Date: 12月2013

中国のコンビニは日本と比べると売り上げは全然小さい

 上海の街を歩いていると当たり前のようにコンビニを見かけます。日本でおなじみのセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンはもちろんのこと、その他だと台湾系のC-store、地場系の快客あたりがよくみられるでしょうか。他にもブランド名が思い出せないようなのも入れると本当にたくさんあります。それくらい身近な存在になってきたと思うのですが、中国全体で見た場合、コンビニはまだまだ新しいビジネスの部類に入るようです。

 

 ローソンは2020年までに中国で1万店舗を出店すると計画していたのを2025年に後倒しにするそうです。これだけ聞くと既に中国に物凄くたくさん出店しているように思いますが、実のところ現時点においては400店弱にとどまっています。2025年まであと12年ですが、1万店舗に達するためには毎年1000店ピッチの出店が必要になります。数字を見る限りではどう見ても難しく思えますね。ちなみに地元新聞報道によりますと、2012年のローソンは上海、重慶、大連で合わせて2920万米ドルの赤字だそうです。新浪社長によると中国では半分以上は利益を上げており、5年以内には全店舗で利益計上できるようにしたいとのことです。しかし、逆に言えば半分近くは赤字だったということですね。新浪社長によると、中国は食品の安全と品質を重視するようになり、消費者と政府は徐々にローソンの衛生コントロール体系の価値を認識するようになっていくこともあり、将来的には三四線都市でも現地のパートナーと組んで出店していく意向のようです。

 

 コンビニ=多店舗展開=フランチャイズというイメージを持つ人も多いかと思いますが、中国のフランチャイズは難しいといわれます。中国でうまくやっているといわれている台湾企業でも、あえてフランチャイズ展開をしないところは少なくありません。管理しきれないというのがその理由です。目の届かないところにいるフランチャイジーは何をするかわかりません。そのため、近いところは直営、遠い場所にまで広げていく場合はフランチャイズ展開するという方法を取っているところもあります。中国ではフランチャイズのもめごとが多いので、どうしても腰が引けてしまいがちです。もめごとの多くはフランチャイジー側にあるケースが多いといわれています。フランチャイズビジネスに対する理解度という点で成熟していないのです。これが成熟してくると一気に拡大するようになると思うのですが、そういわれてからもう何年もたっています。まだまだ時間がかかりそうな感じがしますね。

 

 とかくとフランチャイズの問題のように見えますが、実のところはまだまだコンビニ文化がそれほど受け入れられていないのではないかという見方もあります。中国は日本と比べて店舗当たりの売上高がかなり小さいのです。日本のコンビニを見てみましょう。

 

 

 

 1位のセブンイレブンは70万円近く売り、少ないところでも30万円以上売っています。そして、中国の現状ですが、ファミリーマートやセブンイレブンでだいたい6000-7000元、10万円ちょっとですね。地場のコンビニなんて3000元くらい、5万円くらいですね、のところもあります。売上の割には家賃も高いですし、なかなか厳しいです。この売り上げを見るとまだまだ完全に市民権を得ているようには見えないですね。フランチャイズ文化が受け入れられてない以上にこちらの方が問題かもしれません。「中間層の拡大」と言われて久しいですが、その割にはコンビニはまだこんな調子です。もう少し時間がかかりそうですね。

賃料高騰に対抗して自ら売り場づくり ~建材・家具業界~

 中国の売り場のコストは高い。これはちょっとでも中国小売市場を研究したことのある人であれば知っている話です。それに耐えかね自ら売り場を立ち上げようという動きが建材・家具業界で見られています。

 

 建材の売り場といえば紅星美凱龍がぱっと思い浮かぶところです。建材・家具のショッピングモールのようなもので、かなりの面積のところもあります。スーパーや家電量販店同様に、建材売り場も売り場のパワーがメーカーやディストリビューターを圧倒しています。そのためか、売り場に対して納める費用が年々高騰し、これに対抗する動きとして自ら売り場を立ち上げる動きが出てきたということです。

 

 

 

 写真は紅星美凱龍の図面ですが、実物もかなり大きいです。

 

 さて、12月3日に中陶投資発展有限公司という会社が海南省に設立されたのですが、中国建築衛生陶磁協会と国内のタイル・サニタリー流通企業の華耐家居集団が共同で発起し、その他業界関連メーカー20に出資を経て設立されたものであり、60余りのブランドがカバーされているとのことです。なんでも、建材メーカーが末端(店舗)に収めるための費用と賃料は製品価格の3分の1を占めており(売り上げの33%?こりゃ凄いわ)、今までのように建材売り場の店舗で販売するモデルだと続けていくことは難しく、自ら売り場という物件を持ってコスト負担を押さえていくことを趣旨として設立された会社ということで。

