Date: 7月2012

広州で医療保険負担額の大幅アップの可能性

 7月23日に東京で開催した医療ビジネスに関するセミナーでこういう質問が出ました。

 

 質問:「医療保険で賄える金額を大きくするということであれば、財源的にしんどくなってくるはずだが、その場合どうなるのか」

 

 これに対して私は、

 回答「そうなると毎月の医療保険の引き落とし金額が引き上げられるということが考えられます」と回答しました。

 

 すると7月24日の記事で、「広州居住者の医療保険が支払いに不足、個人の納付が50%~100%アップ」という見出しの記事を見つけました。言った翌日にいきなりそのまんまの記事を見つけてしまいこんな偶然もあるんだなあともいました。さて、記事の内容を見ていきましょう。

 

 中国全体で見た場合、医療保険引き落としで集まる資金と支払う金額とで比べた場合、集まる資金の方が多く、収支はプラスとなっています。ところが広州では医療保険資金の不足が2億元に達しており、引き落とし金額を50%-108%引き上げることを計画しているとのことです。広州市人社局が発表したばかりの《広州市土地居住者基本医療保険関連規定の調整に関する通知(意見募集稿)》の中でそれが謳われています。

 

 なぜ不足しているのかを見てみますと、広州市で保険に参加している人は258万人で、そのうち小中学生及び児童が98万人、大中専学生が88万人、非従業居住者が50万人、老人が22万人となっています。しかしながら、実際の保険料を納付しているのはたったの138万人にしか過ぎません。2011年の居住者医療保険参加者の一人当たり年間平均費用は486元、これに対して一人あたりの納付額が343元しかなっていません。広州では普段保険に入らず、病気になった時だけ保険に入る人というのが少なくないようです。

 

 医療保険で集まってくる資金というのは都市に依っても構造が異なっており、広州と比べると上海では個人の負担額が小さい一方で政府補助部分は多くなっています。この辺りは年によって状況が異なるのであり得る話かと思います。

 

ホームセンターB&Qが苦戦中

 ヨーロッパ最大のホームセンターであるイギリスのB&Qの中国での業績が思わしくありません。

 

 

 

 B&Qの2012年第1四半期の中国エリアの売上高は前年比6.8%のマイナスで、500万ポンドの赤字となり、なんとこれは中国エリアでの6年連続での赤字となります。1999年に中国に進出してきたB&Qは2005年にドイツのOBIというホームセンターの中国業務を買収し、店舗数を63店舗にまで伸ばしました。その当時は2010年には中国の30都市で100の店舗を出店し、年商150億元を目指すと息巻いていましたが、現状は全く計画通りではありません。2007/2008には赤字額が2800万ポンドにまで達してしまい、巻き直しを図るために2009年に「Transformation」(モデルチェンジ)を核とする「T計画」なる計画を策定し、店舗イメージ、レイアウトデザイン、製品陳列、品揃え、顧客サービス等のレベルアップに着手したものの、状況を好転させることはできませんでした。この間にB&Qは20以上の店舗を閉店し、その他の店舗でも縮小を行っています。例えば南京では今年初めに1店舗へ移転し、元々4店舗あったのが現在では1店舗のみとなっています。

 

 B&Qがこのような状況である一方で、中国地場系の紅星美凱龍、居然之家といったところは猛烈に拡張しています。確かにこの二つはB&Qよりも全然見かけます。B&Qがなぜしんどいか、第一財系の新聞記者がB%Qの元職員にインタビューしたところ、B&Qの「内装センター+小売」モデルへの過度の依頼、特に二三線都市では思っていたほど顧客から認められなかったとのことです。内装センターというのは、B&Qが用意したチームが内装設計と製品の購買を担当し、そして製品の85%はB%Qから購入しなければならないというものです。B&Qで売られている商品の価格は相対的に高いこともあり、多くの消費者がB&Qで建材等を購入して内装するのはちょっと受け入れがたいようです。この他、商品のサプライヤーの中にはB&Qはサヤを取り過ぎ(要するに仕入れ価格をたたき過ぎ)と指摘しているところもあり、実際に2007年には上海雅迪尔居飾用品有限公司という会社がB&Qに対しての商品納入をストップしてます。苦戦している外資ホームセンターはB%Qだけではありません。アメリカのホームデポも苦戦しています。本体は堅調なのですが、中国では12店舗あったのが5店舗閉鎖しています。

