2009-04-24

撤退するか否かの見極め~まずは問題点の実態把握~

  日中共に景気が悪いこともあって中国でも撤退という言葉が良く聞こえてくる。撤退に関するセミナーも多く、私のところでもそのような相談も少なくない。撤退を決定するまでにはやはりプロセスがあるだろう。今日はそれを紹介してみよう。
 
 撤退を考えるからには現状が思わしくないことが前提となるが、撤退という決断を下す前に果たして撤退という方法がその時点において最適な方法なのかということをあらためて検討する必要がある。つまり、なぜ現状が思わしくないのかという問題の検証、どこに問題点があるのかという実態把握を行う必要があるということだ。時代の流れとともに産業も変化していくので、商品が今の時代にキャッチアップできているか検討したり、また過去の財務内容を時系列で比較するのも一つの方法だ。例えば過去の損益計算書から売上高推移、生産原価、粗利率、変動費、固定費等を歴年で比較してみると、何かしらの変化を見つけることができたりする。また、貸借対照表の科目を時系列に並べてみると、重荷になってきている資産には何があるのか、例えば売掛債権や在庫の負担が大きいといったことを見つけることも可能だ。これらを通じて問題の所在を把握し、将来的に改善する可能性があるかどうかをまず判断する。改善する見込みがあるということであれば改善計画を策定しそれを実行し、改善することが難しいという結論が出れば撤退という行動に移っていくことになる。

  撤退を決定したとしても次に検討すべきは撤退の時期だ。特に優遇政策を受けてきた企業であれば撤退時期を誤ることにより受けてきた優遇政策を返上、つまり返還することになってキャッシュアウトが発生したり、減免税設備の処分にあたってもキャッシュアウトせざるを得なくなってくるケースがある。これらを勘案して撤退時期のターゲットを決めるということも必要になってくる。色々と考えるべき点は多いが、まずはここから考える必要があるだろう。

(本記事は「なぜ今、企業再編か~撤退の見極め」(『Biz presso 』2007年11月20日号、12月4日号をベースとしたものです)

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