消費

中国の5月の高級車販売ランキング

 中国で人気の高級車といえばBMW、ベンツ、アウディあたりか。日本のレクサスも高級車のカテゴリーに入るのですが、この3つがあまりにダントツ過ぎて、以前と比べると追い上げてきてはいますがまだまだかなりの差があります。さて、5月の売り上げを見てみましょう。

 

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 レクサスはこの表で下から2番目、なんと前年比46.5%も落ち込んでいます。ところが1-5月の累計で見ると伸びていますので、5月は何か特別な要因があったと考えられます。そう、熊本地震の影響です。となると、4月中旬以降と5月に大きく落ち込んでいるものと思われます。レクサスは中国で生産しておらず、というかほとんどが日本生産なのです。そして地震の影響により5月の販売量は注文量の半分にも満たなかったとのこと、つまり地震の影響がなければアウディ、BMW、ベンツの次につけることができていた可能性があったのです。累計数値を見る限りかなり大きく伸ばしてきているので、地震による影響さえ収まればまた大きく伸ばしていくものと思われます。日本を代表する高級車として頑張ってほしいですね!

2015中国チェーン企業トップ100

 今まで何度も中国チェーンストアランキングのようなものを紹介してきていますが、本日紹介するランキングは今までちょっと一味違います。表こそ1から100までありますが、業種で分かれており、業種の中でも業態で別れています。割と細かく分かれているとあまり聞いたことのない企業名も多く出てきますが、業態の中ではトップ企業であることから、自社に関係ありそうな業界の企業については要チェックですね。具体的には、次のように分かれています。

 

1-3番:スーパー

 これはさすがにおなじみの銘柄ばかりですね。

 

4-13番:コンビニ

 トップは東莞の美宜家です。ほとんどが広東省に集中しているのでそれ以外の地域にはなじみがないですが、かなりの規模で展開していることが売上高、店舗数からわかります。しかし、売上高と店舗数から一日あたりの売上高を計算するとわずか3082元しかありません。相当の多店舗展開をしない限り利益が出ないビジネスモデルになっているように思います。ちなみに5番目のファミリーマートは9017元、11番のローソンが5462元となっており、美宜家よりもずっと大きいですが、日本と比べるとまだまだの水準といえます。

 

14-24番:食品小売り

 

25-36番:非食品小売り

 28番にメイソウが出てますねえ。パクリだなんだといわれながらも年商が51.5億元ですでに1479店舗もあります。このうち693店舗が加盟店なんですね。なお、全体の店舗平均年商が348万元となっています。思ったよりも小さな数字というか、一日あたり1万元程度なので、むしろ大したことがないです。大型店舗がないということだけでは説明がつかないですし、急速に店舗が増加して1年間フルに貢献していない店舗が多いのでしょうか。

 

37-42番:中華レストラン

 37番に北京ダックで有名な全聚徳が出ています。年商33億元、店舗当たり32百万元なので結構な規模だというのが分かります。

 

43-48番:中華ファストフード 

 43番目に永和大王、最近食べに行ってないなあ。

 

49-55番:火鍋

 ここに名が挙がっているところはすべて10万店舗以上、想像を絶しますね。

 

56-60番:洋風ファストフード

 56-58番までがケンタッキー、dicos、バーガーキング。バーガーキングがいつの間にか大きな存在になっています。

 

61-66番:喫茶・ドリンク

 なぜかスターバックスが入っておらず。

 

67-72番:エコノミーホテル

 最近だとこういったホテルを出張で利用する人も増えてきているのでは?