 

 なぜ外資のホームセンターが苦戦するのか。言われているのが、中国人消費者の習性を分かっていないという点です。例えば、中国国外ではDIYという観念があり、自分でちょっとしたやちょっとしたことをちょっと超えるレベルくらいのことをやる人が多いですが、中国人の場合はマンションに住んでいる人も多く、自分で手を動かしてあれこれいじる部分も多くなく、内装会社に任せてしまうケースが多いという点です。もう一つはやはり価格面の問題です。外資系が行っているような集中購買、集中販売、統一されたアフターサービスというスタイルは消費者にとって方向性としてはいいのですが、いかんせん価格が高いというのがネックになっています。まあ、ホームセンターで買うということ自体安く上げようという発想で買いに行くわけですから、価格面もより敏感になるのでしょう。

 

 しかし価格設定というのは本当に難しいと思います。普通に考えれば安いに越したことはないでしょうが、安いものはクオリティが低いとみられがちです。つまり安い価格設定をするとクオリティが低いに決まっているでしょうとみる人もいます。そう見られないためにクオリティ相応の価格、要するに高めに価格設定をすると、価格が高いので買いづらいという問題が出てきます。こうなるとどのかかくがど真ん中ストライクなのか非常にわかりづらいです。後からこうだったというのは簡単ですが、それを先に読んでおく必要があります。ターゲットとしている顧客セグメント、商品そのものの特性、当然同類商品の動向もよく見極めていかないと価格設定を外してしまうことになってしまいます。これらを総合的に見て初めてど真ん中ストライクとまではいわなくともストライクゾーンに塚づけていけるのではないかと思います。まあ、言うは易し行うは難しです。輸入品なんて物流コストは関税コストもかかってきますので、周りに合わせた価格設定をすること自体が難しいですし。この辺り本当に難しいですね。

社名の由来

 私の会社は拓知管理諮詢(上海)有限公司といい、英語名はTNC Solutions, Inc.といいます。さて、このTNC Solutions, Inc.にはどんな意味が含まれているのかということですが、そもそもこの社名は私が名づけたものではありません。この会社は持ち分を買い取ったものですので、前のオーナーが名付け親になります。最初は自分で会社をつくろうと思っていたので色々と考えていたのですが、結局買い取ることにしたので会社名やロゴを考える必要がなくなり、この辺りは負担が軽くなりました。さて、あらためて社名の由来ですが、次のような意味です。

 trouble(悩み)とconcern(心配事)をsolution(解決)しましょうという意味です。しかもsolutionではなく複数形のsolutionsで色んな解決方法を考えましょうというものです。一般的にコンサルティングとは戦略を組み立てるとか、それに先だって市場環境や競合のリサーチを行うとか、ビジネススキームを検証したり構築したりすることになるかと思うのですが、もとをたどればモヤモヤっとした悩み事や心配事を解決するというのもコンサルティングに違いないでしょうし、こうした気持ちを持ちつつ皆様からのご相談に乗らせていただくという気持ちを忘れてはならないと思っています。

 漢字名の由来ですが、えーっと、また今度聞いておきます!

クレームするならブラックリスト入りを覚悟

 一般的にサービスのレベルは中国より日本の方が上だと認識されていますが、中には中国で行われているサービスは極めて高レベルで、日本企業以上のサービスレベルだと紹介されている例があります。代表的なのがレストランの海底撈ですね。色んな所で紹介されているのでここではあえて説明しません。逆にちょっとこれ何とかしてよと思うのが航空会社のサービスだと思う人は少なくないのではないでしょうか。中国の飛行機はとにかくよく遅れます。遅れるなら遅れるでちゃんと説明すればいいものの、たいていのケースでは大した説明がなく、いつごろになるかという目途の説明もなく、とにかく天候要因、管制塔指示要因が水戸黄門の印籠よろしく言い訳として使われます。本当にそれが原因であればいいのですが、とにかく説明があまりにも不足しているので、これがまた乗客のヒートを買ってしまうのです。私もいくらなんでもそれはないだろうということでついつい声を荒げてしまったこともあります。

