Date: 12月2011

芸妓さんの中国語学習

 中国人の観光客をどうやって取り込んでいくかについて考えている地方はたくさんあります。そもそも人気がある北海道あたりは別格として、日本人でもなかなか行ったことのないようなところであれば当然中国人を含む外国人が行くことはおのずと少なくなり、その分知恵を凝らす必要が出てきます。しかしながら、旅行社の方からお話を伺ったことがあるのですが、来てほしいという割には受け入れ態勢が整っていないところも多いといいます。日本語がわからない外国人向けの案内表示がない、外国人対応できる人がいない、こういう状況だと外国人観光客の受け入れは難しいでしょう。まあ、日本の場合流暢とは言えないまでも英語をある程度離す人がいるので、そういった人たちが英語を話せる人をなんとか応対できるにしても、観光の新興勢力である中国人だとそれも限界があるでしょう。こういった状況の中で、面白い取り組みが紹介されています。

 福井県観光連盟があらわ市の芦原温泉芸妓組合の芸妓さんに中国語接待研修会なるものを開催し、約10名の芸妓さんが参加したという話です。ちなみに芸妓(げいぎ)とは、舞踊や音曲・鳴物で宴席に興を添え、客をもてなす女性。芸者・芸子のことを指します。酒席に侍って各種の芸を披露し、座の取持ちを行う女子のことであり、太夫遊びが下火となった江戸時代中期ごろから盛んになった職業の一つです。いわゆるホステスとは全然違います。研修会場では“欢迎光临”(いらっしゃいませ)、“烟灰缸”(灰皿)、“洗手间”(お手洗い)、“烧酒”(焼酎)といった単語が飛び交います。

 福井県は地方そのものといっていいでしょう。私もいつ福井意見に行ったかといえば北海道に行くために敦賀のフェリー乗り場に行ったことがあるくらいです。福井県事態を観光目的で訪れたことはありません。あらわ市観光商工科の統計によりますと、芦原温泉に来る旅行客は1991年に136万人のピークに達して以降ずっと落ち込んでおり、2008年は84万人まで落ち込んでいます。2011年の数字はまだこれからですが、もっと落ち込むことが見込まれています。

 ある芸妓さんは言います。「景気も悪いし、お客さんもどんどん減ってきています。中国人観光客に来てもらうために中国語の勉強を始めました。少なくとも自己紹介とお酒の名前くらいは言えるようにならないとね。」

 芸妓さんはド日本文化といえると思うのですが、日本に来てそのド日本文化を味わうのは観光誘致としてなかなか面白い取り組みだと思います。我々だって外国に行くときに異国情緒を求めたりしますよね、それと同じだと思います。芸妓さんなんて日本人でもなかなか触れ合うことはありません。私も10数年前に一度だけ京都でそういう場所に行ったことがありますが、それ以来ないです。

 この取り組みの効果が表れるのはこれからになりますが、評判になるとあちこちの地方で同じようなことが始まるかもしれないですね。でも中国語を話す芸妓さんってなんか違和感ありますね。日本映画が中国語に吹き返されているようなものですかね。

 下の写真は現地のポータルサイトから拾ってきたものです。大半の写真が芸妓さんに違いないのですが、西洋人と思われる顔立ちの人がいたり、ちょっと露出が高いのが混じっているのが気になります。このあたりの区別はつけておいてもらいたいですね。

 

