジでお金を払うときにがっくりです。その辺のスーパーと変わらんのですよね。かごに入れている商品を手で出すことを面倒くさがり、かごを横に倒して台の上に乗せてました。卵割れたらそうしてくれんねん!かごを横に倒されたのは初めての経験なので、実は今迄で一番いやな思いだったかもしれません。売り場というハードがきれいになったんですが、店員のレベルはついてきてないようです。締めがよかったら気分もぜんぜん違うんですけどねえ。このあたりはまだまだ時間がかかりそうです。

偽通達

 先日(8月15日)ちょっと変わった通達が公布されました。《国家税務総局:ある者が47号公告を偽造したことに関する声明》という通達です。47号公告とは《国家税務総局:個人所得税改正の若干問題の規定に関する公告》((2011年47号)というもので、賞与の個人所得税の計算方法が変更になったというものですが、これがおそらくネット上だと思うのですが発表され、ご丁寧にも解説までされていたというものです。これに対して国家税務総局がそんな通達は出しておらんという冒頭の通達が出されたわけです。要するに偽通達が出回ったということですね。今回国家税務総局がわざわざこんな通達を出したのは影響力が大きかったからではないと思われます。新聞記事にまでなったくらいですから。メディアもいっぱい食わされたわけですね。

 

 振り返ってみますと、最近確かに役所のオフィシャルサイトよりも早くどこかしらで通達がアップされるケースが多いように思います(たどっていけばおうおうにして見つかるのですが)。中にはオフィシャルサイトで発表されないものもあります。そのため、今回のような国家税務総局のオフィシャルサイトでアップされていなかったものでも、内容的に「それらくい」、「もっともらしい」ようなものだと確かに引っ掛けられてしまうかもしれません。私はたまたま新聞で掲載されたこの記事を見ておらず、国家税務総局による偽通達声明の方を先に見たので引っ掛けられなかったのですが、偽通達は通達番号まで付されているので、これを見て信じてしまった人もいると思います。仕事柄通達類は常にチェックしているのですが、オフィシャルサイトにアップされていないような通達は今後要注意ですね。

柔軟性

 今日は流行美(http://www.binf.cn/)という会社について紹介します。

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 この会社は女性用のヘアピンを販売する会社です。創業者の頼氏は最初から女性をターゲットにするビジネスを考えていたのですが、卸売価格数元の女性用ヘアピンが数十元で売れているのを見たときにこれだ!と思ったそうです。

 

 一番最初は1998年5月に広東省仏山市で店舗を開設しました。お店の雰囲気や取り扱う商品はデンマークの“COLORS IN FASHION”という会社の商品を参考にしたとのことです。“COLORS IN FASHION”のヘアピンは機能的で、デザインも美しく、店内に入ってもらうことまではできたのですが、購入してもらうというところまではなかなかいたりませんでした。その原因を探っていくうちに、機能的なヘアピンであるのですが、その使い方をどうやらお客さんにわかってもらえなかったということがわかりました。いい商品であってもその良さをわかってもらえないと確かに購買行動にはつながりませんよね。「いいものでさえあれば売れるのだ」というわけにはいかないということですね。

 

 そこで今度は店員にヘアピンの使い方を指導することにしました。いろんな使い方を整理し、マニュアルまで作成し、さらには販売インセンティブを導入したところ、一気に売れ始めました。このビジネススキームを安定的なものにするにはもう一工夫必要だと感じて、その次に行ったのが、ヘアピンを使って巻き髪をする過程の映像を店舗内の目立つところで流すということでした。これが口コミで広がりこれまた売り上げの増加につながりました。なるほど。

 

 商品のよさももちろんですが、ヘアピンの使い方を教える店員の接客のノウハウが売り上げの大きな要素になっていたわけですが、今度はそれを覚えた店員が辞めてしまい自分で同業の店舗を開くという動きが見られるようになりました。当然これが広がっていくと自社への影響は免れません。これに対する対策としてフランチャイズ制を導入しました。自分でやりたい人はフランチャイズに加盟してくださいということです。これまた功を奏して今では全店舗2000店あまりのうち、実に9割がフランチャイズです。小売総額も10億元にまで達しました。発想の転換ですね。変なことされるくらいならそうならないように取り込んでしまえということですね。とはいうものの、フランチャイズ化したからには自社の看板を掲げてもらっているので、いい加減なことをやられるわけにはいきません。その対策としてフランチャイズとしては当たり前のことですが加盟店に対して研修を頻繁に行い、技能や管理水準の引き上げを絶えず行うようにしたのです。フランチャイズも全国的に広がってくると、本部としての管理も難しくなってきます。そこで全国を5つのエリアに分けて、分公司を設立して研修や日常運営、管理を行うようにしました。本部はまさに本部としての機能を担うようになったわけです。これが2003年のことで、その後北京、上海、広州といった一線都市に進出するにいたりました。

 

 ところどころで書きましたが、このストーリーの肝はいい商品なのだがそれをわかってもらうためにどのようにすればいいか、真似されるくらいなら取り込んでしまえ、この二つかと思います。前者に疑問を感じる人はいないでしょうが、後者に関しては気持ち的に受け入れられない人もいるかもしれません。真似してしまった人を受け入れるのは確かに心情的には受け入れがたいですが、これから真似しようとする人であればOKですよね。このあたりの柔軟性は見習いたいものです。