Date: 3月2012

中国アパレルブランドの在庫が増えている ~李寧~

 出張するとなかなか筆が進まないですが頑張って書きました。

 最近中国のアパレルブランドのネガティブ情報が増えてきてます。具体的には在庫を多く抱えてしまっているということなのですが、倉庫にある売れ残り在庫だけで国内の衣料販売企業は3年間売ることができるまでだと言われており、とに各在庫が膨れてしまっているとのことです。本日は李寧の状況について紹介します。

 

 

李寧の上期報告によりますと、在庫は9.92億元でこれは前年比1.86億元増えています。さらに資金を約3億元出して代理商から未販売商品を買い戻すことを発表しており、今後2年以内にさらに14.48億元の在庫を買い戻す必要があると言われています。売掛金も増加しており、回転期間が前年比25日増加しているとのことです。資金負担は大きくなってきています。

 

90後(90年代生まれ)の若者向けにプロモーションを展開したもののぱっとせず、2011年の売上高は前年比6-7%のマイナスになることが見込まれてます。私も仕事をしている中で色んな統計数値を見ますが、ほぼ100%が右肩上がりの結果を示すのですが、李寧に関してはマイナスとなってしまってます。90後に対するアピールの仕方がよくなかったという考え方があり、70後の口ぶりで90後に訴えかけているように感じられること、表面的なデザインにとらわれ過ぎブランド価値を高めきれていないこと、しかしながら値段だけは上がっていっていること、結果として90後のみならず、70後、80後の消費者まで失っていったという見方です。申し訳ないですが李寧ブランドに高いお金を出すくらいならNIKEやadhidasを買いますよね。そう思う人は多いはずです。IKEやadidasですら内陸に入るに当たって(六線市場まで入ってると言われている)はミドルローエンドを対象とする価格帯の商品を投入しているのに対し、李寧はこの辺りの商品をおろそかにしているということです。え

 

アピールに話を戻しますと、言われているのが、90後にアピールしたいという割には90後の心理を理解していなかったのではないかという点です。既述したような70後の口ぶりでというのがそうです。でも70後や80後からすると自分たちにアピールしているわけでもないので結果的に離れていったということです。ちなみにどんな言葉で90後に訴えたかというと、「Make The Change」です。ちょっと古いですがオバマ大統領みたいですね。中国ではこのフレーズは誰にも響かなかったようです。

 

このほか、李寧では大代理店に小代理店(売上の小さい代理店)を買収させるという販売チャネル改革を行いました。ところが大代理店は大代理店で小代理店をくっつけてもそれだけ売りあげられるという自信がなく、注文数量を減少さえるという現象が生じ、挙句の果てには別ブランドを売り始めるとことも出てきてしまいました。すべてが負の螺旋に陥ってるような感じです。

残念ながら消費者向け商品でブランド力を有するものは今のところほとんどないのが現状の中、中国国内では李寧は頑張ってきた方といえるかと思いますが、これだけ経済が成長している中で売り上げが減少したということは、政策面も大事なのですが地力がまだ不足していたともいえるのではないでしょうか。明日は特歩というブランドについて紹介します。

中国のMBA

 近年中国のMBAの学費がもの凄い金額になっているというのは以前にも書いたことがあります。国内一流どころのビジネススクールのパートタイム(仕事しながら勉強)の学費が40万元近くに達しているものもあります。それなのに申込者は増えていってるのです。いくつかの観点から見ていきましょう。

 

1.     学費

 まず中国EMBAの学費ランキングトップ5を見てみましょう。

  1.長江EMBA:65.8万

  2.清華EMBA:56万

  3.中欧EMBA:53.8万

  4.上海交大安泰EMBA:53.8万

  5.北大光華EMBA:53.8万

 凄い金額ですねえ。この学費は急激に上がってきているのです。下のグラフを見るとよくわかります。10年前と比べてざっくり2-3倍に跳ね上がっています。でもひょっとすると不動産の値上がりほどではないかもしれません。