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各地でストライキが発生しています

 東莞、深圳、上海といった地域でストライキが続々と発生しています。12月5日に人社部、国家発展改革委員会、公安部、監察部、全国総工会等の9部门が共同で会議を開催し、賃金未払等の行為を取り締まり、10人以上の集団労働報酬争議について当日に報告し7日以内に決着をつけるように要求しています。いくつか実例を見ていきましょう。
1.東莞市の台湾宝成集団の製靴工場
 ストライキが発生したのは台湾宝成集団の東莞子会社です。台湾宝成集団はナイキ、アディダス、TIMBERLAND、コンバース李寧、安踏等の60余りの国内外の有名ブランド製品を製造しているスポーツシューズ・カジュアルシューズを製造する世界最大の会社です。
11月17日午前に2000人余りの労働者が集団ストライキした事件があります。発生当時は道路が封鎖され政府からも人が出動しようやく収めることができました。
 今回のストライキの引き金になったのは工場の新規則に対する不満でした。新規則というのは管理効率を上げるために従業員にとって不利な内容のもので、具体的には会社が公表する損益表がマイナスであれば従業員の実績が1.5倍はては1.8倍に達して初めて毎月の実績奨励金が0となるというものです。これにより、もともと2000元ちょっとの収入しかなかったワーカーの賃金が減少しまいまい、ストライキの引き金となってしまったものです。そりゃあ怒りますわな。ストライキ発生の翌日の 11月18日は規則を元に戻し、もし今後新制度を実施する場合、法律規定に則り行うものとするということでストライキが収まりました。
2.深圳福田の女性用下着製造会社
 ストライキが発生したのは香港黛麗斯集団(トップフォーム)の子会社です。ちなみにここは世界最大の女性用下着製造会社だそうです。
 きっかけは11月16日に同社の香港籍社員が女性ワーカーに対して乱暴な対応をしたことです。この女性はこれを受けて飛び降りようとしたのですが、最後は公安や労働監察等の多くの部門の人がやってきた何とかその場を収めることができました。飛び降りは防ぐことができましたが、その後400以上のワーカーが集団作業を停止するという方式で抗議を行いました。同社のある女性ワーカーによると、もともとの毎月の給与は500元で、そのほかの部分は全てノルマに応じたものとされていましたが、今年2月に基本給部分をなくし全てノルマ製に切り替えました。このようにした上に会社はさらに残業代をカットしていました。そりゃあ怒りますわな。
 このストライキは現地でも重大労資紛争案として取り扱われました。
3.そのほかの都市
 ストライキが発生したのは上海の赫比家用電器厰という会社です。今月発生したばかりのものです。ちなみに同社はアップルやHP向けのサプライヤーであります。
 きっかけは事前予告なしで移転を行うことになり、それに対する合理的な補償がないことでした。提示された補償がどんなレベルなのかわかりませんが、これがもとで千人規模のストライキが発生しました。
 この他にもペプシの重慶、成都、南昌のボトル工場のワーカーが集団ストライキを起こしています。
 政府部門も問題意識を持っているようで、労働報酬争議事件に対して人社部(人力資源社会保障部)は各地に期限を設けて集体労働报酬争議と少額争議を処理することを求めています。10人を超える手段労働報酬争議についてはさらに厳しく規定し、具体的には当日報告し7日以内に終了させるというものです。そのうち一人あたりの金額が1000元以上になる事案については仲裁委員会主任が監督処分するというものです。
 たまたま記事に取り上げられているだけで、本当はもっと発生しているのでしょう。ストライキの発生した理由を見ると、これはあくまで従業員側だけの言い分ではあるのでしょうが、それを見る限りではわからなくもない、というか給料を下げたり、補償をちゃんと行わなかったりというものなので、そりゃ怒るわなあというものですね。労働者側も知識をつけてきたこともあり、昔みたいに企業側がそれをいいことに無理やり物事を決めてしまうということもできなくなってきているのでしょう。ということは、労働者側の意識がこれだけ変わってきているということをわかっておらず、昔ながらの対応をするような企業ではストライキのリスクが大きくなるといえるのでしょう。日系企業の給料が安いという報道はよく見かけますが、香港・台湾系のワーカーなんてもっとひどいところいっぱいあるでしょう。でもずっと昔から中国ビジネスをやっている文化圏的には同じ人たちなので、労働者気質の変化には割とあっさりと対応していくようにも思います。動き早いですからねえ。でもひょっとするとそんな彼らでも労働者気質の変化のスピードについていけてないとしたら、、、、ストライキの嵐になっちゃいますねえ、怖いですねえ。
 

老人ビジネスはどの都市が狙い目か

 中国は一人っ子政策の影響もあり高齢化が通常の国家よりも進んでいます。この辺りはいろんなところで紹介されていますよね。2010年には65歳以上の人口が8.3%に達し、こういうこともあって中国では老人ビジネスがチャンスだといわれています。ちなみに日本と中国を比較してみましょう。 

 

65歳以上の全人口対比率(%)

  1980年  1990年  2000年  2005年  2010年  2025年 2050年
日本 9.0 12.0 17.2 19.7 22.5 29.5 37.3
中国 4.7 5.4 6.8 7.7 8.4 13.7 23.7

 

 中国の高齢化が進んでいることを紹介しようと思ったのですが、それ以上に日本の高齢化が激しいです。中国が今の日本と同じ水準になるのは2050年あたりになりそうです。とはいうものの、中国の場合は絶対数がとにかく多いので、そこを狙いたいところですが、外資にとってはこの分野のビジネスが決して活性化されているとは言えないのが現状ではないでしょうか。

 

 中国では仕事が忙しくなってきたことに加えて養老介護が専門化してきていることが老人産業を発展を推し進めてきているといわれています。自分で生活できる老人に対して提供する補助型生活社区から体力の弱い老人のための介護型養老院まで、年金を受け取っている人に対して食住を提供する民間機構のニーズが大幅に上昇してきています。少なからずの不動産ディベロッパー、保険会社、国内外の投資者が100億元にも上る資金を投入しています。

 

 ただ、どんなビジネスでもそうですが闇雲にやればいいというものではありません。投資をするからにはどれくらいのペースで回収できるか当然スタート時点で目標を設定しておく必要があります。《商業価値》という中国のビジネス雑誌が各地の一人当たり平均GDP、人口、老人扶養比率及び養老院の数をベースに全国の養老産業の地理分布を出していますが、老人ビジネスを行う上で参考にすることができます。

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 参入するに当たっては一人当たり平均GDPが高いことはビジネスを進めていく上では当然外せない要素でしょう。老人扶養比率が高いというのは潜在的な顧客が多いとも言えるでしょう。養老院が少なければ参入にあたっての競争が少ないということが言えるでしょう。最も養老院が少なすぎると逆に業界としての活性化が難しいということも考えられます。

