2010-09-27

信頼と可愛がり

 カルフールがシンガポール、マレーシア、タイにある資産をイギリスのTESCO、フランスのCasino、日本のイオン等といったところに売却しようとしている。カルフールが言うには、二次的な市場から退出して中国等の潜在市場を拡張していく計画とのことだ。しかし、カルフールは以前にも紹介したように店長の権限が弱くなり、それもあって店長レベルがどんどん退職しているというのを紹介したことがある。人材が流出して行ったり、管理レベルも下がり、店舗あたりの売り上げも下落している。

 

 ウォルマートに店舗数でも抜かれてしまったカルフールも今年は買収による拡大の動きも出ている。保龍倉の51%の持分を買収し、これにより11店舗増加する。しかし、カルフール中国の管理層の中で、この買収はたまたまのものであると発言している人がいる。カルフール内部には買収を専門とする舞台もなく、買収を高度な戦略としているわけでもないようだからだ。カルフールは毎年20%店舗を開店しようとしているが、これもウォルマートよりは緩やかなペースとなっている。

 

 カルフール中国地区で長らく幹部を務めていた丁利国氏によると、カルフールの中国地区の政策決定層の現地化が逆戻りしていることが現在のカルフールの低調につながっているとの見方をしている。90年代末にカルフールがどんどん拡張していっていたときというのは、カルフール中国は総裁が外国人であった意外は、部門総監、区域経理等の政策決定層は台湾人、大陸人で半分以上を占めていた。ところが現在は総裁、高級副総裁といった政で構成される政策決定層に華人は一人もいない。本部の権限集中というのがその理由のようだが、それにしても全て外国人で固めるというのがナンセンスだ。これはひょっとすると現地職員のことを信用していないということだろうか。確かに、肝心かなめな部分は本社主導でもいいだろうが、この体制だと現地職員に対するリスペクトが無さすぎやしないだろうか。自分たちが信用されていないと気付いた現地職員はどうなるだろうか。これは立場を自分に置き換えてみればいいだろう。何かやろうとしても結局は信じてもらえないとなると、間違いなくモチベーションに影響するだろう。以前日本で同期の同僚が言っていたのを思い出す。「人間って気持ちで動くんや」。そう、気持ちで動くのである。また人が動くにあたり、その人が自分がどれだけ可愛がられているかというのもかなり重要だと思う。人によって色んな思いがあるかと思うが、この考え方は間違っていないだろう。

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