2009-10-17

影響力利用収賄罪

  最高人民法院、最高検察院が《〈中華人民共和国刑法〉の罪名確定の執行に関する補充規定(四)》を発表し、10月16日より執行することになり、これにより「影響力利用収賄罪」という罪が追加されることになった。

 「影響力利用収賄罪」とは主に国家工作人員の近しい親族及び関係が密接な人を対象に制限するものである。規定によると、これらの人たちが当該国家工作人人員の職務上の行為を通じて、または当該国家工作人員の職権または地位が形成する便宜条件を利用して、その他の国家工作人員の指す。そして金額が特に巨大またはその他状況が特に重大である場合、7年以上の懲役に処し、あわせて罰金または財産の没収を行うものとしている。

  このほか、離職した国家工作人員、またはその近しい親族及びその他関係が密接な人が、当該の離職した国家工作人員の元々の職権を利用して、または地位が形成する便宜条件を利用して上述行為を行う場合もまたこの基準に照らして罪を決定し処罰するとしている。

  1997年10月1日より施行されている《中華人民共和国刑法》では収賄罪の犯罪主体は国家工作人員に限られていた。そして、今年2月に通過した《中華人民共和国刑法修正案(七)》の中で、収賄罪について専門的に規定しており、「国家工作人員の近しい親族または関係が密接な人、離職した国家工作人員またはその近しい親族及びその他関係が密接な人」もまた対象とすると既に定められており、今回の新ルールはまさにちゃんと執行させるための補充規定といえる。

  悪い意味で非常よく行われている典型的な行為を制限する内容となっている。中国の場合、国家で定めているルールを地方が遵守しないというケースが見られるというのはよく言われることである。遵守されない理由としてそもそもその対象者であるここでいうところの国家工作人員の理解が欠落しているというケースも少なくない。今回発表されたルールについてはさすがに理解が欠落していることを理由に執行されないということはないだろうが、「職務上の行為を通じて、依頼人のために不正当な利益を獲得し、その対価として依頼人の財物を要求する、または依頼人の財物を受け取ること」というのは今もなおしょっちゅう耳にする。実際に新聞等でも贈収賄事件についてはよく取り上げられているが、新聞に取り上げられるレベルの大物であり、小物レベルだともっともっと件数的には行われているだろうし、渡す側・渡される側とも罪の意識はきわめて低い、というよりもそうするのが当たり前と思っているケースも少なくないだろう。個人的には小物レベルにまで厳密に新ルールが浸透して欲しいのだが、渡す側・渡される側の意識の変化を伴うものであることから、現実的にはまだまだ時間を要するだろう。「わかっちゃいるけどやめられない」というやつだろう。

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