Date: 11月2011

社会保険の記事をきっかけに思ったこと

 日経新聞の報道によりますと、11月25日、北京市政府幹部が年末までの加入登録を義務付けることを明らかにしました。日系企業にとっては影響が大きいということでそれなりに騒がれている記事です。個人的に思うのは、この記事でいまさら騒ぐのもなんだかなあと思います。なぜならば、そもそも社会保険法は昨年すでに公布されており、その条文を読む限りでは外国人も社会保険の対象とするのはわかっていたからです。ところが外国人にも適用するという書き方がされていないから確定といえないという論調があり、中国も気をつかってなのかどうかは知りませんが、外国人も社会保険の対象ですよとアナウンスする通達をわざわざ公布し、各地政府がそれに基づいて現地ルールを制定しようとしているというのが現状です。個人的には社会保険法が公布され、且つ該当部門から「外国人も対象」とコメントすればそれで終わっていた話かと思うのですが、そういう意味では外国人に対して気をつかっているなあと感じます。

 

 日中間に限定して言いますと、医療保険でいえば確かに日本の病院と中国の病院ではあまりにも環境が違い、日本人だと中国の病院のあの黒山の人だかりの中で順番を待つというのはなかなか耐え難く、おのずと海外旅行傷害保険を利用して日系を含む外国系の病院に行くことになります。そうなると中国の社会保険は関係ありません。また、失業保険だって駐在員の場合は関係ないですし、現地採用者の場合でもいざ本当に失業すると滞在資格の問題につながりますので、そもそももらえるのかどうかもわかりません。とはいうものの、日本でも外国人から社会保険は徴収しているので、お互い様という部分で中国が外国人から社会保険を徴収するのは特別問題視される話でもないと思います。将来的には日中間で社会保障協定を締結することで解決に向かう話でありますし、伝え聞くところによると日本側も社会保障協定締結に対してかなり前向きだそうです。いずれにせよ、そう遠くないうちに外国人もすべて社会保険の対象となるということは間違いないといえます。繰り返しになりますが、前からわかっていた話ではありますが。

 

 さて、企業の観点から見ると外国人の人件費コストが上昇するというのがありますが、そもそも外国人の人件費コストは社会保険に関係なく高いのが事実で、現地日系企業の運営について話をしていても「駐在員のコストが高くて、、、」という言葉がよく出てきます。駐在員コスト負担を解決するためには「駐在員を減らす」、「駐在員がコストに見合うコストパフォーマンスを上げる」という方法しかないでしょう。企業によっては前者の「駐在員を減らす」という動きをすでに始めており、現地幹部に中国人をどんどん活用している企業もあります。中には現地化を進めているとアピールするために中国人にポストを与えつつでも権限はポストに見合っていないというのも少なくないですが。私は現地化にも二つあると思ってます。ひとつは皆さんのイメージする現地化、つまり現地法人の職員をどんどん現地人化し、権限も与えていくという現地化です。もうひとつがそのもっと手前にある、そもそも現地法人で勤務する駐在員に対して権限を与えるという意味での現地化です。駐在員ですら権限を与えられていなければ現地スタッフについては言わずもがなでしょう。

 

 社会保険については社会保障協定を締結すれば一応の決着を見ることができるわけですが、現地化については企業によっては時間を要する課題かもしれません。最近『中国で勝つ10の原則と50の具体策』という本を読みました。そこで並べている原則を見ていきますと、

 

1. 日中市場の特質、マネジメントスタイルの違いを理解した上で行動する

2. 日本で成功したビジネスモデルをそのまま中国に当てはめてはいけない

3. 激変する現代中国の実像をつかみ、先見の明を持つ

4. さまざまなステークホルダーの需要を捉え、矛盾の中でバランスを取る

5. 日本本社と中国法人が一体となり、迅速に取り組む

6. 現地人材を惹きつけ、魅了し、やる気にさせる

7. 迅速勝つ賢明な意思決定をし、戦略的に行動する

8. 情に流されない

9. 商談、交渉においては、周到な準備をした上で根気強く駆け引きする

10.    中国社会の動向を把握し、リスクに備え、公的危機を最小化する

 

