2010-01-17

中国不動産バブルの行方はいかに

  日本のバブル全盛時において不動産や株式市場が下落するわけがないという雰囲気が蔓延していた一方で、少数派ではあったが一部で警鐘を鳴らしていた人もいた。株式はさておき、中国の不動産市場もバブル状態にあると思うのだが、周りに聞く限りでは少し不安を感じつつもまだまだいけるような見方をしている人が多いように思う。

中国の学者でもそれぞれの見方がある。

悲観派
 天則経済研究所の茅理事長は中国の不動産市場は既にバブル状態にあり、はじける可能性が高いと見ている。不動産バブルをどのように終結させるかが課題であると考えており、これだけの不動産バブルを理想を言えばゆっくり時間をかけて解消できればいいのだが、現実的な可能性としてバブルがはじける可能性が高いと見ている。理事長のバブルの定義として「空室率が非常に高く、建築済みで未売却の空室、特に既に売却していながら空室となっている不動産」としているが、確かにこのような不動産は多い。

 バブルの主な原因は、中国の大量の民間資本と民間貯蓄が経済成長を促す投資とならないことにあると考えており、つまり投資運用先が不足していることから、不動産購入を一種の貯蓄のようなものとしている状況が現れていると考えている。現在のところ民間投資の機会は限られており、利益獲得水準も低く、銀行利息も低い。そのため、多くの人が預金を不動産に変えてしまう結果となっているが、このような流れは全体の経済構造における非常に大きな問題であると見ている。

楽観派
  清華大学の秦教授は不動産バブルの状況は認めつつも、楽観的な見方を示している。株式、不動産市場とも基本的に「政策市」(政策により作られる市場)だからというのがその理由だ。政府の能力は非常に高く、政策要素の部分が大きい市場でもあるので政策次第で解決できる問題だということだ。個人的にはこれはちょっと考え方が甘いような気がする。

  日本のバブルと違って所得格差が大きい中でのバブルなので、低所得層だけではなく中所得層にとっても受け入れがたい市場となってしまっている。現在中国では「蝸居」というドラマが流行っている。「蝸居」とは直訳すると「カタツムリの家」だが、中国ではいわば猫の額ほどの狭い家を意味する。そしてこのドラマは家を買うために高いローンを背負う人たち(房奴)を描いたものである。リアルの世界で同じ境遇にある人が多いことから感情移入しやすく非常に人気のあるドラマである。昨年上海の新聞である東方早報が行ったアンケートによると、上海市民の77.57%が「蝸居」で描写している住宅購入が難しいという問題が普遍的なものであると考えており、72.24%の市民が住宅価格は高すぎて受け入れられないレベルにきていると考えている。しかも日本と違うのは結婚するにあたって住宅を保有していることを条件とするケースが多いことだ。

  このアンケート結果でわかるように、結婚に当たって賃貸住宅は受け入れられないというのが半分を超えてしまっている。家賃を払うくらいだったらローン返済するほうがましだということのようだ。この考えもわからなくもないが、結婚する年齢層の人たちががこの住宅バブルの中で住宅購入するなんてあまりにも非現実的に思えて仕方がない。でもここの部分は文化の問題なので、この考え方を変えていくことはバブル解消よりもずっと難しいだろう。

  不動産市況は今後どうなっていくだろうか。個人的には前々から気持ち悪いといい続けているのだが。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です