Date: 6月2013

スピード配達が売りのネットショップ ~ コンセプトは「セブンイレブン+BHG+マクドナルド」

 2010年6月よりスタートしたネットショップでちょっと面白いところがあります。そのサイト名は「快書包」、売りは一時間以内に配達するという点です。

 

 

 

 基本的なコンセプトは「「セブンイレブン+BHG+マクドナルド」ですが、それには次のような意味があります。

 

 セブンイレブン:セブンイレブン並みの商品カテゴリー

 BHG(華聯超市が展開している高級スーパー):BHG並みの商品選択基準

 マクドナルド:マクドナルドの配送方式

 

 同社はセブンイレブン式のコンビニをネット上で展開し、主に大都市の中心地域のオフィスエリアに配置しています。扱っている商品は書籍、雑誌、食品、飲料、日用品、花、イベントチケット等のカテゴリーです。そして、商品の選択基準は「精選」で、品数は少ないけれども選りすぐりのものをそろえており、例えば書籍で言うと500作までに制限しており、これは書籍を主に取り扱っている当当網の数百分の1、いや1000分の1くらいしかなく、要するに売れ筋だけを取り扱っているということです。将来的には増やしていくことを計画していますが、それでも1500作以内に抑えるという考えでいます。

 

 主な顧客層はオフィスワーカーの若いホワイトカラーで、25-45歳くらいまでの間です。当社の目標は当当網やアマゾンで10回買い物するうちの1回でも取り込めればいいという考えです。

 

 しかし、売りはやはりスピードで、よくピザ屋なんかでありますが、1時間以内に配送するということをコミットしています。これは他のネットショップではできていない、あるいはやっていないことですね。

 

 

 

 主なポイントに倉庫を設けており、すべて自前でやっているからできている等ことですが、第三者的には資金負担が重たいスキームに見えてしまいます。ユーザーにとってはありがたい話ですが。1時間以内に配送するといううたい文句ですが、今のところ配送の平均時間は30分で、1時間あれば2件配達できるペースでオペレーションされています。

 

 

 

 この図は標準的な配達時間を表しており、快書包だと午後3時に注文すれば40分後には配達できるというのに対し、京東商城や当当網だと同じ午後3時に注文しても早くてもどうしても翌日の配達になってしまうということを比較したものです。

 

 現在の毎日の配達数は約500件、420件の配達で配送コストがまかなえ、1000件に配達で利益が出るという構造になっており、今のところはまだ赤字経営の状態とのことです。仮に平均単価100元として、それが毎日500件とすると単純計算だと年商約1800万元(約2.9億円)で、まだまだこれからの規模と言えるかと思いますが、なにぶん当社もまだスタートして2年程度で、最初から利益を計上できるとは考えていおらず、今後の目標は3年間で書籍のネット販売の1%のシェア、40-50都市への展開(現在は北京、上海、杭州、深圳、成都、西安、長沙の7都市)、そして2014年から利益を計上するという計画となっています。

 

 中国のネットショップは商品のカテゴリーを限定したものもありますが、メガレベルになると何でもかんでも取り扱うスタイルが多くなっています。そんな中で、商品を厳選というのはちょっと勇気のある選択かと思いますし、また配達時間を1時間以内に制限するというのもこれまたなかなか勇気のある決定だと思います。特に配送時間については取扱高が増えてきた場合本当に持続することができるのかという問題もあるかと思います。ユーザーとしてはありがたいサービスなので継続してほしいとは思います。

 

 これを書きながらインスタントコーヒーを注文したのですが、配送費いらないんですね。明日到着するのが楽しみです!