 まさにそのとおりです。同じようなことを自分もいっているなあと思いました。これってずっと以前から言われているのと同じことなんですよねえ。どれも大事なことだと思いますが、その中のトップ3と思うものについてアンダーラインを引きました。この3つのネックは共通していると思うのですが、あまり中国を理解していない、あるいは昔の中国(オールドチャイナ)のイメージを引きずっている人、がこの傾向にあると思うのです。そしてこういった人が旗振り役になり、その旗振り役に意見する人がいないようだともうどうしようもありません。最近日本にいる比率が増えてきていて、よく耳にするのですが、結構日本の会社で外部の人の協力を仰ぐ会社があり、それは別にいいのですが、オールドチャイナを引きずっているようなコンサルタントやブローカーにいいように言いくるめられているケースが少なくないとのことです。以前からそういう話はよく聞いていたのですが、あらためてやっぱりたくさんいるのかと思いました。そういう人たちって危機をあおったり、相手を言いくるめるのが上手な人が多いようです。なんとかしてそういう輩を駆逐していきたいと思う今日この頃なのであります。

 

  中国で勝つ 10の原則と50の具体策
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東洋経済新報社

売掛債権によるデットエクイティスワップの可能性

 2011年11月23日付で《会社債権の持分転換登記管理弁法》が公布され、12月1日より施行されることになりました。これはなかなか注目に値する通達だと思います。地方通達レベルで債権の持分転換(以下、デット会苦いいティスワップという)に関する通達が出ているところがありますが、例えば浙江省の通達であります《浙江省外商投資企業債権の持分転換審査批准登記暫定弁法》の中では、債権が外債であることが要件となっています。要するに出資者からの借入であり且つ外債登記が行われているもののみが対象になります。一方で、今般の通達ではデットエクイティスワップの対象となる債権の要件は次のとおりとなっています。

 

 第三条 デットエクイティスワップの登記管理について、以下のいずれかの状況に属する場合、本弁法を適用する。

 (一)会社経営において債権者と会社との間で発生した契約の債を会社の持分に転換するにあたり、債権者がすでに債権に対応する契約義務を履行し、且つ法律・行政法規・国務院決定または会社定款で禁止している規定に違反していないこと。

 (二)人民法院の効力を発生する裁判で確認した債権を会社持分に転換すること。

 (三)会社の破産再生または和解期間において、人民法院の批准を経て再生計画に組み入れられたまたは裁定認可された和解協議の債権を会社持分に転換すること。

 

 これだけを見る限りでは対象となる債権が「外債」であることまで要求されていません。つまり、外債登記を行う類ではない債権、例えば売掛金という債権もデットエクイティスワップの対象とすることができるように見えます。もしこれができるとなると、結構インパクトが大きいのではないかと思うのです。中国内の子会社の業績が芳しくなく、且つ資金状況が厳しい場合、増資することで対応してきたところも多いかと思うのですが、これだとキャッシュを必要とせずに増資を行うことができるからです(もっとも、増資した資金で売掛金を回収すればキャッシュベースではトントンではありますが)。ただ、輸入した代金を支払わずに資本金に振替する場合、外貨の輸入核銷(照合)をどうクリアするのかという問題ができてきます。これさえクリアできれば結構使えるかもしれません。もっとも、外商投資企業については商務部門による審査をまず通過する必要があり、そもそもその審査が認められるかどうかという問題もあります。しかもこれは商務部門ではなく工商行政管理部門が公布した通達でもありますし。そこで《外資企業法実施細則》を改めてみましたところ、「外国投資者は自由兌換できる外貨で出資することができ、機器設備、工業財産権、専有技術等を値段をつけて出資することもできる」とあり、売掛債権にまで言及していません。《中外合弁経営企業法実施条例》でも似たり寄ったりです。となると、結局デットエクイティスワップは個別の通達で認められている外債登記されている債権にやはり限定されそうですね。このあたり通常の債権でもデットエクイティスワップの対象として緩和してほしいところですよねえ。

《一部の資本項目外貨業務管理を一段と明確及び規範することの関連問題に関する通知》

 2011年11月9日付で《国家外貨管理局:一部の資本項目外貨業務管理を一段と明確及び規範することの関連問題に関する通知》(匯発[2011]45号)が公布され、資本金の人民元転に関するオペレーションを明確化しました。本通知の一部の内容はすでに公布されている通達で触れられている内容が含まれていたり、深センですでに行われている内容が含めれていたりしますが、こういった内容やオペレーションが全国的に統一されるということになります。以下に本通知の概要を紹介します。

