2009-06-19

日本郵政問題 ~ 鳩山 VS 西川 ~

  ここ最近鳩山総務大臣の辞任(更迭)について騒がれている。遅ればせながらこの問題についてちょっと考えてみたい。

  そもそもこの騒動は日本郵政問題に対する考え方の違いによるものだというのはいわずもがなだろう。ここでまず日本郵政問題とは何かを振り返る必要があるだろう。マスコミ報道を見る限りでは日本郵政が持つ資産を格安でオリックスに譲渡しようとしたというが発端となっている。私もこの報道を見ていて、こんな立派な物件をそんな値段で売るのはけしからんと思っていたうちの一人だ。しかしながら、最近ある文章を読んで全く考えが変わった。そもそもこれは事業譲渡であり不動産譲渡ではないというものだ。マスコミは不動産評価額に対して売却価格が低すぎることを問題にしている。私もそのように勘違いさせられていた。しかしこれは単純な不動産売却ではなくてあくまで事業譲渡なのだ。譲渡するのは不動産だけではなくて従業員等を含む事業そのものを譲渡するのだ。日本郵政としては不採算事業だから外部宛に売却しようとしたわけで、そもそも抱えているほうが業績にとってマイナスだという判断から事業ごと売却しようとしたのである。不動産の評価額と事業の評価額は全く別物だ。例えば銀座のクラブがあったとする。このクラブの店舗だけを売却する場合と、事業そのものを売却する場合とでは自ずと値段も異なってくるだろう。儲かっているクラブであれば高く売れるであろうし、そうでなければ易く売らざるを得ない。特に儲かっているクラブであれば既に出来上がっている商売を購入することになるので高くなって当たり前だ。 こんな会話で例えてみよう。

売主 「呉ちゃん、クラブ買わない?店舗だけじゃなくて従業員からなにまで含めた商売ごと。」
 
呉  「いくら?」
 
売主 「場所はいいんだけどあんまり儲かってないから100万円でいいよ。」
 
呉  「毎月どれくらい儲かってるの?」
 
売主 「毎月100万円くらいの赤字かなあ」
 
呉  「そんなに儲からないクラブを100万円で売るなんてあんまりでしょう。無料で譲ってくれてもいいんじゃないのと言いたいくらいだよ!」
 
売主 「呉ちゃんにはまいったなあ。しょうがないや、じゃあ10万円でいいや、もってけドロボ-!」

というような会話は十分に考えられるだろう。なんとも微笑ましい会話じゃあーりませんか(実際はこんな微笑ましくないのだろうが)。不動産価値だけを見ると場所はいいかもしれないが、事業としてみると儲からないので値段は安くならざるを得ないのだ。

  不動産の要素を全く無視するわけにもいかないが、事業譲渡である以上事業の採算性をベースに価格が決められるべきなのだ。かんぽの宿も同じで、事業として不採算だから不動産評価額云々ではなく事業価値として表面的に格安な金額になってしまっただけなのである。これを理解できれば日本郵政の西川社長に対する批判は的を得ていないことが自ずとわかるだろう。むしろ批判されるべきは売却を阻止してしまった鳩山さんにあるのではないだろうか。こんなことになってしまったため、買い手は事業性に基づく正当な価格で購入することができなくなってしまったのだ。逆に言えば日本郵政は不当に高い値段で購入してくれる先を探さなければならないのだが、現実的にはそれは難しいだろう。西川社長には自身の考え方が間違っていないことを証明するためにも、ここで意地を張ってもらってぜひとも続投してもらいたい。

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