 

 データを見ていきましょう。上海、四川、重慶、江蘇、湖南、遼寧、浙江、安徽、天津、福建が老人扶養比率のトップ10です。北京、天津、上海、江蘇、浙江、内蒙古、広東、遼寧、山東等の一人当たり平均GDPは比較的高いです。これらの省市の中で内蒙古、広東、山東、福建、四川、重慶、湖南、湖北の養老院の数量は明らかに不足しています。ここで紹介した都市が比較的チャンスが大きいといえるのでしょうが、図も見比べたうえで老人ビジネスを行うにはどのエリアがいいのかを見てください。実際に行おうとしている人にとっては参考になるデータかと思います。

中国国家統計局が発表しないデータ(その2)

 先日の中国国家統計局が発表しないデータ(その1)の続きです。

 中国では毎年の非正常死亡人数というのが320万人を超えているというものです。内訳を見ていきましょう。

 (1)毎年の自殺死亡者は28.7万人

 (2)毎年の薬物不良反応による死亡者約20万人

 (3)毎年の医療事故による死亡者20万人(推定)

 (4)毎年の肺塵症による死亡者約5000人(推定)

 (5)毎年の結核による死亡者約13万人

 (6)2005年に全国の甲、乙類伝染病3,508,114例、死亡13,185人

 (7)毎年の道路交通事故死約10万人

(こちらもご参考ください http://blog.goo.ne.jp/gomeiken/e/ac46acda0cff2fb5db890f45ba5db29b

 (8)毎年の内装工事汚染により引き起こされる死亡人数は既に11.1万人に達している

 (9)毎年の労災事故死亡約13万人余り

 (10)毎年の感電死約8000人

 (11)毎年の火災の年間平均損失は200億元近く、2300人余りの民衆が死傷

 (12)毎年1.6万人の小中学生、3000人の大学生が非正常死亡

 (13)毎年の死刑執行はざっと1万

 (14)各種刑事事件の死亡は年間平均7万人近く

 (15)広州では毎年引き取り手のない死体が約1200

 (16)毎年の不適切な使用による農薬中毒死亡人数は1万人に達する

 (17)毎年の食中毒による死亡者数は数万人

 (18)1986年のアルコール中毒による死亡者は9830人

 (19)毎年の過労死による死亡者数60万人

 (20)大気汚染による死亡者数38.5万人

 (1)~(20)の合計が約230.5万人になります。

 (21)注射の不注意による肝炎とエイズの感染により39万人が早く死亡、そして6890万寿命年の損失

 (22)5歳以下の児童の死亡が毎年100万人近く

 これもあわせると328万人以上になります。重複していると思われるものや統計が不完全な部分があることを考慮しても非正常死亡者数は300万人以上でmそのうち80%が過失による事故によるものだとのことです。

 これらの数値が多いかどうかは比較論でしか語れないと思いますので、中国が特別ひどいかどうかはこれだけではわかりません。日本の調べ易そうなところだけデータを拾ってみました。

 自殺者(2010年):31,690人・・・人口対比だと日本のが多いですね。

 医療事故による(1998年):26,000~46,000人(推定)・・・これも人口対比だと日本のが多いですね。ただし、この数値はあくまで米国の数値を参考にした推定値です。

 結核による死亡者数(2004年):2,328人・・・これは日本は圧倒的に少ないですねえ。

 労災事故による死亡者数(2010年):1,195人・・・人口対比率で考えると中国も特別多いとはいえないですね。

 食中毒による死亡者数(2008年):4人・・・めちゃめちゃ少ないです!

 アルコール中毒による死者数ですが、これは果たして単なる中毒の数値なのか、急性アルコール中毒の数値なのかがわかりません。東京都レベルだと年間で一桁程度です。アルコールハラスメントという言葉があると知りましたが、日本でもありますが、中国はもっとひどいでしょうねえ。

 過労死数(2009年):労災補償請求件数767件に対して支給決定件数293件・・・まあ、本当はこんなもんじゃないんでしょうね。中国の場合は炭鉱とかの過酷な状況での勤務による過労死が多いのかもしれません。

 これを公表することにより特別混乱を招くとはあまり思えないですが、中国の場合はとにかく絶対数が多いのでそこをつつくことはたやすいでしょう。でも医療事故による死亡は現在の中国の医療レベルからするともっと多い可能性があるのではないでしょうか。治療に当たって前金を要求し、それを待っている間の手遅れになってしまうのは医療事故には入らないと思いますが、そういうケースも少なくないでしょうねえ。中国の場合は医療に関する保険制度が余り充実していないためにそうなっているということもあるでしょう。そう考えると日本の保険制度は利用する側からすると本当にありがたい制度だと思います。知り合いの医師に聞いたところ、日本みたいに患者に対して手厚い保険制度は世界的に見てもそれほど多くないそうです。ということは、保険財政もそれほど楽ではないということは容易に想像できます。最近は年金ばかりが話題になっていますが、そう遠くないうちに医療保険にスポットが当たる可能性もあるかもしれないですね。