Date: 10月2013

明治乳業の中国撤退に関する日中メディアの報道の違い

 中国メディアの報道は政府からコントロールされているので、本当のことが伝わらないというイメージを持つ人もいるかと思いますが、政治的なことはともかく、それ以外のことについてはそれほどコントロールされているとは思えず、経済記事なんかでは結構厳しい意見を書いていたりします。最近明治乳業の中国撤退に関して最近話題になっており、中国のメディアでも報道されていますが、日本メディアの報道と違いが見られるように思いますので、今日はこれを紹介したいと思います。

 

 まず、日本の報道から見ていきましょう。撤退するということは要するにうまくいってなかったからと言うことなのですが、その理由が、

 ・根強い反日感情や独特の商習慣

 ・東京電力福島第1原発事故の影響

 ・日中関係の悪化の影響

 ・他の大手外資メーカーなどとの厳しい競争

 

 だいたいが上記の理由により売り上げが落ち込み撤退せざるを得なくなったというものです。理由を見る限りはなるほどなあと思えます。

 

 次に中国側の報道を見てみましょう。

 ・欧米メーカーは狂ったようにお金をかけて市場を押さえようとするのに対して、明治はコスト投入が少なく、重点を華東市場(上海、江蘇、浙江)においていた。

 ・販売チャネルはKAチャネル(売り場面積の大きい、来客数の多い大型チェーン)が主体だが、このチャネル費用はかなり高いにもかかわらず明治の販売量は小さかった。

 

 反日や原発事故を主な要因とは見ていないようです。

 

 中国における粉ミルクの販売チャネルは、

(1)  大売場のKAチャネル:これはコストが最も高く、参入企業も国内外の一級品が多い。

(2)  母子ショップチャネル:中小ブランドの主戦場

(3)  ECチャネル:新ブランドや小ブランドが好む

以上の3つがあるのですが、明治は自らは販売チームを持たず、全てディーラーの運営に任せ、またブランドも欧米メーカーほど浸透力もなく、この体制で市場を勝ち抜くのは簡単ではなかったと見られています。

 

 また、あるディーラーが言うには、「明治の粗利はその他の欧米ブランドと変わらないが、何も投入しようとしない。人も送ってこないし、広告もしないし、販促プロモーションも足りない。」というぼやきも紹介されています。

 

 あんまり反日や原発にふれていないんですよねえ。特に反日について触れないのは「中国は反日不買なんてしないというわざとらしいメッセージ」と意地悪な見方をする人もいるかもしれませんが、中国メディアの報道もこれに関してはかなり核心をついていると思います。結構厳しいですよねえ。「広告もしない」とあるように、広告主でもないから余計に書きやすいのでしょう。

 

 中国からの撤退を紹介する記事でやたらと反日を理由にするのが見られます。確かにそれも一因かと思いますが、そこまで単純とも思えません。残念ながらそのマーケットで勝負するために何を準備し何をすべきかといった、やるべきことをしっかりとやっていないまま、ずるずると従来のやり方で進めて結局うまくいかないというケースも多いのではないでしょうか。そのあたりしっかりと詰めて物事を進めていく会社ももちろんあります。意識の違いなんでしょうね。私もコンサルタントとして色んな会社とお付き合いしておりますが、そういう意識の高い会社とお付き合いしていると私も非常に刺激を受けられますし、そういう会社とより深く付き合っていきたいと思いますね。

中国アメリカ商会の意見書

 中国日本商会や上海日本商工クラブがあるように、アメリカについても中国アメリカ商会というのが存在していますが、ここが10月24日に発表した《中国投資環境の好機と挑戦》において、二項目の意見を出しています。一つ目が、外資企業による中国市場参入を禁止する障壁や制限を減少すること、二つ目が審査批准のフローを簡素化することです。また、EUにも同じようなEU商会という団体があり、ここが9月に発表した《EU企業の中国における意見書2013/2014》の中で、《外商投資産業指導目録》の取り消しを含め、外資参入障壁を減少させること、及び私営企業と外資企業に戦略新興産業等を開放すること、中国が全面的に市場参入制限を減少させるといった、合計219条にもわたる意見書を提出しています。ここではアメリカ商会が提出した13の業界に関する具体的な意見について紹介します。