 

73-76番:教育

 教育となると今日認可の壁があるわけですが、本気で攻めると面白い分野だと思います。

 

77-81番:クリーニング

 77番福奈特と81番象王はよく聞く銘柄です。つい先日象王にクリーニングを出してきました。

 

82-85番:不動産仲介&内装

 82番にセンチュリー21が上がっています。これも店舗当たり売上を計算すると142万元。意外と小さな数字ですが、在庫を持たないサービス業だとこんなものか。

 

86-90番:自動車アフターサービス

 昨日紹介したばかりの自動車アフターサービス。売上高の一番大きい86番のTyreplus、店舗平均404万元売り上げています。そして87番の博世は店舗当たり600万元、88番の華勝の店舗当たり833万元。ボロ理工場ばかり目にしているとこんな規模でできているということに驚きます。

 

91-95番:美容・フィットネス

 これも最近注目されている分野ですねえ。94番の銘柄は目にしたことがあります。

 

96-98番:家政サービス

 このあたりになると店舗当たり売上はとても小さいです。相当の店舗数を抱えないと成立が難しそうなビジネスです。

 

99-100番:商務サービス(広告会社と保安会社がランク入り)

 

 全体売り上げと店舗数から店舗当たり平均売上高を計算するとそれぞれの業態がどれだけの規模でやっているかとても分かりやすいですね。

 

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日系飲食店も中国で資金調達してみては?

 日本の飲食店で2ケタ以上の出店ができているのは思いつくところでいうと、吉野家、coco一番、すき家、サイゼリアといったところでしょうか。もっとあるかもしれませんが、今書きながら思いついたところはこれだけです。なお、味千ラーメンは私の中では日系というよりも香港系のイメージなので、ここでは外します。

 

飲食店の店舗数を増やそうとすると、資金が潤沢であれば直営店を出店すればいいですし、できるだけ資金を抑えつつ出店数を増やすのであればフランチャイズ展開する必要があります。上にあげた銘柄でフランチャイズ展開しているのは吉野家だけかと思いますが、確か香港系の会社といっしょにやっていたかと思います。資金をどんどん投入するのはリスクが高い、フランチャイズ展開しようにもうまくコントロールできるかに自信が持てない。多くの日系飲食店はこのように考えているのではないかと思います。そこで今日紹介したいのは、中国で飲食店が結構な資金調達ができているという事実です。

 

下表は今年1-5月に飲食関係で資金調達した企業とその金額の一覧です。飲食関係なので、店舗型のレストランとなると数は限られるのですが、それでも賽道火鍋というところが500万元超、小恒水餃が5000万元、遇見小面が数百万元、邢小爺が1000万元、嘉和一品が2.98億元などなど、他にもあるのですが、とりあえず上のほうから書いてみました。どれもこれも結構な金額です。飲食店ではなく飲食系のアプリなのですが、新美大はなんと33億米ドルも調達しています!

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要するに飲食関係に投資したい企業やファンドがたくさんあるということです。私のほうにもとある中国系のファンドから日系の飲食関係で面白そうな投資先がないかと時々聞かれます。ちょっと動けていないのでそろそろ動いてみようと思っているのですが、日系の飲食店に対する関心は意外と高いようです。思い起こせば2012年頃だったでしょうか。とある台湾系のドリンクスタンド会社の董事長とお話しする機会があったのですが、その時点で日本食というのは業界でもかなりホットだったようなのです。ところが、反日デモ等が発生してしまいせっかくのその熱が冷めてしまい、本当にタイミング的にもったいなかったというお話をされたことがあります。ただ、日本側がファンドという出資会社に対してどのような印象を持つかという心配はあるのですが。

 

現在の日中関係が良好とは言いませんが、さすがに2012年の反日デモのような雰囲気はないですし、実際に日本食レストランの中国人比率も以前と比べると増えてきています。日本食に限らず、日系がやっている洋食関係やカフェなんかも面白いと思います。日本に旅行に行った中国人が日本で飲食店舗のサービスを受けて帰ってくる、これだけで日本の飲食店の印象はよくなるでしょうし、日本と中国の両方に店舗があれば、お互いの店舗の宣伝効果にもなるのではないかと思います。以前一つスイーツ系でお話をもっていったことがあるのですが、時間がたつにつれトーンダウンしてしまったので、今度は話があれば一気に進めていければと思っています。こういうのは勢いも大事ですからね!

中国の日用消費財ランキング、外資はいかに?

