呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

最新版給与指導ガイドライン

 2018年も残すところ後3か月弱。今この段階で少なくとも全国15省市で2018年企業給与指導ガイドラインが発表されております。

 

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 毎年のように発表されている企業給与指導ガイドラインですが、ここで二点はっきりさせておく必要があります。

 

 まず一つ目として、給与指導ガイドラインは必ずしも企業が必ず給与をこのガイドライン通りにあげなければならないというものではないということです。これはあくまで意見であり、指導であり、強制力はないのです。とはいうものの、こういう具体的な数値が示されている以上、給与に関する交渉、特に団体交渉の場合はこれを持ち出して交渉がスタートすることは十分にあり得る話だと思います。

 

 もう一点ですが、仮に給与を上げるにしても、当然のことですが、企業の業績や体力により、上げ幅は異なるという点です。地方によってガイドライン数値が異なるのはこれも背景の一つといえるでしょう。

 

 景気が低迷してなかなか休養が上がらない環境の中で、国が給与上昇率に意見するならまだしも、今はそういう環境でもないでしょうし、いつも思うのですが、企業からすると大きなお世話的なガイドラインといえるでしょう。でもまあ、出てしまったものはしょうがないですし、それなりに従業員も知っている情報なので、お互いがこの数値を認識しつつ交渉するということになるでしょう。

南京でかに道楽のパクリ店が続々開店中

 ツイッターで見つけたのですが、かに道楽のパクリ店が、南京市で続々開店中だそうです。

 

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 これは南京の話ですが、そもそもかに道楽という名前、中国でどこまで使われているのかを調べてみました。

 

 まずは会社名から調べたところ、こんなにありました。

 1.蟹道楽(北京)餐飲管理有限公司(2010年7月設立)

 2.江蘇蟹道楽餐飲管理有限公司(2017年11月設立)

 3.海安蟹道楽餐庁(2016年7月設立)

 4.哈爾濱市南崗区卿鮨蟹道楽餐庁哈爾濱大街店(2018年8月設立)

 5.蟹道楽餐飲管理(南京)有限公司(2018年2月設立)(2の子会社)

 6.蟹道楽餐飲管理(上海)有限公司(2010年5月設立)(1の関連会社)

 7.南京市秦淮区蟹道楽日本料理店(2016年9月設立)

 

 ざっとこれだけありました。これら7つのうち、2016年以降に設立されたのが5社もあります。南京で増加中とのことですが、おそらく2と5が中心なのではないかと思います。会社名も取られてしまうと、もし日本の蟹道楽が中国でやりたいとなったとしても「蟹道楽」を屋号とすることは難しくなります。

 

 なまえは進出していない以上取られても致し方ない部分がありますが、今度は商標についてみていきましょう。図形商標は調べるのが大変なので、「蟹道楽」という文字商標だけ調べてみました。

 

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  上から時期の新しい順に並んでいますが、現状を確認したところ、

 1:出願登録申請が出されており受理待ち

 2:出願登録申請が出されており受理待ち

 3:実質審査待ち

 4:差戻し

 5:登録済み

 6:実質審査待ち(差し戻し)

 7:登録済み

 8:差戻しにより失効

 9:登録済み

 

 受理待ちの1と2は「飲食サービスの提供、臨時の宿泊」の分類で申請しています。実質審査待ちの3も「飲食サービスの提供、臨時の宿泊」の分類で申請しています。登録済みである5は「農業、園芸、林業製品及び他の類に属しない穀物、家畜、新鮮な果物及び野菜、種、草花、動物飼料、麦芽」で登録しており、7は「食肉、魚、家禽肉及び野鳥、野獣の肉、肉エキス、漬物、冷凍、乾燥処理及び調理をした果物び野菜 、ゼリー、ジャム、蜜漬け又は砂糖漬けの果物、卵、ミルク及び乳製品、食用油及び食用油脂」の分類で登録しています。そして、9の日本のかに道楽が登録済みの内容を見ますと、「広告、事務の経営、事務の管理、事務サービス」という分類で登録しています。もっとも古い時期に出願申請しているのでそれはいいのですが、なぜ飲食の分類で出願申請せず、このような分類で出願申請したのか。個人的には理解できません。何か意図があったんですかねえ。登録済みであるか否かは別とすると、他者は結構飲食の分類で申請しており、これってかに道楽が飲食店であることを分かってやっていると思うのですよ。

