
中国小売市場はまだ拡大中?最新データで見る実態
─ 社会消費財小売総額と成長率の推移
「全国300店超の商業施設の2024年売上高」が発表されました。商務部のデータによると、2024年の中国の社会消費財小売総額は48.8兆元に達し、前年比3.5%増加しましたが、成長率の絶対値は下落傾向にあります。とはいってもマイナスになっているわけではありません。景気がよくないということをあちこちで聞きますが、この表を見る限りパイはまだあると考えることもできます。
全国300店超の商業施設の2024年売上高
単位:億元

売上高50億元以上の商業施設をピックアップした!

小売りは大きく実店舗販売とEC販売に分かれますが、今回は実店舗系、主にショッピングモールについて紹介します。聯商網というメディアが取りまとめた全国55都市の309施設(ショッピングモールが267店舗、百貨店が11店舗、アウトレットが9店舗、商業街区が22店舗)ありますが、この中から売上高50億元以上のもののみ抜き出した表を次に、また参考までに日本の百貨店の売上高の表を最後に張り付けましたのでご参考ください。
都市 | 商業施設 | 2024年売上額 (億元) | 前年比 売上増減 | 2024年延べ 来店客数(万人) | 前年比 来店客数増減 |
---|---|---|---|---|---|
北京 | 北京SKP | 220 | -16.98% | 1,650 | – |
北京国貿商城 | 191 | – | 2,590 | – | |
北京朝陽合生匯 | 180 | 25% | – | – | |
北京世紀金源購物中心 | 72.6 | – | – | – | |
北京朝陽大悦城 | 50 | – | – | – | |
上海 | 上海IFC | 218 | – | 2,160 | – |
上海環球港 | 215 | 5.91% | 5,830 | – | |
上海恒隆広場 | 133 | -22.20% | 2,200 | – | |
上海龍之夢城市生活中心 | 98 | – | – | – | |
上海港匯恒隆広場 | 67 | – | – | – | |
上海五角場合生匯 | 63 | 26% | 5,000 | – | |
上海前滩太古里 | 52 | 3.40% | – | – | |
上海真如環宇城MAX | 50 | – | 2,500 | – | |
広州 | 広州太古匯 | 94 | -10.70% | – | – |
広州正佳広場 | 78 | 21.88% | – | – | |
広州美林M・LIVE天地 | 58 | – | 4,200 | – | |
深圳 | 深圳罗湖万象城 | 128 | -1.54% | 2,900 | – |
深圳前海壹方城 | 82 | 8.46% | – | – | |
深圳湾万象城 | 80 | -2.50% | – | – | |
深圳万象天地 | 67 | 21.81% | – | – | |
深圳卓悦中心 | 61 | 29.80% | 4,200 | 35% | |
深圳深業上城 | 60 | 11.52% | 4,600 | 15% | |
深圳南山益田假日広場 | 53.5 | 1% | 3,600 | 20% | |
深圳印力中心 | 52.5 | 1% | 2780+ | 6.90% | |
寧波 | 寧波天一広場 | 75 | 5.63% | – | – |
寧波阪急百貨店 | 52 | 横ばい | 1,200 | – | |
杭州 | 杭州湖滨銀泰in77 | 105 | 2.94% | 9,100 | 7.06% |
杭州城西銀泰城 | 55(新エネ車含む) | 3.70% | 2,200 | -4.35% | |
南京 | 南京德基広場 | 245 | 2.50% | – | – |
南京中央商場新街口店 | 68.28 | – | 2,000 | – | |
厦門 | 厦門万象城 | 58 | – | – | – |
SM厦門综合体 | 56.6 | 24.40% | 5,600 | 31% | |
重慶 | 重慶万象城 | 70 | 3.85% | – | – |
龍湖重慶时代天街 | 50 | 横ばい | – | – | |
成都 | 成都太古里 | 98.9 | -14% | – | – |
成都IFS | 96 | -11.11% | – | – | |
成都万象城 | 75 | 15.38% | – | – | |
成都SKP | 68.75 | 25% | – | – | |
長沙 | 長沙IFS | 120 | – | – | – |
武漢 | 武漢武商MALL | 189 | 4.42% | 3,900 | – |
武漢武商夢时代広場 | 53.9 | 横ばい | – | ||
西安 | 西安赛格購物中心 | 130 | 8.33% | 3,800 | – |
西安SKP | 82 | -8.87% | – | – | |
鄭州 | 郑州丹尼斯大卫城 | 110 | 17.02% | 2,500 | – |
売上200億元超えのモールはどこ?注目のTOP4施設
─ 北京・上海・南京の超大型商業施設に注目
年間売上高がなんと200億元を超えているのが
- 北京SKP
- 上海IFC
- 上海環球港
- 南京徳基広場
の4つがあります。200億元ってざっと4,000億元、新宿伊勢丹の2023年度の売上高は約3,758億円なので、箱の大きさが違うとはいえ、このレベルのものが4つもあるということです。