 

1.農業

 1997年の管理規定を改正し、2011年の《外商投資産業指導目録》と一致させ、さらに多くの外資が中国種子業界、特に種子の流通と小売りに参入することを認めること。

 

2.業務フローアウトソーシング

 中国国内消費者にサービスを提供するコールセンター事業において、外資が比率が50%を超えてはならない条件を取り消すこと。

 

3.民間航空

 外資が中国民間飛行機製造プロジェクトに参加することに対してもっと柔軟な投資要求と税収待遇を採用すること。

 

4.清潔技術と電動自動車

 新エネルギー自動車とエネルギー型動力電池の現存する一切の所有権制限と合弁企業要求を取り消し、一段と清潔技術産業と電動自動車分野の発展を推進するのに便宜を図り、《外商投資産業指導目録》が「十二五」計画の目標を一段と満たすこと。

 

5.商業銀行

 外国投資者が中国地方銀行に投資するにあたっての所有権制限を緩和し、最終的には取り消すこと。

 

6.電子支払サービス

 国内の国際電子支払サービスサプライヤーに市場を開放し、明確で合理的な許可要求を発表すること。

 

 

7.医療衛生サービス

 公私の非営利病院の価格決定、税収及びその他政策の方面における同等待遇を法律に組み入れること。

 

8.情報と通信技術

 《中華人民共和国電信条例》を改正し、現在の広く応用されている「付加価値」サービス(複数音声/テレビ会議システム、インターネット音声電話及びインターネットコンテンツ)と「基礎」電信サービスの投資と経営制限を削除すること。

 

9.保険

 中資保険会社に対するのと同様の方式と速度で外資企業の分支機構の開設申請の審査批准を行うこと(現在の省以下の分支機構が申請しているにあたり採用している方式を参照)

 

10.   法律サービス

 要求を簡素化し、予測不可能な要素を除去し、代表処の建設と新代表処の開設の審査批准時間を短縮すること。

 

11.   石油、エネルギーと電力

 特定の国有石油会社が海外投資に関係する時に初めて外国の石油会社の油田位置と生産量のレベニューシェア契約を与えることができるという規定を解除すること。

 

 

12.   不動産

 171号文書(《不動産市場の外資参入と管理を規範することに関する意見》)で専ら外資企業に対して行っている市場参入制限を取り消し、審査批准フローを簡素化し、当該業界の全体の透明度を引き上げ、先進管理技術と実践建設の中国における宣伝を実現すること

 

13.   小売

 外資小売商に対する所有権の上限制限を取り消すこと。

 

 とうわけで、13項目を列挙しましたが、結構いいますねえ。これが単に意見として人知れず提出されているだけではなく、メディアにも取り上げられているところにアピールのうまさを感じます。私の会社も上海日本商工クラブのメンバーで、先ごろ上海自由貿易区に関するアンケートが来ていましたが、これも取りまとめて意見書として出すのだと思います。まあ、上海自由貿易区自体は幻想に近いくらい期待度が高かったのが、はっきり言って期待外れもいいところなので、たくさん意見を書いてもそれが反映されそうにないように思います。反映されるにしても結構時間がかかるでしょう。

