2010-07-25

エルメスが中国で独自ブランドを展開へ

 エルメスが9月中旬に上海で自社ブランド「上下」(Shang Xia)を展開することになった。同ブランドは中国人によるデザイン、中国人によるハンドメイドであり、中国のみで展開される。ナイキがボリュームゾーンへ参入することについて紹介したばかりで、この新ブランドの価格等のポジショニングはわからないが、それと同じような動きだろう。ナイキと違うのはブランド名を変える点だ。エルメスというブランドは数あるブランドの中でもかなり高価な部類に入る。そのため、中国市場においてはエルメスよりも低価格ながらブランド知名度のあるルイヴィトンやグッチのように広範に展開するには制限があった。現在中国内での店舗数は20店にも満たない。バーバリーも先般香港の不動産会社から中国本土の50店舗のフランチャイズ権を買い取ったことを発表しており、中国での販売を強化しようとしている。このような他ブランドの後塵を拝する状況を打開するというのが今回の狙いといえる。しかしながら、ここでmade in China の製品がどこまでブランドとして浸透できるのかという問題がある。そのバーバリーも中国生産に移転すると発表されたときにはかなり話題になった。今回のエルメスの決定も別ブランドとしての立ち上げとはいえ、made in China というブランド力を感じられないものがどこまで受け入れられるのかというのはいわば実験といえる。「上下」(Shang Xia)ブランドが成功すれば中国以外にも展開していくとのことだが、いかに現在の「エルメス」ブランドの価値を保ちつつ、新ブランドを展開していけるのか、ボリュームを追いかけようとするのであれば今後もこのような動きが出てくるだろう。ブランド品は確かに品質はいいのだが、それ以上に永年、いや歴史的にといったほうがいいかもしれないが、いずれにせよ長期にわたって培ってきた信用のようなものを拠り所にしているといえる。そのため、中国というブランド信仰の強い国で中国発のmade in China の商品を展開していくというのは、注目に値するといえるし、他社としてもこの動きを見ていくのは大いに参考になるだろう。

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