  

 トップ5は全部50万元以上です。全体的な物価水準等を考えるとこれはもう尋常じゃないでしょう。申し訳ないですが、勉強する場所というよりは人脈を作る場所という位置づけで見ている人が多いですので、いわゆる勉強で学んだことはどこまで生かせるのかというとちょっと疑わしいですね。そもそも勉強している人自体がそこで得られる人脈に期待している人が多いので、まだまだ勉強よりも人脈の方が大事だと思っている人が多いかもしれません。お金持ちの親が自分の子供を有名大学に入れることにあまり意味を感じていない人も多く、それはなぜかというと親は以前大学で勉強してきたけれどもお金持ちになったのは大学で勉強してきたことと関係なく、むしろ別のポイント(人脈かな?)の方がよっぽど貢献しているという考え方から来ているものです。それはわからなくもないですし、人脈もない寄り合った方がいいとは思うのですが、経済的にも依然と比べてスマートになってきている中で人脈を前面にアピールするのもいかがなものかと(もちろん人脈を全否定するつもりは毛頭ありません)思うのであります。そういう意味では中国人よりも外国人の方が勉強熱心なのではないでしょうか(個人的推測)。 

 

2.給料

 フルタイムのMBA卒業生の5年後の平均給与は41.6万元に達しており、これは入学前の4.5倍にもなります。卒業後の給与の伸び率は17%にもなります。パートタイムのMBA卒業生に入学した卒業生の5年後の平均給与は34.4万元に達しており、これは入学前の2.8倍にもなります。そして、卒業後の給与の伸び率は12.6%になります。学費はめちゃめちゃ高いですが、それなりのリターンがあるといえるでしょう。これは平均値ですが、学校別でみる戸すさまじい数値があらわされており、中欧の2007年のフルタイムMBAの卒業生は入学前後で比べると給料が156.8%も伸びており、その後もなお14.1%の伸び率を維持しており、卒業後5年でのリターンは97.1万元にもなります。他の学校もすごいのですが、ちょっと数が多いのでここでは割愛します。

 

3.職位

 収入が上がっている以外に、職位にも変化が現れています。MBAの勉強する前はわずか10.7%が高級管理者(総監以上の職位)しかいなかったのが、卒業後1年でこの数値が22.4%、卒業後5年には32.3%にも達しています。

 

4.就職業界

 お金と職位以外だと働く業界にも影響が生じています。ビジネススクールで勉強する前は金融業界で働く人は9.2%しかいなかったのが、卒業後1年でこれが14.7%に増加しています。やっぱり中国でも金融は人気なんですねえ。なお、勉強する女性も増えており、2007年の卒業生は19.1%だったのが、2011年には26.9%と大幅に増えています。

 

 以上、4つのポイントで見てきましたが、2007年と2011年を比較する表を作ってみました。 

 

2007年

2011年

フルタイム

パートタイム

フルタイム

パートタイム

入学前平均給与及び卒業後給与伸び幅

9.3万元

94.2%

12.2万元

51.5%

14万元

57.5%

16.6万元

44.8%

入学前平均勤務年数

6.3年

7.3年

5.8年

7.7年

 2011年は2007年と比べると給与の伸び幅は大分下がってきているんですね。まあ、2007年よりも2011年の方が給与のベースが上がってきたということなのでしょう。しかしそれにしても学費の高さがすごいですね。日本だとMBAの勉強したくらいでこんなに待遇が変わるんですかねえ?さすがにここまで変わらないですよねえ?