 

 常州の建材売り場のテナントが新聞記者のインタビューに答えているのですが、最初に出店した時(いつごろかは不明)の賃料は30元/㎡(明記していないのですがおそらく1日当たりかと)、当時はこの程度の家賃で売り上げもまずまずだったのが、その後売り上げはどんどん落ちてきているのに家賃だけはどんどん上がり、最も高い時はなんと160元/㎡、上海だとしても高い部類に入る家賃に挙げられてしまったそうです。5倍以上、さすがに売り上げは5倍にはならないので、あまりにも厳しすぎる条件です。

 

 さて、自ら売り場を立ち上げるという新しい動きですが、挙げられているリスクとして、

(1)  売り場物件の管理、経営に関するリスク

(2)  売り場物件の内部での仕切り(店舗の割当等)

 寄り合い所帯なので、この辺り確かに仕切りが面倒です。それと、ここに参加している企業が今後従来の建材・家具売り場との関係を完全に断ち切れるのかという問題もあるかと思います。なんだかんだいって売り場は強いですからね、中国では。

裁判官は夜遊び厳禁

 8月に上海の裁判官が夜総会(ナイトクラブ:ホステスのいるクラブ)に遊びに行くところの動画がなぜか流出して騒ぎになっていた(実際に遊びに行ったのは6月)ようですが、《上海法院法官業外活動行為規範及び監督管理規定(試行)》という、裁判官の勤務外の日常現行活動はこうあるべきという内容の通達が発表されました。

 

 

 

 

 

 別に裁判官が遊びに行ってもいいと思ってしまったのですが、そんな私は甘いのでしょうか。ネットの書き込みを見たところ結構厳しい書き込みが多かったです。プライベートで遊びに行くのはいいと思うんですけどねえ。もちろんあくまでお店の中で歌を歌ったり酒を飲んだりという範囲での遊びで、且つ事案関係者による接待でないことが大前提ですが。結局その時は指摘された四名の裁判官のうち、三人が党籍・公職をクビになり、一人が党に留まりながらの観察処分・免職申請というものでした。なぜこのように処分の差が出たのかというと、観察処分にとどまった人はべろんべろんに酔っぱらってしまいどうにもならなかったのですが、クビになった参院は買春しちゃったためであります。これはさすがにいかんですねえ。ある意味このべろんべろんになった人はラッキーだったといえるでしょう。先ほどはなんて厳しい処分なのかと書きましたが、買春してしまったらネットでぼろんちょに言われてもしょうがないでしょう。

 

 さて、《規定》の内容ですが、大よその内容は裁判官が司法の尊厳を損なう活動に参加することを禁止し、裁判官のチーム、家族に対しても相応に要求がなされる、というものになっています。

 

キモの部分は、

 

・いかなる猥褻、賭博、麻薬に関係する活動に参加したいり、あるいは夜総会およびその他異性が横に座って接客サービスを行う場所で贅沢、不健康な 

 娯楽活動に参加してはならず、同時に家庭メンバーが上述活動から遠のくことを教育督促しなければならない。

 

・役職ごとに連座責任制を設ける。

 

 それと職権乱用の方面では、《規定》によると、

 

・裁判官は司法職務及び身分を利用して不正等利益をむさぼってはならず、司法に影響しうる特殊身分と関係を暗示及び他者が暗示することを許しては

 ならない。

(⇒俺は裁判官だー、文句あるかー!というようなことを言ったり言わせたりしてはいけないということですね)

 

・審判の職権、職務または身分の影響を利用して、当事者に代理人、弁護人及び仲介機構を紹介してはならない。

(⇒便宜を図るなということですね)

・退職後に自己の元々有していた身分または便宜条件を利用して法律執行・事件処理に関与したり影響を与えたりしてはならず、個人の不当な言行によ

 り司法職業のイメージ形成によくない影響をもたらすことを回避する。

(⇒変な影響を与えるような真似をするなということですね)

 

 個人的に気になるのは夜総会に遊びに行ってはならないという部分より、職権濫用の部分ですね。こんなのは今までの通達類の中でとっくに言及されていると思うのですが、夜総会で裁判官が遊びに行くところの動画が流れてしまったので、示しをつけるために付け加えたのでしょう。あまり意味がないようにも思えますが、何もないよりはましだと思います。なんとなくですが、しばらくはおとなしくしていても、そのうちまた元の状態に戻っていると思うのはきっと私だけではないように思います。弁護士にきいてみればいい教えておら得るかと思うのですが、本当に腹黒い裁判官というのはいるようです。車のキーを裁判官に渡した(要は車をプレゼントする)弁護士の話なんかも聞いたことがあります。