民間資本による病院への出資・買収

 中国に復星集団と言う企業集団があります。積極的に病院に対する投資を行っており、将来的には500の病院に対して投資を行うことを計画しています。もともと復星集団は2009年より医療サービス市場に買収という形式で参入し始めており、一番最初は2200万米ドルで美中互利公司(Chindex)を買収しました。chindexのハイエンド医療ブランドと和睦家医療集団(ユナイテッドファミリー)に目を付けたのですが、中国国内でハイエンド医療市場が伸びていくことを予想してものものでした。その後chindexに対して追加投資を行い、持分を70%にまで引き上げましたが、今のところ投資に見合うリターンは得られていない模様です。中国国内では成熟したハイエンド医療ブランドは極めて少なく、買収対象を探すこと自体が難しく、また中国国内で有名な公立病院は売却の可能性があまりないこともあり、その後復星集団はターゲットを買収しやすい病院に変更しました。2011年に安徽省済民肿瘤医院、同年に岳陽広済医院、2012年に宿遷市鐘吾医院を買収しました。これらはみな三・四線都市の大衆向けの医療サービスブランドです。もっとも最近では広東省仏山の禅城医院という三級甲レベルの民間病院の60%の持分を6.9億元で買収していますが、この病院も大衆的な病院です。今までのところ、復星は合計で5つの病院を買収しており、現在の戦略は沿海部の発展都市においてユナイテッドファミリーのブランドでハイエンド市場を攻め、二・三線都市で総合病院と肿瘤専門病院市場を攻めるというものです。

 

 昨年買収した宿遷市鐘吾医院は、買収するに当たりまず病院を非営利性から営利性に変更することを条件としました。先ごろ買収した禅城医院も大型三級甲レベルの病院ですが、ここは営利性の民間病院でした。営利性病院のみが配当を行うことができ、非営利性病院は病院内での投資しかできないため、ビジネス目線で考えるとどうしても営利性病院である必要があります。このため、復星が病院を買収するにしても基本的には非営利性である病院を買収するにあたっては営利性へ転換してもらう必要がありました。

 

 営利性を非営利性にするのはたやすいのですが、非営利性を営利性に変更するのは結構難しいと言われています。非営利性病院は政策面で多くの優遇を受けており、国家の補助を受けたりしているので、営利性に転換する場合、過去の補助を返上する必要があります。返上すべき補助金を計算することは簡単ですが、政策面での優遇についてどのように補償するかは曖昧にならざるをえず、これも非営利性から営利性への転換が難しい重要な要因の一つになっています。中国国内の公立病院が全て非営利性病院であり、民間病院の多くも非営利性質ですが、これは主に地方政府が営利性病院で医療保険を適用するのを制限してきたことによりもたらされた状況であります。

 

 非営利性から営利性への転換を回避するビジネスモデルとして、病院管理会社を設立する方法があります。非営利性病院が管理会社に委託して病院管理を委託して管理会社に費用を支払い、管理会社はそれを営業収入とするものです。確かにこういう方法はありますが、そもそも非営利性から営利性へ転換することさえできれば余分に会社を設立する必要もありません。非営利性から営利性への転換は現地政府のスタンス次第であり、現地政府が病院を営利性に転換し、それを売却することを認めさえすれば物事は簡単になります。政府が望めば病院に対して資産評価を行い、売却価格を算定して、譲受方に売却すれば済む話です。宿遷市最大の人民医院はこのようにして国有企業金陵薬業に売却され、復星集団が買収した鐘吾医院も宿遷市の非営利性病院だったのですが、政府が営利性病院への転換に同意したことからスムーズに売買が成立しています。

 

 9月28日付で《健康サービス業の発展を促進することに関する若干意見》が発表され、その中で民間病院の数量、規模、配置に対する制限が緩和されるという内容が盛り込まれています。そのため、病院に対する投資、買収が今後増えていくことが予想されます。日系が同じような動きをするかどうかという知ちょっとしっくりこない部分がありますが、全体の流れとしては今後の展開に注目です。

人材採用面接、いくらなんでも吹っかけすぎでしょ!