中国ドラマは金がかかる

 最近現地では杭州のある映画会社の董事長が自殺が話題になっています。映画投資に失敗したのが原因ですが、この業界では俳優のギャラがかなり高騰しているようです。 

 映画製作に当たり一般的に言われているのが、脚本、演出、俳優の3つの費用で全体の60-70%、制作費用が25%、俳優のギャラの準備金が5%、その他が10%といわれています。このうち俳優のギャラが全体の50-60%で、中には80%にも達するものもあります。一説には不動産投資に制限が加わっているため、そのお金が映画製作に向けっているという話もあります。 

 確かにここ数年芸能人のギャラは上がってきており、ドラマ一話で一流俳優だと30-40万元が相場といわれているようですが、2年前には高くても10-20万元がいいとこだったので、かなりの値上げ幅となっています。《裸婚時代》というドラマがありまして(「裸婚」とはマイホームもマイカーもなく、結婚式も挙げず、結婚指輪も買わずに婚姻と届けを出すというような質素に結婚することを指します)、結構な人気作なのですが、これに出演した姚迪という女優のギャラはなんと一話で60万元とも言われています。

    

            裸婚時代                                          姚迪

 2年前までは俳優のギャラは全体の30%に満たなかったのですが、あまりにも急激な上昇で、しかしながらドラマ自体の販売価格はあまり変わっていないようです。そういう状況なので、テレビドラマへの投資の80%が赤字といわれています。

 2011年の中国で制作された《国産テレビドラマ発行許可証》を取得しているドラマは合計469作、14942集話で、2010年比1.75%の微増ではあるものの過去最高を更新しています。テレビドラマ業界の全体取引額も80億元近くになっています。この許可証には甲級と乙級の二種類があり、国内でテレビドラマ生産甲級許可証を取得している機構は130余り、乙級許可証を取得しているのは3000近くで、テレビドラマ制作業の規模としては世界一です。昨年制作されたテレビドラマの制作料は1.7万話で、放送されたのは8000話、利益を上げられたのは3000話で、八割が赤字です。しかもテレビドラマはいったん赤字が出ると大変で、一作赤字が出ると倒産してしまう可能性もあるといわれています。ドラマのレベルも上がっては来ているのでしょうが、それ以上にコストが、特に芸能人のギャラ上がっているという状況と言えます。実際CMで起用される中華系芸能人のギャラはかなりの高額で日本の芸能人よりも高額になってきていると言われています。CMに関してはアピールする人数規模が違うのでそうなってしまうのかもしれませんが。

 最近ではAKB48、ちょっと昔だとモーニング娘、もっと昔だとおニャン子クラブ、こういうグループって一人あたりのギャラってかなり薄くなるんですかねえ?

保健食品の命名ルール

 保健食品の名称に制限を加えるべく、《保健食品命名規定》が改正され、あわせて《保健食品命名指南》という通達も発表されることになるそうです。《保健食品命名指南》という規定に依りますと、保健食品の名称で表現が禁止される語義または使用が禁止される字句は次のものが含まれるとのことです。

 

1.虚偽性語義

 例:製品の中に化学合成した原料を使用または一部しか天然産物成分を使用しないのに、「天然」等の字句を表記する、または名称に祖伝(代々伝わる)、御制(皇帝が作った)、秘制(秘密の材料で作った)、精制等の聞こえの良い字句を含むもの。

 

2.誇大性語義

 例:宝、霊、精、强力、特效、全效、强效、奇效、高效、速效、神效等。

 

3.絶対化語義

 例:最、第一、全面、全方位、特級、頂級、冠級、極致、超凡等。

 

4.治療作用を明示またはする語義

 例:処方、復方(二つの処方を合わせた薬)、薬、医、治療、消炎、抗炎、活血、祛瘀(痰を取る)、止咳、解毒、各種疾病名称等。

 

5.人名(医学名有名人を含む)

 例:華陀(名医の名前)、扁鵲(古代の名医の名前)、張仲景(古代の医学家)、李時珍(明代の名医)等。

 

6.地名

 例;中華、中国、華夏等。

 

7.製品特性と関連がなく、消費者が理解しづらい字句

 例:納米(ナノ)、基因(遺伝子)、太空等。

 

8.俗っぽいまたは封建迷信の色を帯びる字句

 例:性、神、仙、神丹等。

 

