2010-02-01

中国の日本人留学生の就職事情

  中国で留学している日本人留学生が2007年末現在で約19000名いる。2003年にSARS騒動で激減したときを別とするとここ数年は安定的に推移しているといえる。
 
   中国に留学する日本人留学生には語学研修だけを目的とした者もいれば中国人の一般の大学生に混じって本科生として勉学に励む者もいる。中国留学の目的は様々だが、中国の経済大国化を睨んでやって来た者が少なくなく、現状を見る限りその狙いは間違ってなかったといえるだろう。せっかく中国で勉強したのだからそのまま中国で就職しようと考える者も少なくない。しかしながら、現実問題として中国で留学した外国人留学生は過去に仕事経験がない場合就業ビザを取得するのが難しいという現実がある。確かに中国の新卒学生の就職が難しい中であえて外国人に対して就業を認める必要があるのかという現状はわからなくもないが、単なる語学留学であればともかく、一般の中国人学生に混じって勉学にいそしんだ学生が単に仕事経験がないからだけという理由だけで就業ビザを取得できない状況についてはどうにも不公平感を感じざるを得ない。もちろん、中国での就職を熱望してそのまま就職している留学生もいるが、雇用側の会社がかなりの程度協力する必要があり、新卒学生に対してそこまでの支援をしてくれる企業は少数派といえる。

 この現状に対して日本人留学生はどのように考えているのかを聞いてみたところ、意外とサバサバした回答が帰ってきたのが意外だった。「そもそも中国で就職するつもりがなかった」、「中国での就職は難しいという現実はわかっていたのでそんなにこだわらなかった」といったものだ。おのずと日本で就職することになる。

  一方で、経済のグローバル化に伴い、外国人留学生の日本での就職は増加してきているようだ。2002年から2007年までの外国人留学生の日本での就職者数推移は次の通りだ。 

 
(出典:財団法人入管協会発行『国際人流』第256号)

2006年と2007年については国別の内訳も見てみよう。

  外国人留学生のレベルも上がってきており、好んで外国人留学生を採用する企業も出てきている。志の高い人が多いようだ。ローソンではアジアからの積極採用は08年から始めている。同年におい中国人を9人、ベトナム人を1人採用している。2009年は110‐130人の新卒を採用する計画で、このうち30人~50人が中国人を中心としたアジア人になるという新聞報道があった。2008年の5倍の採用ということになる。

  元に戻って中国に留学した日本人留学生について見てみよう。日本人留学生が日本で就職する場合、アメリカのA大学を卒業した、イギリスのB大学を卒業したということであれば、その大学の知名度もあり日本の企業としてもおおよそのレベル感がわかり採用もしやすいようだ。しかし、中国の大学となると一般的な知名度はまだそれほどでもなく、どの大学がどの程度のレベルなのかを知るのはこれからという企業も多いようだ。そんな中でも中国の日本人留学生向けに就職説明会を行っている企業も現れ始めているので、日本人留学生に対する見方も変わりつつあるといえるだろう。また、中国への留学というのは変り種ということもあって珍しがられるケースも少なくなく、現に有名企業へ就職できている者も少なくない。結局は本人次第なのはどこで勉強してどこで就職活動しようと同じことなのだろう。ある留学生からこんなコメントをもらった。

  「中国に留学していると本当に視野が広がります。こんなにも世界各国の人と交流できる社会主義国家は中国だけだと思いますし、チャンスもそして困難もあふれているからです。
ここで私が得た武器は、語学ではなく向上心や好奇心、そして外国人に対する偏見を持たない心だと思っています。」

  中国の日本人留学生の就職活動は1月に大学の前期試験が終わった後の休み期間を利用して行われるケースが多い。まさにこれからだ。是非満足できる就職活動を行って欲しいと思う。

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です