 中国の日用消費財のランキングが発表されています。消費者触及数(消費者にどれだけ接触しているか)や浸透数、購買頻度等からランキングが形成されています。そして第1位が乳製品の伊利、第2位がカップラーメンの康師傅、第3位がやはり乳製品の蒙牛です。康師傅は台湾系ですが、同じ台湾系では旺旺と統一もランク入りしております。台湾系も中国ブランドに入れられてしまうのですね。違うと思うのだが。

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 次に、消費者触及数(消費者にどれだけ接触しているか)の伸び率のランキングです。この銘柄で私が知っているブランドだと第7位の紙製品の維達、第9位のビタミン飲料の脈動、そしえ第10位のビールの雪花があります。

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 同じく飲料及び食品類の消費者触及数(消費者にどれだけ接触しているか)の伸び率のランキングです。上の表にもある銘柄ですが、怡宝という銘柄がかなり伸ばしています。

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 今度は健康美容/家庭用品です。糧用品だと2、3、4あたりはよく見かけますね。

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 中国ブランドもどんどん伸ばしてきていることが分かります。消費財は現地ブランドが強いのが一般的なのでしょうが、それでも中国ブランドだらけ。こんな市場で外資が勝負するきつさを思い知らされます。

 日本の会社から市場調査の依頼を受ける場合、他の日系企業の動きを調査するようにリクエストされることが多いのですが、本当はここに上がっているような銘柄にもっと焦点を当てて、どのような戦略、サプライチェーンで販売しているのか、そのほうがもっと今後のビジネス展開に活きるのではないかと思います。もちろん現地の会社と同じことができないケースも多いですが、彼らが何をやっているのかを把握することは必要ではないかと思うのです。敵を知らずしてこっち側でいろいろ考えても攻略することはできないですからね。

2016年中国ベビー商品ビッグデータ報告

 一人っ子政策が解禁されて、果たして今後ベビー市場がどれだけにぎやかになっていくのか、いやいや、成熟してしまった地域ではあえて二人目を産もうとしない夫婦も増えているので、期待するほど増えないのではないか、いろんな見方があります。21世紀経済研究院とネット販売の京東が共同で《2016中国ベビー商品消費趨勢報告》なるものを発表しましたので、この内容を見ていきましょう。

 

 この報告によると、一人っ子政策解禁により経済成長率は0.5%程度引き上げられ、毎年新たに300億元のベビー関連消費が生まれる、ベビー商品市場が年間平均13%伸びると予測しています。

 

1.ネットショッピングユーザーの多くは若い女性

 ベビー商品を購入する人は、女性、若い、夜更かし、ケータイを手放せない、販促を通じて買いだめ、商品コメントに注目する傾向があるとのことです。一線都市ではベビー商品ユーザーの71.05%が女性、六線都市ではこれが79.5%にまで跳ね上がります。商品の性質上女性のほうが多いのは理解できます。また、8割の発注がモバイル端末を通じてです。これはほかのカテゴリーと比べて10ポイントほど高いとのこと。

 下図を見るとネットショッピングする時間帯は男性も女性も傾向としては変わりませんが、日中は女性ユーザーのほうが上回り、夜になると男性のほうが上回っています。夜の10時がピークとなっていますが、会社が終わって家に帰ってほっと一息つくのがこのころなのでしょう。

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2.コメント注目及び販促

 商品に対するコメントが気になる人がベビー商品の場合一般商品よりも比率が高くなっています。また、販促に対しても他カテゴリーよりも敏感だという結果が出ています。

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(左:全商品分類、右:ベビー商品)

 

3.購入商品

 下図は一線都市から六線都市までに購入商品を比率で分類したものです。一線都市では水色の家庭教育・育児の図書の比率が高く、都市ランクが下がるにつれこの比率も下がっていってます。これに対して、青色は粉ミルクなのですが、都市ランクが下がるにつれて比率が上がっていってます。職に対する比率が高いという点で、エンゲル係数に似ているように思います。それ以外だとエメラルドグリーンのベビー服の割合が都市ランクが下がっていくほど高くなっているのが目立ちます。