9.人体組織、器官、細胞等の字句

 例:脳、眼、心等。

 

10.範囲を超えて製品に効能をうたうこと

 例:鉄分補充類栄養素補充剤に補血または栄養性貧血の改善と命名することはできません。そのほか消費者に誤解を与える字句、例えば同じ発音の文字や字形が似ていて消費者に誤解を与えやすいもの。

 

 まあ、保健食品は「保健」とつくもののあくまで食品であって医薬品ではないので当たり前といえば当たり前のことばかりです。ただ、なんとなくグレーな部分があったので、こういった境界をはっきりさせるようなものが出るというのは販売側にとっても購入側にとってもいいことだと思います。消費者は当然医薬品と混同することはなくなるでしょうし、販売側も医薬品と勘違いされることによるクレームもなくなるでしょうから。でもこういうルールができたらできたでまたぎりぎりのラインを模索していくのが見られるようになるでしょうね。

中国の映画マーケット

 中国がWTO協議に違反して外国映画の輸入を制限していると批判されてきていましたが、このたびアメリカと中国が「米中映画協議」なるものに合意 したそうです。「そうです」というのはまだ正式に発表されていないからですが、近いうちに発表されると思います。この協議の内容ですが、
(1)中国は毎年元々毎年約20部割り当てられていたアメリカ映画の輸入を、さらに14部の3DまたはIMAXを追加で割り当てる。
(2)アメリカ側のチケット収入の配分を元々の13%から25%に引き上げ。
(3)中国民間企業が輸入映画を発表する機会を増加し、過去に国営会社の独壇場であったことを打破する。

 これとあわせて、アメリカのドリームワークスという会社がSMG等と上海で総資産3.3億米ドルの合弁企業を設立することが発表されています。ち なみにドリームワークスの出資比率は45%です。

 この他には、米中合作が中国・香港合作と同じ扱いになるという話も出ており、アメリカにとってはいい話ですね。アメリカのエンタメは確かに面白いですから、中国映画を見ているお客さんがそちらに流れていってしまう可能性があるかもしれません。しかも米中合作が輸入割り当ての制限を受けない中国・香港合作扱いになるとさらにどんどんその存在感が高まり、中国映画が駆逐される可能性もあるかもしれません。

 ここで中国映画マーケットを見てきましょう。中国の映画市場は毎年25-30%伸びており、2010年には映画のチケット収入が100億元を突破し、これはイギリスを超える水準(北米と比べると1/7)に達しています。チケット収入以外の海外収入、広告収入等を含めると160億元近くに達しており、48%も伸びています。2010年には映画館が313か所増加し、スクリーンは1533増加、スクリーンの増加率は32.5%となっており、過去8年で最高の伸び率となっています。映画館来客延べ人数も3億人を超えています。2010年の国産映画チケット収入は573352万元で全体の56%、残りが輸入ものです。1億元を超えるチケット収入があったのは27作、そのうち国産が17作あります。中国国外での受けは今一つですが、国内ではまずまずといったところでしょうか。

 2011年の予測としては30%の伸びが予想されており、ネット動画等の普及は版権収入の増加につながると考えられています。今後は二、三線都市にも広がっていき、スクリーン数場3000に達すると予想されています。

 アメリカ映画の存在感がますます増してくるのではないかと書きましたが、これだけマーケットが伸びているのであれば中国国産映画もその伸びの恩恵を受けることができるように思います。中国映画も以前は全是のも白くなかったですが、最近はそこそこ面白い作品が出てきてますからね。