 さて、今日は春秋航空の件について紹介します。春秋航空といえば日中間の最初のLCCとして有名で、観光客のみならずビジネス客の利用も少なくないそうです。茨城便なんてのは非常に便利で、茨城と聞くと非常に遠いように思えますが、リムジンバスに乗ると90分で東京駅に到着します。成田-東京駅間とほとんど変わりません。しかも成田-東京駅間のリムジンバスが3000円に対して、茨城-東京駅間はたったの500円です。いかにリーズナブルかわかります。もちろんLCCなので、荷物をあまり多く持っていけないという難点がありますが、安価であることの対価なので当然と言えば当然でしょう。

 このように、華々しくスタートした春秋航空ですが、中国においてクレームしてきた乗客をブラックリストに入れてチケットを買うことができないようにしているという話が出ています。そもそものきっかけですが、ある日「天候要因」ということで飛行機がなんと8時間も遅延しました。中にはかなり激しく抗議した人が出たようです。気持ちはわかります。そもそも私も「天候要因」で8時間遅延なんてありえないと思います。そんなに天候が悪ければキャンセルにすればいいのです。以前一度北京から無錫に行く飛行機が天候要因でキャンセルになったことがありましたが、確かにものすごい豪雨で、さすがに納得のフライトキャンセルでした。ですので、天候要因で8時間遅延なんて、そりゃあないでしょう。おそらく事情説明も納得できるものがなかったのだと思います。繰り返しますが、一般的に航空会社はフライト遅延に対する説明というのはかなりテキトーです。春秋航空のこの件は結局その場で乗客に200元補償するということで決着したのですが、この時にクレームした人が今度また春秋航空のチケットを購入しようとしたところブラックリストに入っているという理由で購入することができなかったのです。この人が春秋航空に電話したところ、「春秋航空はLCCなので、いかなる原因で遅れたとしても賠償はしない。もし賠償した場合、ブラックリストに入れ、サービスの提供を拒否する」と回答されたとのことです。ちょっとこれナメてますよね。そして、もしブラックリストから外して欲しいのであれば、「二度と過度な権利主張をしないこと」を承諾する必要があるとのことです。ナメてます。そういえばスカイマークでも似たようなことがありましたね。しかし、クレームする奴は客じゃないというこの態度、まあ確かにめちゃくちゃ言ってくるような輩はともかく、その前にそもそもフライト遅延時の航空会社の態度はかなりなってないというところにも原因があると思います。しかも天候要因で8時間の遅延なんてナンセンスです。こんな理由でのブラックリストはそういえばほかの中国系航空会社でも聞いたことがあります。

 中国ではサービスをよくするだけでまだまだ差別化できる環境にあると思うのです。もちろんサービスが全然できてなくても価格が安いからということでそれを受け入れる人もまだまだ多いですが。確かに中国の航空会社に対してかなり激しくクレームする場面はしばしばみられますが、まずはクレームを起こさせないこと、クレームが起きれば真摯に対応すること、それしかないと思うのです。まして、一般的には中国のサービスレベルはまだまだ低いので、いわば最初からクレームを拒否するようなこのような姿勢は今後のサービス上昇に影響するのではないかと思うのです。春秋航空といえばいままでずっと明るいイメージを持っていたのですが、今回のこの対応に関しては非常に残念ですね。

中国が預金保険を検討中

 中国人民銀行が発表した《2012年金融穏定報告》の中に、中国が預金保険制度を導入する時期は基本的に成熟したという内容が含まれております。預金保険とは金融機関が破綻した際に、その金融機関に預けている預金を保護する保険の一種です。預金者を保護するのみならず、取り付け騒ぎを防ぐ等、金融システムをも保護するものであるため、政府に支援された機関によって運営されている事が多いです。この他、金利の市場化、要するに自由化についても言及されています。金利が自由化されますと銀行の体力によって金利が異なってくることになり、預金者は銀行リスクを取りながら預金を預け入れることになります。

 