 

 

1.資本金の人民元転により得た人民元の使用制限

 

(1)出資持分投資の制限

資本金の人民元転により得た人民元での国内出資持分投資を行うことができません。なお、持分投資類外商投資企業が外貨資本金を以って、国内中資機構が資産を現金化した口座内の外貨資金で国内持分投資は、外商投資性公司の外貨出資管理原則を参照して処理。

 

(2)不動産関連支払の制限

外商投資企業が外貨資本金の人民元転で得た人民元資金で土地払い下げ金を支払う場合、銀行はエビデンスに対する審査を厳格に行います。また、非不動産外商投資企業は人民元転により得た人民元で非自社用不動産の関連費用を支払うことが認められません。

 

(3)借入に関する制限

外商投資企業は外貨資本金の人民元転で得た人民元資金で委託貸付、企業間融資の返済(第三者立替を含む)及び第三者への転貸資金を返済することはできません。ここで注意すべきなのが「第三者立替」についてです。新会社を設立する場合、資本金口座開設前に発生する費用をすでに現地にある関連会社に立て替えてもらうケースがありますが、この立替金を返済するための資本金の人民元転ができなくなります。会社運営が始まり人民元収入が得られるようになれば、また経常項目の外貨収入が発生すればその収入を人民元転することでその立替金を返済することができるようになりますが、立替期間がおのずと長引くことになりますので、この点について留意が必要です。

 

外商投資企業が外貨資本金を人民元転して得た人民元資金により既に使用を完了した銀行貸付(委託貸付を含む)を弁済する場合、銀行は貸付資金の使用が完了したことの証明書類を提出するよう要求します。

 

(4)保証金支払に対する制限

外商投資企業は原則として外貨資本金を人民元転して得た人民元資金により各種保証金を支払うことはできません。国内の個人また機構(銀行を含まず)が、外商投資企業が外貨資本金により支払った各種保証金を受領する場合、所在地外管局に保証金専用外貨口座の開設を申請することができます。要するに保証金支払は外貨で行われるということになります。

 

 

2.外商投資企業の対外借入の管理強化

 

(1)対外借入

外商投資企業の対外借入にあたり、外国側出資者は資本金を期限通りに満額払込む必要があります。要するに資本金の払い込みも終わっていないような外商投資企業が対外借入することは認めないということです。

 

また、対外借入の限度額は投注差の範囲内に収める必要があります。また、借入可能金額は外国側出資者の出資払込比率を乗じた金額の範囲までとなります。つまり、出資者からすると出資比率に応じた金額までの貸出しかできないということになります。

 

(2)外商投資企業の期限超過・ロールオーバーした外債の管理強化

外債の返済期限が超過する場合、期限延長の手続きを行う必要がありますが、それを行っていない場合、外貨管理局はその後の新規外債借入の登記申請受理を当面停止します。  

また、外商投資企業が借入する短期外債に期限超過またはロールオーバーが発生し、且つ実際の借入期限(当該外債の初回引出日から現在、または新たに約定した期日まで)が1 年を超過した場合、発生額に基づき当該外債を外商投資企業の対外借入限度額のコントロール下に組み入れるとされています。「コントロール下」に組み入れるという表現があいまいに感じられますが、あえて「コントロール下」と強調しているのは1年を超過した場合、短期外債ではなく中長期外債扱いに組み入れることを指していると考えることができます。中長期外債扱いになりますと残高ベースではなく累計発生額ベースでの管理となり、将来的な出資者よりの資金調達に影響しますので留意が必要です。

 

 

3.土地保証金口座の管理

 

土地使用権の入札は保証類専用口座を通じて行う必要があります。本通知に伴い、外

国投資者が土地使用権の入札に使用する保証類専用口座の名称を「土地使用権入札保証類専用外貨口座」(以下、「土地保証金口座」という)と変更します。この口座に入金できるのは「入札募集・競売・公示などの方法で土地使用権を譲渡したことにより受領した外貨保証金の預入」に限定され、出金も「所在地外管局の認可を得て原通貨を外国投資者がその後設立した外商投資企業の外貨資本金口座に振替・もとのルートにより国外に送金・もとの振替認可書に基づきもとの外商投資企業の外貨資本金口座に振替」に限定されます。なお、土地保証金口座内の資金は人民元転することができません。

 