 

 (追記)

 先ほど会議終了、現地時間10時50分、注文した品はまだ到着しておらず。会議中に電話してきて(弊社の社員が受電)、そのときに渡した出ることができなかったのですが、どうも品切れということを伝えたかったようで、別の倉庫から送るので遅くなりますということでした。1時間以内に配達が売りと言うにしてはちょっとがっかりでした。

中国有名企業が補助金を詐取

 中国に環境問題がつきものなのは誰もが知っていることかと思います。ちょっと忘れられ気味ですが、最近ではPM2.5は結構話題になりました。そんな中国も一応は環境保護対策は行っておりまして、例えば省エネ環境保護に関するプロジェクトに対して補助金が支給されるという制度があります。ところがどっこいこの制度、虚偽申請して補助金を詐取する企業が少なくありません。しかも結構な銘柄の企業が詐取しているんですよね。

 

 2011年から2012年にかけて、348のプロジェクトで16.17億元もの資金が虚偽申請されています。この金額は支給された金額の2.6%に相当します。企業名も出ていまして、ちょっと羅列してみましょう。

 

・重慶鉄鋼集団:9,960万元

・格力:2,156.76万元

・格蘭仕:1,779.4万元

・TCL:1,830.88万元

・美的:118.3万元

・長虹空調:981.78万元

・瀘州老窖:670万元

 

 うわあ、しかしやりますなあ。結構有名な銘柄が多いですよ。上場会社やそれに近い会社ばかりです。そんな立派な会社がこんなモラルのない行動をとるとは。中国の動きはスピードが速いと言われますが、こういう部分の変わらなさというのは遅いですなあ。いや、ひょっとすると実は昔より良くなっていて、昔であれば詐取した金額がこんなもんじゃおさまらなかったかということなのかもしれません。

 

 しかし、こういうルールを守らない企業と勝負をする外資企業がたまったものではありません。本件に限らずルール違反をすれば当然コストも安く抑えられる部分も多いですし、それをしない、できない外資企業からするとこっちはルールを守っているというのに凶器を持った相手と勝負しているようなもの、まるでジャイアント馬場が凶器を持ったアブドーラ・ザ・ブッチャーと勝負するようなものです。フェアプレーをしてほしいものです。

この不動産物件の購入、リスク高いですよね

 五洲国際というディベロッパーが変わった方法で不動産の販売を行っています。

 

 

 

 まず無錫の五洲国際小商品城という商業物件についてみていきましょう。購入者は五洲国際と10年以上の賃貸契約を締結すれば、販売価格の76%で物件を購入することができ、残りの24%は五洲国際が年間賃貸料の8%を受け取っていく(賃借するけど払わない)ことで、最終的には実質的な満額100%の販売代金を得るというものです。購入者は物件価格の8%の利回りを享受することができ、「高収益」をうたい文句に五洲国際の物件販売はかなり魅力的に見えるというものです。

 

 次に南通の物件で見てみましょう。南通も同じような形式で販売しています。まず15年の賃貸契約を締結し、当初3年分の賃料の合計を物件価格の15%とし、これを当初購入時に直接控除するというものです。具体的には100万元の物件であれば85万元のみを支払い、3年を超えてからより毎年6%の賃料を返還するというものです。購入者は安く購入できるうえに、あとから利回りを保証された賃料収入まで得られるというものです。

 

 さて、この五洲国際という会社、他にも変わった方法で販売しています。2007年に無錫五洲国際装飾城という物件を4880元/㎡で販売したのですが、販促のために2012年に7800元/㎡で買い戻すという特約をしていたというものです。2012年の段階で物件価格がずっと上昇していることから、購入者のうちだれ一人として買戻し言ってきた人はいなかったそうです。ただし、中国では買戻し特約は禁止されているので、問題のある取引と言えるでしょう。なお、五洲国際では買い戻し特約を付けている物件は他にはないとコメントしています。

 

 しかしながら、メディアによりますと五洲国際が販売しているほとんどの物件には買戻しや長期賃貸プラス高額賃料保証が謳われているとのことです。無錫国際銀河城という物件があるのですが、これは店舗を購入してから当初3年の賃料の合計24%をイニシャルで購入者に返還し、そして五洲国際が年利回り8%で賃借する形式を取るというものです。気づいた方もいるかと思いますが、当初返還するのは実質的な値引きですよね。値引きはいいのですが、利回りの方が大丈夫なのか、このケースだと買い手としては4年目以降の利回りが心配になるはずです。