伸びているところも多いのですが、かなり落ち込んでいるところも見られます。例えば、
- 北京SKP → マイナス17% (売上高220億元)
となっています。その前年まで年連続でトップだったのですが、大きく落ち込んだことで首位を南京徳基広場に譲っています。
- 上海恒隆広場 → マイナス22% (売上高133億元)
も2割以上落ちていますが、ラグジュアリー店舗中心であるが故のこの落ち込みなのでしょうか。

前年比+20%以上も!急成長モールと地方都市の台頭
─ 深圳・厦門・鄭州など、成長エリアのヒント
一方で、
- 北京朝陽合生匯 → プラス25%
- 広州正佳広場 → プラス22%
- 深圳卓悦中心 → プラス30%
- 深圳万象天地 → プラス22%
- SM厦門综合体 → プラス24%
と大きく伸ばしています。また、私の中では単なる地方都市と思っていた鄭州ですが、
- 鄭州丹尼斯大衛城 → プラス17%
で、100億元越えの売り場となっています。
1億人来店目前!客数から見たモールの集客力
─ 杭州in77が圧倒的トップ、他の人気施設は?
延べ来店客数を見ますと、延べ来店客数が5,000万人を超える商業施設は
- 杭州湖浜銀泰in77 → 9,100万人
- 上海環球港 → 5,830万人
- SM厦門総合体 → 5,600万人
- 上海五角場合生匯 → 5,000万人
杭州湖浜銀泰in77がいかに突き抜けていることがわかります。今年は1億人を突破するとみられています。来店客数が多ければいいというわけでもないでしょうが、少ないよりは多いほうがいいに決まってます。これもまたすごい数字だ。

- 寧波阪急百貨 → 1,200万人(売上高52億元)
日系の寧波阪急百貨、かなりの数字です。売上高が前年比横ばいだったようですが、それでも凄いですよね。コロナ禍に海外に行けない状況にあった時に足を伸していったことがありますが、あの時目にした「阪急」のロゴに感激したことを思い出します。

中国でB2C商品を取り扱っている企業はこのリストに上がっているような商業施設がどういう位置づけにあり、どんな店舗が出店しているのか、研究するのも面白いと思います!
(参考)【2023年度】日本全国百貨店売上高「TOP10」
順位 | 店舗名 | 売上高 | 対前年比 |
---|---|---|---|
1位 | 伊勢丹新宿本店 | 3,758億円 | +14.7% |
2位 | 阪急うめだ本店 | 3,140億円 | +20.3% |
3位 | JR名古屋高島屋 | 1,940億円 | +12.5% |
4位 | 高島屋大阪店 | 1,591億円 | +20.6% |
5位 | 三越日本橋本店 | 1,528億円 | +10.4% |
6位 | 高島屋日本橋店 | 1,493億円 | +4.4% |
7位 | 高島屋横浜店 | 1,318億円 | +11.1% |
8位 | 松坂屋名古屋店 | 1,268億円 | +7.7% |
9位 | あべのハルカス近鉄本店 | 1,211億円 | +6.0% |
10位 | 三越銀座店 | 1,047億円 | +35.6% |
各社発表の決算発表資料もとに集計
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