 昨日知人と人材採用について話をしました。そもそもは最初私の会社で新しく人を採用したことから話題が広がったのですが、その知人が面接のときになんじゃこりゃと思った経験を話してくれました。なかなか面白かったです。ちなみに業種はあまり細かく言えませんが美容関係です。

 

 面接を行い条件面の話になりました。知人の過去の経験や感覚、社内の賃金システム等を鑑みると、4000元くらいが妥当かなあと判断し、まずは相手に対して希望条件を尋ねたところ、「前の会社の待遇とかを考えると15000元くらいは欲しい」ときた。知人は余りにも乖離しているので交渉の余地がないなあと感じたので、断らざるを得ないと思い、会社としては4000元くらいしか出せないと伝えたところ、「4000元でいいです」って。おいおい、どんだけ吹っかけてるのだか。

 

 もう一つ、やはり面接で条件面の話になり、相手が「前の会社では運転手付きの車をあてがってもらっていたので同じようにしてほしい」とリクエストがあり、知人はこれはどうしょうもないなあと思いつつ、「ウチではそこまでできない。そんなにいい待遇だったら今の会社に残った方がいいのではないか」と回答したところ、「じゃあ、なくてもいいです」って。おいおい、どんだけ吹っかけてるのだか。

 

 さすがに私はここまで吹っかけてくるのに会ったことはないですが、業種によってはあるんでしょうねえ。待遇面は交渉事だというのは分かりますし、ダメ元で行ってきているというのはわかるのですが、いくらなんでもこの二つの例は吹っかけすぎダナ。

スーパーを利用した在庫処分

 スポーツアパレルやカジュアル衣料の在庫がたまりにたまっていると報道されるようになってから2年近くになるでしょうか。そんな中で、ナイキ、李寧、波司登、羅賓漢などの中高級ブランドがスーパーで在庫処分を行うようになってきてます。スーパーの1階入り口の目立つ場所に特売スタイルで数百㎡の場所を用意し、そこでかなり割引して在庫を掃いて行っているというのです。在庫処分をネット販売で行うというのはよく聞きますが、スーパーでの特売スペースでの安売りと言うのはこれらのブランド絵は新しい動きでしょう。

 

 最初にウォルマートでこのような動きを始めたのは波司登で、その後ナイキ、アディダス、李寧も続々とウォルマートで同じようなことを行うようになってきています。価格はだいたい定価の50-70%引きで、消費者にはなかなかの評判のようです。

 

 ブランド側がスーパーに打診することもあれば、スーパーの方からブランド側に打診することもあり、この動きは一線都市だけでなく二・三線都市でも見られるようになってきています。上にあげたブランド以外ではjeanswestやディズニーもRT-MART(大潤発)で同じようなことをやり始めてます。

 

 これらの処分品は基本的には2年以上経ってしまっているもので、種類も多く、品質も悪くありません。注目すべきは、在庫処分品は男性もの主体で、女性ものの比率が少ないという点です。女性ものの場合はいくら処分品として掃こうとしても、デザインが古くなるとやはり売れ行きが悪いようです。

 

 さて、スーパーで特売するというのが果たしてブランドイメージにどれだけ影響するのかが気になるところでしょう。しかし、在庫を処分できるというのはそれを上回る魅力のようです。代理商(ディーラー)が在庫品を直接スーパーに売却してしまうと、その後は全く管理する必要がなくなるため、管理コストや賃料コストも発生しないですし、そもそもスーパーに出店するための入場料やバーコード費なんかも関係なくなり、人を派遣する必要もなくなります。この部分のコストを抑えることができるのはかなり大きなメリットです。そう考えると、売り場と代理商の双方がwin-winの関係になりますが、ブランド側は置いてけぼりのような感じになってしまってますね。ブランドイメージと言ってもしょせんは2年落ちなので、それほど影響も大きくないだろうということで放っているのかもしれないですね。

上海自由貿易区の行政窓口が凄い混雑

 上海自由貿易区がスタートしてから約3週間、個人的には話題になっているほど政策的に目新しいものはないと思っていますが、地元メディアもしょっちゅう自由貿易区について取り上げており、現地の人でもビジネスちゃんと考えている人は多いようで、それが庶民レベルにまで下りてきています。

 