 

 五洲国際小商品城という物件で見てみましょう。ここに20㎡の物件があり、売却価格が2万元/㎡、合計で40万元ですよね、そしてこれを8%の利回り保証しているので3.2万元の返還が得られることになります。同じ物件ではないのですが、近隣且つ似たような物件である五洲国際小商品城の物件は賃料がたったの1万元ちょっとしかないということで、これは五洲国際が承諾した利回りの半分にも満たない水準です。また、既に竣工している8つのプロジェクトについてみていきますと、実際の利回りは2.6%しかなく、8%からはおよそ程遠い水準にあることがわかります。リースバックのようなこの形態ですが、これは万達広場が初期のころにやっていたモデルで、失敗モデルであることがすでに分かっているということなのですが、それをいまだに続けているということは将来的に問題になる可能性は高いでしょう。現に実際の利回りは承諾している水準にはほど遠いわけですから。なんかとにかく金をかき集めるために甘い言葉で勧誘して販売し、そのあとは知らん顔というパターンが想像できてしまいます。さて、この五洲国際の行っているプロジェクト、今後果たして大丈夫なのでしょうか。

内陸からスタートした小売業

 もともとワトソンズにOEM商品を供給していた人が自ら蓓体施黛という会社を興しました。業態は化粧品等の小売チェーンで、要するにワトソンズと同じ業態です。そして1店舗目を上海でもなく、北京でもなく、広州でもなく、深圳でもなく、なんと洛陽に出店したのです。2008年のことです。中国マーケットを語るとき、最近だと「内陸を攻める」というのがフレーズとしてトレンド化してきていますが、同社はそれを実践したわけです。

 

 

 同社が洛陽に出店した理由としては、(1)上海のような大都市での出店は立ち上げ時の財力からしてブランド力を作り上げるのは無理という判断、(2)三四線都市では全てのハイエンド消費者が同じ場所に集まって消費するため、小さな店舗でも影響力を持つことができるという判断、おおきくはこの二つの理由からでした。さらに、同社の商品の占有率は三四線都市では最も早い水準にあり、消費者を引き付けることができる大きな要因になっています。

 

 同社の戦略はブルーオーシャン戦略、要するに競争相手のいない場所を選んだもので、一般的に三四線都市でこれだけの価格帯の化粧匯チェーンというのはなかなかないというところに狙いを定めました。ちなみに、同社の店舗面積はだいたい30㎡ちょっとくらいで、立ち上げ資金は20万元たらず、そして客単価は300元とワトソンズを上回るとのこと。既に三四線都市で30店舗以上を出店し、昨年の売上高は3500万元、ファンドからの投資も受けているとのこと。一店舗当たりの売上高が小さいような気もしますが、期中に出店した店舗もあるでしょうし、店舗自体も大きくないのでこんなものなのでしょう。

 

 当初はオーシャン、カルフール、大潤発等のスーパーの周辺に出店していましたが、徐々に顧客の購買環境に変化が生じ、例えば静かな環境、スーパーの場外エリアで200-300元のケア商品を購入するのを嫌がるという傾向が表れ始め、結局スーパーの周辺店はすべてクローズ、そして現在では全て銀泰百貨や百盛百貨等の百貨店の売り場に出店しています。

 

 また、同社の商品はファイシャルケアではない体の他の部分を対象にしたものであり、他にはあまり見られない商品であるのが差別化につながったと見られています。今では百貨店の方から出店してほしいと声がかかるようになってきたとのこと。

 

 小売業に関しては冒頭にも書きましたが「内陸を攻める」というのはよく聞きますが、どうしても沿岸部の情報量が多く、情報量が多いゆえの安心感があるがゆえに、結局沿岸部に出店するケースが多いと思います。しかし、今回した中国系ではありますが蓓体施黛の内陸からスタートするという動きは非常に参考になるのではないかと思います。今後内陸マーケットへの出店を考えるうえではいい教材になるのではないかと思います。