 私が印象に残っているのは確か1995年あたりに木津信用組合がかなりの高金利で預金を集めていたのですが、ほどなくして破たんしました。高金利を提示してまで預金を集める必要がある、要するに現金がない状態だったとえます。木津信用組合の事件は「銀行がつぶれるわけがない」というのが「銀行もつぶれる」という大きな転換点になった事件だったと言えるのではないかと思います。

 

 さて、また中国の話に戻りますと、そういえば2003年ごろにどこかから中国の預金保険について問い合わせがあったのを覚えてます。預金保険そのものはないという回答で済ませば簡単なのでしょうが、その時どこかにヒアリングした記憶があります。その時の答えは、「銀行は国のもの、つぶれるわけないでしょう」というものでした。まあその当時は確かにそうだったでしょう。しかし、金利の自由化が行われるようになりますと銀行の体力によって提示する金利も違えば集まってくる資金量も違ってくるでしょう。また、銀行も完全な国有企業でもなくなってきていますので、破たんリスクというのも今後出てくる可能性はあります。そもそも破たんリスクがなければ預金保険なんて不要なのですから、逆説的に考えても預金保険を導入するというのは破たんリスクを想定していると言えます。そこで気になるのが限度額です。日本の預金保険も全額保護されているというわけではありません。具体的には次のようになっています。

 

 

預金等の分類

保護の範囲

決済用預金

当座預金・利息のつかない普通預金など

全額保護(恒久処置)

一般預金など

利息のつく普通預金・定期預金・定期積金・当座預金・別段預金・通知預金・納税準備預金・貯蓄預金・掛け金・元本補填のある金銭受託(ビッグなど)・金融債・(ワイドなどの保護預かり専用商品に限る)・財形貯蓄商品

合算して元本1,000万円までとその利息等の保護(1,000万円を超える部分であっても、破綻した金融機関の財産の状況に応じて支払われるが、カットされる場合がある)

預金保険の対象外預金など

外貨預金・譲渡性預金・オフショア預金・日本銀行からの預金(国庫金を除く)・金融機関からの預金(確定拠出年金の積立金の運用部分を除く)・預金保険機構からの預金・無記名預金・他人または架空名義預金・導入預金・元本補填のない金銭受託(ヒットなど)・金融債(保護預かり専用商品以外のもの)

保護対象外(但し金融機関の財産の状況に応じて支払われるが、カットされる場合がある)

 

 中国での限度額がどの程度になるのかが気になるところですが、今年1月の報道では50万元以下の預金が全体の98%を占めるので、50万元が上限となるのではないかというのがありました。多くの預金を持つ人があちこちに分散して預金をしていると思われるとはいえ50万元以上の預金なんていくらでもありそうに思うのですが、たったの2%程度しかないようです。

 

 預金保険が導入されることで預金がある程度保護されるという方に目が行くと思いますが、個人的にはつぶれる銀行も出てくるかもしれない方が気になります。

名義借り

 今までいろんな案件を経験してきましたが、思い出深いというよりも印象深い案件がいくつかあります。そのうちの一つで名義借り案件の清算について紹介したいと思います。

 

 名義借りとはその名の通り誰かの名義を借りて会社を興すものですが、いまどきはあまり聞きませんが、以前だと外資に対する資本金要求が結構うるさく、それを回避するために中国人名義で会社を興しているケースがありました。おそらく以前興した会社で今でも名義借りのまま運営しているところも残っているでしょう。今では会社法が割ときっちりと運用されていますので、外資であっても小さい資本金の会社は設立できるようになっています。例えば私の記憶しているケースでは資本金12000米ドルなんていうのもありました。内資にした場合外資と比べて資本金要求が甘いというのはなくなってきましたが、メリットがあるとすれば経営範囲が内資の方が外資と比べて管理が緩いというのがあるでしょう。ただし、名義借りはあくまで名義借り、トラぶった場合権利関係を証明するのが大変です。2011年1月27日付で「最高人民法院:《中華人民共和国公司法》の適用の若干問題に関する規定(三)」(法釈〔2011〕3号)というものが公布され、その中で「前項既定の実際出資人と名義株主が投資権益の帰属で争議が発生し、実際出資人がその実際に履行した出資義務を理由に名義株主に権利を主張する場合、人民法院は支持しなければならない。名義株主は会社株主名簿への記載を以って、会社登記機関への時を理由に実際出資人の権利を否認する場合、人民法院は支持しない。」という文言があるように、真の出資者の権利は認められるという考え方が既にあります。しかしながら、既述の通り、これを証明する必要がありますし、証明できるとしても解決までには相応に時間を要することが十分に考えられます。

