共産圏
最近尖閣諸島問題がメディアをにぎわせている。個人的に思うところはあるが、本ブログではこのような政治的な問題について触れるつもりはない。しかし、この一連の動きの中で気になった点がある。発言内容だ。特に中国側の。単なる主張だけであればいいのだが、それを超えてしまっている発言が目立つ。いくつか取り上げてみよう。
中国外務省の馬朝旭報道官
「日本側が独断専行し、過ちの上に過ちを重ねるなら、中国側は強烈な報復措置を講じる。その全ての結果は日本側が負うことになる」
温家宝首相
「日本側が独断専行すれば、中国はさらなる行動を取る。発生する一切の深刻な結果は、すべて日本側の責任だ。」
中国外交部の王光亜副部長(外務次官)
「日本側が船長を即時無条件解放しないなら、中国側は強烈な報復措置を講じる。その全ての結果は日本側が負うことになる」
姜瑜報道官
「中国側は事態の発展を注視し、今後さらなる対応をとる権利を保留している」
この一連の発言を聞いてふと思った。北朝鮮の発言と似てはいないかと。ということで、北朝鮮が行ってきた発言についてみてみよう。
朝鮮外務省の報道官
「もし敵対勢力が安保理の議長声明発表後も、依然として武力による威嚇と制裁に固執すれば、朝鮮は必ず強い反応を示すだろう。これによって引き起こされた衝突拡大の責任は、すべて敵対勢力にある」
朝鮮人民軍総参謀部報道官
韓米合同軍事演習に対して「最も厳しい軍事対抗措置を講じる」
朝鮮人民軍総参謀部報道官
「韓米が近く実施する合同軍事演習は、その規模、内容、性質のいずれにおいても、われわれを標的にした『全面戦争演習』『核戦争演習』だ」
朝鮮人民軍西部前線司令部
韓国軍の海上射撃訓練について「単なる訓練ではなく、わが領海に対する露骨な軍事侵攻行為であり、不法な『北方限界線』を固守しようとする無謀な政治的挑発だ」
なんか時代が100年くらい戻ってしまったような気がする発言だ。この二国で共通しているのが、単なる主張以上のメッセージ性を有している点だ。私個人が誰かとトラブルを起こし、以上のような発言をされるときわめて不快に感じるはずだ。相手を不快にさせることを目的としているとしか言えない。また、発言内容も脅迫まがいといわざるを得ない。なんというか、ドラマでしか聞くことないセリフで、「○○さん、確か小学校に通う娘さんがいましたよね」と娘さんに危害を加えることを匂わせるようなのがあるが、こんなのよりももっとストレートだ。
毎日上海で生活していて特に困ることもないのだが、このような一連の発言を聞いていると、上海はこんなに発展したとはいえ、中国もやっぱり共産圏なんだなあと感じる。なんというか、ものの言い方が共産圏チックなのだ。資本主義と共産主義はやはり相容れないものなのだろうか。
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