 

 現政権は現在腐敗撲滅運動っぽいことをやっていますが、なんかきりがないような気がしますよねえ。どのあたりまでが摘発されると終焉を迎えるのでしょうか。

中華圏スターの映画出演料

 中国のプロモーション費用が高いとよく言われますが、テレビコマーシャルで使われるような芸能人ってどれくらいのギャラになるのでしょうか。出所が怪しいのですが、芸能人の映画、ドラマの一本当たりのギャラの表出回っています。見ていきましょう。

 

 まず男性から。ジェット・リーの映画一本のギャラが6000万元(約10億円)です。記者がこの件でジェット・リーにインタビューしたところ、「安過ぎるよ!2000年の時点で1000万米ドル超えていたよ!」という回答。そんなにすごいギャラなのか。アメリカ映画のスコーピオンキング3にも出ていましたからねえ。ハリウッドクラスにもなるのでしょう。ジェット・リーによると、中国の映画スターは一本あたり1億元から5億元の間というのはとても普通だと認識しているようです。おいおい、5億元なんていくらなんでも高すぎでしょう。なんでも、ギャラを映画制作費用からまかなうことができない場合、興行収入からのレベニューシェアの方法もあるようです。しかしそれにしても高いですねえ。ちなみに表は左の数字が映画、右の数字がドラマ一本あたりです。

 

  

 

 次、女優さんを見てみましょう。

 

 章子怡が1000-1200万元でトップ、それを負うのが巩俐、1000万元女優ですね。中華圏スターの場合、香港、台湾のみならず東南アジアあたりでも結構知名度が高いので、高くてもそれだけの値打ちがあるのでしょうが、それにしても高い。

 

 日本と比較するとわかりやすいと思うので、ネットで適当に検索しましたところ、女優さんのドラマの1話あたりのギャラを見つけました。

 松嶋菜々子:350万円

 米倉涼子:250-300万円

 天海祐希 篠原涼子 綾瀬はるか 仲間由紀恵:250万円

 トップの松嶋奈々子で350万円ということは、20万元くらい、中華女優の表の中だと明らかに下の方です。しかし、香港や台湾はいいと思うのですが、中国の女優さんってそんなにいいですかねえ。普通の中国ドラマってそんなに面白くないんですけどねえ。あっ、映画はドラマよりはいいと思いますよ。

中国企業のM&Aがうまくいかない要因

 中国企業の対外進出が話題になるようになってからしばらくになります。私のところにもその手話は意外と来ます。中国側の買いもあれば中国側の売りもあります。それ以外にも、中国系以外の非日系の在中国企業の売りの話もあります。規模的には大手証券会社だと取り扱いにくいくらいのものが多いです。このように、中国企業の関係するM&Aは徐々に増えてきていますが、統計によりますと2002年の中国の対外投資は27億米ドルだったのが、2012年には878億米ドル、そして今年1-10月で見ますと、中国企業の非金融類の海外投資は695.2億米ドルに達し、前年同時期比19.5%の増加となっています。

 中国からお金を引っ張りたいというニーズはあるようで、例えば在中国アメリカ大使館のウィリアム・ザリット公使によると、中国企業の対米投資を吸収及び奨励するのは在中国アメリカ大使館の業務の重点とコメントしています。

 一般的にM&Aは成功率が半分くらいといわれており、中国商務部国際貿易経済合作研究員の研究データでは成功率は40%という結果が出ています。平安財智投資管理有限公司という会社の王CEOによるとこれはさらに下がり成功率は14%を超えないとコメントしています。王CEOによると、政治、法律、文化上のリスク意外に、中国企業の海外M&A失敗の4つの原因とは、

1.中国企業の海外M&Aは往々にして商業と非商業の目的が混ざってしまっている。

 つまり、メンツを重んじ、言い換えると格好をつけて色んなターゲットに対してやみくもに行うM&Aが失敗しているという傾向があるということです。

2.忍耐力不足

 中国企業が欧州企業に対してM&Aを行うする時に往々にして見られるようですが、企業に対する理解をすることに対する忍耐力が不足しているということをいいます。理解しないままに買収するというのは問題ですね。