 

 名義借りではあっても業績が順調で、真の出資者も利益を得ることができていればトラブルになることもないのでしょうが、業績が傾いてくるとそうはいかなくなってきます。私が経験したのはこの規定が公布されるよりも前に起こったケースです。

 

 とにかく名義借り会社の業績がどうしょうもなく、このまま続けていても資金繰りが悪化するだけで、将来的な展望も見えない状況になってきました。日本側としてはこのまま続けていても先が見えず、また取引先にも迷惑をかけることになってしまうので早く手じまいをしたいという意向でした。ところが、名義上の法定代表人がそれを認めず、真の出資者と名義上の出資者との話し合いが行われ、私がその間を取り持つような格好になりました。日本側はとにかく取引先に迷惑をかけるわけにはいかないという考え方を持っていました。それもそのはず、取引先というのは日本本社の取引先の子会社であるケースが多く、ここで不義理をすると日本側の取引に影響してきます。なので、払うべきものは払ってしまいたい、いわば損切りしてもいいという意向を持っていました。もちろん、損切りした後は名義借り会社との関係は断つ必要があります。話し合いの内容自体はシンプルなものでしたが、名義上の出資者がとにかく泣いてわめいてという状態で、落ち着いた議論になりません。何度か話し合いの場を持ちましたが、最終的にはある程度強引に進めるのもやむなしという結論に至り、債務については日本側が債務譲渡を受けて代わりに支払いを行い、それと同時に形式的には出資関係のない名義借り会社と日本側は今後全く関係なくなる旨の通知書を取引先に一斉に送付しました。そのあと名義借り会社がどうなろうが、日本側が真の出資分を取り返すのを放棄したこともあり(そもそも取り返すだけの資力が形式上の出資者にない)、あとはもう関係ない会社の話です。関係ない会社であることを取引先にも伝えることを目的に通知書を送ったわけですから。

 

 このような形で終焉を迎えた名義借り案件ですが、中にはいまだに名義借りでビジネスを行おうとする人もいます。もちろん、夫婦や親族であればいいとは思いますが、完全な第三者の名義を借りてビジネスを行うのをよしと考える、あるいは勧めるような人がいまだにいます(そういえば親戚は親せきでややこしいと言っている人もいました)。名義借りで儲かったとしてもその儲けが小さければ銀行で人民元から円に両替してということもできますが、ビジネスの規模が大きくなるとそれもできないでしょうし、儲かったら儲かったで形式上の出資者が急に権利を主張し始めるようになるかもしれません。まあ、人によって考え方も違いますので、それでも名義借りを選択するという人もいるでしょうが、なにせ目の前でトラブル案件を見たこともあり個人的には乗れません。私が起業した時も、「外資の会社を設立するのはめんどくさいので誰かの名義を借りて内資でやればよかったのに」と言っていた人もいましたが、そもそもコンサルティング会社の設立自体大して面倒な話でもなく(結局は持分譲渡で買い取る形にしましたが)、外資で設立するために内資と比べて余分にかかる時間差での機会損失も大してあるわけでもなく、総合的に考えてやっぱり名義借りは乗れないです。単なる合弁会社でももめ始めるとそれを収集するのは大変です。名義借りの場合は真の出資者であることを証明する作業が入ってきますのでもっと大変かと思います。ということですので、名義借りでビジネスを行うのであればそれ相応に覚悟して行う必要があるといえるでしょう。a

日本のプロレス団体初の上海興業

 昨日上海でアントニオ猪木さん率いるIGFという団体が興業を行いました。私の知る限りでは日本のプロレス団体のここまで本格的な上海興業は初めてだと思います。世界最大のプロレス団体である米国のWWEという団体が以前上海万博内のイベントとして試合が催されたことがありますが、正式な興業とは少し違います。このWWEも8月にはワールドツアーの一環として上海で正式な興業を行います。

