呉明憲コンサルタントの中国ビジネス日記

中国を中心としたビジネスの最新情報を上海・東京・神戸を拠点に活動する株式会社 TNCリサーチ&コンサルティングの呉明憲が紹介します。

商社マンOBが中国をふり返る ~本音の中国を語ろう(その二)~漸く、商売が出来ました その2

私「そうですか。30にして立つ、ですね。で、大連行き出張が決まって、訪中の準備ですね?当時の中国に就いて周囲の人はどの様なイメージを抱いていました?」

M「改革開放から時間が経っておらず、情報量は今と比べ極端に少なく、具体的なイメージを抱く事は不可能の状態でしたね。それで、Tさんのアドバイスでわが社の東京の中国室にお邪魔して詳細を聞くことにしました。そのセクションにはTさんの同期で東京外大出たOさんと言う人がいましてね。この方に色々教わりました。後で分かりましたが、このOさんと言う方は学生時代の中国語の学習方法はメタメタ自分に厳しいやり方で、中国の新聞を、と言っても当時は台湾の新聞でしょうが、これを一面から大きな声で読む、不明な部分は当然辞書でチェック。この習慣を毎日続けたそうです。凄いことしてはったんだなあーー、常人には絶対真似できない、と感じましたよ。この音読法は昔小学校では皆経験して、声が良くなる、内容が理解できる、姿勢が良くなるなど長所が沢山あります。」

 

私「凄い人が居られるんですね。で、中国の話聞かれていどのように感じられました?」

M「今となっては何を聞いたか忘れましたよ。多分基本的な事を聞いたかなあーー。そうだ、このOさんは中国が大好きで、“中国は今、やっと世界に窓を開けて外の様子をこわごわとうかがっているようだが、中国人は将来は世界を制覇する、NO.1になると思っている。必ずなると自分も思っている”と言うことを言っておって、当時としては“ホンマかいな!と自分は大いに疑っていましたこと今でも印象に残っていますが、しかし、ご承知の通り、中国は今や日本を抜いて世界NO.2のGDP、2025年にはアメリカを抜いて世界一の経済大国、同時に政治大国になろうとしていますね。Oさんの言っていた事はズバリ的中と言う事でしょうね。」

 

私「御社には凄い人、がいますね。多士済々と言うかーー。」

M「まだ居ますね。敗戦後中国に留まり、解放軍のパイロットになり、朝鮮戦争ではアメリカ軍と空中戦をした人、この人の中国語を聞くと一体何を言っているのかさっぱり分かりません。軍人が話す言葉なんて、僕らが習う標準語の中国語と全く異なって聞こえてきますね。全然分かりませんよ。また上海の東亜同文書院出身の人、戦後も大連に留まり、中国人にロシア語を教えていた女性、それから私の後輩には南京大学に留学した人がいましてね、留学中に中国の全省をまわってやれ!と思いそれを実行して、あちこち回ってチベットに来たんですね。そこでね、鳥葬現場に出くわして、珍しいのでそれを密かに撮影していたら、地元のチベット人に見つかり、中国人に間違われ追い回され、酷い目に遭った人もいます。チベット人は中国人が大嫌いで、彼が中国語しか知らず、必死に”俺は日本人だ!“と言っても全然信用されなかったとのことですね。彼は公約どおり中国全省を廻りましたが、わが社では全省を回ったのは彼一人でしょう。彼は中国がとにかく好きで、まさに中国通でしたね。ちなみに小生が上海に駐在していた頃、上海人はチベットが大嫌いでした。何故かと言うと、上海の上納する税金は他の省、直轄市と比べ断トツに多かったのです。この税金は何処に使用されるか、それはチベット開発に、つまりチベットを豊かにする為使用されました。当時多くの上海人は”チベットは開発しがいのない地域“と批判しておりました。上海の街角にはチベット人があの独特の衣装を来て、地元の民芸品などを売っていましたが、彼らは皆冷たい目で見られていた様です。しかし、何故中央政府は現在もチベットをあれほどまでに強く締め付けるか、アナタ考えた事有りますか?あんな辺鄙な地域を。殆どの中国人は上海人が言っているように援助しがいのない地域と言っていますがね」

 

私「さあー、考えた事有りません。民族独立は困ると言うのは新聞などで見ますが、やはり此れが最大の問題ですかね?」

M「それもあるけど、それは皮相的な見方だね。新聞とかマスコミは取り上げないが、このチベットには大量の金が採れるのですよ。

チベットのポダラ宮とか寺院にある仏像は大量の金箔が使用されているね。小生はチベットは未訪問ですが、写真とか映像でこの金が大量に使用されている事が分かる。小生の祖父は先日話した様に戦前中国に住んで、中国人から色々情報を聞いた。その中の一つがチベットの金。私は昔祖父からこの話を聞いて、今、“なるほどなあ”と思ってますよ。この外、レアアース、所謂戦略物資も大量に埋蔵されているそうだ。この地域が欧米に傾くなら、中国にとって由々しき問題となり、紛争が勃発する危険性有り、また将来的には国家の発展は望めなくなるでしょうね。更に、インドとはカシミール地方の帰属の事で衝突を繰り返しているが、根底には戦略物資が大量に眠っているので、常に衝突は繰り返す、と見ています。」

 

続く