サプライヤーの反乱

 寧夏銀川にある新華百貨での話です。なんとこのデパートの100以上の売り場が営業を止めてしまったのです。その理由なのですが、売り場のデパート側に対する不満から来たのですが、その不満というのが年々上昇する販売の最低保証とリベートによるものだというのです。なんでも2012年の契約の中に最低販売保証、強制販促、排他的競争、販売リベートの引上げ等の4つの項目が挙げられているのですが、これがサプライヤーの受容範囲を超えてついに爆発してしまったということです。販売量に対する要求は30-80%、リべートは1-5%引き上げられ、銀行カード費用等、そして年間の数十回にわたる祝祭日用の生花、絨毯等の費用までが契約に盛り込まれていたという話です。祝祭日に発生する費用と販売リベートは年間を通すと25%程度、増値税が17%、そして従業員給与、電気代等の支払いを勘案すると、利益はほんのわずかになってしまいます。そして新契約でさらに厳しい条件を付けられそうになったので、そりゃあ怒りたくもなります。サプライヤーが営業をストップするという反乱は2月29日に発生し、最終的には和解したのですが、和解内容は最低販売保証、リベート、排他的競争、強制販促の内容を取り消すというものでした。まあそれでも今の水準はキープしているのだとは思いますが。

 最近では万達や世紀金華といった百貨店が新たにこのエリアにやってきており、内装費の支給や、資金の立替えを行ったり、販売リベートを10%低く設定するというような条件を提示するところも出てきているのですが、新華百科は契約の中で他の百貨店で商品を供給してはならないという文言を盛り込み、これによって罰せられたサプライヤーもいたそうです。

 ということで、中国の小売マーケットはこんな状況なのですが、果たしてこれがいつまで続くのでしょうか。スーパーや小売店は店舗を10年契約で賃借しているところが多いです。10年前の賃料と今の賃料水準が大きく違うのは当たり前のようにご理解いただけると思うのですが、かりに今の賃料水準で契約を更新した場合、そのつけはサプライヤーに行くことになると思います。そう考えると、このようなサプライヤーいじめはなくならないようにも思えますし、これがきっかけでビジネスモデルが変わり失敗に終わったベストバイモデルがスタンダードになってくれば面白いです。変わるとしてもかなり時間がかかると思いますが。

 一部業者が反乱を起こしたのは以前カルフールでもありましたし、報道されていないレベルでもちょくちょくあるそうです。サプライヤーいじめが行き過ぎると今回のような大掛かりな反乱は今後も出てくるかもしれませんね。

外資系企業の初任給の伸び幅と離職率が高すぎ

 中欧博尔捷という会社が発表したところによりますと、2012年の大学卒業生数が過去最大の700万人を突破するそうです。そして調査対象の1079社の企業のうち、83%の企業が新卒の採用を選択し、また大学生全体の初任給の伸び率も15-20%に達しているということです。

 

 2011年の新卒の平均初任給は2010年と比べて10-15%伸び、2012年については次のような感じとなっています。

 大科:2212元(+18%)

 本科:3059元(+15%)

 修士:4699元(+15%)

 博士:8650元(+20%)

 これは全国の大学生の平均なので、地方によってはこの金額は大きく変わってくると思います。

 

 上海について見ていきましょう。とある調査会社が2011年の上海の外資企業の給与状況について調べたところ、2011年の新卒の初任給の伸び幅は大きく、2010年と比べて17.25%も伸びています。そのうち、本科生の初任給が前年の2864元から3358元にまで上がっています。コストがこれだけ上がってもちゃんと仕事してくれてちゃんと続けてくれればいいのですが、気になるのが離職率です。離職率のトップ3は広告(47%)、医薬(44%)とインターネット業界(41%)です。募集の不足率が高い業界はインターネット(42%)、物流(35%)、販売会社(35%)となっています。しかしトップ3だけ抜き出しているとはいえ離職率がとにかく高い!トップ3はいずれも40%以上です。ちょっとありえないですねえ。いくら転職が多いと言ってもこれはちょっと。転職が多いのは今に始まったことではなく、ずっと以前からあった問題であり、それをなんとかしようと多くの会社が悪戦苦闘してきていますが、それでもなおこの結果を見ると、かなり能力の高い人間を雇用し続けるか、離職率が高いのを全体に組織を組む方向に行かざるを得ないように思います。あくまで理論ではありますが。まあ日本でも外資系企業の離職率は一般企業よりも高そうなイメージがありますが、上海でも同じということなんでしょうか。