 

 

4.個人の資産現金化専用外貨口座の管理

 

国内の個人が外国投資者からその所有する国内企業の株式またはその他の権益所得を受け取る場合、所在地外貨管理局に資産現金化専用外貨口座(以下、「資産現金化口座」という)の開設を申請する必要があります。国内の個人は相応する資産現金化収入の納税証憑に基づいて資産現金化口座資金の人民元転を申請することができます。国内の個人が資産現金化口座の資金を人民元転して得た人民元で当該資産現金化収入の税金を支払う場合、直接納税通知書に基づいて人民元転することが可能で、相応する資産現金化収入の納税商標を提供する必要もありません。

有機野菜 ~どこまで信じられるか~

 以前にも紹介したことがありますが、中国の有機食品について紹介します。

 

 消費者は無公害製品、緑色食品(無農薬もしくは低農薬、そして遺伝子組み換えでもない、すなわち自然で良質な食品のことを指します)、有機野菜の区別があまりついていないと思います。私も細かくは知りませんが、いちおう次のようなくくりになっています。

 

無公害製品 産地の環境、生産過程、製品品質が国家関連標準に符合し、認証証書を取得して無公害製品マークの使用が認められる加工を経ていないまたは初歩的加工を経た食用農産品。
緑色食品 特定の生産方式で生産し、専門機構の認定を経て、緑色食品マークの使用が認められる無汚染の食品。
有機野菜 農薬、化学肥料、激素、除草剤等の人口合成物質の使用が絶対に禁止。

 

 無公害製品は低毒化学肥料と農薬を使ってもいいのですが、農薬の残量が基準を超えてはいけません。緑色AA等級はいかなる有害化学合成物質も使用してはいけません。そして、有機野菜はこの二つよりももっと条件が厳しく、そもそも何も使うことはできないともいえます。畑も過去三年において農薬を使用したことのないような畑である必要があります。

 

 有機野菜と名乗るための基準はこれだけ厳しいわけですから、当然値段も高くなります。値段が高いということはそれだけ生産者としては儲けを狙うこともできるでしょう。有機野菜と名乗るためには認証を取得する必要があります。ところがこれがいい加減なところが多いといわれています。有機の認証機構のフィーの水準は大体2万元程度で、要する期間は1-3ヶ月程度です。ところが、いい加減なところは1ヶ月で全部済ませてしまいます。そういう業者の認証の進め方は次のような感じです。ちなみに中国の新聞記者の取材によるものです。

 

 認証は認証機構が行うのですが、これにコンサルティング会社がかんでいます。仲介するような形ですね。このコンサルティング会社が業務全体を請け負います。コンサル会社が人を派遣して畑を見に来る、要するに現地考査を行うのですが、これが一日もかかりません。というか、きて一目見るだけというのが正しいです。そして製品をコンサル会社指定の実験室にもって行き、実験室から有機検査報告を発行します。新聞記者が「これらの製品は大量に農薬を使っているので、有機と認められないのでは」と伝えたところ、「何も心配要らない、検査結果に手を加えるから」との返事。要するに改ざんですね。

 

 報告書が出来上がった後、コンサル会社は仲良しの認証機構と連絡を取り、そこで認証手続きが完了するのです、いちおうこの認証機構は正規のですが、現実はこんな感じのようです。認証機構も結局は依頼主からお金をもらっているので、生き残っていくためには甘くせざるを得ないといったところでしょうか。依頼主に厳しくいえない会計事務所のようなものといえばわかりやすいでしょうか。認証機構は23しかないのでなにも粋のころなんぞ考えずに清々とやればいいと思うのですが、そうはなっていないようです。

 

 スーパーにいくと有機野菜がいい値段で売られています。見せ方もきれいです。おいしそうですし体にもよさそうに見えます。でも実態はいい加減みたいなので本当の有機ってどれくらいあるんでしょうねえ。例えば、上海蟹も販売量が漁獲量の10倍あるといわれています。要するに胡散臭いのが90%占めているということなのですが、有機野菜も上海蟹バリに胡散臭いかもしれないですね。