 会社を設立するには登録地を確保する必要があるのですが、自由貿易区の場合は場所は市街地より離れているため、自由貿易区では登記だけをし、実際の業務は市街地で行うというケースが多くなります。もちろん、港が近いので物流会社あたりだと実際に自由貿易区で業務を行うケースも多いです。会社の性質によって登記だけで十分なのか、実際に業務を行うのかが分かれるということです。そして、登記だけで十分なタイプの会社でもいちおうは賃料がかかるわけで、これがどんどん上がっていくことを見越して転売目的で会社を設立する人が多いそうです。そのうち賃料も上がっていくから、今のうちに抑えておいて、後から会社を設立従っているところに会社ごと転売しようという考えです。なんでも、9月26日時点で1.8元/㎡/日だったのが10月12日には3.5元/㎡/日にまで跳ね上がったところもあるそうです。ここに目を付けたわけです。売却価格は投入額の倍を見込んでいるとのことで、これをその辺のおばちゃんでもやっているようです。

 

 こんなこともあるからでしょうか、私は現場を見ていないのでメディアで紹介されていることをそのままお伝えすると、毎日のように会社設立手続きに訪れる人が多く、午前10時以降あるいは午後3時以降だと窓口の番号札をもらうことはまずできないそうです。毎日550以上の企業の登録申請が受け付けられているそうで、とにかくすごい混雑ぶりのようです。ということは、本当に事業を行うことを目的としての企業の設立って騒がれているほどではない可能性がありますね。そういえばついこないだ『SKE松村香織 手売り限定ソロCD転売に激怒「ふざけんなよ」』という出来事がありました。SKE松村香織さんとしては本当のファンに買ってほしいという気持ちを裏切られる形で転売されていることに怒りを感じたということですが、転売目的の会社がたくさん設立されることに対して自由貿易区側はどのように考えているのでしょうかねえ。

鳴り物入りの杭州の地下街がまさかの閑古鳥

 2012年11月に杭州で地下鉄が開通しましたが、その後今年の8月8日には風起路地下鉄商業街と呼ばれる地下街がオープンしました。駅の周りに住んでいる人もいれば駅近くの会社に出勤している人もおり、普通に考えるとこの地下街は地下鉄の乗客以外にも多くの消費者を呼び寄せることができるように思うのですが、なんとこれが全くさっぱりな状況なのです。「人の流れは多いが客の流れが少ない」のです。当然地下街にある店舗の売り上げもまたさっぱりで、あまりに売れ行きが悪いので他の場所で出店している店舗の売れ残り品をディスカウント品として集中的に並べる店舗まである有様です。こんな状況でありながら、人の流れだけはやたらと多い「一等地」、家賃はかなり高く、賃料は約30元/日/㎡で、つまり平米あたり14,400円/月(1元=16元で計算)、5坪の店舗だと一か月で約24万円します。家賃負担に耐え切れないため赤字となってしまっている店舗がほとんどです。

 

 なぜこんなに流行らないかについていろいろと考察されていますが、まず一つ目にそもそもこの商店街自体が300メートルほどしかなく、店舗も30店舗ほど、10分もあれば見終わってしまう程度の規模しかない点が挙げられています。たしかにこれだとシャビいですね。この他、杭州の地元有名ブランドこそありますが、一般的な有名ブランドが出店しておらず、これも魅力が乏しい原因の一つと言われています。それと、商店街自体のポジショニングがはっきりしないという点も挙げられています。商店街は飲食エリア、アパレルエリア、化粧品・アクセサリーエリア及びレジャー食品エリア等に分かれており、老娘舅快餐(ファストフード)、喬治理髪店、中国移動通信ショップ、金夫人婚紗撮影麗致店(結婚写真撮影)、ローソン、自然派零食(お菓子)、哈中零食(お菓子)、COCO奶茶(ドリンクスタンド)といった店舗が入居していますが、数十元から100元程度のアクセサリーショップや客単価数百元する高めのアクセサリーショップもあれば、10元にも満たない弁当やファストフード点があったり、数十元するような高級点心があったりして、結構顧客層がバラバラな店舗が混在しているような状況です。

 