 さて、昨日会場に行ってきましたが、箱は結構大きいと思いました。いちおう5000人収容できるそうです。

 

 ただ、正式に発表されてから、要するにチケット販売を開始してから実際のイベントまでの日数があまりにも短かったため、チケットの販売に影響してしまったと思います。ダフ屋こそ出ていましたが、あんまりいい値段では売れていない様子でした。私は事前にチケットを手配していましたが、当日知人から「チケットあるから見に行かない」と声がかかり、その人はかなりのチケットを持っているようでした。そんな状況でしたが、ある程度時間がたってくると会場内はそこそこの客入りとなり、見た目としてはまあ悪くなかったのではないかと思います。

 そして試合ですが、そもそもプロレス自体がまだまだマイナーな存在ですし、認識としてあるのもWWEプロレスがせいぜいなので、それとはおよそかけ離れたスタイルの試合がどう受け入れられるかと思いましたが、プロレス初心者向けには単純に体の大きいボブ・サップ選手に注目したようですし、あとは華麗な投げ技には反応していました。細かいテクニックはあまり伝わらなかったと思います。まあ、そのあたりは仕方がないと思います。

  

 

 全体的には反応はちょっと微妙だったかもしれません。そもそもプロレスもそうですし、格闘技も興業としてはまだまだできあがっていないマーケットなので、今の時期にこれだけの大きな会場にやってくるというのはかなり思い切った決断だと思います。私としてはどんな団体が来ても楽しめるのですが、一般受けするためにはもっと派手なムーブができる選手に来てもらう方がよさそうです。派手なムーブといえば空中殺法が思い浮かぶのですが、結局どの選手も場外に飛ぶようなことがありませんでした。そういうのは制限されていたのでしょうか。結構お客さんをひきつけることのできる動きだと思うので、絶対に出してくるかと思っていたのでちょっと残念でした。

 日本のプロレス団体の海外での自主興行でそれなりの結果が出せているのは多分台湾くらいだと思います。そのほかの国だと地元のプロレス団体があるのでそもそも自主興行を行うという発想にならないのでしょう。台湾はテレビで結構プロレス中継をしていますのでかなりプロレスという分野は認知されています。アントニオ猪木さんの知名度はやはり絶体で、私の親戚も「モハメド・アリと試合した選手でしょ」とよく言ってました。ジャイアント馬場さんの知名度を大きく上回っています。

 上にも書きましたが、なにせチケット販売期間があまりにも短すぎましたので、売上的にはちょっとしんどかったかもしれませんが、第2回興業に期待します!

 

2012年フォーチュントップ500

 フォーチュントップ500が発表されました。中国企業は79社で、これは日本より多いとのことです。1位はアメリカの132社です。500社も見るのは大変なのでトップ100だけを見ていきましょう。

 トップ100の中で日本企業は12社。中国企業は11社です。トップ100だけなら日本の方が僅差ではありますが多いです。ではランキング表を見ていきましょう。(表が長いですが最後にコメント入れてます)

 

 

 

 これよーく見ますと、中国とされている企業のうち43位の鴻海はシャープに出資したことで話題になった台湾企業です。そして91位の来宝集団(NOBLE GROUP)は香港企業なので、純粋な中国企業は11社ではなくて9社になります。この辺りはしっかりと区別してもらいたいところです。そう考えるとトップ500のランク入りした中国企業が日本を抜いたというのは本当か検証する必要があると思います(面倒なので私はチェックしません)。他の統計でも時々見られるのですが、台湾や香港を中国に入れているものがあり、それによって中国の数値が水増しされていることがありますので、そこらへん気を付ける必要があります。次に日中のランク入り企業の業種について見てきます。もちろん中国については台湾と香港は除外しました。 

 

日本

中国

自動車 3社

郵便  1社

電信  1社

メーカー4社

エネルギー・資源 1社

保険  2社

資源・エネルギー 2社

通信   2社

金融   4社

ゼネコン 1社

 

