Date: 10月2015

中国Eコマース白書 byニールセン

 『ニールセン中国電子商務業界発展”杭州”指数白書』なるものが杭州のEコマース関連のフォーラムで発表されています。

 

1.ネットショッピングユーザー数は男性が多い

 これは私も意外だったのですが、ネットショッピングユーザー数は男性のほうが多いそうです。そもそも男性のほうが多いということがあるからでしょう。ただし、頻度はやはり女性の方が高いようです。だから女性ユーザー数のほうが思い込んでいたのだと思います。なお、所得水準で見た場合、月収8000元以上の人が81%を占めているとのことです。そこそこの所得水準の人もネット販売で購入しているということがわかります。

 

 

 ユーザー巣についてもう少し掘り下げてみましょう。ネットショッピングユーザー数(3.61億人)と、ネット支払ユーザー数(3.04億人)と、モバイルネットショッピングユーザー数(5.57億人)です。モバイルネットショッピングユーザー数がネットショッピングユーザー数を上回るということは、要するに非モバイルネットショッピング、すなわちパソコンでのネットショッピングかと思うのですが、かなりモバイルの方が上回っています。入力しやすいということもあり私はまだパソコンで買いますし、決済はもっぱらアリペイですね。

 

3.農村ユーザー数の増加2014年の農村のネットショッピングユーザー数は40.6%も増加しており、都市部の16.9%を大きく上回っています。のj損地区のネットユーザーのネットショッピング使用率は43.2%に過ぎず、これは都市部の60.4%を下回っていますが、何しろ伸び率が大きいので今後さらに注目されると思います。農村部といってもどこまでの農村部を指すのかという問題がありますが、物流の問題さえ解決できればかなり伸びるでしょう。

 

4.その他

 購買頻度が最も高いのがベビー商品、旅行商品は市場規模が最も大きく、家電・携帯電話・ITデジタル製品の市場規模は旅行商品に次ぐ規模。そして、68%のネットショッピングユーザーは休日に買い物します。時間帯としては夕食後就寝までの間が多く、55%のネットショッピングユーザーがこの時間帯に買い物をします。26-35歳の年齢層の人がネットショッピングユーザーの51%を占めており、小さな子供がいる家庭が多いからこの時間帯になるという見方がされています。普通に考えれば働いている曜日及び時間帯を避けているだけなのかと思いますが、このような分析がされていました。

 なお、Eコマース企業の1/3以上が杭州に集中しているとのこと。これはアリババが杭州に拠点を設けているからでしょう。また、Eコマース産業を後押しする色んな補助政策も多くあるようですよ。杭州はもっぱら天猫やタオバオがらみで、独自の大手は北京が一番多く、その後をシンセンと上海が離れて続いているかと思います。ということは、杭州にあるのは準準大手以降といえますね。

超日本びいき・台湾びいきの中国人

 たまたまとある中国人と1対1で食事をする機会がありました。中国人といえば最近だと日本は嫌いだが日本製品は好きという人も増えてきていますが、愛国、反日、台湾は中国の一部だ、と主張するのが定番のイメージを持つ人も多いでしょう。ところが、これとは全く正反対の人だったのです。

 

 同じ内容を一般の中国人に話すとアホ扱いされると本人も話していたのですが、言っていた内容としては、

 ・台湾人の気持ちはとてもよくわかる。台湾は台湾、中国じゃない。

 ・蒋介石はともかく、その息子の蒋経国は素晴らしい。

 ・蒋介石はよくなかったかもしれないが、もし蒋介石が勝利していたら中国も今より良かったのではないか。

 ・中国は分裂すべき。

 ・日本人が靖国神社に参拝するのは何の問題もない。戦没者に慰霊すべきは当然のことで、色んな国に同じような場所がある。自分自身も靖国神社に行ったが、素晴らしい施設と感じた。

 韓国のこともいろいろ言ってましたがここではノーコメントとします。とにかく、一般の中国人の口から出る言葉としては異例としか言いようのない内容化と思うのですが、なるほどそうなのかという背景を教えてもらいました。なんでも、その方の父かおじいさんか忘れましたが、国民党の残党だったのだそうです。国民党の残党であったが故に、その後の共産党中国では文化大革命の時代も含めてそれはそれは辛い時代を過ごしたそうです。そしてそれを聞かされて育ってきたとのこと。なるほど、共産党に対するイメージが悪くなるわな。そもそも国民党って全部が全部台湾に逃れることができたわけはなかったのか。そりゃあ100%全員が逃げ切れるわけがないといえばそうなのだが、あまりそのように考えたことがなかったです。

 

