2009-08-26

クロスボーダー人民元決済の利用状況がいまいちだ

  とある上海の試点企業が、上海で通関する際に輸出核銷単が不要だったものが、深圳で通関しようとしたときに輸出報関単には必ず核銷単が必要だと言われ、最終的にはあらためて米ドルで通関したという話がある。結局、実務の細かなルールが統一されていないため、場所によって取り扱いが異なってしまっているのである。《クロスボーダー貿易人民元決済試点管理弁法》では「通関及び輸出税額還付(免除)を行うときには外貨核銷単の提出を必要としない」という文言がちゃんとあるのだが。。。一方で、税額還付については「関連規定に従って輸出貨物税額還付(免除)政策を享受する。具体的な輸出貨物税額還付(免除)管理方法は国務院税務主管部門が制定する」とだけあり、これは確かに細かに定められてはいない。

  上海では過渡的措置として企業が輸出報関単正本と国内増値税発票正本を提出すれば税額還付を認めており、国家税務総局と税関総署が正式な実施細則を公布した後にその規定に従って統一的に執行することにしている。実務面で先行している形だ。

  一般的に多くの中国国内企業は様子見状態である。輸出税額還付等の政策が明確になっていないこと、人民元高の期待が弱まっていること、中国国内試点企業の人民元決済に決して積極的でないこと、これらが主な原因となっている。

  活用してもらうためには結局企業が「人民元決済したい」と思う土壌作りが必要になってくる。そのためには、人民元の為替リスクの問題を別にすると、中国国内企業が人民元決済は便利である、国外の貿易相手が人民元決済を受け入れるというのも大事になってくる。また、そもそもの試点企業の数自体も少なすぎる。上海で92社、中国全土でも365社に過ぎない。

  中国人民銀行条法司の司長である李波氏と財政部税政司の副司長である鄭建新氏が24日に関連規定をまさに策定しているところであると発言している。李波氏は関連規定が出揃った後に、今度は中国国内の試点範囲、試点区域、試点企業を増やしていく意向を示している。

  現在のところ、《クロスボーダー貿易人民元決済試点管理弁法》が中国人民銀行、財政部、商務部、税関総署、国家税務総局、銀行監督管理委員会の連名で、《クロスボーダー人民元決済試点管理弁法実施細則》が中国人民銀行単独で公布されている。結局のところ、税関総署や国家税務総局による《実施細則》レベルの通達が発表されないと企業も身動きをとりづらいということだ。これらは既に策定中と言うことなので、正式に公布されればまた風向きも変わってくるのだろう。

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