3.機会主義

 機会主義をベースにしたM&Aが主流を占めている、つまり、ビジネスチャンスを会を獲得するのは当然大事なのですが、そればかりに目を奪われて、それがちゃんとした話なのか、ちょっと怪しい話なのかの見極めが甘いということですね。中国企業は日本企業に比べて行動が速いとよく言われますが、これについてはその弊害の部分といえますね。

4.ブランドに目が行き過ぎ

 中国企業は往々にして国際ブランドを憧れのまなざしだけで見て、そのブランドの背後にあるもの(例えば従業員etc)を見過ごしがちということを言います。ブランド志向が強いので、さもありなんという感じがします。

 以上より、中国企業は対外投資をする前に、まずは明確な目標を立て、M&Aのリスクを考慮し、特にそれによって得られるビジネスについて十分考察することが必要になってきます。いわゆるポストM&Aというやつですね。

 中国企業の成長もあまりにも急激であり、そのためM&A経験も多くなく、その方面の人材が不足しているといわれています。それが成功率が高くないことにつながっているのだと思いますが、王CEOは海外M&Aを行う企業が備えておくべき4つの能力を挙げています。

(1) M&Aを計画する能力があること

(2) M&Aプロジェクトに関与する関連者を管理する能力を有していること

(3) 政策決定の選択能力を有していること

(4) ターゲット企業に対する再編能力を有していること

 今後はさらに人材の厚みも増してくるでしょうから、この4つの能力については徐々に計渇していくと思うのですが、どちらかというとその前に挙げた失敗の4つの原因、こちらは国民性による部分が多いので、これを4つの能力でいかにカバーしていくことができるのか、ということになろうかと思います。

中国における11月単月の日系ブランド自動車販売台数

 中国での日系ブランド車の販売が復活したとか相変わらず落ち込んでいるとかいろんな記事を見かけますが、単月で見た場合とか累計で見た場合とかで変わってきます。例えば、今年頭しんどかったのが後半盛り返してきたとしても、累計ベースだと前半のしんどかった時期のものが含まれるので、相変わらず落ち込んでいるという論調の文章になってしまいます。ここは月ごとに見たほうがいいのではないかなあと思います。ということで、11月の統計が出ましたので見ていきましょう。

      前年同月比伸び率(%)  月間販売台数(万台)  

GM       13.8 26

日産 95.7 13.18

フォード 47 9.91

トヨタ 40.7 8.98

ホンダ 101.4 8.3

マツダ 67.9 2.04

ボルボ 69.4 0.59

 昨年は尖閣問題の影響もあり日系ブランド車の販売台数はは10月がボトムで、11月から徐々に盛り返すようになってきました。つまりボトム時期との比較ではない、少し上がってきたときの数字と比べてもこんなに回復していると読み取ることができるのではないかと思います。日産とホンダなんてほとんど倍ですね。とはいうものの、ここ最近また情勢が怪しくなってきているので今後の推移は安心できないですね。

中国小売業って統計を見る限りいちおう成長しているのでは?

 一般的に、世界経済は毎年2-3%の成長があれば安定的に維持できるといわれているそうです。具体的には、先進国では1-2%、発展途上国では3-5%の成長率があれば正常に運営できるそうです。ところが中国の小売業は7-08%の成長率を達成しているにもかかわらず、かなりの危機感を感じているのはこれいかに。ポイントとなるのは、中国では生産販売率(生産に対して販売する比率)が95-965、つまり4-5%の製品は価値を実現できていないということになります。そして、製品が流通に回っても仕入販売率(仕入れに対して販売する比率)が100%に満たないという問題があります。これが中国小売業の成長スピードが速いものの、効率が悪い原因と言われています。

 また、小売業者とサプライヤーとの間の衝突も以前から聞かれる話です。代表的なものを4つ以下に紹介します。

1.乱収費,層層収費,節節収費(なにかと費用徴収)

 サプライヤーがチェーンネットワークに入るに当たってネットワーク費を、店舗に入るためには入場料、広告費、開店記念活動費、ひいては商品部やグループへの陳列匯、整理費、衛生費等の多くの名目の費用を支払わなければならないこと。

2.乱攤派(分担の強制)

 一部の売り場では達成しなかった売上高をメーカーに割当したり、虚偽販売をおこなったり、達成しなかった利益をメーカーに分担させたり、規定を超える費用をメーカーに負担させたりしていること。

3.乱転嫁負担(費用負担の転嫁)

 多くの店舗側が負担すべき費用、電気代、水道代、衛生費等、ひいては領収書の費用もメーカーに請求すること。

4.拖欠貨货款(代金未払い)