 今年2015年はバックトゥザフューチャー2の年ということで、先日DVDを見たばかりです。ほんの少しのきっかけで歴史というのものは大きく変わっていくのですが、現実社会も確かにそうだと思います。彼が言うように、本当に国民党が共産党を蹴散らしていたらどうなっていたでしょうか。そういう小説があっても面白いと思うのですが、中国だと発禁になってしまうでしょうね。

中国の就業人気業界はインターネットと金融

 CIERという指数があります。就職市場の良しあしを測る指標です。その指数の計算式は、

 CIER指数=市場募集ニーズ人数/市場求職申請人数

 つまり、この指数が1より大きいとき、就職市場は求人が多いということであり、1より小さければ就職難ということになります。下の表を見てみましょう。青線が求職申請人数、オレンジ線が募集人数、数値がCIERです。時間軸で右から3つ目がなぜか20111Q1となっていますが、これを無視して見る限り、2011年の時点と比べると大幅に上昇、ここ最近は下落傾向ということがわかります。

 

 

 

 これは2015年のホワイトカラーの一人欠員あたりの履歴書を受け取る平均数量の推移です。どんどん増加してます。相も変わらず転職希望者が多いのでしょう。

 

 

 業種ごとに数値の違いを見ていきましょう。求人が旺盛なのはインターネット、ファンド/証券、保険、教育、不動産、仲介サービス、物流、財務会計/法律、交通、農林牧漁と続きます。インターネットと金融の人気が高いです。中国不動産バブルがやばいと言われてもうかれこれ10年以上になるかと思うのですが、いまでもなお求人は旺盛ですね。一方で、求人が旺盛ではないのが、会計/監査、エネルギー、航空、リースサービス、電気、オフィス用品、検査/認証、学術/科学研究、物業管理、反響保護と続きます。

 

 

 募集ニーズの高いインターネット・Eコマース関連はなんと求人ニーズが65%も伸びており、Eコマースの勢いを感じさせてくれま

 

 企業規模別のCIER指数を見ていくと、零細企業ではその伸びが52%と最も多きく、指数自体は小企業が最も高く、起業規模が大きくなるほど小さくなっています。中小企業の人材不足は中国でも同じようです。

 

 

 以上を見る限り全体的には就職しやすい状況といえますが、個人的には人件費コストとそのパフォーマンスが釣り合っておらず(もちろんちゃんとこなしている人もいることは否定しません)、こちらの改善が望まれます。急成長している時期は人材の取り合いになるので人件費コストとそのパフォーマンスが釣り合わないケースが多いのはわかるのですが、CIER指数が伸びているとはいえ成長スピードも落ち着いてきた最近ではそろそろ人件費コストとそのパフォーマンスが程よくバランスする方向に移っていって欲しいものです。

委託貸付の返済遅延が増加

中国では委託貸付という制度があります。貸金を行うことができるのは金融業者だけであり、非金融業者が単独で資金を融通することができないため、間に銀行を挟んで資金を融通する制度です。A社がB社に対して資金を貸し付けたい場合、A社が資金を銀行に預けて、B社は銀行から借り受ける、実質的にはA社からB社に貸し付けるのと同じことになります。私が銀行にいたころは関連企業間で行われるのが大半でしたが、あるころから非関連企業間でも行われるようになってきております。そして、中国企業間だと金利設定も10-18%程度とかなり高く設定されているのが一般的のようです。

 

こんな高い金利で資金調達するくらいですから、調達企業は銀行から直接融資を受けることが難しい企業が多く、業種としては不動産業が多いです。2014年上半期で、上場企業だけでも国内委託貸付は2.51兆元で前年比100%も伸びています。そして、社会融資総規模(実体経済が金融体型より獲得する全資金総額)の中で、昨年の委託貸付の増加幅は商業銀行の人民元貸付規模の30%程度で、いわゆるシャドーバンキングの26%を占めると言われています。

そして最近この委託貸付の返済延滞が増えているようです。実質的には企業間貸付ですが、間に銀行が介在してしまっているため、延滞した場合銀行が取り立てのお手伝いをする必要も出てきます。上述したように委託貸付で資金を借り受けるのは不動産業が多く、自ずと資金ボリュームも大きいので、不動産市況がおかしくなるとその影響も相応に大きくなるでしょう。過去にも委託貸付について書いたことがありますが、古いのは2008年に書いてます。不動産バブルもずっと言われてますが、この7年間無事でいられて、なおかつまだ値上がりしている物件があるという現象もすごいですね。