マクドナルドの入郷随俗

 中国に進出している外資ファストフードと言えばケンタッキーとマクドナルドがあげられます。特にケンタッキーは中国に4300店舗もあり、中国地区の売り上げが全世界の約半分を占めています。そんなケンタッキーの業績は昨年終わりあたりから落ち込み始め、また、今年は鳥インフルエンザの影響もあり、4月度は前年比▲29%、5月度は前年比▲19%と大きく落ち込んでいます。一方で、中華式ファストフードについてみてみますと、ブルースリーのロゴでおなじみの真功夫の2012年の売上高は前年比約20%増加し、今年に入ってからも増加基調にあります。ケンタッキーは2005年から豆乳、油条、米、粥といった商品がメニューに加えられ、現在ではすでにかなり認知されています。そしてマクドナルドはかたくなにその分野にまでは手を広げなかったのですが、ついに6月10日よりメニューの「現地化」に踏み切り、ご飯もののメニューを提供し始めました。新たに提供されるのは「五色嫩鶏麦飯巻」(16元)、「五色至牛麦飯巻」(18元)、「秘制鶏腿麦趣飯」(18元)、「烤汁牛肉麦趣飯」(20元)の4種類です。今のところ午後5時から深夜0時までの時間限定商品です。

 

 

  

 まさに食の現地化に踏み切ったということがいえますね。マクドナルドによりますと、中国の大都市の外食市場は夕食の比率が53%であるのに対し、マクドナルドの夕食比率は20%に過ぎず、潜在的なニーズが多くあるという考えを持っています。マクドナルドが中華風のご飯ものに手を出すとなると中華式ファストフードへの影響が免れないように思いますが、なかにはマクドナルドユーザー内で注文する商品がスイッチするだけなので、それほど大きな影響はないという見方もあります。

 

 さて、マクドナルドが提供し始めた中華式メニュー、その反響は次のようなものです。

 「味はまずまず」

 「肉はハンバーガーのものよりおいしいが、分量がちょっと少ないかな」

 「ご飯ものだったらそれ用の容器に入れて欲しいな。強大なハンバーガーかと思ったわ」

 

 今後も顧客の声を聞きながら適宜修正していくのではないかと思いますが、マクドナルドがご飯類メニューの提供に踏み切ったのは必要に迫られたからだという見方があります。利益を上げ続けなければならないという長期的なプレッシャー、鶏肉製品の売り上げが落ちてきているという短期要因、これらによりマクドナルドが「現地化」に踏み切らざるを得えなかったと言われています。いずれにせよ、消費者にとっては選択肢が増えるという意味で歓迎すべき現象と言えます。これにより、1700店舗を有するマクドナルドが4300店舗を有するケンタッキーをどこまで追い上げていくのかが見ものです。それよりもなによりも一度食べに行こうっと。

上海高島屋大苦戦中

 昨年オープンした上海高島屋が非常に苦戦しており、当初の目標だった年間130億円の売り上げを80億円に下方修正しました。そして、これとあわせて総経理も交代したということが現地の新聞記事で紹介されています。

 

 昨年12月にオープンした高島屋、地下1階、地上7階、建築面積6万㎡(ららぽーと横浜の店舗面積と同じくらい)、ショッピングモールと比べると小ぶりですが、百貨店としてはまあまあの規模でしょう。ところが、中国のメディアでもしばしば紹介されているのですが、お客さんが少ないのです。大幅なディスカウントセールを行っている店舗や、飲食店の中には設備メンテナンスを理由に営業をストップしているところもあり、もうかれこれ1-2か月になります。これに関して上海高島屋によると営業に必要な証書類の取得ができないことが原因であり、それが取得できれば営業を開始するとしています。

 

 さて、もっと根本的な話に戻りますが、とにかくお客さんが少ないと言われている上海高島屋、その原因はどこにあるのでしょうか。いくつか指摘されています。

 