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 粉ミルクの販売額(下グラフ)を見ますと、四線として最も高くなっています。六線都市は低くなっていますが、これは消費金額レベルが少ないことによるものかと思います。

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 省全体で見た場合、ベビー商品の一人当たり消費が最も高いのが広東省。このあとに江蘇、遼寧、福建、湖北、浙江、山東、四川と続きます。二線都市だけを抜き出しますと四川省が最も強く、都市でいうと成都の消費が強いです。内陸の雄ですね。

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 果たして、一人っ子政策解禁により市場がどこまで拡大してい行くのか。市場がどこまで広がるかはもちろん大事なのですが、とにかく土地が広大な中国、都市ごとの研究も必要ですね。

中国のコンサートチケットは高い!!

 中国のコンサートチケットは高い印象があります。ちょっと中華圏の有名どころを見てみましょう。

 まずはアジアナンバーワン男性歌手といってもいいでしょう。台湾のJayこと周傑倫が7月1-3日の3daysで上海メルセデスベンツアリーナでコンサートをを開催します。チケットはすでにすべて売り来てますが、価格を見ていきますと最も安いチケットが580元(約9,800円)、そして880元(約14,800円)、1080元(約18,000円)、1580元(約26,600円)、2080元(約35,000円)、めちゃめちゃ高いと思いません?

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 次もまた台湾人歌手、キロロの曲をカバーしているので、今日くらいは聞いた人は多いと思います、劉若英です。歌だけでなくドラマにもよく出ています。買おうと思っていたのですが、やはりチケットが高い!最も安いのが380元(約6400)、続いて680元(約11,400円)、880元(約14,800円)、1280元(約21,500円)、1580元(約26,600円)。これを見る限り残っているのは最も高いチケットだけ。購入断念。  

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 そして次も台湾人歌手、活動拠点からして香港カテゴリーのほうがいいかもしれません、周華健です。280元(約4,700円)、380元(約6,400円)、580元(約9,800円)、680元(約11,400円)、880元(約14,800円)、1280元(約21,500円)、上の二人と比べると低めの設定になっていますが、それでも決して安くありません。

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 ちなみに私が昨年日本武道館でいったデフ・レパードのコンサート、一番高い席だったのですがそれでも13,000円でした。来月カルチャークラブが東京と大阪にやってくるのですが、大阪のチケットは15,000円と25,000円の2種類。この辺でようやく追いつく感じでしょうか。全盛期の時代が異なるアーティストたちのチケット価格ですが、比較するとわかるいやすいのではないでしょうか。

 

 さて、これだけ高いコンサートチケット、やはり諸外国よりも高いといわれています。一線都市といわれる北京、上海、広州、深圳の人でもさすがに高いと感じてるのではないかと思いますが、二・三線都市の人からするとなおさら高く感じるに違いないでしょう。この分野のマーケットが成熟しているところだと、出演者の出演費用は総費用の50%以内と言われており、これに対して中国では75%にもなるようです。出演費用が高ければチケット代が高くなる、当たり前といえば当たり前です。中国での出演費用が高くなるのはなぜか?アーティストのギャラがほとんどチケット収入に賄われるからでしょう。例えば、日本でコンサートを開催する場合、会場内(会場外の場合もあります)でグッズが販売されますが、この収入はかなりばかになりません。CDだって売れます。これに対して、中国だとCDは海賊版が横行しており、そもそも正規版を見る機会すらほとんどありません。また、コンサート会場でもグッズ売り場って多分ないんじゃないでしょうか?少なくとも昨年上海でjolinこと蔡依琳のコンサートに行った時には会場内も会場外もグッズ売り場は見かけませんでした。代わりに見かけたのは海賊版グッズばかり。つまり、基本的にグッズ収入は見込めないということになります。アーティストからするとグッズ収入が見込めない以上、チケット代に転嫁せざるを得ない、それゆえの高額チケットということになるのでしょう。ということは、CDの海賊版が撲滅されたり、グッズの海賊版が撲滅されたりしない限り、ある程度適正な価格になるのは難しいでしょうk。しかし、海賊版を完全撲滅するにはおそらくまだまだ時間がかかるでしょうし、CDなんていまではネットからのダウンロードでスマートフォンに落とし込んでいる人が多いと思いますが、それも無料でダウンロードできるものがまだまだたくさんあります。こんな環境なので、コンサートのチケット代はまだまだしばらく紹介したような高い料金のまま変わることはないでしょうし、これがスタンダードになってしまっているので、グッズ等で稼げるようになる時代が来たしても、チケット代はあまり変わらないかもしれないですね。