(参考:過去記事)

http://blog.goo.ne.jp/gomeiken/e/6da6f406e0b1be0156d9b6f1e7d29372

http://blog.goo.ne.jp/gomeiken/e/ff6a09a814d0ccfddc10a8865a122a18

月餅チケットの換金

 毎年中国では中秋節になるとお付き合いのある先に月餅を贈る習慣があります。お中元やお歳暮を贈るような感覚でしょうか。元々は月餅そのものを送っていたのが、いつのころからか月餅の引換チケットになり、引き換え期限が迫ってくると引換所に長蛇の列ができるというのもよく見られる光景です。並んで引き換える人もいますが、チケットそのものを換金する人もいます。要するにダフ屋相手に売ってしまうのですね。前職の時にやはりこれは習慣だから従業員にも配ろうという話がでたことがあったのですが、どうせダフ屋で換金されるに違いないと思っていた私は、そんなの現金で渡すことと変わらないので、そんなの渡すくらいだったらそのお金でみんなで夕食でも食べたほうがいいと言って、夕食会を開催したこともありました。なぜ換金されるに違いないと思っていたかというと、私自身が換金していましたから。

 そもそも中国で月餅が好きという人に会ったことがないのですが、そのあたり皆さんどうですか?つい先日もどこかで月餅が好きという中国人に会ったことがないと中国人に対して言ったところ爆笑されてしまいました。きっと同じように思っていたのでしょう。

 ダフ屋は普段OKカード、或は斯玛特と呼ばれる金券カードを仕入販売しており、額面100元を97元で仕入れて、98元とか99元で販売するよなことをしているようです。金券ショップの代わりを担っていると言えます。あまりにも粗利が低いのですが、よほど回転率が高いのでしょう。ところが、月餅チケットだと仕入れと販売の差額、要するに儲けは大きく跳ね上がります。額面100元の月餅チケットを50元で仕入れて60元で販売する、つまり10元の儲けが出ます。月餅を送るのが華やかだった時代は結構儲かっていたようです。近年は贅沢禁止の流れもあり、高価な月餅が減ってきています。実際に昨年は特に高価な月餅がたくさん売れ残ってしまい、なんでも前年比半分以下しか売れなかったとか。高級月餅を販売するのは主にホテルが多いのですが、昨年の二の舞を防ぐため、今年は以前よりも安価な月餅を用意し、そして国営企業ではなく民間企業や外資企業にターゲットを絞ったこともあり、昨年よりは売り上げが20-30%ほど伸びたとのこと。

 

 月餅チケットの売り上げが伸びたとはいえ、ダフ屋のうまみはなくなっているようです。そりゃあそうですね。高価な月餅チケットがたくさん流通していた時代と、その時と比べると安い月餅チケット、且つ流通する枚数も少ないとなればおのずともうけも減ります。華やかなりしころは毎日100枚くらい月餅チケットを回収することができていたのが、今ではその10分の1くらいの人もいます。それでも街中でしばしば見かけますよね、チケット回収屋さん。

 

 皆さんは月餅チケットを実際に引き換えてますか?換金してますか?

【11/12東京】TNC中国セミナー「中国人消費者に日本商品を売り込め ~キーワードは越境EC~」のご案内

近年空前の日本商品ブームが起こっています。日本の街を歩けば爆買い風景、中国の街を歩けば日本商品を購入する人々の姿、中国ネット販売サイトを見れば日本商品が多く出品されているサイト、いずれも日本企業にとってはフォローの風が吹いていると言えます。また、ネット販売においては個人輸入として購入する越境ECという形態も注目が集まっており、既に越境ECの形態で中国人消費者向け国際通販の形態で展開を始めている日本の事業者もおります。しかしながら、いまのところ中国人消費者に買われているのは既に知名度の高い商品がほとんどです。それを横目にしている自社商品を中国人消費者に販売したいと考える日本企業は少なくありません。

 今般のセミナーにおいては、上記に紹介した越境ECを中心に、日本商品の中国人消費者への販売の現状、及び今後の展開手法について、現場の生の声を多く盛り込んだより正しい情報をフィードバックしつつご紹介いたします。

ご多用とは存じますが、多数ご参加賜りますようご案内申し上げます。 

【講演内容】

時間
講演内容
講師
1:14:00-15:00
日中越境ECを通じての中国人消費者への販売
呉 明憲
株式会社TNCソリューションズ代表取締役
拓知管理諮詢(上海)有限公司 総経理
2:15:00-16:00
実務から見た日中越境EC市場の実情
内田 信
株式会社オレンジモール
3:16:00-16:30
質疑応答

【日時、会場及び参加費用】

東京
開催日
2015年11月12日(木)
開催時間
14:00~16:30(受付 13:40~14:00)
会場
新宿アイランドタワー20階セミナールーム
http://www.shinjuku-i-land.com/access.html
定員
100名
参加費用
5,400円(当日支払の場合10,000円)(TNCの顧問先は半額)
【お申込み】申込書にご記入の上、開催3日前までにEメールにてお申込み下さい。セミナー代金振込先口座番号をお伝えいたします。なお、定員に到達次第締め切りとさせていただきます。