(1)タイミングが悪かった

 Eコマースの台頭、高額な賃料等の影響もあり、中国の百貨店市場の状況はあまり芳しくなく、多くの百貨店は飲食スペースを増やして物販の面積を減らすことで営業額を確保しようという動きが見られています。ところが、上海高島屋はその反対でアパレルや化粧品等の店舗が多く、逆に飲食店が少ないことから、マイナス面の影響をもろにかぶる形になっています。スイス銀行の発表によりますと、2012年より百貨店の人の流れはマイナス成長し始めており、百貨店業は相対的にネガティブな産業とみられるようになってきているとのことです。

 

(2)マーケティングの不足

 様々な要因もあって、上海高島屋あまり積極的な宣伝活動が行われておらず、今日に至ってもオープンセレモニーが行われていないそうです。こうしたマーケティング不足の状況にある一方で、高島屋内の店舗には知名度にかけるブランドも多く、顧客を引き付けることのできない要因になっているとのことです。要するに中国では知名度の高くない日本ブランドが多いということですね。しかも日本ブランドは品質もいいので価格も高くなってしまいます。要するに中国人からすると「知らないブランドなのに値段は高い」と見えてしまっているということです。

 

 (3)立地

 入り口があまり有名でない道路(紅宝石路×瑪瑙路)の交差するところにあり探しにくいと言われています。個人的に思うのは、この周りには商業施設はほとんどないため、出かけたついでに高島屋に依っていくという行動はありえず、高島屋目当てに行く人をどれだけ取り込めるかということになるのですが、うーん、それだとちょっと厳しいでしょうねえ。

 

 

 以上のような逆風の中で、売り上げの当初目標を引き下げたわけですが、最初の5年間は損してもいいと考えているという話もあるようです。中国はスピードが速いと言われますが、5年間でどこまで状況が改善できるでしょうか。ただ、下の地図をご覧ください。

 

 

 

 上にある婁山関路という駅から一番下の上海高島屋のある位置あたりまで地下街を作ろうという計画があります。いつできるかわかりませんが。これができあがると人の流れも増えてくるでしょう(希望的観測)から、その時には状況が変わっている可能性はあると思います。ただ、それができる具体的な時期がいつのことかはちょっとわかりません。しかしこれができるとかなり北から南までざっと1.5kmくらい、大きな地下街になりますね。

商業不動産の動きが気になりますね

 最近中国で住宅購入に対する締め付けが厳しくなってきていることや、人々の消費を増やす方向に持っていこうとしていることもあり、ディベロッパーの商業不動産に対する関心が大きくなってきています。しかし、もっと大きな理由としては一攫千金が狙えるというとこにあるのかもしれません。広州の例を取り上げてみましょう。広州天河購物中心というショッピングモールがありますが、2012年の賃料収入が7.88億HKドル、そしてこれは2006年の時は2億HKドルちょっとだったので、4倍近くにまでなっています。確かにこれだけを見ると魅力はありますが、大局的にみると結構難しい分野のようです。

 

 中国には現在3100のショッピングモールがあると言われており、今年更に400増えると言われています。ショッピングモールに関しては1/2現象という言い方があるそうです。これの意味ですが、大型ショッピングモールの1/2が着工することができず、着工したうちの1/2は開業することができず、開業した1/2も利益計上は難しいという意味です。ということは、ショッピングモールの成功率はたったの1/8ということになります。これが正しければまだマカオでブラックジャックをしている方がいい確立と言えます。実際に知名度のあるところでも結構厳しいところがあるようで、例えばSOHO中国の2012年の投資物件は383億元に達しており、しかし賃料収入はわずか1.48億元しかなく、利回りはたったの0.39%にしかなりません。383億元ともなるとかなりの部分を有利子で調達していることになると思うのですが、普通預金利率が0.35%、貸出の1年もの基準利率が6%、つまり借入を賄えるだけの収益を上げておらず、また利回りも普通預金とどっこいそっこいにしかなっていないということです。よほど資金が潤沢にないとやっていけないはずです。非常に不思議な現象ですが、商業不動産に対する注目度は上がっており、従来住宅オンリーだったところも商業不動産に手を出し始めた(政策影響のため出さざるを得なくなった)こともあり、客観的にはちょっと大丈夫かなあと思いつつも、しばらくはこういう動きが続きそうに思います。SOHO中国はだめかもしれませんが、人気のあるモールは本当に埋まっていますからねえ。