増値税改革がついに試行開始

 営業税と増値税を一体化する増値税改革の必要性がずっと以前から話題となっておりました。具体的には営業税を納付している納税者が原材料、生産設備、燃料等を購入した際に納付した増値税が控除できず、営業税と増値税の二重課税の問題がずっと指摘されていましたが、2011年11月16日付で《財政部 国家税務総局:営業税を増値税に改正徴収する試点方案》が公布され、2012年1月1日より一部地域で試行されることになりました。要するに営業税という税目が増値税に統一される政策が試行されます。今回はこれについて紹介します。

 

 

1.試点の範囲と時期

 

試点地区 サービス業の発展状況、財政負担能力、徴収管理基礎条件等の要素を総合的に考慮し、あらかじめ経済放射効果が明らかで、改革模範作用が比較的強い地区を選択して試点を展開。
試点業種 交通運輸業、一部現代サービス業等の生産性サービス業から試点を開始し、徐々にその他業界へ広げていく。条件が成熟したときに、一部業界を選択して全国範囲内で全業種で試点を行うことができる。
試点時期 2012年1月1日より試点を開始。状況に基づいて方案を整え、時機を捉えて試点範囲を拡大。

 

 今般の通達とは別に《上海市で交通運輸業と一部現代サービス業の営業税を増値税に改定徴収する試点を展開することに関する通知》が公布されており、同じく2012年1月1日より試行されることになっております。

 

2.主な内容

 

(1)適用税率

 従来営業税は業種により3~20%の税率が適用されていましたが、本試点により営業税が増値税へと適用が変更され、これと同時に、従来増値税率は13%または17%であったのが、新たに11%と6%という税率が追加されます。業種による税率は次のとおりです。

 

有形動産賃貸 17%
交通運輸業、建築業 11%
その他一部現代サービス業 6%

 

税率をこのように区分する理由としては、サービス業ではずっと営業税を納付してきたことにより、増値税控除が始まったばかりではスムーズに処理されないと考えられること、業種によって営業税の税率が異なること等により、生産性サービス業に対して一般製造業と貿易類企業の増値税税率と異なる増値税税率を設ける必要があると考えていることによります。しかしながら、この二つの税率が現れることで、そもそもの増値税の税率が将来的に引き下げられるというシグナルではないかという見方も一部であります。

 

(2)課税方式

交通運輸業、建築業、郵便電信通信業、現代サービス業、文化体育業、不動産販売と無形資産譲渡について、原則として増値税の一般課税方法を適用します。金融保険業と生活性サービス業は、原則として増値税簡易課税方法を適用します。

 

一般課税方法 要納税額 = 当期販売税額 - 当期仕入税額
簡易課税方法 要納税額 = 販売額 × 税率

 

 

(3)サービス貿易

サービス貿易の輸入の国内環節において増値税が徴収されます。要するに輸入に際しては関税と増値税が徴収されます。輸出については0税率または免税制度が実行されます。

 

 

3.過渡的措置

 

(1)税収収入帰属

 増値税改革の大きなネックであった中央と地方の税収配分ですが、増値税は75%が中央、25%が地方に配分されている一方で、営業税は100%地方に配分されています。そのため、営業税が単純に増値税にスライドしてしまうと地方の取り分が大きく減少することになってしまい、そのため地方は増値税改革に積極的になれず、これが増値税改革がなかなか進まない原因のひとつでもありました。しかしこれもあらたに増値税に変更される従来の営業税部分については地方に配分されることから、地方の税収に影響しないということになっています。つまり、ひとつの税目でありながら、その配分が業種によって異なるということになります。なお、試点によって財政減収が生じる場合、現行の財政体制に従って中央と地方が分担して負担するとされています。

 

(2)税収優遇政策過渡

試点業種に対して与えている営業税優遇政策は延長することができますが、改革を通じて重複徴税問題を解決することができる場合、その優遇政策は取り消されます。そして、試点期間は具体的な状況に合わせて適宜過渡政策が講じられます。

 

(3)エリアをまたがる税目の調整

試点は一部地域のみで展開されるため、増値税改革が実行されている地域とそうでない地域にまたがった取引を行うことがありえます。その場合ですが、試点納税人が機構所在地を増値税納税地点とし、異地で営業税を納付する場合、増値税を納付するときにそれを控除することが認められます。非試点納税人が試点地区で経営活動に従事する場合、現行の営業税関連規定に従って引き続き営業税納付を申告することになります。

 