【お問合せ】Ms陳(イライザ) TEL :(日本)050-5806-2111 (中国)021-6270-0022

中国越境EC取引規模2015年は5.5兆元に達する見込み

 中国電子商務研究中心というところが発表した《2015年(上)中国電子商務市場データモニタリング報告》によりますと、2015上半期の中国越境EC取引規模は2兆元、前年同期比プラス42.8%で、中国の輸出入総額のなんと17.3%も占めています。

 

 

 

 最近越境ECがはやりなのでついこの数値で物事を考えがちですが、この数値はB2CだけではなくてB2Bも含んでいること、輸入だけでなくて輸出も含んでいることから、日本企業が言うところの越境ECについてだとB2Cの輸入の数値を見る必要があります。内訳を見ますと、輸出が全体の84.8%、輸入が全体の15.2%、B2Bが全体の91.9%、B2Cが全体の8.1%となってます。B2BとB2Cとで輸出入の構成は違うかと思いますが、そこまではわからなかったので、案分しますと、2015年度は5.5兆元×15.2%(輸入)×8.1%(B2C)なので、ざっと677億元(約1.3兆円)。うーん、結構な金額ですねえ。もちろんこれが全て日本からというわけではないです。

 

 今は確かにはやりでこれに乗っかって一儲けできるかと思うのですが、果たしていつまで続くでしょうか。この流れに乗って中国向けに販売して、越境ECブームが終わるころまでに知名度を引き上げて、その後は越境ECに頼らない売り方をする、これが理想かと思います。そのためには、商品力もつけないといけないし、売ってくれる力のある先も探さないといけません。日本に爆買いに来る中国人に買ってもらうことを通じて越境ECを通じたリピーターになってもらうことも考える必要があるでしょう。どれも難しいことではありますが、難しいからといって放っておいてもしょうがないですし、今のこの日本商材が受け入れられやすい環境をうまく使わない手はないかと思います。おそらく、今売れている商品は意図的な仕掛けで売れるようになった商品もあれば、なぜか売れてしまってる商品もあるかと思います。物事を立ち上げるというのは口で言うは易し、行うは難しですが、何がきっかけで急に売れ出すかわかりません。この生みの苦しみを何とかクリアしてステップアップにつなげてもらいたいものです。

2014年中国百貨店・ショッピングモールの売り上げランキング

 寧波に阪神阪急が百貨店を出店することをふと思い出し、昨年の百貨店・ショッピングモールの店舗売り上げランキングをちょっと探してみました。

 昨年時点で売り上げが下がっているところが意外と多くありますね、というかマイナスになっているところのほうが多いような気が。上海恒隆広場なんて20%以上落ち込んでますが、ここはラグジュアリーブランドが中心なので、贅沢禁止や反腐敗の影響が大きいのでしょう。となると、今年は景気も昨年より良くないようですし、さらに落ち込むことは間違いなさそう。地方都市もしんどそうですねえ。

 

 

上海法人事務所移転のお知らせ

拓知管理諮詢(上海)有限公司は2015年10月、下記住所に事務所を移転しました。
電話番号の変更はございません。

【新住所】
上海市長寧区天山路600弄4号
思创大厦4楼A座

今後とも変わらぬご愛顧の程、よろしくお願い申し上げます。

銀聯カードによる海外出金制限の影響は?

 中国人インバウンドで潤っている日本に冷や水を指すようなニュースが出ました。銀聯カードによる出金制限です。

 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150930-00000087-reut-bus_all

 現在は1日当たりの引き出しのみが制限され、上限は1万元となっているのが、

 ・2016年から年間10万元(1万5734ドル)に制限

 ・ビザ<V.N>とマスターカード<MA.N>の発行したクレジットカードでの引き出しも対象

 ・年内の3カ月間は、5万元を上限

 

 いろんなところでこれは今後のインバウンド消費に影響が出そうだという意見が出ています。そんなに影響するのだろうか、という観点からちょっと考えてみました。このヤフーの記事を見ると制限されるのはあくまで現金での引き出し。原文記事も見ましたが、やはり制限されるのは現金の引き出し。つまり、銀聯カードで買い物する分には影響がないということですよね。銀聯カードで海外で買い物することにまで金額制限が設けられると大変ですが、銀聯カードのデビット機能で買い物することまでは制限されません。多少は不便になるでしょうが、日本に来る前にある程度日本円を用意していれば大丈夫なのではないかと。こういう制限ががあるとわかっていればあらかじめある程度現金を用意していくと思うんですよね。それを知らず日本のATMでおろそうするとえらい目に合うでしょうが、少数派でしょうし、最初だけじゃないかなあ。それに家族で行くとそれぞれの銀聯カードに10万元ずつ下せるように残高を振り分けていれば結構使えると思うですよね。とうことで、真似論対策という見方は理解しますが、インバウンドビジネスに対する影響についてはそんなに心配しなくてもいいのではないかと思われ。