2010-02-03

労働紛争の暴力化

  労働紛争が暴力化傾向にある。1月15日に会社の労使紛争問題に不満を抱いた蘇州聨建(中国)科技有限公司の2000人あまりの従業員が集まり抗議を行い、その中で暴力行為が見られた。労使が衝突した直接の原因は賞与がなくなるという噂がきっかけだったようだが、根本的にはこの会社の従業員管理、賃金計算、賞与福利等の面で長きに亘って問題がくすぶっており、非常に緊迫した状態が続いていたという。

 全国総工会の「国際金融危機背景化の企業労働関係と従業員権益状況調査」によると、調査を受けた工会主席の50.4%が「今後一年が集団労働争議が集中する爆発期」という表現に対して「賛同」または「はっきりと言えない」と回答している。同時に、「今後一年に集団性事件が発生する可能性が明らかに増加する」という表現に対して55%が「賛同」または「はっきりと言えない」と回答している。要するに約半分の工会主席は労働争議が増加することを予想している。労働争議が増加すれば上に紹介したような暴力的な行為が発生する頻度も上がっていくことが十分に考えられる。

  日系企業でも例えばリストラされた従業員から暴力的な抗議活動を受けたケースがあるという。さんざん設備等を蹴飛ばすような破壊行為を行っていながら、その要求内容が再雇用だという。こんなことされたら企業としては再雇用したくてもできないのは自明の理だと思うのだが、冷静に物事を考えることができないようだ。権利意識の高まりから個人ではなく集団での抗議活動につながっているとの分析を見たが、抗議を行うというところまではわかる。しかし、暴力・破壊活動となると穏やかではない。上記の例では長きに亘ってくすぶっていた問題が一気に爆発したとのことだが、今一度自社の中で従業員が不満に感じていることを拾い上げてみる必要があるだろう。一つ一つの不満が小さなものであっても、積もり積もればまさに「ちりも積もれば山となる」である。単なる抗議活動だけならともかく、暴力・破壊行為にまで訴えられたらたまったものではないので、何らかの機会にこのあたりをよく把握しておく必要があるといえるだろう。

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