家電メーカーの痛し痒し~ネット販売は無視できないが~

 多くの家電メーカーがネット販売を行っています。天猫電器城(タオパオモール)でみますと、2011年末時点でデジタル家電業界だけで1万社近くになっているそうです。トップ3にランクされる店舗ではネット販売の業務量が全体の40%以上を占めるとこともあるとのことです。しかしながら課題もあります。メーカーが出展した場合に遭遇する問題としては、価格の問題があります。ネット上の価格と実体店舗の価格が同じだと、ネット上では価格競争力が全くないという問題があります。ネット上だと価格比較がしやすいことと、どこもかしこも価格勝負をしているのでどうしても価格面でついていかざるを得ないという点です・。天猫の例を見ますと、メーカーが直接ネット上で出店した場合、同じ製品は実体店舗での価格より15%以上も安くなっている例があります。「線下体験、線上購買」(オフラインで体験し、オンラインでショッピングする)という消費スタイルが見られます。店舗で実物を見て確認し、価格に安いネットで購入するというスタイルです。当然実体店舗側は非常に不満に感じます。既に上海の書店では店内で写真を撮ることを禁止するところも現れています。書店で実物を写真に収めて後からネットで買うというような行動を防ぐためです。これを読んでいる人の中でも同じような行動をとったことがある人は少なくないのではないでしょうか。とあるメーカーではネットショッピング部門の担当者が何回も変わっているのですが、それはなぜかというと実体店舗側の圧力によるものだそうです。要するに邪魔しているわけです。ネット販売は無視できない、でも価格を下げないとネットで売れない、ネットで売れると実体店舗で売れない、ちょっとしたカニバリズムです。

 このような価格競争に巻き込まれないためにとられている方法として、天猫網購の総裁はアイデアとして二つ挙げており、一つ目はネット上でネットショッピング用の商品を販売するというものです。既に一部の日系を含む40余りの家電メーカーがこれを始めており、売れ行きも上々だそうです。このほかとしては組み合わせ販売をしたり、販売時期をずらすという方法についても紹介しています。以前某日系顧客にお話を伺ったことがありますが、そこではネットショッピングの単価が低く、正当な価格での販売が難しいため、売れ残り品をネットショッピングに回しているというのを伺ったことがあります。

 ネットショッピング用の商品も確かにいいとは思いますが、とにかく競争が激しい市場なので、結局はどこかがフライングして実体店舗で販売している商品にまで影響するのではないかと思います。それくらい競争は熾烈ですからね。

中国アパレルブランドの在庫が増えている ~Metersbonwe~

 さて、今日はMetersbonweというブランドについて紹介します。2008年には深セン証券取引所に上場しており、今でへ中国全土300店舗ほどありますので、中国に住んでいる方であれば見たことがあるのではないでしょうか

 

 さて、この会社も在庫がめちゃくちゃ膨らんでます。2010年6月と2011年6月を比較しますと売上の伸びが49%、利益はなんと833%アップの3.76億元と一見素晴らしい業績なのですが、在庫は9.03億元から28.9億元になんと220%も増加しています。売上の伸びよりもはるかに在庫の増加率が高いです。純資産が32億元に対してこの在庫の多さです。同時期の同類のアパレル企業の純資産に対する在庫の比率が20%程度とのことなので、いかに突出しているかお分かりいただけるかと思います。

 同社によると在庫が膨れている要因として、(1)販売規模拡大とデザイン数の増加、(2)2010年は寒くなるのが遅れたため、冬物の販売周期が遅れてしまった、(3)年初に労働者が少なくなりオペレーションに影響が出ることを見越して2011年の商品早目に仕入れたこと、と説明しています。 