 日本は自動車まで含めるとメーカーが7社もありますが、中国は0社です。中国の9社のうち大三次産業である金融が4社を占めておりますが、これは規模のなせる業でしょう。少なくともメーカー(モノづくり)という意味ではまだまだ日本は中国には負けていません。ただし、これはあくまで現時点での話ですので、5年後10年後もこのランキングのままでいられるとは限りません。中国製の品質も以前と比べると上がってきていますので、日本企業もキャッチアップされないように常に最先端の技術を究め続けていって欲しいと思います。日本のモノづくりの時代はそのうち終わるというような論調も聞いたことがありますが、技術力を磨き続けることで「日本のモノづくりここにあり!」でい続けてほしいと思います。

距離が近ければいいというものでもない

 私は格闘技がとても好きで自分でも練習するのですが、典型的な下手の横好きレベルです。格闘技では間合いを重視します。「自分の間合いで戦え」、「相手の間合いに入るな」、とよくいいます。ちょっと強引ですが、これをビジネスに置き換えるとどうでしょうか。「自分の間合いで戦え」、これは自分の長所を最もいかせるフィールドで戦いましょうと置き換えることができるでしょう。「相手の間合いに入るな」、これは相手が強みを持っているフィールドに入っていかずに戦いましょうと置き換えることができるでしょう。これはビジネスでも同じだと思います。

 中国コンサルをやっていますので、中国コンサルにリンクさせて考えますと、日本企業が中国で戦う場合も同じだと言えると思います。自分の強みを最も生かすにはどうすればいいか、ビジネスの中でその「間合い」をつかんでいくことは大事です。その「間合い」を間違ってしまうと相手の間合いに入ってしまい、自分のいいところは全く出せずじまいになってしまうのではないでしょうか。そして、この「間合い」をあまり把握しないままに戦っているケースも多いのではないかと思います。

 外国でビジネスをする場合、その間合いを最も理解しているのは現地にいる人であることは言うまでもないでしょう。海外ビジネスを行う中で現地化というのはよく言われることです。生産拠点としてなら調達の現地化ということになりますが、人の現地化というものもあります。ここでいう人の現地化は現地社員を雇用するのは当然のことながら、現地に派遣された駐在員が現地のトップとして会社運営できるか否かという意味をも含むものと私は考えています。そして中国ではこの人の現地化がなかなか進まないケースが少なくないのではないでしょうか。色んな人と話すとよくこの話になります。色んな理由がありますが、個人的に思うに、「間合い」じゃないですが「距離」の問題があるのではないかと思います。中国は日本から近いのです。例えばヨーロッパや北米、南米あたりになると距離が遠いので日本本社からしょっちゅう顔を出すことができません。自ずと現地頼みの運営をせざるを得なくなります。ところが中国は近いのです。しかもどんどんその存在が重要になってきていることもあって、日本本社からの注目度もどんどん上がってきてます。思わず口を挟みたくなるわけですが、仮に中国が物理的に遠ければしょっちゅう顔を出して口をはさむことができないのですが、なにせ中国は近いのです。しょっちゅう顔を出して口をはさむことができてしまうのです。しかし現地にいる人ほど現地事情に通じていないのでどうしても指摘する点が現地にいる人との考えとずれが生じてしまうことがあります。しかしながら、現地にいる人は本社からやってきた人が口をはさむとそれを無碍にもできず、また組織構造上現地にいる人のポジションが低かったりすることも多く、それこそ本社に対して何も言えなくなってしまいかねません。ものすごく単純でばかばかしい発想なのですが、この距離が近いというのが実は弊害になっているケースも多いのではないでしょうか。

感激です!

 普段はプライベートなことはあまり書かないのですあ、今日ばかりは書きます。アントニオ猪木が率いるプロレス団体IGFが上海で興業を行います。それに先立ってのファンの集いに参加してきました!

 

 ボブ・サップとエリック・ハマー

  

 澤田敦士選手

 鈴川真一選手

 

 アントニオ猪木さんと昔一緒に映した写真と一緒に写真を撮りました!ホントはサインしてもらいたかったのですがマジックがなかったのです。

 

 

 ちょっと時間をおいてマジックを探して、今度は昔一緒に映した写真にサインももらいました!

 

 こういうときは厚かましい人間が勝つようです。何回猪木さんに近づいたことやら。感激です!私は今週誕生日を迎えるので嬉しいプレゼントになりました!