(4)増値税控除政策の連続性

既存の増値税納税人が試点納税人からサービスを購入するときに取得する増値税専用発票は、現行の規定に従って仕入れ税額を控除することができます。

広東省の医療紛争は年間2.5-3万件

 広東省の人口は2009年末時点で9638万人ということで、日本よりやや少ないくらいの規模です。そんな広東省の公立病院で医療紛争(おそらく医療ミスで患者がクレームする件数も含むものと思われます)が毎年2.5-3万件も発生しています。このうち、訴訟になるのが500-600件でだいたい2-3%、調整になるのが約1000件くらいだそうです。ちなみに日本の場合だと事故情報の提出義務があるのは国立病院や自治体所管の医療機関の273施設のみですので単純に比較はできませんが、200年で1895件発生しているとのことです。統計基準が異なるとはいえ、広東省の2.5-3万件はちょっと多すぎるように思います。でもこれだけじゃないと思います。日本でも同じでしょうが、あえて騒ぎにせず泣き寝入りしている人も少なくないでしょうし。

 

 中国の話で最近もある人から聞いたのですが、どうもお腹の調子が悪いので病院にいったところ盲腸なのですぐに手術が必要だといわれたのですが、本人としてはそこまでの苦痛は感じなかったので、その後日本で診察してもらったところ、日本の医者は中国の医者の紹介状をもらっている手前、それを全否定することもできず非常にボヤっとした言い方だったそうですが単なる胃炎ということで手術はしなかったという話を聞いたことがあります。割と立派な病院だったそうですが。。。なんだかなあ。私は割りとちゃんと診てもらっているのですが、こんなケースもあるんですね。

 

 大きな病院だと「外賓部」といういわゆる外国人病棟があり、ここだと割りといい扱いをしてくれます。料金は激高なのですが、人が少なく、清潔感もありますので、海外旅行傷害保険を付保している人はたいていここで見てもらっていると思います。一方で、一般病棟だとそれはもう黒山の人だかりなので順番待ちだけでも大変です。中国の病院はランク分けされており、三級甲というのが一番格上なのですが、日本にあるような町医者に対する信頼感がないため、ちょっと風邪をひいたくらいでも三級甲の病院に行きます。だからいつも黒山の人だかりです。こんな感じです。

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 並ぶ気持ちが失せてしまいます。

 

 7年位前に脱臼したときはいちおう三級甲の病院に行ったのですが、時間帯の関係で「外賓部」で受付してもらえず、一般扱いになり、治療してもらうまで1時間くらい待たされました。脱臼したことがある人はわかるかと思うのですが、これめちゃめちゃ痛いです。1時間も待たされて、結局関節を元に戻す作業はほとんど一瞬、あんなに苦しんでいたのでさっさとやってほしかったです。

 

 医療紛争の記事を見てこんな昔のことを思い出してしまいました。

中国の医師がもらうリベートは10-50%

 病院への薬品販売における商業賄賂に関する生々しい記事を見ました。今日はそれを紹介します。Q&A形式になっており、あまり長くならないように意訳しますね。

 

Q:どうやって医師と関係を築き上げるのでしょうか。

A:一般的には医師の部屋を直接ノックして、名刺詞を渡し、どこどこの製薬会社の者だと名乗り、主にどういった薬品を扱っているかを説明します。もしその薬品がすでに取り扱われているのであればもう使っていると言われ、まだ使われていないようであればその薬品の特徴について聞いてくるのが普通です。こうやってコミュニケーションをとれば、まあ知り合ったことになるでしょう。もちろん紹介してもらう方がいいに決まってます。

(私:いたって普通ですね。)

 

Q:医師から拒絶されたことはありますか。

A:もちろんあります。重要な医師だと思えばその医師にはどんな弱点があるのかを調べます。医師だって人間ですので、その医師のニーズがあります。それを探し当てれば攻めることができます。

(私:これもいたって普通ですね。)

 

Q:あなたはどうやって医師との関係をキープしているのですか。

A:しょっちゅう病院にいって一緒にご飯を食べたりです。でも今は昔ほど簡単ではなくなってます。2000年あたりまでは食事するだけで結構効果があったのですが、今では基本的にはリベートの話をする必要があります。収入の低い医師であればあるほどこういった取引きが生じやすく、位が上になると医師もその製薬会社の人柄をみます。これややむをえないことで、収入の少ない医師は何かしら別の収入がないと生きていけないですからね。しょっちゅう病院に顔を出す以外だと、学術会議や旅行に連れて行くことですね。

(私:やっぱり出てきましたねえ、リベートが)

 

Q:医師に渡すリベートは購入価格の何パーセント位ですか。

A:一般的には10%-30%、抗生物質類であればさらに多く30%-50%になります

(私:結構大きいですねえ!)