 中国の地下鉄商店街はまだ成熟しておらず、中国人が買いものすると言えばすごく近所かちょっと出かけて百貨店やショッピングモールというのが多く、そのため力のある店舗はあまり地下街を重視していません。また、今回紹介した商店街だと面積の小さい店舗が多く、営業性個人や零細企業も少なくなく、販促マーケティングもできなければ、環境、サービス、品質、品種等の面で改善すべき点が多くあるとも言われています。

 

 ちょっと思い浮かべてみればわかるかと思いますが、日本の商店街はかなりすごいですよね。そもそも東京・大阪・神戸あたりだとしょぼい商店街を探す方が大変で、商店街と言えば例外はもちろんありますが、かなり充実している印象があります。上海の徐家匯の地下街はちょっとしたものですが、一般的には中国の地下街は確かにまだまだ発展の余地があると言えますね。鉄道駅を軸にした街づくりと言うのはおそらく日本がかなり得意にしてきた分野で、日本だと地上だけでなく地下まで作り上げてしまっていると言えます。中国だと地上はそこそこ作り上げてきているかもしれませんが、地下街となると中途半端なところもたくさんあります。このあたりは日本のノウハウって生きるのではないかなあと思いました。

中国四大都市不動産相場推移

 中国の不動産バブル崩壊間近!と言う見出しの記事がよく見られますが、ここで実際の不動産相場がどうなっているかを見てみましょう。なにせ大きい国なので、代表的な都市として北京、上海、広州、深センの四都市を見ていきましょう。

 

1.北京

 

 

2.上海

 

 

3.広州

 

 

4.深セン

 

 

 不動産バブル崩壊間近ときくと相場が下がってきている、あるいは値上げの勢い場弱ってきているような印象を受けますが、以上のグラフを見る限りでは全然そんな印象が感じられません。しかしいい加減この勢いを止めにゃいかんですねえ。

昨日のセミナーで出た質問

 昨日中国内販に関するセミナーを開催しました。ちょっとさびしい入りでしたが、それでもそれなり人数の方にお越しいただいて非常にありがたく思っております。内容はそもそも中国内販をすべきか、内販するにあたってまず何をすべきか、代理店との付き合い方ってどうすべきか、非日系企業の取り組み事例等について紹介・解説するというものでした。ちょっと資料のボリュームが多すぎて時間ぎりぎりになってしまい、質疑応答の時間を設けることができず、セミナー終了後別途個別に質問と言う形を取らせていただきました。いくつか質問があったのですが、その中でもちょっと印象に残ったものをご紹介したいと思います。

 

 ある方から代理店の探し方について質問があり、こちらが回答したというよりもその人自身の回答としては、展示会に出展してバイヤーと接点を持つ、あるいは同業者がどういう代理店を使っているかを調べて、その代理店をベースにリストアップしていき、そこから絞り込みを行っていくというもので、まあそんなところだろうと思います。ところが、その方は分かっているのですが、まず展示会については出展するために費用が発生するのですが、その予算を社内的に取るのが難しいとのこと。ジェトロあたりが展示会出展支援を行っており、展示会によっては格安で出展できることもあるのでそれを使えばいいと思うのですが、どうもそれも難しいようです。また、代理店のリストアップについてもそれを外部に委託する予算を取るのが難しい、そして今度中国に行くのだが、その出張に当たって代理店探しをしてこないといけない(もちろんこれだけのための出張ではない)というもので、超大手企業のようにあちらこちらにルートがあるというわけでもない中、そんなミッションを与えられてかわいそうだなあと思いました。別に中国語がネイティブの方でもない純粋な日本人の方ですしね。

 