 

 南京で増えているということなので、今年2月に設立された蟹道楽餐飲管理(南京)有限公司の商標出願状況を見ると、特に何も出願していないようでした。そしてこの親会社の江蘇蟹道楽餐飲管理有限公司、2017年11月に設立された会社ですが、この会社は二つ出願申請を出しています。

 

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 「櫻花蟹道楽」と「蟹匠蟹道楽」ですか。今年3月に出願申請が提出されており、ふたつとも実質審査待ち状態ですね。なんか、いろいろとやられているなあ。

 

 既に取られていたり、拒絶されたいたりしているものがあり、今からどこまで手を打てるのかという問題はありますが、当事者のかに道楽がこの問題を気にするのであればなにかしら動いたほうがいいでしょう。

日中キャッシュレス決済料率比較

 日本のキャッシュレス比率が他国対比低いとよく言われています。電子マネーだけがキャッシュレス決済ではないですし、クレジットカードや交通系プリペイドカードは日本ではかなり普及していると思うのですが、キャッシュレス比率の他国との比較を見てみましょう。

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出所:経済産業省

 

  確かに日本のキャッシュレス比率は18.4%と低い。これは認めざるを得ません。しかし、クレジットカードや交通系プリペイドカードがこれだけ普及しているのにキャッシュレス比率が2割を切っているって、何がここまで低くさせているのでしょう。

 

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出所:経済産業省

 

 この表を見ると、日本のキャッシュレスのメインはクレジットカードであることがわかりますが、これと交通系プリペイドカード併せて2割弱に過ぎないのですね。そして、韓国のクレジットカード比率が高い!他の国は思った以上にデビットカードの比率が高い!

 

 さて、このブログは中国関連情報を配信しているブログなので、中国のキャッシュレスについて改めてみてみましょう。よく、中国でキャッシュレスが普及したのはやれ偽札が多いからだなどと言われたりしますが、手数料率が低いことが大きな要素であるかと思っています。日本との比較をするために、まず日本のキャッシュレス決済の受取側の手数料率を見てみましょう。ネットサーフィンで適当に見つけてきました。

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 だいたい3%強ですね。結構しますねえ。次に中国を見てみましょう。中国は《国家発展改革委 中国人民銀行:銀行カード決済手数料価格決定構造の改善に関する通知》(発改価格[2016]557号)という通達で料率が決められています。

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 ちょっと料率体系が複雑ですが、単純に全部足し算をしてもさすがに3%まではいきません。なので、日本と比べると大分低い料率といえます。そして、いまや中国のキャッシュレスに代名詞ともいえるアリペイとWechatpayの料率はこんな感じ。

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 これは中国国内の料率で、日本で中国人向けサービスとして提供されているこれら二種類の決済手数料はここまで安くはなく、日本のキャッシュレス手数料よりもやや低く設定されていると聞いています。お店側からすると日本人にクレジットカードで決済されるよりも、中国人に電子決済されるほうが取られる手数料は少なくて済むというメリットがありますね。

 しかし、中国との比較だけで見ると、日本のキャッシュレス決済手数料は高いなあ。既存プレーヤーからすると新たなプレーヤーが低料率で入って来られると儲からなくなるので、何とかして既得権益を死守しようとしているのだと思います。しかしLINE Payなんかも決済手数料0でやり始めたりしており、既得権益者からすると迷惑極まりない動きでしょう。こういう動きを通じて決済手数料が下がっていくといいなあ。日本では現金以外お断りのお店が少なからずありますが、決済手数料負担を回避したいことによるのだと思います。決済手数料が下がることで現金以外お断りのお店が減っていくと消費者としても助かるし、お店の人も助かると思うのだけどなあ。