 

Q:リベートはどうやって渡すのですか。

A:現金ですね。調査が厳しいときには医師から当分来ないようにと連絡してきます。リベートは必ずしも医師に渡すとは限らず、病院や科の管理体系によって異なります。科の主任に渡し、その主任がさらに分配するというのもあれば、直接医師に渡すのもあります。

(私:現金だと証拠が残りにくいですからねえ。)

 

 いやあ、生々しいですねえ。こういった製薬会社の営業マンは売り上げで評価されるのですが、それを達成するためには上のような苦労もあるわけです。そして、そのために発生するコストはまずは立て替える必要があるので、採用面接の際には立て替えるための資金はちゃんとありますよねなどという質問もしてくるそうです。しかし、10-50%ですか。めちゃめちゃ大きいですねえ。日本でも手術前に医師にお金を包む人っていますよね。これは患者側が自らの意思で渡すものですが、医師もこういうったお金に対してあまり受け取ることを断らないイメージがあります。

 

 中国では日本と違って医師の待遇も悪く、待遇の悪さに耐え切れず脱サラならぬ脱医師をする人も結構いるようです。脱医師をした人は自分の知識を生かして製薬会社の営業をする人もいるようですが、そうなると「もらう人」から「渡す人」に立場が代わってしまうということですね。なんか自分がその立場だと惨めな感じもしますが、こういった現実を現実として受け入れているのでしょうね。

 

 

  中国流「金と成功」への道―情実と賄賂の国から
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はまの出版

中国の美術品オークション市場

 中国の美術品はは世界の美術品の33%を占めてトップの位置にあり、知られざる美術大国といえます。中国の美術品取引はオークションが中核ですが、その取扱額もまた世界一です。取扱高も年々急増しており、2010年には572億元(約6,900億円)にも達しています。これは前年の倍以上であり、美術品購入を投資とみなした場合、他のどの分野の投資よりも大きな伸びを示しているといえます。このあたりの動きは日本のバブル時代にも同じような動きがあったのでしょうか。当時の日本では美術品の価値がどこまでわかっているのかわからないような天文学的数字の金額で取引されていたことを思い起こす人は少なくないでしょう。下図は美術品のオークションの取扱高を示す棒グラフです。

 

          (単位:百万元)

 

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                   (出所:雅昌芸術市場監測中心)

 

 2011年はこの美術品オークションの取引額が700億元に達し、美術品全体の市場規模は3600億元に達することが見込まれています。中国のオークションは落札率が平均77%程度と非常に高く、中には100%落札するようなオークションもあります。これって出品者からすると落札される期待感が大きい反面、落札しなかったらかなり格好悪いかもしれないですね。一度美術品オークションの熱気を体感すべく見に行こうと思ったことがあるのですが、中に入るだけで保証金5万元が必要ということで泣く泣くあきらめました。

 

 中国への美術品の持ち込みは輸入税がかなり高額になるため、それを避けるために香港で扱われるのも少なくないようですが、これだけ美術品オークションが盛り上がっているのならばビジネスとしてこれにあやかってもいいのではないかと思います。海外品にもうひとつの難点は本国のみで知名度が高いレベルの美術品だと中国での知名度はほぼ皆無なので、どこまで見向きしてもらえるかが不安だという点です。とはいうものの、これだけ美術品オークションが盛り上がっているのであればこれをうまく活用する方向で考えてもいいのではないかと思います。そういうお話があれば是非やってみたいと思います!