2015年中国主要百貨店、ショッピングモール売上高ランキング

 ここ最近ランキングモノがよく発表されています。今日は2015年の主な百貨店、ショッピングモールの売上高ランキングです。中国人消費者向け関連ビジネスを行っている人にとっては、このラングに入っている店舗に行くことによって何かしらの気づきが得られるのではないかと思います。

 

 さて、1位は毎年のことながら北京の元々は新光天地という名前だった北京SKPというところで、売上高は78億元(約1300億円)ですが、新宿伊勢丹の半分くらいですね。まあ、新宿伊勢丹の売り上げの中にも中国人観光客の分が含まれているのでしょうが。

 

 そして、上海を見ていきますと、7位に上海IFCが前年比+14.9%と好調、8位のヤオハンが前年比▲6.94%、14位の上海港匯が前年比▲7.7%、同じく14位で上海五角城万達広場が前年比+9.09%、26位の上海久光が前年比+3.13%、49位のラッフルズが前年比横ばいとなっています。お客さんのお話を聞いているとみんな口をそろえて「悪い」という一方で、個人消費は堅調と言われていましたが、これとて上海の状況を見ると決して良いとは言えない状況ではないかと思います。他の都市も同じですよね、前年比マイナスとなっているところが多いです。

 

 個人消費まで落ち込んでしまうと、さすがにちょっときついかと。日本での爆買いも一時の勢いがなくなってきていると聞きます。もう少し勢いが続くと思っていたのですが、さすがに為替がこれだけ元安になるとしょうがないですね。それでも日本商材は人気は今のところまだ健在で、中国向けに販売するために調達したがっている業者がまだまだいるという話も聞きます。今の為替水準だとまだ大丈夫なのでしょう。ということは、やっぱり1元=15-17円くらいが適正なのかな。

 

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中国における2015年外資スーパー出店・閉店状況

 本日は中国における外資スーパーの出店・閉店状況を見ていきましょう。主な外資プレーヤーとして、沃尔瑪(ウォルマート)、家楽福(カルフール)、大潤発(RTマート)、欧尚(オーシャン)、卜蜂蓮花(ロータス)、麦徳龍(メトロ)、楽天瑪特(ロッテマート)について見ていきます。

 

 まずは2015年の出店と閉店の状況です。カルフールが出店17、閉店18と他社対比閉店が大きく上回っています。ロッテマートが5店舗と相対的に多いですが、他社は閉店なし、あるいは1-2店舗程度しか閉店していません。カルフールの動き、スクラップアンドビルドがほぼイーブンとなっているといえば聞こえはいいですが、出しては閉め、出しては閉めというような傾向にも見えてしまいます。

 

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 2014年と2015年の出店数比較を見ていきます。2015年のほうが出展の勢いが鈍っていることが分かりますね。

 

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 2014年と2015年の閉店数比較です。2014年にウォルマートは16店舗も閉店していますが、2015年はわずか1店舗閉店で収まっています。それに引き換えカルフールはなんと閉店店舗数が前年比倍増、マイナスの兆候が見て取れます。ちなみに大潤発は2014年も2015年も閉店数0ですが、そもそもいままで1店舗たりとも閉店していないというのは秀逸です。

 

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 2015年の地域ごとの新規出店数を見てみましょう。カルフールが一線都市に9店舗出店しており、ロータスも5店舗出店しています。大潤発は新一線都市に8店舗出しています。二線都市への出店は大潤発とウォルマートが多く、カルフールの動きだけが少し異質に見えるのは気のせいでしょうか。そして三線都市も大潤発とウォルマートがそろって6店舗出しています。四線都市においても大潤発は7店舗、ウォルマートが5店舗の出店。