日本・中国・台湾の配車アプリ比較

 日本でライドシェア( 相乗り)サービスが禁止されていることについて「こんなばかな国がいまだにあるということが、僕には信じられない」というような発言が以前ありましたが。しかし、全世界的に見た場合、ライドシェアが受け入れられていない国がないわけではありません。中国ではライドシェアは乗り合いという概念では犯罪が発生した関係もあり、非タクシー事業者の配車アプリと呼ぶべきですが、このサービスはすでに日常化しており、今やなくては困る存在となっています。日本では一部タクシー事業者が配車アプリを始めてますね。どこまで普及しているのでしょうか。日中タクシーに乗りたいと思った時に拾いにくい印象もなく、使おうという発想になったことがありません。みんながタクシーに乗りたがる時間帯に乗りたい場面が来た時に初めて使いたいと思うようになるかと思います。そして、台湾でも非タクシー事業者が乗客を乗せることは日本と同じく禁止という考え方で、でもタクシー配車アプリは存在します。これも日本と同じですね。日本のことはさておき、中国の非タクシー配車アプリと台湾のタクシー配車アプリの違いについてみていきましょう。

 

 中国の場合、乗りたい人が目的地を入力し、リクエストすると早い者勝ちでそのリクエストの応札する運転手の情報が来ます。こんな感じです。

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 車の車種、色、運転手の苗字等が表示され、これを通じて運転手とやり取りすることができます。もしこの車が気に入らない場合、これをキャンセルして改めてリクエストすることになります。

 

 では、台湾の呼叫小黄という配車車アプリを見てみましょう。黄色という文字がついているのは、台湾のタクシーはほとんどが黄色いボディーをしていることから来ているのだと思います。さて、アプリの利用方法ですが、目的地を入力するところまでは中国と同じです。すると出て来るのがこの画面です。

 

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 配車リクエストを受けたいという運転手のリストが現れてきます。乗客はその運転手が乗車位置からどの程度離れているのか、運転手の評点なんかを確認することができます。普通の間隔だとより近くを走っている、より評点の高いタクシーを選択しますよね。選択した運転手のacceptという表示をタッチすることで配車が確定します。

 

 単純に言うと、中国の配車は運転手が早い者勝ちでで注文を取り、乗客側の選択はそれを受け入れるかキャンセルしてリクエストしなおすかになります。しかし、いったん運転手が注文を取った場合、キャンセルしてまた注文しなおすというのも面倒なので、普通はそのままその運転手が来るのを待つことになるでしょう。一方で、台湾の配車は運転手の早い者勝ちではなく、運転手は名乗りを上げることまでしかできません。乗客は名乗りを上げた運転手に対して指名する形になります。後者のほうは乗客側に選択肢があるということで、乗客側のほうが強い立場にあるといえ、運転手側は表示される評点を上げるためにも常日頃のサービスの蓄積がより求められるといえます。利用したことがないのですが、日本のジャパンタクシーの配車アプリは運転手の早い者勝ちのタイプでしょうか?調べたところ迎車料金がかかる場合がありますとのこと、ちょっとそこは残念。中国も台湾もそういう費用は発生しないですからね。

 

 配車アプリも色々と考え方の違いが垣間見えてなかなか面白いですね。

中国の人気俳優ファン・ビンビン(范冰冰)に対する処罰を検証

 脱税問題で姿を消していた範冰冰にようやく結論が出ましたね。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20181004-00000017-asahi-int

 このニュースにある通り、「範さんと関連企業による計約1億4千万元(約23億円)の脱税を指摘し、追徴課税や罰金などとして計約8億8千万元(約146億円)の支払いを命じた」ということです。ここではどのようにしてこの金額が算定されたかなどについてみていきたいと思います。

 

 まず調査結果ですが、範冰冰が《大爆撃》という映画出演で実際に得た報酬が3000万元に対して、納税申告したのが1000万元、つまり約2000万元を意図的に過少申告し、これにより個人所得税618万元と営業税及びその付加税112万元の合計730万元を脱税。これ以外にも、範冰冰及び彼女が法定代表人を務める企業が2.48億元を過少納付も指摘されています。