 いわゆる代金未払い。時間通りに決済してくれないと、メーカー側の資金繰り、ひいては生産に影響してしまいます。

 こんな現象がみられる中、売り場側は入場料等の費用をさらに引き上げようと模索し、サプライヤーはサプライヤーで値上げするに当たり売り場側に問題があるというのを口実にします。悪い循環ですね。最終的には消費者につけがまわってきてしまますよね。

中国のエコシティの今

 よく番組改編期のスペシャル番組で「あの人は今」のような特集を組んだりします。個人的には結構好きな企画です。懐かしいのを見たくなってしまう、年を取ったのでしょうか。さて、今日は「あの人は今」ならぬ、「生態城は今」について書いてみます。

 

 生態城といっても耳慣れない言葉なので少し補足しますと、生態学と現代科学技術を駆使した好循環型都市、俗にエコシティと呼ばれています。中国各地でこのエコシティなるものやスマートシティなるものが300とも500とも存在しているといわれています。上海東灘生態城、唐山曹妃甸生態城、重慶両江生態城、河南新田生態城、長沙生態城、山東黄河生態城、中国知青生態城、いやあ、たくさんありますねえ。ちゃんとしたものから胡散臭そうなものまであり、中国知青生態城のような不動産プロジェクトが文書偽造で取締りに遭ったようなケース、停滞状態にある唐山曹妃甸生態城のようなケース、そして最もまともそうな天津中新生態城もあまりぱっとしていません。

 

 今年9月に経済観察報というメディアの記者が天津中新生態城の建設5周年にあたり取材にやってきたとき、プロジェクトがスタートして5年経過していながら、8平方キロメートル(当初開発部分)のエリアに住民はわずか4000人余りしかおらず、アニメ産業園等の産業園内の登録企業も1000社余り、集まった金額は700億元余りで、一社平均だと70百万元とそこそこの規模に見えますが、大多数は零細企業のようです。集まってきている業種は、アニメ、クリーン技術、エコ技術、情報技術、現代サービス業等です。しかし投資誘致はかなりしんどかったようです。私も天津のとある投資誘致を担当しているところから企業誘致のお手伝いをしてほしいと頼まれたことがありますが、うーん、やっぱり難しかったですねえ。

 

 このような状況から、中国ではよくもぬけの殻になっている都市のことを揶揄する「鬼城」という言葉が天津中新生態城でも使われるようになってきています。今年中には常住人口1万人を目指すとのことですが、なにせ9月時点では4000人余り、建設業者が6000人と住民より多いという状況です。当初計画では10年程度で30平方キロメートルの荒れ地に35万の住民をあつめる新型エコシティを目指していたのですが、それと比べるとあまりにも寂しい状況です。なぜか?交通インフラが悪いという指摘があります。バスはつながっているのですが、地下鉄は計画中であるものの、いつからスタートするのか見えていない状態。交通インフラの整っていない都市開発なんて、おいおい。こんな状況でも不動産開発だけは注目を集めていたようで、マレーシア、シンガポール、フィリピン、日本(三井不動産)、台湾等からディベローパーが進出し、売出し中の物件は19あります。ここだけ見ると不動産プロジェクトチックです。おそらく交通インフラが整備されると当て込んでいたでしょう。胡散臭いエコシティだと完全に不動産プロジェクト化しているものもおそらくあるでしょうが、天津の場合ははさすがにそこまでではないだろうと思います。

 

 しかし、生態城の30平方キロメートルという敷地の中で、3-4平方キロメートルしか産業用地がなく、ここから得られる税金だけで果たして35万人の住民を養うことができるのだろうかという課題が指摘されています。

 

 色んな地域にわんさか現れた「生態城」、当時は結構注目を浴びてました。昔の記事だとこんなのがあります。

 

 http://business.nikkeibp.co.jp/article/tech/20110920/222713/

 

 http://diamond.jp/articles/-/7464

 

 http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK2500E_V20C11A5000000/

 

 以上のもの以外でも探してみるとたくさん出てきますが、どれもこれもちょっと前の記事、つまり旬ではなくなってきているようです。ひたすら不動産プロジェクト化して走っていくのか、それとも当初の理念通り進めていくのか、どこかで路線変更していくのか、どれもできずに野ざらしになってしまうのか。具体的にどのような取り組みが行われているかよく知りませんが、経済観察法の報道の通りだと冒頭に書いたような「あの人は今」と同じような扱いになってしまいかねませんね。こんな状況でも二線・三線都市では智慧都市(スマートシティ)建設が流行りのようで、200都市以上で計画されています。こういうのが好きなんでしょうねえ。