 

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 大潤発とウォルマートは新一線都市以外ではほぼ同じような動きをしているといえます。そしてカルフールは都市ランクが下がるほど出店数が少なくなっており、このトップ2社との違いがくっきりしています。先日とある食品メーカーの方にお話を伺う機会があったのですが、カルフールにはすでに以前のような勢いがないと嘆いておられました。そういえば4年ほど前にカルフールの中国事業が売却されるというような話がありましたが、ちょうどそのころから勢いがなくなってきたのではないかと思います。大潤発やウォルマートを崇拝するわけではないですが、カルフールの他社と違う動きを見ていると今後の勢いがますます陰ってきてしまうような気がしますね。

日中間の出資案件、うまくはまればお互いにハッピー

 上海に外婆家というレストランがあります。全国で200店以上あるちょっとした外食チェーンです。いつも並んでいて、並ぶのが嫌いな私はまだ一度も食べに行ったことがありません。

 

 この会社のオーナーの私と同じ苗字の呉さんはよく日本に行くのですが、東京に行ったときにとあるレストランで非常においしい鳥スープの飲む機会がありました。仕事がら1000杯以上の鳥スープを飲んできた呉さんですが、こんなにおいしいスープは飲んだことがないというほどの絶品だったとのこと。そこで呉さんは店主にこの味を伝授主てほしいとお願いしたところ断られました。このお店はそれほど大きくないながらもミシュランガイドに掲載されているお店で、非常に格式のあるお店でありました。このようなお店が軽々しく味を伝授するわけにもいかず、当然のことながらお断りされたわけです。呉さんはそれでもあきらめず、ライセンスをもらえないかと聞いては断られ、設備を売ってほしいとお願いしては断られ、中国でお店を出すように提案しても断られ、最後に株主にならせてくれといったところ、なんとこれが受け入れられたのであります。株主になったわけでありますから、厨房に入ることもできるようになり、秘伝の鳥スープも手に入れることができたわけであります。

 

 さて、日中間のM&Aにおいて、日本側が中国側を買うまたは出資する、これに対して抵抗する人はあまりいませんが、中国側が日本側を買うまたは出資する、これに抵抗感を感じる人は少なくありません。特に中小企業であればあるほどその傾向があるように思います。しかし、今回の外家婆のケースを考えてみましょう。呉さんは日本で出くわしたお店の味を中国に持って帰りたかっただけで、日本での経営にまで手を伸ばそうという気持ちは毛頭ありません。日本側は今まで通りの経営を続けることができるわけです。そして中国側は中国で日本のノウハウを活用して業績を伸ばしていくことを目指します。日本側が出資金を受け取る以外に、しっかりとライセンスフィーをもらうことさえできれば(私の見たニュースソースにはここまで書かれていないのですが)、日本側の経営に口を出されることもなく、しかも中国からフィーをもらうことができ、中国側も手に入れたノウハウで業績を伸ばすことができる。誰にとっても損のない話なんですよね。もちろん、中にはたちの悪い中国企業もいるでしょうが、おそらくおおくの中国側の日本側に対する買収や出資はここで紹介しているようなケースが多いのではないかと思います。ビジネスライクに考えればいろいろ面白そうな動きはもっとあってもいいように思います。外婆家の呉さんは秘伝の鳥スープをサブブランドの宴西湖という高級店舗に導入したとのことです。

 

 しかし、日本という国はミシュラン掲載店舗が世界最大だそうで、東京だけで226店舗あり、これはパリの94店舗もよりもはるかに上回っています。あまり意識して食べに行こうと思ったことはないですが、いつかちゃんと調べていってみたいものです。そこまでするのも仰々しいので、まずは秘伝の鳥スープを提供する宴西湖に行ってみることにしましょう。