 

 以上の違法行為に対して、

(1)《中華人民共和国税収征管法》第三十二、五十二条の規定に基づき、範冰冰及び彼女が法定代表人を担う企業に対して2.55億元を追徴し、延滞金0.33億元を徴収。

(2)《中華人民共和国税收征管法》第六十三条に規定に基づき、範冰冰に対して契約分割により真実の収入を隠匿することで逃れた税金に対して倍の罰金の合計2.4億元、工作室口座を利用して個人報酬の真実性を隠匿して逃れた税金の3倍の合計2.39億元。

(3)法定代表人を担う企業が過少申告することで逃れた税金の1倍の罰金として合計94.6万元。

(4)《中華人民共和国税收征管法》第六十九条及び《中華人民共和国税收征管法実施細則》第九十三条の規定に従って、法定代表人を担うに起業が個人所得税を源泉徴収しておらず、過少納税に便宜を図ったということで0.5倍の罰金として各々0.51億元と0.65億元を課す。

 

 (1)から(4)までの合計が約8.8億元ということです。かなり巨額ですが、中国では日本と違って経済犯罪でも死刑判決を下されることがあります。これだけの金額は刑法的にどうなのかを見てみましょう。

 

第201条 

【脱税罪】

納税人が欺瞞、隠匿の手段を用いて虚偽の納税申告を行うまたは申告を行わない場合、逃れた納税金額が比較的大きく且つ納付税額の10%以上を占める場合、3年以下の有期懲役または拘留に処し、併せて罰金を科す。金額が巨大で且つ納付税額の30%以上を占める場合、3年以上7年以下の有期懲役に処し、併せて罰金を課す。

 (中略)

 第1項の行為がある場合、税務機関が法に依って追徴通知を 下達した後、納付税額を追納し、延滞金を納付し、すでに行政処罰を受けている場合、刑事責任を追及しない。ただし、5年以内に納税逃れを行うことで刑事処罰または税務機関に2回以上行政処罰を受けたことがある場合を除く。

第203条 

【追徴未納逃れ罪】

納税人納付税額を納付せず、財産を移転または隠匿する手段を採用して、税務機関が未納税額を追徴できないようにし、金額が额在1万元以上10万元未満の場合、3年以下の有期懲役または拘留に処し、未納税金の1倍以上5倍以下の罰金を単独または合わせて課す。金額が10万元以上の場合、3年以上7年以下の有期懲役に処理、未納税金の1倍以上5倍以下の罰金に処す。

 

 《中華人民共和国刑法》第201条の規定により、範冰冰は初めての脱税であり、かつて脱税による刑事処罰を受けたことがないということにより、この8.8億元という金額を期間内に収めた場合は刑事責任を問わないということになりました。次同じことをしたら刑事処罰ですが、今回に関しては懲役は免れるということですね。究極の刑事処罰って死刑だと思うのですが、密輸により死刑になるという条文はあるのですが、そうでない場合の脱税にはそこまではっきりと死刑になるというような文言は刑法には見受けられませんでした。ちょっとの期間を置いてまたきっと復活するのでしょう。

 

 脱税とは関係ないのですが、条文を眺めているときに見つけたのですが、中国の刑法には投降罪というのがあります。

 

第423条 【投降罪】

戦場で死ぬことを恐れ、自ら武器を投げ出し自動的に敵に投降する場合、3年以上10年以下の有期懲役に処する。状況がひどい場合、10年以上の有期懲役または無期懲役に処する。

 投降後に敵に奉仕を行った場合、10年以上の有期懲役、無期懲役または死刑に処する。

 

 これってめちゃめちゃすごくないですか?戦争になって「だめだこりゃ」という状況で投降罪、しかも投降した後に敵に奉仕してはいけないということなので、強制労働を強いられた場合死刑になるかもしれないということですよー。要するに死ぬまで戦えってことですな。精神としてはわかるけど、罪にまでなってしまうのか。。。厳しい!!!