7/3大阪、7/10東京「最新 中国の外貨管理」講座

 7月に東京と大阪で日中経済貿易センター様主催のセミナーで講師を務めさせていただきますのでご案内します。以下、案内文です。

 中国の外貨管理は非常に細かいために理解しづらいとよく言われます。その外貨管理に対する変更に関する通達が昨年より立て続けに公布されています。具体的には昨年6月に公布された《貨物貿易外貨管理制度改革に関する公告》に伴い、昨年8月より経常項目に関する貨物貿易における外貨管理のオペレーションが大きく変化しております。また、今年入ってからも外債登記や国内投資等の資本項目に対して「事前規制」から「事後規制」へと変更が行われています。また、税関特殊監督管理区域の外貨管理についても基本的には一般区域と同一に扱うこととなり、従来のオペレーションを知るものからすると戸惑いを感じる場面もあろうかと思います。
 そこで今回は、最新の中国の外貨管理に関する情報を株式会社TNCソリューションズの代表取締役 呉明憲氏をお招きして、詳しく解説いたします。
ご多用中とは存じますが、多数ご参加賜りますようご案内申し上げます。

《講座の日程と会場、定員》
大阪会場
日時:2013年7月3日(水)13:30~17:00(13:00より受付開始)
会場:マイドームおおさか 8階「第6会議室」(定員50名)
住所:大阪市中央区本町橋2-5 TEL:06-6947-4321
地図:http://www.mydome.jp/access/

東京会場
日時:2013年7月10日(水)13:30~17:00(13:00より受付開始)
会場:新宿アイランドタワー 20階「モバフ新宿アイランド」(定員30名)
住所:東京都新宿区西新宿6-5-1 TEL:03-6328-2636
地図:http://www.japanchina.jp/about/tokyomap.pdf

《プログラムと講師、講義内容》
大阪・東京両会場とも
講師:呉明憲 株式会社TNCソリューションズ 代表取締役
       拓知管理諮詢(上海)有限公司 総経理
講義内容:
1.現行の貨物貿易の外貨管理制度
2.税関特殊監督管理区域の外貨管理制度
3.外債登記の変更について
4.外国投資者の国内直接投資に伴う外貨管理
5.輸出企業に対する分類管理

《受講料》
大阪・東京両会場とも
(1)主催、後援団体会員企業のご参加:5,000円/人(当日会場で申し受けます)
※講師のクライアント企業(顧問契約先)のご参加も上記料金と致します。
(2)その他の企業のご参加:10,000円/人(当日会場で申し受けます)

《主催、後援団体》
主催:一般社団法人日中経済貿易センター
後援(予定):公益財団法人大阪産業振興機構(IBO)、一般財団法人大阪国際経済振興センター(IBPC)、社団法人大阪貿易協会、日中投資促進機構

《受講申込書》
下記URLよりダウンロード、必要事項をご記入の上、FAXまたはメールにてお申込みください。
http://www.japanchina.jp/news/document/20130703.doc

【お問い合せ】
村岡、松井(電話:06-4704-2511、メール:matsui@japanchina.jp)