上海大丸の苦闘

 昨年2月に試営業開始、5月よりグランドオープンした上海大丸(上海新世界大丸百貨)。私も何度か行ったことがありますが、ちょっと人の入りが少ないなあという印象がありました。オープンしてから1年強経過しましたが、昨年度(中国の決算は12月)の営業成績がメディアで紹介されています。それによりますと、営業収入が4.02億元(約66億円)、そして純利益がなんと▲4.14億元(▲68億円)です。なんと収入額よりも赤字額が大きいのです。

 

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 立地は南京東路という繁華街。繁華街なので人通りも多いのは確かなのですが、この繁華街は観光客ばかりが多く集まるという特徴があります。この立地している場所は地方からの観光客が多く、残念ながら地元民でもあまりお金を落としてくれる人がたくさんいるイメージのない場所です。要するにお金を落としていかない人たちが多く集まる場所です。休日の日はとにかく黒山の人だかりになる場所です。

 

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 大丸は高級店なので、明らかにマッチしていないといえるでしょう。日本人になじみの百貨店だと上海には伊勢丹(数字見つけられず)と久光(年間営業額26.4億元)というのがありますが、この2店舗のいずれもが繁華街であることは間違いなく、観光客がメインに集まる場所でもなく、むしろハイクラスの店舗が多く並ぶ通りにあり、高級百貨店が立地するという点ではいい感じの場所ではあります。大丸とは正反対とまではいわないまでも人の集まり方がかなり違う場所であるといえるでしょう。大丸としては現地企業との事業提携契約を締結し、マーケティング、商品構 成計画、内装デザイン、従業員への販売サービス教育、カード政策等、百貨店の開業準備に関わる 技術支援を行うという形態でのプロジェクトなので、リスクをあまりとっておらず痛手は少ないかもしれません。しかし逆に、現地企業のプロジェクトでありながらなぜこの立地なのかという疑念が残ります。事業提携相手が運営している上海新世界商城が比較的うまくいっている(年間営業額35億元)ことから、コンセプトの違う大丸でもうまくいくと思ったのかもしれません。となると、これは日本大丸よりも中国側の失策であるといえるでしょう。

 

 大丸だけの記事かと思いきや、日系ということで高島屋まで引き合いに出されています。2012年に上海に進出した高島屋、当初年間130億円の売り上げを計画したのですが、ふたを開けるとその半分しか達成できませんでした。このような状況を挽回すべくいろんな取り組みをしているようで、連休中に高島屋に行ってきましたが、名探偵コナンのイベントが開催されており、かなりの行列ができていました。私が見たときは100分待ちくらいでした。

 

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 さて、また大丸の話に戻ります。一階と二階は主にラグジュアリーブランド、時計、化粧品が主体で、フェラガモ、グッチ、ティファニー、バーバリーといったラグジュアリーブランド、資生堂、SKⅡ、ランカム等の化粧品ブランドがあります。ヴィトン、プラダ、エルメスといったブランドはありません。ディオールとシャネルは化粧品だけです。そして、フロアーが上がっていきますと客数はどんどん少なくなり、そこにあるのは日系ブランドが多く、日系ブランド好きにはいいのですが、一般的には中国での知名度は高くないものばかりです。いろいろと取り組んでいるようですが、なかなか成果は出ていないようです。

 

 さて、この大丸のある南京東路という立地、長く上海に住んでいる人であればおよそショッピングのために行く場所ではないというのはわかっています。繰り返しになりますが、地方からの観光客が多く、またそういった上海に慣れていない人たちをカモるための人たちも多いので、あまりいい印象はありません。しかし、何も知らない人が来ると、あまりの人通りの多さに圧倒され、立地が良いと勘違いしてしまう人がいます。数年前にこのエリアに進出した飲食店のイベントの招待されたことがあり、その時になぜこの立地に出店したのかを聞いたことがあります。その飲食店は立地として厳しいのは十分にわかっていたようで、しかし賃料がそれほど高くなかったこともあり、テスト的にやってみようというお話でした。こういう割り切りがあったうえでの出店であればわかりますが、一番最初にこのエリアに出店するというのはちょっと考えにくい。さて、今後どうしていくのでしょうか。立地の劣勢を挽回するのはかなり難しいように思うのですが。。。