 

  中国の近代美術と日本―20世紀日中関係の一断面
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大学教育出版

中古ブランド品販売

 いつも新聞を読んでいるのですが、今日は中古ブランド品について紹介します。世界贅沢品協会という協会があるのですが、そこの最新発表によりますと、中国の昨年の贅沢品市場の消費総額は107億米ドルで、世界の25%のシェアです。そして、エルメスの統計によりますと2010年の売り上げの38%は中国からだそうです。めちゃめちゃ比率高いです。お金持ちは新品を買えばいいのですが、そこまで手が届かない人は中古で手に入れようとします。以前一度紹介した寺庫という中古ブランド品を販売するウェブサイトがあります。このサイトでは中古ブランド品の購入も行っています。要するに仕入れですね。売り手側は値段を決めて預け販売することができます。このフローは次のようになっています。 

 

(1)  売り手が売却品の写真を撮り寺庫のサイトに送信します。 

(2)  鑑定士がその製品の鑑定を行います。 

(3)  鑑定が通れば直接オンライン預け販売を行うことができます。

 

 ただし、商品はいったん寺庫に送付して消毒等して綺麗にし、再度鑑定を行った後に売り手に送り返します。そして買い手が現れた段階で売り手は直接買い手に商品を発送します。綺麗にしてから売れるまでの期間がかなり開いたらどうするのかがちょっと気になりました。

 

 さて、買い手が中古ブランド品を購入するに当たって最も気にするのは値段もそうですが、そもそもそれが本物かどうかだと思います。これに対して寺庫は社内で鑑定士を30人抱えています。さらに大学で鑑定士を養成する研修センターまで設けました。国家資格としての鑑定士制度がないので自分で育ててしまえということなのでしょう。さらには、日本の同業者から3人(鑑定士2名、営業1名)ほど引き抜いたそうです。そしてこの3人が日本の業務フローを持ち込みかなりの効率アッププラス精度アップにつながったとのことです。日本の技術者が韓国企業とかに抜かれているというのは聞いたことがありますが、こういった業界でも引き抜きがあり、しかも中国が引き抜く時代になったんですね。

 

 ずっと記事を読んでますと中国のこの業界はどうも日本の同業者の今までの動きをかなり参考にしているようです。中古品売買をきっちりとしたビジネスに仕立て上げたところに着目しているようです。

 

 香港の会社で米蘭站という中古ブランド品販売店があるのですが、すでにたくさんのコピー店舗が現れて頭を悩ませているそうです。中古品は商品の真贋を誤ると一気に評判を落としてしまうと思うのですが、コピー店舗なんて鑑定をしっかりやっているかどうかもわからないので、めちゃくちゃかもしれませんね。

 

 個人的に気になったのは日本から人を引き抜いたというくだりです。日本の景気も相変わらずよくないので、中国企業からすると結構引き抜きやすい時期かもしれません。これを読んでいる人の中にもそういうお誘いを受けている人がいるんじゃないでしょうか?

 

  日本企業改革開放論―中国人の上司とうまくやれますか
クリエーター情報なし
東洋経済新報社

ノリノリの中間層

 マッキンゼーが最近15,000人の中間階層の消費者に対して行った調査によりますと、6割近くの人が今後の5年間において家庭収入が著しく増加すると信じているという結果が出たとのことです。昨年の同じ調査では39%だったのでかなり伸びてます。普通に考えれば5年後に収入は増加していることは十分に予想できますが、「著しく」増加すると信じているということですので、かなり楽観的であることがわかります。

 

 中国ではCPIが上昇したことにより消費の伸びが緩やかなものになり、実際の消費増加率は2009年に9.4%だったのが2010年には8.5%に下がっていますが、依然としてハイレベルにあるといえます。支出増の原因は50%が主にインフレによるものであると回答しており、35%が消費レベルが上がったことによる、つまり高い買い物をするようになったということなのですが、これは昨年度は26%でしたので、9ポイントも伸びています。贅沢の味を覚えてきたといえるでしょう。

 

 2010年の中国の個人消費のGDPに対する比率は33%ですが、アメリカやイギリスではこれが70%前後です。逆にいえば、中国においてこの比率も70%にまでゆくゆくは上がっていくことが考えられるということです。もちろん中国はアメリカやイギリスと違って貧富の差があまりにも激しく、この比率が簡単に倍になるというわけではないでしょうが、それでも今後の潜在的な伸びは否定できません。

 

 今の日本だとこんな明るいデータははまず出ないでしょうし、最初の5年後の収入に関する調査なんてすると5年後に収入が下がっていると思うという結果が結構な比率を占めるのではないかと思います。ちょっと日本は停滞していますからねえ。地震の影響もあったとはいえ、なんとなく贅沢しにくい気分ではあります。それに比べて中国は最近不動産のネガティブ情報が流れていますが、なんだかんだいって景気がいいというのもあって気持ち的にノッているんでしょうねえ。