 改正労働契約法の実施が7月1日に迫ってきています。注目は派遣従業員の取り扱い。派遣の定義づけが明確になることによって派遣が使いづらくなることは関心のある方であればすでにご存じのとおりですが、もう一つが派遣従業員の比率ですね。改正労働契約法の中で、「使用単位は労務派遣従業員の総量は一定比率を超えてはならず、具体比率は国務院労働行政部門が規定する。」という一文がありますが、この比率が今もなお発表されていません。議論の中でこの比率の上限は10%とするという意見があるようですが、今のところまだ確定はしていません。人数の多い会社は母数が大きいのでともかく、少ない会社だとある日突然比率を超過してしまう可能性があります。中国では日本よりも人の流動化が激しいので、ある日突然従業員が辞めますというケースも考えられ、それによってその瞬間に比率オーバーしてしまう可能性が生じるからです。やめられてしまうケースもそうですし、やめさせる場合もそうですが、例えば解雇したいと思っている、あるいは契約を終止しようと決めている正規雇用従業員がいたとして、でもその社員がいなくなってしまった瞬間に派遣従業員比率が上限を超えてしまうようであると解雇や契約終止をためらってしまうこともありえます。こういうこともありえますので、派遣従業員の比率が超過した時点で即罰則なのかという考え方に対しては専門家の中には様々な意見があり、超過した時点で期限を切って改善する方法や、過渡的措置として派遣比率が確定したのち、2年以内に徐々にその比率に抑えていく、といった意見も見られております。ただ、この10%をどう算出するのかということ自体にも議論があるようで、会社で働いている人の中には全日制の人もいれば非全日制の人もおり、労務関係の人もいれば、実習生や外国人もおり、母数をどうするのかという議論もあります。

 

 では、仮に10%となった場合どうなるでしょうか。設立したばかりの販売会社であれば従業員5人程度というのはざらにあります。このうちの一人が派遣であればその時点で20%となり、違反ということになります。小さい会社だと派遣は使えなくなってしまいます。10%だと10人以下の会社は一人も派遣従業員に来てもらうことができなくなってしまいます。10人以下でやっている会社なんていくらでもあると思うのですが、果たしてこの比率はどうなるでしょうか。なにせ改正労働契約法は7月1日からのスタートなので、今月中に出ないとまずいですよね。

北京の月間平均給与が5000元を突破

 2012年の北京市従業員の平均年間給与が62,667元、月間平均に引き直しますと5,223元(前年比+11.8%)とついに5,000元を突破しました。2010年から平均給与算出のための範囲を拡大し、それまでの国有、集団、聯営、私営、株式制経済・外商投資及び香港・マカオ・台湾系等の企業(これらを非私営単位という)までから、営業性個人も対象に含めるようになっています。私が1995年に広州にいた時は結構ちゃんとした人でも月収800元というのをよく聞きましたが、ついにここまできましたか。

 

 内訳を見ていきましょう。都市非私営単位と都市私営単位をそれぞれみていきます。

 

 

2011年

2012年

上昇率(物価上昇要素を除く)

都市非私営単位

75,482元

84,742元

+8.7%

都市私営単位

34,235元

42,882元

+21.3%

 

 非私営単位だけを見ていきましょう。

非私営単位

業種

非私営単位

トップ3

金融業

184,612元

IT

130,154元

科学研究・技術サービス

106,604元

ワースト3

住民サービス・修理およびその他サービス業

38,838元

農・林・牧・漁業

39,334元

宿泊・飲食業

42,016元

  一番少ないのでも月間3000元を超えてますね。

 

 私営単位だけを見ていきましょう。

私営単位

業種

非私営単位

トップ3

IT

68,161元

金融業(主として各種保険代理、質屋、投資コンサルティング業)

61,216元

推理・環境及び公共施設管理業

49,671元

 

 要は軒並み人件費が上昇してきているということを言いたいわけですが、このような状況に対して60%の企業が人件費コストが上昇しており(もっと大きい数値でもおかしくないと思うのですが)、41.9%の企業が採用が難しいと感じているとのことです。そして、採用が難しいのにあえて採用しようとすると待遇面で好条件を提示せざるを得ず、これがまた人件費コスト上昇の要因となっています。果たしてこの傾向はいつまで続くのでしょうか。そういえば所得を倍増させようという計画も昨年だったでしょうか、発表されており、まだ縛らうこの傾向が続きそうです。会社を運営する立場としてはそろそろ収まって欲しいのですが。。。