 これに対して証券アナリストが色んなコメントを残しており、天候要因は確かにあったのだろうが、それ以上に読みを誤ったのも事実だろうという見解があります

 また、現在の在庫は25億元ほどと推定されており、そのうち2012年の春夏物が約10%、2011年の秋冬物が約28%、2011年春夏物が30%、2010年秋冬物が約20%、その他少数派2010年春夏またはそれ以前の商品のようです。もうすでに3月なので冬物はセールで処分し、春物を打っていく時期かと思うのですが、この在庫構成はかなりいびつに見えます。同社は別ブランドでME&CITYというのがあり、これとバッティングしている部分があるとの指摘もあります。個人的にはあまりかぶっているとは思わないのですが。ただ、 ME&CITYはプロモーションにものすごくお金をかけているのは事実で、その負担は決して小さくないようです。この会社はトランスフォーマーという映画の中で衣装提供していたり、「新国貨」という気ワードで中国独自のブランドであるとアピール等中国系アパレルとしては面白い取り組みをしているところだと思うのですが、まさかここまで在庫が膨れていたとは。月商比で約4ヶ月もあります。2011年第3四半期の連結決算書を見ると在庫が約30億元に対して現金が8.6億元しかありません。短期借入が約24億元なので、在庫はほぼこれ見合いですね。純資産が約36億元なので、在庫を処分した場合に発生する処分損で純資産は大きく減少しそうです。じっくり財務諸表を読み込んではいないですが、数字だけ見るとちょっとしんどそうですねえ。

中国アパレルブランドの在庫が増えている ~特歩~

 さて、今日は特歩というブランドについて紹介します。2001年に設立されたスポーツファッションブランドです。中国に住んでいる方はこの会社のロゴくらい見たことがあるでしょう。

 

 

 この会社が最近発表した財務情報によりますと在庫が8.87億元でなんと前年比92%増、ちなみに匹克が41%増、安踏も20.3%増とうことですが、特歩の在庫の増加幅はあまりにも突出しています。在庫が多くなると当然不良在庫の比率も上昇してきますし、現金化できていないということで当然のことながら資金繰りに影響してきます。この問題に対して同社の財務総監は発注を減らしたり出店スピードを緩めたりすることを通じて在庫をコントロールし、将来的には在庫の引き取りや店舗のクローズを抑えていきたいとしています。2012年の売り上げの伸びももともと15%としていたものを一ケタ成長に押させ、出店についても800-1000で考えていたのを400程度に押さえようとしています。 

 東興証券という会社のアナリストによりますと、2007-2009年に集中的に上場した中国スポーツブランドの店舗数は2万店近くになっており、これは2006年末と比べると倍近くになっています。要するに増えすぎたということですね。同じようなブランドが増えすぎたこと、拡大した割には売れなかったことから在庫も増えてしまったというように見ています。こんな状況ですが値上げはしていくようで、コストがし上昇しているという事情があることと、また今後は量と価格をともに大きくするというよりは価格の上昇を主として行くだろうとみているとのことです。コスト上昇はわかりますが、それを上回るような値上げは今のブランド力で大丈夫なのでしょうか個人的には思います。

 この他にはZARAやユニクロといったブランドに食われている部分もあるということが指摘されています。ナイキやアディダスの二大巨頭と比べてどうしても中国ブランドはブランド力が弱いという問題もあります。外国人はまず買わないでしょうし、中国人も同じ買うならナイキやアディダスなんでしょう。中国ブランドの問題としてよく「同質化」ということが言われており、要する同じようなものばかりで違いが分からないということなのですが、それもそうなのですが、ナイキやアディダスみたいなメガブランドを前にしてはこの分野での中国ブランドはしんどいんじゃないでしょうか。別の分野を考えればわかるかと思うのですが、ネット販売なんかがそうですが、タオパオや京東みたいなメガサイトがいるなかで、外資のネット販売の多くが苦戦しています。メガがいったんできてしまうとそれをひっくり返すのは大変ですね。