 確かに展示会にはコストが発生しますが、これくらいのコストもかけないで海外にアピールするのもどうかと思いますし、代理店のリストアップにしてもロングリストの作成くらいであればべらぼうに費用が掛かるわけでもなく、まずはそれをどこかに委託して、ある程度絞り込んでから現地に行く方が効率的だと思うのですが、その費用ももったいないということのようです。デフレを相当長い間経験し、「欲しがりません勝つまでは」的な倹約生活に慣れてしまったせいか、必要以上に節約することが当たり前になっているのかなあと思いました。そこまで節約しなければいけないほどの会社ではなくて、むしろそれくらいどうってことないくらいの会社だと思うのですが、と思ってその会社のウェブサイトを除くとほかの地域での展示会には出店していることが紹介されているのです。ということは、中国市場って後回しになっているのかなあと。ということは、コストがもったいないというのは表面的な理由で、中国というマーケットが後回しになっているというのが本当のところなのではないかもしれないと思いました。なんだかなあ。

100万元也! ~ 広州の高級老人ホーム ~

 昨年末に手続き面で問題があったとして営業停止になった広州にある頣福居という「超高額老人ホーム」が補足的な手続きを終えて改めて開業しました。地元報道では超高額とは書いてますが、果たしていかほどのものが見ていきましょう。

 

 

 

 さて、そもそもこの老人ホームのある用地は広州市民政局と広百集団による所有なのですが、民間機構が20年の期限で賃借して運営しています。ベッド一つ当たりの価格は29.2万元、部屋は1Kで広さが約20㎡、ベッドの他にはテレビがあります。そしてこれよりも高級なのは約40平方メートルで、価格は40万元となっています。この他、入居後は毎月2800元のサービス費、水道光熱費、食費を支払う必要があり、20年後は土地賃借の状況を見ながら継続して住むことができるようであればその時点でさらにお金を払うことになります。仮に20年間住む場合、29.2万元のベッドを選択したとすると、毎月の2800元も勘案すると、20年間の総支出は96.4万元、40万元のベッドだと総支出107万元になります。これとは別に介護サービスが必要な場合は別途費用が発生します。

 

 120ベッドあるうちの30-40人ほどが入居しており、それなりの値段のするものであることから、70過ぎの教授、校長、画家等の知識人が多いそうです。

 

 ある老人が見学した後の感想としては、「もし20年生きられなかった場合、ベッド価格(29.2万元とか40万元)は割に合わない」、「毎月のランニングフィーも考えなければならない」、「介護サービスは別料金」などと言う声が聞かれています。この100万元前後と言う価格帯は既に上海にある親和源と言うところで行われている価格設定に近く(頣福居とは少し建付けが違いますが)、都市によっては受け入れられる価格帯になりつつあると思っています。

 

 最近も何度か書いていますが、養老施設ビジネスに参入する企業が続々と現れてきています。そして、その多くがハイエンドを志向しており、中には今回紹介した頣福居よりももっと高額なところもあります。それだけ勝算があるということなのでしょう。私も当初はこのビジネスは極めて難しい分野だと思っていましたが、最近ではやってやれないことはないと考え方が変わってきています。ただし、あまり生半可な気持ちで参入しようとすると痛い目に合うと思います。頣福居は広州ですが、都市によっては老人ホームや漏示向けマンションに対する考え方が違うことが考えられますので、そのあたりをあらかじめじっくり調べこんだうえで進めていくべきだと思います。今年になって新たに通達が出て独資でも養老機構の設立ができるようになってきていますが、将来的な運営を考えますと個人的には独資よりもむしろ合弁の方がいいのではないかと思います。単純に独資は資金力がたくさん必要になるのと、老人相手と言うことで行政と絡んでくるケースが多いと思われるからです。今までいくつかご相談いただいているケースでは独資が開放される前から独資でやりたいという会社が1社ありましたが(なんでもコネを使えばできるはずと言い切ってましたが、ルールで認められていない以上私は完全に疑ってました)、それ以外はすべて合弁で考えており、私が考えていることと企業が考えていることはそうかけ離れていないと思っています。老人ビジネスは何も老人ホームや老人マンションのような箱モノだけではなく、その周辺ビジネスとして福祉機器あたりにも着目している企業が出てきています。しばらくはこの業界に対する視線が集まっていくことでしょう。